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意識工学の理論 as/917.html
森川林 2010/05/29 09:58 



 今日は、ちょっと堅い話です。(^^ゞ


 未来の教育の重要な一つの分野は、心身教育です。その心身教育の中の一つの重要な教科が意識工学になると考えられます。

 意識についての研究は、アメリカなどを中心に進められていますが、現代の科学のパラダイムではカバーできない面があるようです。そのため、当面の研究は、哲学と工学に担われるようになるでしょう。(どうして、現代の科学のパラダイムでカバーできないかというと、研究の大勢が、意識を媒介する物質やその測定に明け暮れていて、一向に成果を上げていないように見えるからです)


 科学のパラダイムを超える哲学として今求められているものは、欧米の文化が築いてきた個体としての人間という考え方を克服する哲学です。

 もちろんに、人間には個性を持つ個体としての面があります。しかし、それと同時に、個人は、世界との固定した境界を持たない、全体と濃淡の差でつながっている、全体の一部としての面も併せ持っています。

 全体の一部というのは、より厳密に言うならば、単なる部分としての一部ではなく、部分の中に全体を再現したフラクタルな一部でもあるとも言えます。それは、個体が単に世界を構成する部品なのではなく、一つ一つが世界の雛形となる、全体としての個体だということです。あたかも、一つ一つの細胞が、その生物体の持つすべての遺伝情報と同じものを持っていることと同じであるかのようです。


 では、どこで、人間は、世界と一体化しているのでしょうか。方向は、三つあると考えられます。

 第一は、私たちの身体を構成する材料となっている自然や土地です。人間は、その土地から取れる作物を食べて生きています。食べ物は、人間という個体から離れた対象なのではなく、その個体と分かちがたく結びついている、個体の一部となっている世界でもあるのです。

 第二は、私たちの身体の遺伝子に組み込まれている情報です。遺伝の情報は、だれひとり例外なく両親から受け継ぎ、その両親は更にその両親から情報を受け継ぎ、何十代、何百代とさかのぼれば、人間は結局、その家族や民族や人類の歴史の中で存在していることになります。

 想像すればわかるように、自分の中に流れている生命の情報は、戦時中や戦前の親や祖先の中にも流れていたものであり、それは更に明治時代、江戸時代をさかのぼり、鎌倉時代、平安時代、奈良時代、弥生時代、更には縄文時代にも、同じように連綿と流れていたものです。決して、自分の誕生ととともに突然生まれて育ってきたものではありません。

 第三は、私たちの、ものの見方、考え方、感じ方、そして、行動の仕方を形作っている文化です。それは、目の前に広がる世界が、私たちの個体が見ているものであると同時に、私たちの文化という全体が見ているものでもあるということです。

 例えば、春、軒先にツバメが飛んでいるときに、私たちが感じる何かは、私たちが生まれてからの短い経験で作られたものではありません。日本の文化の長い伝統を背景にして作り上げられてきたものです。それは、これから春に向かい、育てた稲が次第に実るとき、虫たちを捕食してくれる働き者のかわいい仲間としてツバメたちを迎えた、私たちの先祖のものの見方感じ方なのです。


 このようにして、人間は、世界から自立した個体であるとともに、世界という全体と連続的に結びついた、全体としての個体という面を持っています。しかし、ここで、その全体というものの焦点をどこに置くかということが問題になります。

 人間は、地球の自然、人類の歴史、人間の文化という三つの方向で、全体の一部として生きています。しかし、ここで言う自然、歴史、文化は、それぞれの時代によって異なる深さを持っています。それぞれの時代によって、異なる深さに密度の濃い岩盤を持っていると言えるのです。

 はるか遠い未来の人間は、自分自身を、地球と人類と世界の一部として生きていくでしょう。一方、はるかな過去の時代には、人間はごく身近な狭い範囲の自然と歴史と文化の中で生きてきました。

 ところが、現代は、近代の国家主権が、さまざまな深さの全体の中で最も密度の濃い層として全体を形成している時代です。とすれば、私たちがつながる全体とは、日本の自然と歴史と文化という全体です。

