2月4週の清書をもとにした森リン大賞を発表します。
2月の森リン上位入賞者(小1の部78人中)
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●もしもぼくが車の会社の社長だったら | とらたいがくん | 61 | 439 | 42 | 50 | 55 | 84 |
2位 | ●おひなさま | おはなちゃん | 60 | 365 | 38 | 43 | 55 | 81 |
3位 | ●ケーキ | きはる | 60 | 224 | 43 | 43 | 53 | 80 |
4位 | ●冬のさくら | み | 60 | 442 | 38 | 44 | 50 | 90 |
5位 | ●二回目のスケート | トム | 60 | 553 | 46 | 43 | 49 | 89 |
6位 | ●豆まき | クポノ | 59 | 637 | 39 | 43 | 52 | 89 |
7位 | ●たき火会 | きすえ | 59 | 665 | 41 | 43 | 51 | 87 |
8位 | ●どろだんご | きほや | 59 | 237 | 38 | 43 | 50 | 81 |
9位 | ●そろばん | きりか | 59 | 266 | 46 | 44 | 49 | 81 |
10位 | ●あまくておいしいいちご? | クリーム | 59 | 571 | 43 | 43 | 49 | 84 |
2月の森リン上位入賞者(小2の部120人中)
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●スキー大すき! | すももちゃん | 66 | 890 | 41 | 44 | 61 | 97 |
2位 | ●みそ作り | おゆな | 66 | 621 | 42 | 47 | 60 | 89 |
3位 | ●校内ゆうびん局 | かなろ | 65 | 580 | 42 | 46 | 62 | 89 |
4位 | ●さい高のディズニーランド | ゆいゆ | 65 | 1391 | 43 | 48 | 60 | 77 |
5位 | ●ひみつの細道 | タカ | 65 | 609 | 44 | 44 | 58 | 84 |
6位 | ●そろばんけんてい | パルキア | 65 | 569 | 39 | 50 | 58 | 84 |
7位 | ●地球温暖化 | ゆまちゃん | 65 | 411 | 43 | 49 | 56 | 89 |
8位 | ●はじめてのかんそう文 | きそひ | 65 | 413 | 44 | 45 | 53 | 93 |
9位 | ●オーシャンズを見に行ったこと | ひゆく | 64 | 861 | 42 | 46 | 62 | 80 |
10位 | ●バドミントン教室 | ブルールピア | 64 | 294 | 44 | 53 | 60 | 79 |
2月の森リン上位入賞者(小3の部137人中)
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●もしもオリンピックに出場するなら | ダイヤモンド | 76 | 623 | 49 | 76 | 79 | 95 |
2位 | ●豆、レタス育てているよ | メゾピアノ | 73 | 1091 | 41 | 48 | 84 | 95 |
3位 | ●おどろきの発見をしたパストゥスール | ルナ | 72 | 665 | 47 | 57 | 65 | 90 |
4位 | ●細菌とたたかうパストゥールを読んで | いちごちゃん | 71 | 1223 | 37 | 74 | 80 | 79 |
5位 | ●お母さんと同じ白文鳥! | しろみ | 71 | 1017 | 43 | 55 | 72 | 87 |
6位 | ●一面の銀世界 | ニョロニョロ | 70 | 759 | 42 | 49 | 66 | 87 |
7位 | ●もしもクラスの男子が⋯ | クリスタル | 70 | 999 | 44 | 45 | 64 | 84 |
8位 | ●ねる前のこだわり | さやか | 69 | 768 | 49 | 49 | 69 | 83 |
9位 | ●私の家の楽しい夕食 | なっち | 69 | 550 | 42 | 56 | 68 | 86 |
10位 | ●イェーイ!!雪だ! | スヌーピー | 69 | 974 | 41 | 51 | 67 | 84 |
2月の森リン上位入賞者(小4の部132人中)
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●ゴム飛ばし | シャーロック・ホームズ | 78 | 1082 | 56 | 58 | 76 | 83 |
