ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 814番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
家庭での作文の教え方14 尊敬語と謙譲語 as/814.html
森川林 2010/03/05 02:56 




 先生に対する話し方で、小学3年生までは、「先生、これとって」という言い方をする子がほとんどです。低中学年は、親しみを持ってもらう方が勉強を進めやすいので、そういう言い方でもかまいません。

 しかし、小学5年生以上になると、機会を見て、「先生、これをとってください」と改めるようにします。高学年からは、ある程度けじめをつけた方が勉強を進めやすくなるからです。そのとき、一緒に、「お父さんが」「お母さんが」という書き方を、「父が」「母が」という書き方にするように説明します。


 さて、敬語の使い方で間違いやすいものがいくつかあります。


 第1は、二重敬語です。

 「言う」の敬語として「言われる」「おっしゃる」がありますが、これを重ねて「おっしゃられる」とするのは二重敬語です。間違いというほどではありませんが、やや不自然です。


 第2は、謙譲語を敬語として使ってしまう場合です。

 「申す」「いただく」「うかがう」「おる」「まいる」「いたす」などは謙譲語ですが、「(目上の人が)申されました」「(目上の人に)いただいてください」「(目上の人に)うかがってください」という言い方をしてしまうことがあります。


 第3は、「お○○する」「ご○○する」は謙譲語だということです。

 「私があなたにお話しする」は謙譲語です。だから、「あなたが私にお話しする」は、謙譲語を相手に使っていることになります。相手の尊敬語として使う場合は、「あなたが私にお話しいただく」「あなたが私にお話しくださる」などになります。

 「私がご連絡します」「私がご案内します」も、謙譲語です。だから、「あなたがご連絡してください」「あなたがご案内してください」は、謙譲語を相手に使っていることになります。「あなたがご連絡ください」「あなたがご案内ください」が尊敬語です。


 「私があなたにご連絡します」「私があなたにお知らせします」というのは、自分の言うことに「ご」や「お」をつけておかしいのではないかと思う人もいるかもしれませんが、これは、自分の動作に対する「ご」や「お」ではなく、相手に対するていねいさを表すものですから間違いではありません。


 第4は、外部の人に、自分の身内の目上の人のことを話すときに尊敬語を使ってしまうということがあります。

 例えば、会社の外の人に、「うちの会社の社長がおっしゃっています」などと言ってしまう場合です。この場合は、「うちの会社の社長が申しております」が謙譲語で正解です。


 中には、身内の人に尊敬語を使うだけでなく、更に多重敬語を使ってしまう人もいます。

「うちの会社の社長がおっしゃられておられます」


 更に、ていねいな言い方をしようと思って、「社長」を「お社長」などと言ってしまうのも、やはり正しい敬語とは言えません。

「あ、お社長、これは、この間旅行に行ったときのお土産です」

「ほう、ありがとう。何だね」

「お奈良漬です」

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

記事 813番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
家庭での作文の教え方13 常体と敬体 as/813.html
森川林 2010/03/04 04:59 



 常体は、自分の心の内部に確認しながら書く書き方です。ですから、日記や思索などは、常体で書くのが一般的です。

 「果たして、あれでよかったのだろうか。僕は、それでよかったのだと思う。」などという書き方です。


 敬体は、他の人に呼びかける言葉づかいです。したがって、手紙や対話などは、ていねいな敬体が一般的です。

 「果たして、あれでよかったのでしょうか。私は、それでよかったのだと思います。」などという書き方です。


 小学校の国語の教科書では、小学4年生までは敬体の方が多くなっています。しかし、小学5年生から、常体と敬体が半々になり、やがて常体の方が多くなってきます。それは、教科書の内容が物語的、対話的なものから、次第に説明的、思索的なものに変わっていくからです。


 読書でも、やさしい物語文は敬体が多く、難しい説明文は常体が多いという傾向があります。

 したがって、一般に、高校生で敬体を書きがちな子は、あまり本を読んでいないといえます。逆に、小学校低学年で常体を書きがちな子は、よく本を読んでいるという傾向があります。読書好きと常体は、意外と高い相関があるのです。


 常体で書く子は、ほぼ共通して作文が得意です。敬体で書く子には、得意な子も苦手な子もいます。

 作文や小論文の試験では、常体の方が書きやすいというのは、意見を論じるようなテーマが多いからです。

 また、常体は、文末の変化をつけやすいという利点があります。敬体は、いつも同じような「です」「ます」「でした」「ました」になりますが、常体は自然にさまざまに変化します。