 しかし、それは、より狭い過去にさかのぼろうとする日本ではなく、未来の地球、人間、世界につながる広い日本でなければなりません。それが、日本の抽象化という意味です。


 意識工学の根底にあるものは、人間が孤立した個人ではなく、自身の中に全体を反映した個人であるということと、その全体とは現代の社会にあっては、日本の自然と歴史と文化により密度の濃い土台を持つということと、その日本という土台を世界に共通する普遍的な全体にまで昇華させていく展望を持つ必要があるという考え方です。


 かなり堅い話になった……。^^;

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訓明 20131026  
20年前筑波大学教授の猪俣修二先生が会長の意識工学会に参加していました。難しい式はわかりませんでしたが、概念がとても面白く参加させてもらいました。仏教とくに法華経の説く世界観を話す方がいました、気の世界を話した方もいました。植物の先生もいました。この理論の読んで思い出しましたみなさんいかがしているのでしょうか。

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作文力の客観的な評価に森リンの活用を as/916.html
森川林 2010/05/27 19:39 



 公立中高一貫校では、ほとんどの学校が作文の入試を行っています。高校入試でも、推薦で作文の試験を行うところが増えています。大学入試では以前から小論文の入試がありましたが、最近更に推薦での作文試験が増えてきました。また、就職試験でもエントリーシートなど文章を書く機会が増えています。

 社会人になってからも、自分の書いた文章を発表する機会はますます多くなっています。仕事以外にも、ブログなどで文章を書く機会は増えています。作文力の重要度は、年々高まっていると言えます。


 作文は、自分で自分の書いた文章の評価ができないという点で独学の難しいものです。しかし、作文の勉強を進める上で最も大きな問題は、作文の評価に手間がかかることです。特に中学入試などで、大量に作文の採点をする場合、採点する側の負担はかなり大きいはずです。


 ここで提唱したいのは、森リンという自動採点ソフトの活用です。森リンで評価するには、手書きで書いた文章をテキスト化するという手間はありますが、いったんテキスト化された文章であれば客観的な採点ができます。

 人間が採点する方式では、採点するたびに、又は、採点する人によって点数がかなり動きます。人間には、文章や個々の表現に対する好みの問題があるからです。森リンは、語彙の多様性と分布をもとに文章力そのものを評価するので、何度採点しても同じ結果が出ます。


 現在の森リンは、表記のミスをチェックすることにはそれほど力を入れていません。文の長さや、段落の多さ、常体と敬体の区別などをチェックする程度です。その理由は、表記のミスは人間が見ればすぐにわかるからです。しかし、これも人間の手間を減らそうと思えば、森リンのデータベースに、生徒のよく間違えそうな表記ミスを網羅して入れておけばすみます。また、漢字力や語彙力については、作文という形をとらなくても個別に試験を行えば十分にできます。


 もう一つ、森リンは作文の内容の評価はしません。出されたテーマと書かれた内容が合っているかどうかということを機械で評価する方法が全くないわけではありませんが、内容の評価は機械が行うよりも人間が行うべきものです。

 しかし、人間が文章を全部読んでその内容が的確かどうかを考えるというのでは、やはり採点の負担が大きすぎます。そこで、提案したいのは、言葉の森で行っているような構成と表現項目を指定した作文の課題を出すことです。

 例えば、「○○というテーマで、60分以内に600-800字の作文を書きなさい。その際、一つの段落は150-200字でまとめるようにし、二番目と三番目の段落の冒頭にそれぞれ理由を書き、四番目の段落には反対意見に対する理解と名言を入れなさい。(名言は別表の名言集の中から選んでください)」というような出題の仕方です。

 こういう形で書かれた文章であれば、採点者は一応全文に目を通すとしても、重要なポイントにしぼってチェックすることができるので、採点の能率が大幅に向上します。こういう構成と項目で書くことができていれば、それだけでもう基本的な作文力は十分にあると考えることができます。


 以上は、採点する側の事情に沿っての話でしたが、作文を書く生徒の側についても、作文の勉強に森リンの活用を考えることができます。森リンの採点を使うと、自分の書いた作文がおおまかにどういうレベルにあるかを見ることができます。

 将来の作文指導、特に中高生の作文小論文指導に関しては、この森リンのような自動採点ソフトを使った形が主流になってくると思います。

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