2位 | ●マラソンバシン! | ほしのみか | 76 | 858 | 53 | 53 | 84 | 80 |
3位 | ●夕食は楽しい方がいい | かこちゃん | 75 | 1012 | 44 | 50 | 77 | 89 |
4位 | ●カブトン | リラックマ | 74 | 1178 | 51 | 49 | 75 | 81 |
5位 | ●生き物観察 | りょうたろう | 74 | 1428 | 42 | 53 | 71 | 86 |
6位 | ●ぬかしてやろう | Qちゃん | 74 | 939 | 39 | 57 | 70 | 81 |
7位 | ●雪さんのおとおりです | ミント | 74 | 706 | 48 | 52 | 70 | 90 |
8位 | ●かわいいカメはわが家の家族 | まーりん | 73 | 1480 | 46 | 50 | 74 | 90 |
9位 | ●血をすうカ | ゴリマックスイカ? | 73 | 821 | 38 | 48 | 68 | 95 |
10位 | ●もしも | きそふ | 73 | 733 | 49 | 46 | 67 | 89 |
※ 小5の1位の作品は優れていましたが、要約の部分がやや多く含まれていたので、代表作品としては掲載しませんでした。
次回から、清書にする際は、要約は省略するか、自分の言葉に直して説明する形にしておいてください。(^o^)/
2月の森リン上位入賞者(小5の部141人中)
もしもヴァイオリンがオリンピック種目だったら
コレルリ
私はヴァイオリンを習っています。もちろんきれいな音色を出したり、持っている技術をみがいたりもします。でもそんなきれいな音を出すまでがまるでスポーツのように激しいのです。私が今まで弾いてきた曲の中で、一番大変だった曲はマズルカの「オベルタス」です。最初にバクテンを三回連続してから始める曲です。重音ばかりで音程もむずかしく、ピチッカートもグリッサンドも入れてあるので死ぬつもりで弾かないと弾けない曲の一つだと私は思います。楽器演奏というよりかは、むしろこれぞ激しいスポーツだと思います。
そんなヴァイオリンがもしもオリンピック種目に認定されたらどうなるでしょう。上手く弾けるからといって油断してはいけません。なぜなら、複合競技だからです。内容も、決して簡単ではありません。手だけで泳ぐクロール、持久力のなわとび、腕の力をためす腕立てふせ、指の動く速さを競うあやとり、美しい音色を出すヴァイオリンの順番で一年間かけてやる競技なのです。得点は一つ一つの種目の合計点が総合得点となるので、どの種目も手を抜くことができません。
私がこの内容の中で「苦手だな」「むずかしいな」と思うものが一つあります。それは腕立てふせです。その他は、だいたいできますが、腕立てふせは、七回ぐらいでダウンしてしまうのです。なんでだろう、どうしてだろう、と思っているうちに、いい方法をみつけました。それは、ふっきんに力をいれること。そうしたら、自然と体が軽くなります。これでメダルに一歩近づいたと思った私です。
最近のオリンピックで日本人選手がなかなかメダルにとどかないことが多くあります。なので私は、ヴァイオリン複合を種目に認定してほしいのです。日本には、すばらしいヴァイオリニストの方々が大勢いらっしゃいます。そんな人たちも、いい音色を出すために必ず筋肉トレーニングをしているはずなので、日本人のメダル獲得率が高くなること間違いなしです。
曲選びも重要です。ラ・フォリアのように変奏曲の中でのキャラクターを変えて弾く曲もあるし、カバレフスキーのコンチェルトのように、楽しく軽快に弾く曲もあります。私だったら変奏曲を選びます。
もしもヴァイオリンがオリンピック種目だったら、私は絶対に出場したいです。これからは「もしも」ではなく「必ず」ヴァイオリンがオリンピック種目になってほしいです。
順位 | 題名 | ペンネーム | 得点 | 字数 | 思考 | 知識 | 表現 | 文体 |
---|
1位 | ●島の法則 | かねめ | 80 | 860 | 43 | 89 | 90 | 83 |
2位 | ●もしもヴァイオリンがオリンピック種目だったら | コレルリ | 79 | 984 | 58 | 81 | 100 | 81 |
3位 | ●大陸・島の動物 | けん道少年 | 79 | 997 | 51 | 67 | 90 | 87 |
4位 | ●チョウチンアンコウ | しもん | 79 | 1115 | 47 | 71 | 88 | 86 |
