ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 861番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
細切れの時間でも作文が書ける―家庭でできる音声入力 as/861.html
森川林 2010/04/11 11:29 


 これまで、音声入力を通学教室の中学生以上の生徒を中心に行っていました。しかし、教室では、周囲にほかの生徒がいるので、やりにくい面がありました。周りに遠慮して、中途半端な音声入力になってしまうことが多いのです。そこで、音声入力は、むしろ通信生の方がやりやすいのではないかと考えました。

 必要な機器は、ICレコーダーです。楽天で売られているものを見ると、5000円から1万円のものが多いようですが、最も安いもので3000円程度のものが何種類かありました。このICレコーダーに直接音声を入れてもいいのですが、画面を見ながら操作できるように片耳用のヘッドセットも買っておくと便利です。これも楽天で300円程度で売られています。

 試しに、この文章も、その3000円のICレコーダーと300円のヘッドセットで書いてみました。この機種の弱点は、1分間操作をしないと省電力モードに戻ってしまい、再生するファイルを選びなおさないといけなくなることです。しかし、これも、1分以内にテキスト化すればいいだけですから、それほど大きな問題ではありません。もっと高級な機種を使えばそういう問題はありませんが、最初は安いもので練習しておくといいと思います。
 参考までに、私が使っているものは、オリンパスのボイストレックV-61で2万円です。このほかに、iPodをボイスレコーダーとして使えるようにするマイクが千円程度で売られているようです。


 音声入力手順は、次のとおりです。

1、まず最初に構成図を書きます。この場合、単語よりもできるだけ短文で書いた方があとで文章化しやすくなります。

2、構成図を書き終えたら、全体を眺めて順番を考えていきます。別の色のペンで、書く順番に矢印をつけなおしたり、一部を省略をしたり、新たに追加をしたりします。また、このときに段落の印をつけておいてもいいと思います。

3、全体像がわかったら、一挙に音声入力で書き上げます。音声入力は、1文ずつ区切って入れます。1文を入れたらいったん録音を停止して、また次の1文を入れるという入れ方です。また、「えーと」などと途中で考えずに、文の最後まで一息で入れます。その方が、あとで文章化するときに、スムーズな文章になります。


 1200字程度の文章を書く場合、慣れてくれば、構成図を書くのに7、8分、音声入力をするのに7、8分というところです。音声入力した原稿をテキスト化する作業は、タイピングのスピードによっても左右されますが、速ければ15分程度でしょう。


 作文というものは、書くときの勢いが必要なので、途中で止めてほかのことをしたあと、また続きを書くということができません。そのため、作文を書くときには、1、2時間の時間的な余裕が必要になります。

 ところが、構成図と音声入力という形で書くのであれば、10分もあればひとまとまりの作業ができます。そして、音声入力されたものをテキスト化するときも、細切れの時間を使うことができます。既に音声入力で全文ができているので、あとはそれをテキスト化するだけだからです。まるまる1時間はないとできない勉強と、10分程度の細切れの時間を組み合わせればできる勉強とでは、やりやすさが大きく違ってきます。
 例えば、テスト前で時間がとれないときは、先生の説明を聞いたあと、とりあえず15分で構成図と音声入力だけを済ませておき、テストが終わってからその音声をテキスト化するというような使い方もできます。

 音声入力に慣れることによって、直接書く文章も、早くスムーズに書けるようになってきます。作文を書く時間がなかなかとれないという中学生、高校生のみなさんは、この音声入力を試してみてください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
音声入力(10) 

記事 860番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
作文の勉強によって何が身につくか as/860.html
森川林 2010/04/10 12:08 


 作文力は、国語力の頂点なので、国語に必要な要素はすべて作文の中に含まれます。漢字力も、読解力も、表現力も、作文の中に表れます。しかし、それは、作文を書くことによって漢字力や読解力がつくということではありません。作文を見ることによって、漢字力も読解力もわかるということです。読解力は、作文を書くだけで身につくわけではありませんが、言葉の森の作文指導では、暗唱の自習や感想文の指導などがあるので、それらの読む練習によって読解力がつくようになっています。

 作文によって身につくものは、第1に表現することの喜びです。日本には、万葉集文化、日記文化などの、発表する文化や記録する文化がありました。ブログの発信数でも、日本では世界で最も盛んな国のひとつになっています。作文を書くこと自体がひとつの喜びになるという文化がが日本にはあるのです。

 作文によって身につくものの第2は、構成力です。自分の考えをまとめる力と言ってもよいでしょう。構成力がつくと、本を読むときもその内容を構造的に読み取ることができます。会議などで話を聞くときも、多数の意見を構造的に整理することができます。作文力があると、会議の司会も上手に進行できるようになります。

 第3は、文章を速く長く上手に書く力です。これは、作文の試験などに生かせるとともに、将来社会に出て文章によって人に何かを伝えるときに役立つ力です。文章を書くことに慣れていると、書くことが苦にならないばかりでなく、書くことによって他の人の考えにも影響を及ぼすこともできます。

 第4は、創造する力です。OECDの学力調査で、日本の子供は、自由記述に弱いという結果が出ました。答えのはっきりした正誤問題はできるが、答えのはっきりしていないものを自分なりに考えて表現する力が弱いということです。作文を書くというのは、未知のものに形を与えてゆく作業です。この創造力が、作文によって身につくものの中で最も大事なものと言ってもよいかもしれません。

 創造力を育てるという点から考えると、作文は、構成図を使って考えを深めるというところに、ひとつの重要な本質があることがわかります。構成図で考えた内容を文章に書き表すために作文があるというふうに考えることができます。また、構成図を書く際の発想を豊かにするために暗唱の練習があり、書くための材料となる生きた知識を増やすために、付箋読書や問題集読書や四行詩があります。そして、その作文を速く書き上げるために、音声入力などの技術があるという関係になっています。

 言葉の森の作文は、国語の成績を上げることや、作文試験に合格することにも役立ちますが、それ以上に、創造力をつけることに役立つ作文なのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

おはろ母 20100411  
上の4つの力はどれも社会に出て必要なことだと思いますが、表現することの喜びを知ってほしいと親として願っています。私の業界(内科医です)では競争社会が続くのはせいぜい30歳くらいまででそれ以降は自分の満足するコースを自分でみつけていかなくてはいけません。目標を見失って意欲をなくしてしまう同級生もいます。どのようなコースにすすんだとしても、自分の意見を表現し、それを認めてもらえる居場所を持つことが満足につながるように考えます。


森川林 20100411  
 コメントありがとうございます。
 そうですね。いちばん大事なのは、書きたいことがある、言いたいことがある、したいことがある、ということなのでしょうね。
 毎朝、起きるのがうれしくてたまらないという人生を送るのが理想なのだと思います。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 言葉の森の特徴(83) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習