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お父さんお母さんも、暗唱の練習を(生徒父母向け記事) as/960.html
森川林 2010/07/12 15:56 



 7月から、課題の長文も暗唱しやすいように、区切り番号をつけました。

 課題の長文は、「課題の岩」というページでプリントアウトすることができます。

 この課題の長文を見て、お父さんやお母さんも、高校生用の長文などで暗唱の練習をしてみてください。

 100字の文章を30回繰り返して音読するのは、10分もかかりません。朝、出かける前に10分、暗唱の練習をして、会社や学校に出かける途中の道で何回か繰り返せば、それでもう暗唱は完璧です。課題の長文は、自分で好きな文章を見つけてきてもかまいません。

 暗唱の練習をすると、頭が急速に疲労するせいか眠くなることがあります。それを利用して、夜寝る前に暗唱の練習をしてもいいと思います。

 毎日10分間暗唱の練習をしていると、1ヶ月で900字の暗唱ができるようになります。ここまでやると、頭が活性化する感じが、人それぞれにつかめるようになります。

 暗唱は、子供のためだけのものではなく、大人にとっても楽しくできる勉強です。また、ある意味で、大人の方が子供よりも大きな効果があるとも言えます。大人の場合は、暗唱をしていると発想が豊かになってきます。

 親が一度暗唱の自習をやっていると、子供の暗唱についても的確なアドバイスができるようになります。

 暗唱で挫折しやすいやり方は、次のようなものです。

(1)覚えようとして読む。(覚えることが目的ではなく、繰り返し音読する結果として自然に覚えるということです)

(2)最初に間違えて読んだためにいつまでもその間違いが残る。(最初の数回は、特に慎重に読んでください)

(3)区切りや抑揚をつけてゆっくり読む、又は、自分でも判別できないぐらい早口で読む。(聞き取れるぐらいはっきりと、しかしできるだけ早口で読んでください)

 こういうちょっとしたコツも、大人が暗唱をした経験があると、子供にわかりやすく教えることができます。

 「私は覚えるのが苦手で」という人がときどきいますが、暗唱は、記憶力とは全く関係ありません。繰り返すという方法さえ守れば、だれでも自然に暗唱できるようになるのです。

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メディアとしての教育 as/959.html
森川林 2010/07/11 17:02 



 「メディア」という言葉を、ここでは、世論形成に影響力を持つ理念や情報の「媒体」となるものという意味で使います。


 江戸時代、貝原益軒は「和俗童子訓」を著しました。「和」は「漢」の反対で、「俗」は「雅」の反対です。つまり、益軒は、当時のエスタブリッシュメントである「漢」と「雅」に迎合しない立場を鮮明にして、教育論や人間論を著したのです。

 益軒の著作は、当時台頭した版木による出版方法で、一躍日本中に広がりました。江戸時代の主要なメディアは、政治のシステムと宗教のシステムでしたが、出版という新しいメディアが、これら既存のメディアを超えて、新しい日本の文化を作ったのです。


 では、現代のメディアは何でしょうか。

 テレビや新聞というマスメディアは、かつて大きな影響力を持っていましたが、経営が広告料に依存するような仕組みになっていたために、次第に金権化していきました。このため現在、メディアとしての影響力は、急速に低下しています。

 広告に依存するという点では、グーグルなどのネット産業も金権化する可能性を持っています。グーグルは、今検索エンジンのトップを走っていますが、そのサービスの本質はリアルなものではなく、アルゴリズムというバーチャルなものですから、今後何かのきっかけで影響力が急に減少するということもあり得ます。

 出版やインターネットは、金権による影響力を排した自由な発言が可能な場ですが、これらのメディアは選択した人にしか届かないという弱点を持っています。

 宗教は、昔も今も一定の影響力を持っていますが、根本的に民主主義と両立しない面があるので、日本ではある程度以上広がることはありません。

 日本の政治を実質的に動かしていた官僚制は、責任の所在が不明なまま大きな影響力を持っていましたが、今後の政治改革で権限を制限されていくと思われます。

 日本の表の政治は、権力の中枢が分散化していたために、統一性のあるリーダーシップを発揮できないでいました。この傾向は今後変わっていくと思いますが、まだしばらくは混乱が続きそうです。

 教育もまた、ひとつのメディアとしての役割を持っています。しかし、教育を担う現在の学校は、理念という価値観が不在のまま、進学実績だけを目標にした塾や予備校と同じようなものになっています。

 一方、進学の目標となっている大学も、就職予備校化するとともに、AO入試などにより学力の裏づけのない学歴を量産し、国際的な評価からはずれたガラパゴス化した教育機関になっています

 日本で唯一成功したメディアは、企業による仕事を通しての教育でしたが、これは現在、派遣労働の常態化によって急速にその力を失いつつあります。


 日本という国の最も優れた点は、国民ひとりひとりの知的、倫理的水準が高いことでした。

 世界中のほとんどの国は、国民性悪説に基づいて政治を運営していますが、日本の政治は基本的に国民性善説に基づいて運営することができました。しかし、その土台となる国民性も、自然に任せて維持できるものではなく、日々の教育的な営みの中で初めて高い水準を保てるものです。