5位 | ●自然の生き物たち | きゆめ | 79 | 951 | 44 | 63 | 87 | 87 |
6位 | ●地球温暖化 | クローバー | 79 | 944 | 46 | 73 | 84 | 90 |
7位 | ●節分の意味 | ひよこ | 79 | 941 | 51 | 61 | 81 | 80 |
8位 | ●島と大陸の違い | サスケ | 79 | 1218 | 47 | 57 | 75 | 84 |
9位 | ●環境が変化したら | のっち | 79 | 1222 | 46 | 58 | 72 | 86 |
10位 | ●節分 | かふあ | 78 | 1126 | 44 | 73 | 97 | 86 |
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前回は、作文における四つの方向、内側、外側、過去、未来ということを書きました。
今回は、その続きです。これは、趣味の哲学の分野の話なので、具体的なことでは何の役にも立ちません。忙しい方は、読まずに飛ばしてください。(^^ゞ
作文の本質は何かということを考える場合、そもそも世界にある存在するもの、つまり存在物とは何かということから考える必要があります。
どのようなものであれ、存在物を見てみると、「ある」ということが常に「ない」ということとの関連で成り立っていることがわかります。スピノザは、「すべての規定は、否定である」と述べました。つまり、「○○である」は、「○○以外のものではない」という定義と同じだということです。「○○以外のもの」が、その存在物にとっての境界を形成しています。その境界から向こう側をその存在物にとっての無と考えると、存在物は常に外に向かって無と隣接していることがわかります。
つまり、石は、石の表面から外に向かって常に石でないものを否定することによって石であり続けているということです。チャップリンの、「バラはバラらしくあろうとして、岩はいつまでも岩であろうとしてがんばっている」という言葉を思い浮かべる人も多いと思います。
だから、石がガラスにぶつかると、ガラスを打ち壊すことによって自身が石であることを貫徹します。しかし、石がそれよりも硬い壁にぶつかれば、はねかえされるか壊されるかすることによって自身が石であることの否定に直面します。
このように存在物は、外に向かう無と常に共存して成り立っているということができます。これを、外部に対する無化と呼びます。同じように、存在物は、内部に対しても無と共存しています。これが、内部に対する無化です。また、存在物は、常に過去を無化し、未来を無化することによって現在であり続けようとしています。(長くなるので省略しますが)
この存在物の本質がより鋭く現象化するのが生物です。生物の場合は、石のようなものよりもよりはっきりと、外への無化、内への無化、過去への無化、未来への無化ということが表れます。
その生物存在を更にはっきりと現象化させたものが、人間という意識存在です。
そして、その意識の外化したものが言葉です。
人類が最初のころ発していた音声による言葉は、直接的な意識でした。言葉は当初、話す人と聞く人がその場にいなければ成り立たない音声の言葉として成立していました。しかし、その言葉がやがて文字として更に外化していきます。
言葉は文字、そして文章として外化することによって、ひとつの作品としての完結性を持つようになりました。そこで、この完結性を持った文章である作文にも、存在物の四つの側面が反映されているのです。
ですから、作文を樹木になぞらえるということは、単なる思いつきではなく(といっても、やはり思いつきですが)、作文も樹木も同じ存在物だということを根拠にして言えることなのです。
では同様に、作文を、樹木ではなく、花や虫や小動物になぞらえることもできるのでしょうか。それは、もちろんできますが、そうすると、言葉の森という名前を、言葉のお花畑とか、言葉の昆虫王国とか、言葉の動物園などと変えなければなりません。
「さあ、今学期でアザラシの課題が終わったから、次はインドゾウの山だ」なとどいうのもあまりぱっとしません。もっとかわいそうなのは、昆虫の場合で、「やっとゲジゲジの山が合格したと思ったら、今度はゴキブリの山だよ」とか「今週の課題は、フンコロガシの3.4週だ」などということになりかねません。
そうならないように、言葉の森は、植物の名前で、「アカシア」「イバラ」「ウツギ」「エニシダ」などという課題の名称をつけているのです。
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先の合格情報の続きです。
合格されたみなさん、おめでとう!
