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付箋読書の具体的な方法 as/939.html
森川林 2010/06/23 04:30 


 付箋を貼りながら本を読むと、読書の能率が大幅に向上します。小中学生で物語文を読む場合はそれほどでもありませんが、高校生以上で説明文や意見文の本を読むときは、付箋読書が大きな力を発揮します。


 上の本の画像は、最近読んだ「FREE」という本で、約350ページあります。付箋が400-500枚貼ってあるので、1ページについて1枚か2枚付箋を貼りながら読んでいたことになります。

 横に貼ってある付箋は、読みかけのところで区切りに貼ったものですから、6回ぐらい途中で休憩したことがわかります。この休憩のときに、ほかのことをしたり、ほかの本を読んだりしたあと、またこの本に戻って付箋のところから再開したというわけです。

 この本を再読する場合は、上に貼ってある付箋のところだけを飛ばし読みしていきます。15-30分で再読できます。特に深く読みたいというときは、再読しながら要点をノートに書き出します。


 付箋読書の方法は、下記の図のようになります。

読み始めたページの横に付箋を貼ります。面白いと思ったところに縦に付箋を貼りながら読んでいきます。特に面白いと思ったところは二重に貼っておきます。
読みかけでいったん中断するときは横に付箋を貼っておきます。本を閉じても、どこまで読んだかすぐにわかります。次々と付箋を貼りながら読んでいくとこんな形に。



 付箋読書をすると、どういう利点があるかというと、まず気軽に読み出せて、いつでも中断できるので、読書がはかどります。付箋を貼りながら読んでいると、数冊の本を並行して読むことも簡単にできます。

 付箋は、手作りのものですから、大量に使えます。傍線を引くよりもずっと楽に付箋を貼れます。付箋を貼った箇所を再読すると、1冊の本を2回読んだことと同じになります。再読した本は、内容がしっかり頭に定着します。

 物語文の本では、特に面白いところに付箋を貼る必要はありません。説明文や意見文の本で、自分なりに考えながら読むような本が付箋読書に向いています。ただし、物語文の本でも、読みかけのしおり代わりに横に付箋を貼っていくと読書が進みます。


 付箋読書の難点は、電車の中などで読むときに、ちょっと恥ずかしい気がすることです。しかし、自分が気にするほど、他人は何とも思っていません。

 将来は、キンドルやiPadなどでデジタルの本を読むときも、デジタルの付箋を貼る機能が付くようになると思います。

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FREE(フリー)という考え方―発表と交流のある作文指導 as/938.html
森川林 2010/06/22 12:00 



 「FREE(フリー 無料からお金を生み出す新戦略)」(クリス・アンダーソン著)と「FREE(フリー)経済学入門」(苫米地英人著)を読みました。

 インターネットが登場してから、フリーという概念が、社会のすみずみにまで影響を及ぼすようになってきました。

 言葉の森でも、自社で作ったさまざまなソフトやプログラムをフリーにしています。読解マラソン集、課題集、項目表、ふりがな作成ソフト、森リン採点ソフトなどです。インターネットの時代には、教材は、万有引力の法則に従うかのように限りなく無料に近づく傾向にあるのです。

 このフリーの教材を、今後オープンソースとして、多くの人の参加によって充実したものにしていきたいと思っています。具体的には、読解マラソン集の長文や、読解問題などを、Wikipediaのようにオープンに作っていくことです。

 このようなフリーの時代に、何がフリーでないものとして残るのでしょうか。誰でも気がつくように最後に残るのは、人間どうしの触れ合いです。それは、一つにはその人らしい個性であり、もう一つは関わった時間です。

 作文指導で、小学校のころに教えた子供が、中学、高校と勉強を続けていくことがあります。そのときに、先生と生徒の間にできる人間関係がフリーにはならないもです。

 また、フリーの時代には、プロとアマチュアの差が限りなく小さくなっていきます。ジャーナリズムの分野でも、専業の記者と単なる読者という関係から、だれでも副業的に記者と読書を兼ねるような状態になっていきます。

 教育の分野でも同じように、今後、専業の先生と単なる生徒(保護者)という関係から、だれでも副業的に先生と生徒(保護者)を兼ねるような状態が生まれてくると思います。

 フリーの時代には、単に知識を教わるだけでなく、教わった知識を生かして自分も知識を新たに発信するという流れが生まれてきます。このときの動機は、コミュニティーの一員としての貢献、成長、助け合いなどの気持ちです。そして、その場合のコミュニティーの人数は、150人程度と言われています。

 これからの勉強は、この顔の見える人数のコミュニティで、発表と触れ合いのあるものになっていくと思います。

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