 日本語は、英語などに比べて文末が同じ単調な形になりやすいので、その点でも常体の方が文章を書くことには向いているようです。しかし、手紙的なものは敬体の方が自然なので、志望理由書などは、常体と敬体のどちらでも書きます。


 昔の日本語は、この文末の単調さを避けるために、なかなか区切りの来ない、だらだらした文を書くか、一律に「候(そうろう)」で終わる形式で書きました。

 しかし、現代の日本語は、平均40-50字ぐらいの文で区切るのが一般的です。そして、文末も単調にならないように工夫しなければならないので、昔よりも文章を書くことが難しくなっています。


 面白いのは、話し言葉です。大抵の場合、話し言葉は昔の日本語のように、句点のなかなか来ない、だらだらした文として続きます。

 「果たして、あれでよかったのでしょうかというと、私は、それはそれでよかったと思うのですが、また、一方では、それはよくないのではないかという人もいて、まあ、いろいろな考え方があるのではないかという気がしますが、私はやはり……」と延々と続いていっても、聞き手はあまり違和感を感じません。文末の単調さを避けるために、日本語は文末がなかなか来ない文になる傾向があるのです。


 さて、常体と敬体は、混ぜないのが原則ですが、混ぜる書き方を意識的にする人もいます。

 「形容詞+です」という形の「うれしいです」などは、昔は間違いと言われていました。現在は、「うれしいです」も認められています。しかし、まだ言葉の感覚として抵抗を感じる人も少しいるようです。
 敬体の文章の中に、「うれしい。」という形が入っても、敬体と常体の混用ではないので間違いではありません。


 このようなことを考えると、将来は、常体と敬体の区別はあまりうるさくは言われなくなるような気もします。しかし、現在では、敬体と常体を混ぜて書くと、区別があることを理解していないと見なされ、作文試験では、大幅減点になります。


 言葉の森では、常体と敬体の区別を知るために、小学4年生までは敬体で書く練習をし、小学5年生からは常体で書く練習をしています。

 敬体と常体の区別は簡単です。敬体は、「です」「ます」「でした」「ました」だけです。せいぜい、「でしょう」「ましょう」「ません」が付け加わるだけです。だから、それ以外が常体と考えておけば、読み返すときに、常体と敬体が混じっていないかどうかを確かめることができます。


 と、真面目なことばかり書いているとつまらないので、もうひとこと。


 さて、話し言葉では、常体、敬体以外の形もよく使われます。

 「僕は、君が好きだ。」「僕は、あなたが好きです。」というかわりに、「僕は、あなたが好き、なんて言っちゃったりして。」というような言い方です。

 やがて書き言葉にも、こういう便利な形ができるようになるかもしれません、なんて言っちゃったりして。

 というのは、冗談だよーん。(こういうのもあった)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

ねるねる 20190810  
とてもわかりやすかったです。
ありがとうございます。
質問してもいいですか?
〜を知っていますかの常体は何というのですか。
良かったら、教えて下さい。

森川林 20190810  
「知っているか」です。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

記事 812番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
作文をどうしたら速く書けるようになるか as/812.html
森川林 2010/03/03 04:04 




 作文を書くのが遅い理由は二つあります。

 ひとつは、書くための中身がないことです。これは、材料を豊富にする、熟考するということで対応していくしかありません。構成図を書くことによって材料を広げていくということが役に立ちます。

 もうひとつは、書き直しが多いために速く書けないという場合です。書くのが遅いという場合、ほとんどがこのケースです。

 話し言葉では、普通、言い直しをしながら喋るということはありません。

 通常の会話は、

「昨日、海に行ったのよ」
「へえ、どこ」
「城ヶ島」
「あ、そう」

というふうに進んでいきます。

 ところが、これを文章に書こうとすると、考える速さの方が書く速さよりもはるかに速いので、書きながら考えが次々とわきあがってきます。

「私は、(えーと、私じゃなくて私たちの方がいいか)。昨日、(じゃなくて、昨日の朝としておこうか)。海に、(というよりも城ヶ島の海に、と書いておこうか)。行きました、(と書いてもいいけど、ドライブに行きました、と書こうか)」

などと次々と考えながら書いていきます。

 話し言葉では、話すスピードと考えるスピードが同じなので、こういう言い直しは起きませんが、書き言葉では、書くスピードの方がずっと遅いので書き直したくなるところが次々と出てくるのです。

 体験学習などで子供たちが作文を書いた机のあとを見てみると、消しゴムのカスがたくさん残っています。パソコンで書くときには消しゴムのカスは残りませんが、同じような書き直しがたくさんあるはずです。