宇都宮女子高校
千葉県立千葉中学校
京都大学医学部
慶應大学法学部
東京女子大学
東京大学文科1類
東北大学理学部
一橋大学商学部
横浜市立大学医学部
しかし、何度も書きますが、第1志望に合格しなかったみなさんも、それがやがて自分の大きなプラスになることを確信して、4月からの新しい勉強を始めていってください。
大学に進学する人は、
「●これから大学生になるみなさんへ」のページも参考にしてください。
小学6年生のMさんよりお手紙をいただきましたので、ご紹介します。
私は、来年から中学生ですが、言葉の森を五年からやっていて、塾に行かずに公文国際学園に合格しました。二年間ありがとうございました。
言葉の森をやっていてよかったことは、大きく分けて三つあります。言葉の森は勉強の時間をそれほど必要としないこと、文章の内容を理解して自分なりの意見が持てるようになること、字数を考えて書く習慣がつくことの三つです。
私は、英語が得意で、英検三級をとるなど英語の勉強をずっと続けていましたが、それも、言葉の森に使う時間が塾よりも短かったからできたことだと思います。私が受験のために一日中勉強していたのは、受験の前の一ヶ月間だけでした。五年生の夏休みにはアメリカの祖母のところに行くこともできて、とても充実した二年間でした。ありがとうございました。
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3月18日発売の、「日経ducare」vol.3/2010春号に、専門塾として言葉の森が紹介されています。
通学教室の土曜日のクラスを撮影してもらいました。生徒が構成図を書いている様子と、代表の中根が載っています。
ほかに、子供たちが900字の長文をすらすらと暗唱している様子を撮影してもらいましたが、写真では何をしているところかわらないので(笑)載りませんでした。
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言葉の森では、作文を樹木になぞらえています。
第1は、幹や枝となる部分です。これは、文章の骨格となる構成です。これは、作文が内側に向かってまとまろうとする動きです。
第2は、葉となる部分です。葉は光合成をして栄養素を作ります。これは、作文の題材で、材料や実例となる部分です。この実例は、過去の経験や知識に基づいていま す。
第3は、実となる部分です。これが樹木の目指すもので、作文で言えば主題にあたります。その作文のテーマや感想や意見と言い換えることもできます。作文が未来に向かって働きかける部分です。
第4は、花となる部分です。これは、鳥や蝶を引きつける部分で、作文で言えば表現にあたります。いい表現、美しい表現をすることによって、作文が外側に向かって働きかけるという部分です。
この表現に似たものとして表記があります。これは、木でいうと根にあたる部分です。美しい表現の土台には正しい表記があります。その点で表現と表記は同じ性質のものです。
従来の作文評価は、作文をトータルに見てうまいかどうかという見方をしていました。そこで、誤字や誤表記の指摘と主観的な評価が作文指導の中心になっていました。
言葉の森では、この作文の構成・題材・表現・主題・表記・字数を、小1から高3までどういう流れで教えるかというカリキュラムを作って指導しています。
例えば、低学年の作文で会話を指導する場合でも、会話は題材にあたるので、将来の体験実例を書くときの前段階として指導することになります。体験実例は、やがて社会実例に発展します。社会実例の中には、伝記実例、昔話実例、自然科学実例などがあります。
そこで、「この作文は題材がよくできている」という評価をした場合、小学2年生では、生き生きとした会話が書けているということですが、高校2年生では、自然科学実例がよく書けているという評価になっているのです。
さて、最初に、樹木や作文の、内側、外側、過去、未来、という四つの方向を書きましたが、この四つの方向は、実は物事の本質に深く関わっています。
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今月発売の「プレジデントFamily」5月号に、言葉の森が協力した記事があります。タイトルは、「開成が問う『五〇字表現力』を養う毎日の作文」です。
開成中学の国語の問題は、ほとんどが記述式です。選択式の問題は数えるほどで、年度によっては全くない年もあります。漢字の問題はありますが、おまけのようなもので、記述式の問題ができれば、開成の国語は攻略できます。また、選択式の問題も、解法のテクニックで解けるようなものはなく、全部の内容を読み取っていないと正解にならないような選択式の問題になっています。
開成の国語が記述中心なのはなぜかというと、東大の国語もすべて記述式だからです。
大学入試センター試験は、四問選択式ですが、選択式問題は、作成者がどれほど工夫して作っても満点をとる子が続出します。記述式は、採点の手間はかかりますが、受験生の実力がかなり正確に出ます。もっと正確に出るのは作文ですが、これは採点の手間がかかるので、入試で本格的に取り入れているところは、あまりありません。
さて、東大型の記述中心の国語問題は、言葉の森の生徒なら超得意です(笑)。毎週、長文を読んで600-1200字の小論文を書いているので、問題文を読んで50字から100字程度の文章に意見をまとめるというのは、苦もなくできます。時間が余って困るぐらいです。(国語の問題に関してだけですが)
記述力をつけるのに必要なのは、語彙と発想と慣れです。語彙については、今月の「プレジデントFamily」の記事が参考になると思います。発想については、家庭での対話が大事です。慣れについては、書く時間を増やすことです。
ぜひ、今月号の「プレジデントFamily」を書店で立ち読み、ではなかった、書店で購入して、今後の勉強の参考にしてください。「ノート大解剖」の特集もあってお買い得です。
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「進学塾不要論」(水島酔著 ディスカヴァー)という本を読みました。以下は、その内容の紹介です。
塾に通ってよくなる子は1割、残りの9割は何らかのかたちで悪くなる、と著者は述べています。大量の宿題によって、考えずに問題をこなすようになると、本来わかっていた勉強もわからなくなり、また、そのような間違った学習スタイルが身につくと、その後の勉強にも悪い影響を与えるというのです。
なぜ塾が大量の難しい宿題を出すかというと、ひとつは、宿題についてはコストがかからないという営業上の理由からです。もうひとつは、大量の宿題と難問を出すことによって、生徒のふるい分けができるからです。
なぜふるい分けをするかというと、成績のいい順に難関校を受験させて合格実績を上げるためです。このため、受験の直前になるまで過去問を解かせないという塾もかなりあります。本当に志望校の合格を考えるなら、早めに過去問をやるのが正解ですが、ふるい分けのための手段として考えるならば最後の仕上げとしてやることになるからです。
そして、この合格実績というのも、結局、その塾に通うから合格するのではなく、もともと合格する力のある子を集めているだけというのが正直なところです。
偏差値60までの受験は、学校の勉強がしっかりできていれば十分というのが著者の考えです。
著者の水島氏は、自分でも学習塾を運営しているので、書かれている内容に説得力があります。著者のいう「よい塾」の条件は、「宣伝をしていない」「チェーン展開をしていない」「一科目でも受講が可能である」です。中でも、宣伝が多いか少ないかはわかりやすい指標になると思います。
学習塾の実態にくわしい人は、このようなことを考えているのだということ前提にした上で、自分の子供にどういう教育をするかを考えていく必要があります。
以上の予備知識をふまえた上で、学力別の勉強の仕方を説明します。
まず、実力の高い子は、塾に行ってもとりあえず問題なく勉強を進めています。これらの子供たちは、大学合格を目標とするのではなく、合格後の将来の社会生活の目標を普段から考えさせていくとよいと思います。そのためには、ハングリー精神を持たせることです。将来、安定した高収入の仕事につけばいいというのではなく、日本のリーダーとなる気概を持って創造的な仕事をすることを子供のころから求めていくことです。
次に、実力の普通な子は、学習塾のペースに乗せて勉強をあおらないことです。大量の宿題をやらせて考える力をなくすのではなく、読書の時間を確保して自分なりに考える習慣を育てていくことです。小中学生のころは、まだ人に言われてやる勉強ですが、いずれ必ず本人が自覚して勉強するようになる時期が来ます。その足固めのための学力をつけておくというのが、小中学校時代の勉強の位置づけです。成績を上げることにとらわれるのではなく、実力をつける勉強に取り組んでいってください。
最後に、勉強の苦手な子は、塾には頼らず、家庭で力をつけていくのが基本になります。苦手な子についても、勉強の方法はシンプルです。国語については読書です。英語は、教科書の音読と暗唱です。算数数学は、1冊の問題集を100%できるようになるまで繰り返すことです。
いずれの場合も大事なことは、学習塾の方針を鵜呑みにするのではなく、親が自分の目で見て子供を育てていくことです。これは、何度言っても言いすぎにならないことですが、子供がテストを持って帰ってきたとき、点数だけを見て一喜一憂する親が多すぎます。ほとんど子供と同じレベルです(笑)。点数を見たあとに、必ず問題の内容を見て、子供がどこができなかったのかを知ることが大事です。そして、できれば、お母さんやお父さんが一緒にその問題を解いてみて、子供がどうしてできなかったのかを理解することです。そうすれば、勉強は、もっと地に足のついたものになっていくと思います。
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水島先生は次のようなことも述べておいでます。書くことや読書がきらいになる弊害をきたすくらいなら、子供に作文や読書感想文を強要しないほうがよい、読解力さえあれば高校生くらいになれば自然に書けるようになる、と。しかしたとえ小学生であっても、自分の体験したことを、下手でも記録に残すことは意味あるように思うのですが。無理強いしないことが大事ということでしょうか。
方法論なしに作文や読書感想文を教えたら、作文も読書も嫌いになる可能性が高いです。だから、一般的にはそう言えます。特に、家庭で親が子に作文を教えるのは難しいと思います。
言葉の森の場合は、長年の蓄積に基づいた方法論があるので、小1から高3まで続けても大丈夫です。
ただし、読む力をつけないと作文がマンネリ化するので、暗唱+読書+作文ということでやっていくのが大事です。
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