 書き直すというのは、よい文章を書くために推敲するというプラスの面もありますが、ただ書き直すのが癖になっていて、とりあえず書いておいて、あとから書き直すという習慣が定着しているということも多いのです。

 したがって、文章を速く書くための対策は、ひとつひとつの文をあとから書き直さないつもりで書くということになります。

 そのためのひとつの方法が、手書きの場合は消しゴムを使わないということです。書き間違いは当然ありますが、消してもいい書き間違いは1文字だけとしておきます。2文字以上を続けて消すというのは、書き間違いではなく文を書き直していることになるからです。

 もうひとつの方法は、制限時間を決めておくということです。これは、全体の時間を決めるだけでなく、途中の時間も決めておくことが大事です。全体を4つぐらいの段落で書く場合、作文試験の場合は、全体の2分の1の時間で、字数は4分の3まで書くという配分で書いていきます。普段の練習では4つの段落をそれぞれ4分の1ぐらいの時間を目安にして書いていきます。

 消しゴムを使わない、制限時間を決めておく、という以外のもうひとつの新しい方法が、いったん音声入力をしてから書くという方法です。

 この方法はまだ一般的ではありませんが、今後、だれでもが簡単にできるようなものにしていく予定です。

 音声入力では、構成図を見て、自分が書こうとする文章を最初に全部音声で入れておきます。あとでテキスト化しやすくするために、1文ずつ切りながら入れておくのがコツです。音声で入れるときは、考えながら言うのではなく、普通に話すときと同じスピードで入れるようにします。音声を全部入れ終わったら、1文ずつ再生して文章にしていきます。

 音声化して書くスピードに慣れておくと、普通に書く文章も書き直しをせずに一度で書けるようになってきます。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文の書き方(108) 音声入力(10) 

記事 811番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
本日、東京都文京区から体験を申し込まれた方 as/811.html
森川林 2010/03/02 20:53 

 本日3月2日午後6時半ごろ、土曜日9時の体験学習のお申込みいただいた「東京都文京区」の小4女子の保護者の方、お電話番号が書いてありませんでしたのでお知らせください。<(_ _)>
 電話0120-22-3987(9:00-20:00)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生徒父母連絡(78) 

記事 810番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
合格情報 as/810.html
森川林 2010/03/02 10:43 
 生徒のみなさんからこれまでにご連絡いただいた合格情報です。(50音順)
2010年3月18日追加



宇都宮女子高校
栄光学園中学校
愛媛県立松山東高等学校
延暦寺学園比叡山高等学校比叡山中学
大阪市立咲くやこの花中学校
開智中学校
香川県立高松北中学校
春日丘中学校
神奈川県立鎌倉高等学校
京華女子中学校
京都産業大学附属中学校
京都市立紫野高等学校
京都大学医学部
京都府立東稜高等学校
京都府立洛北中学校
慶應大学法学部
恵泉女学園大学
公文国際学園中等部・高等部
群馬県立中央中等教育学校
甲陽学院中学校
静岡大学教育学部附属静岡中学校
頌栄女子学院中学校
湘南白百合学園中学校
城北中学校
白百合学園中学校
西武学園文理中学校
仙台市立仙台青陵中等教育学校
玉川大学教育学部
千葉県立千葉中学校
津田塾大学英文学科
東京純心女子中学校
東京女子大学
東京大学文科一類
東京都立桜修館中等教育学校
東京都立白鴎高等学校附属中学校
東京都立三鷹中等教育学校
東北大学理学部
長崎日本大学中学校
奈良女子大学附属中等教育学校
新潟県立燕中等教育学校
新潟大学教育学部附属新潟中学校
新潟明訓中学校
一橋大学商学部
兵庫県立芦屋国際中等教育学校
宮城県仙台二華中学校
横浜市立大学医学部
早稲田大学政治経済学部

 合格したみなさん、おめでとう!

 しかし、第1志望に合格しなかったみなさんも、その合格しなかったことがこれからプラスになる人生を歩んでいけばいいのです。

 前向きな気持ちを持っていけば、すべてはいい方向に進みます。

 「けんかに勝つコツは、負けたと認めないことだ」という名言があります。名言というか何というか。(^^ゞ

 新学期から、みなさん、明るい気持ちでがんばっていってください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
合格情報(27) 

記事 809番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
家庭での作文の教え方12 同音異義語の使い分け as/809.html
森川林 2010/03/01 20:35 



 漢語の同音異義語の使い分けはそれほど難しくありませんが、和語の同音異義語には難しいものがあります。

 梅棹忠夫氏は、体言は漢字で用言はひらがなで書くという書き方を提唱しました。用言をひらがなで書くと、文章全体が明るい印象になります。また、和語の同音異義語の使い分けで悩むことがなくなるという利点があります。しかし、用言をひらがなで書くというのは合理的ですが、まだあまり一般的とは言えません。

 なぜ日本語で同音異義語が多いかというと、1つは日本語は他の言語に比べて音素数が少ないからです。もう1つは、漢字は日本語に対する当て字として使われたからです。もともとの日本語は、音だけの言葉でした。そこに、意味を伴う漢字をあてはめたので、わかりにくい同音異義語が多くなったのです。

 例えば、作る、造る、創るの使い分けは、使う人のニュアンスでかなり変わります。しかし、話をするとき、聞き手は漢字の違いを意識して聞いているわけではありません。文脈の中で自然に「あ、つくるだな」と考えてそれで済んでいます。だから、用言はひらがなで、という考え方はそれなりに自然なことなのです。


 同音異義語で迷ったときは、どのようにしたらいいでしょうか。

 第1は、用字用語辞典を使って調べることです。前述した「必携用字用語辞典」(三省堂)が便利です。更に同音異義語の使い分けに徹底した本は、「漢字の用法」(武部良明著 角川書店)です。今は、「漢字用法辞典」(武部良明著 角川書店)となっているようです。

 第2は、インターネットで検索をしてみて、多く使われている使い分けを参考にすることです。

 第3は、漢語に直して考えることです。例えば、「たつ」という言葉には、「立つ」「経つ」「建つ」「絶つ」「発つ」「断つ」「裁つ」などの漢字があります。どの漢字を使うかというときの判断として、漢語として自然なものを使うということで考えることができます。

・時間が経つ=経過する

・家が建つ=建築する

・旅に発つ=出発する

・命を絶つ=絶滅する

・退路を断つ=遮断する

・布を裁つ=裁断する

 このように、漢語に直すと同音異義語の使い分けがわかります。

 もう1つは、反対語を考えてみることです。例えば、「あの人の気持ちはあたたかい」という場合、「あたたかい」の反対語を考えてみると、「気持ちがさむい」とは言わず、「きもちがつめたい」と言います。だから、「あたたかい」は、寒暖の「暖」ではなく「温冷」の「温」になるということです。

 第4は、パソコンを利用することです。日本語は、英語などに比べると誤変換の割合が非常に多い言語なので、その分日本語解析能力が磨かれてきました。

 例えば、先ほどの「たつ」の使い分けでも、「たつ」という言葉を変換しただけでは、いろいろな候補が出てきますが、「じかんがたつ」と続けて打つとほぼ確実に「時間が経つ」と出てきます。「たいろをたつ」と打つとこれも確実に「退路を断つ」と出てきます。

 この機能がもっと進歩すると、日本語の音声入力も、英語並みに簡単になっていくと思います。

 機械に任せられることは機械に任せて、人間は人間でなければできないことに専念するというのが未来の姿です。言葉の使い分けで悩むよりも、考えの内容で悩んだ方がずっと楽しいし、意義のあることだからです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

匿名 20100602  
小学高学年向けの『同音異義語』を教えてください。

森川林 20100603  
 Wikipediaなどが参考になると思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8C%E9%9F%B3%E7%95%B0%E7%BE%A9%E8%AA%9E

ふせん 20100622  
先日より、付箋読書を子どもと始めました。子どもは(小学3年生)、付箋を貼るのが、楽しくて100ページくらいの本に付箋を50枚もつけました。親としては、少々多いかなと感じるのですが、いかがでしょう。子どもは、本を読むのが大好きです。辞書に付箋を貼ったりするのも大好きです。四行詩も書こうねと誘っているのですが、今後付箋読書はどのように進めていったらよいのでしょうか。

森川林 20100622  
 明日のホームページの記事で載せる予定です。
 小学3年生ですと、読む本も物語文のものがほとんどだと思いますから、栞がわりに貼る程度でもいいと思います。
 でも、付箋を貼ると、いかにも読み終えたという感じがするので、読書の励みにはなると思います。
 四行詩は、読書ノートを作って、週に何回か、それまでに読んだ本の付箋の箇所をもとに書いておくと、あとでいい記念になると思います。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 

記事 808番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
家庭での作文の教え方11 全体の流れ as/808.html
森川林 2010/03/01 04:43 




全体の流れ



 家庭で作文指導をするときの全体の時間は、1時間から1時間半とします。


1、最初に暗唱のチェックをします。

 1週間の自習課題として300字又は900字の暗唱をさせておきます。(暗唱の手引のやり方を参考にしてください)

 最初にその暗唱のチェックをしますが、すぐにチェックをするのではなく、先に練習をさせてからチェックをします。

 300字の暗唱をしている子なら、暗唱用紙の10回分の部分を切り取り、300字を10回読む練習をさせます。

 900字の暗唱をしている子なら、暗唱用紙の4回分の部分を切り取り、900字を4回読む練習をさせます。

 暗唱の自習をほとんどしていないために300字の暗唱ができそうもない子については、暗唱用紙の30回分の部分を切り取り、100字を30回読む練習をさせます。

 300字の暗唱の場合は、1ヶ所のミスまでなら合格です。

 900字の暗唱の場合は、3ヶ所のミスまでなら合格です。

 いずれもそれ以上のミスがある場合は、次回も同じ範囲を暗唱の自習とします。合格した場合は、次の範囲を指示しておきます。


2、暗唱の自習が終ったら、その週の作文を書きます。

 学年別の課題は、課題の岩に載っています。(感想文課題の長文は生徒限定ですので、題名課題を参考にして書いてください)

 学年別の指導項目は、項目の苗に載っています。(説明の部分をクリックすると、くわしい説明が読めます)


3、作文が終ったら、残りの時間を見て読書をします。

 残り時間が60分で学年の100倍ページを読めるとして計算します。したがって、4年生ならば、60分で40ページ読めるので、残り時間が30分の場合は20ページ、残り時間が15分の場合は10ページなどと読むページ数を決めます。読書速度は個人差があるので、その子の大体の読書速度を見ておき、残り時間を見ながらその子供に合ったページ数を指示します。 読書は、読ませるだけでもかまいませんが、付箋を貼りながら読み、その付箋をもとに四行詩を書くという練習をさせることもできます。

 付箋の作り方と付箋読書の方法は、付箋の作り方というところで見ることができます。


4、全部の勉強が終ったら、次回の課題を指示して終了とします。


評価の仕方



 子供の書いた作文については、よいところを褒めて明るく励ますことを中心にします。

 直す指導は、1つの作文について1ヶ所かせいぜい2ヶ所にとどめるようにします。

 ただし、誤字や誤表記については、一応すべてに赤ペンを入れておきますが、それをことさらに直すための指導はしないということです。


 褒めるところは、項目指導でよくできたところが中心です。つまり、子供が意識的に努力してできたところを褒めるようにします。

 例えば、「会話を入れる」という項目があって、会話が書いてあれば、そこを褒めます。

 また、指導していないことでもいいところがあればどんどん褒めます。面白いところ、その子らしいところなど、褒めるところはいくつあってもかまいません。


 直すところは、指導の上で事前に説明したことが中心です。事前に何も言っていないことについて後から注意することはできるだけ避けます。注意する場合は、次の週の事前指導として説明したあとに注意するようにします。


 作文用紙には、あまり講評は書きません。よいところには◎をつけ傍線を引いておきます。間違えているところには△をつけて正しい字を書いておきます(同じ間違いがたくさんあるときは、正しい書き方は代表的なところ1ヶ所だけでかまいません)

 作文用紙にくわしい講評を書くと、講評を書くという事後的なことが指導の中身になってしまい、肝心の子供の指導をすることがおろそかになります。

 指導の中心は、作文を書く前に子供に直接口頭で話すことです。

 指導を充実させるために、作文用紙の講評は簡単にし(傍線を引いた箇所に数語の短いコメントを入れる程度)、そのかわり別の先生用のメモ用紙などに、口頭で指導する中身をメモしておくようにします。そのメモが指導の記録になります。


明るい指導



 子供は、明るい雰囲気が好きです。

 子供が教室に来たら、明るく楽しい雰囲気で声をかけましょう。

 勉強している間に、ときどき書いている様子を見て、じゃまにならない程度に声をかけて励ましてあげましょう。

 勉強が終わって作文を提出したら、いいところをたっぷり褒めてあげましょう。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 

記事 807番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/3/31
暗唱は覚えることが目的ではなく繰り返すことが目的(その2) as/807.html
森川林 2010/02/28 11:04 



 前回は、暗唱が、発想力や思考力という応用分野に生きてくることを説明しました。

 暗唱は、理解力や読解力にも役立ちますが、その説明の前に、暗唱の仕方を説明します。


 滑らかな暗唱は、どのようにしたらできるのでしょうか。

 暗唱は、繰り返せばだれでもできるようになります。繰り返しとは、1日に30分も40分もやることではありません。3日続けて10分ずつやることです。これで、何の苦労もなく暗唱ができます。

 暗唱が苦痛になるのは、毎日続けてやらずに、まとめてやろうとするからです。

 言葉の森の暗唱法は、1日10分の練習で、1ヶ月で900字の文章が暗唱できるようになる方法です。これは、暗唱の手引というページに書いてあるやり方です。

 この暗唱の練習は、できればお父さんやお母さんも試しに毎日10分、1ヶ月やってくださるとよいと思います。しかし、大人は、すぐに覚えようとしてしまうために、かえって虚心坦懐に音読を繰り返すことができないという傾向があります。これは、中学生や高校生も同じで、何度か音読を繰り返して覚えられそうになると、すぐに直接覚えようとしてしまうのです。覚えるのではなく、音読を続けるということが大事です。

 親が暗唱の仕方というものになじんでいないと、子供に対する暗唱の指導もどうしてもピントのはずれたものになりがちです。よくあるのが、口だけで「やりなさい」と言って、本人に任せるやり方です。これでできるのは、既に暗唱が軌道に乗っている子だけです。

 暗唱は、最初のうち、親がついて一緒にやることが大事です。しかし、これは決して親にとって負担のあるものではありません。

 例えば、朝起きたら、お母さんが食事の支度をしている間に、子供が食卓について10分間暗唱の練習をするという形です。日曜日であれば、昼食前や夕食前でも、このようなやり方でできます。親はほかのことをしているが、子供は近くで暗唱の練習をしている、というのが暗唱や音読の練習の理想の形です。

 いちばんよくないのは、子供部屋でやらせることや、親が、「時間のあるときにやっておきなさい」と口で言うだけで済ませてしまうことです。

 暗唱するための音読の仕方は、句読点で区切らずに、なるべく早口で、しかしはっきりと、どちらかと言えば棒読みで、比較的大きな声で読むことです。暗唱がすっかりできるようになったら、句読点で区切り、抑揚をつけて上手に読むこともできますが、覚えている最中は、早口で棒読みの方がいいのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
暗唱(121) 
コメント1~10件
【合格速報】兵 匿名
すごい 3/26
記事 5281番
新しい教育のビ 森川林
 この勉強の目的は、どこかいい大学に入るようなことではありま 3/17
記事 5309番
これからの学力 森川林
発表広場に発表作品を入れています。 (カメラオフの発表のみ 3/5
記事 5306番
暗唱のコツは早 音楽
本当にありがとうございました。 テスト合格できそうな気がし 3/3
記事 700番
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 2/13
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
中根の担当する 森川林
YKさん、ありがとう。 私が子供にさせたいと思っていたのは 1/27
記事 5267番
中根の担当する YK
創造発表クラス面白くなりそうですね!イギリスの私立学校のカリ 1/27
記事 5267番
これからの学力 森川林
 書き忘れたけど、ひとりの先生が全教科、全学年を教えるという 12/9
記事 5233番
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 3月の 森川林
 よく考えたね。  でも、利己的と自己中心的は、意味が違う 3/25
国語読解掲示板
AIで宿題なん 森川林
AIで宿題なんて簡単にできるようになっている。 解決策は、 3/24
森川林日記
3月の小6の確 あかそよ
大問1-2 利己的と自己中心的はほとんど同じ意味だと思いま 3/23
国語読解掲示板
2025年3月 森川林
●小学校低学年の作文は、書いたあとの添削よりも、書く 3/22
森の掲示板
オープン森リン 森川林
オープン森リンのフォームをホームページに設置したら、早速、ア 3/21
森川林日記
SBペイメント 森川林
スクエアはもっと簡単にできたのに、SBペイメントは仕様書だけ 3/19
森川林日記
この1週間、ほ 森川林
 この1週間、ほとんど何も仕事をしなかった。  思索と森リ 3/12
森川林日記
Re: 題名( さき
あなたのコードとパスワードが見つかりません、と表示されます。 3/9
森林プロジェクト掲示版
森プロの講師ペ さき
いつもお世話になっております。 森プロの講師ページが開かな 3/9
森林プロジェクト掲示版
BtoB集客1 大谷優花
《 法人向け集客を1件1,000円で 》 私たちは集客 3/8
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習