 こう考えると、これからのメディアとして期待されるものは、新しい教育に支えられた新しい政治になるのではないかと思います。

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教育論文化論(255) 

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公立中高一貫校の受験コースの歴史(つづき) as/958.html
森川林 2010/07/10 09:03 



 受験生の読解力、表現力を評価するのに、作文や感想文を書かせるよりもいい方法があります。それが聞く力のテストです。


 なぜそれがいいかというと、第一に、問題作成が簡単だからです。第二に、評価の仕方もきわめてシンプルだからです。そして第三に、受験生の読解力、表現力が作文の試験よりもはっきり表れるからです。


 教室で先生が生徒に課題のヒントを説明するとき、先生の話に応答して、自分でもいろいろと話す子がいます。こういう子は、よく理解している子です。更に、応答は特にしなくても、先生に聞いた説明を作文の中にうまく盛り込んで書く子がいます。こういう子も、よく理解している子です。

 ですから、言葉の森の電話指導で、先生の説明を聞き、その説明を生かして作文を書ける子は、それだけで十分な実力があります。

 受験に臨む生徒の中には、「先生から聞いて書くのではなく、自分の力で書かないと本当に実力があるかどうかわからない」と言う人がいます。しかし、実際は聞いて書けるというだけで十分です。聞いて理解して書ければ、それが実力なのです。


 この仕組みを逆に読解力と表現力の試験の問題作りに生かすことができます。その方法は、まず、説明文の文章を放送などで流します(1200字の文章であれば3分ぐらい)。受験生はそれをメモをとりながら聞きます。そのあと、聞いたとおりをそのまま文章として書き出します。これで、受験生の文章理解力と文章表現力の両方の実力がわかります。

 ここでわかる実力よりも更に難しい、構成力、実例力、表現力、意見力などは、入試で評価しなくても、入学後の指導で実力をつけることができます。入試で評価するのは、高度な作文力ではなく、この基礎的な読解力、表現力だけで十分です。聞いたことをメモして書き出せれば、それがその子の国語の実力になります。評価は単純に、どれだけの字数まで書けたかということで見ることができます。


 今後、以上のような試験が出てくるとなると、その対策でいちばん大事なのは、メモのとり方に慣れておくことです。

 家庭での勉強法は、簡単です。お父さん又はお母さんが、国語の入試問題の説明文を読んであげ、子供はメモをとりながらその話を聞きます。そのあと、そのメモを見ながら自分がどんな話を聞いたかを口頭で説明します。

 文章は、読んで理解するよりも、聞いて理解する方が、読解力の実力の差がはっきり出ます。日本語は、同音異義語が多いため、読むときはそれを漢字という表意文字でカバーしながら理解しているからです。

 ですから、家庭で子供の読解力をつけるいちばん簡単な方法は、親子が楽しく会話をすることです。そして、その対応の際に、お父さんやお母さんが、少し意識して心持ち難しい言葉を、できるだけ長い文で話すようにするといいのです。

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公立中高一貫校の受験コースの歴史 as/957.html
森川林 2010/07/09 09:35 


 言葉の森が作文教室を開いてからしばらくたったころ、大学入試でも小論の試験を行うところが出てきました。

 そして、教えている生徒の中に、高校生になって、受験する大学に小論文の試験があるという子も出てきたので、入試向けの指導もするようになりました。

 言葉の森の前身は、もともと、マスコミを受験する大学生を対象に作文の書き方を教える教室だったので、試験に合格するような文章を書くということについては既に実績があったのです。

 そのころの受験コースの課題は、志望する大学や学部の傾向に合わせて、言葉の森の課題長文の中から問題を組み合わせて作っていました。ですから、受験コースは当時無料のサービスでした。

 その後、高校入試の推薦小論文や、公立中高一貫校の作文試験が行われるようになりました。そのころ、作文試験に対応している教室は、言葉の森以外にはなかったので、それぞれの入試に対応した作文の課題をオリジナルに作っていました。

 やがて、作文試験を行う学校が増えるとともに受験希望者も増えてきたので、教室全体の制度として対応できるように、受験コースのオプション追加料金を2100円としました。その後、過去の入試問題も入手できるようになってきたので、問題作成の手間はだいぶ軽減されるようになりました。

 言葉の森の受験作文コースには、これまでの蓄積に基づくいろいろなノウハウがあるので、言葉の森で勉強すると、たぶんほかのどこで勉強するよりもよく書けるようになります。受験した子のほとんどすべてが、「作文の試験だけは納得いくものが書けた」と言います。それぐらい、わかりやすくレベルの高い指導をしています。

 しかし、受験コースは教える講師の負担も大きいので、大学入試や就職試験の場合は、言葉の森の元生徒だったなどの特別の事情がないかぎり、お断りせざるを得ません。ただし、単なるお断りでは申し訳ないので、質問の広場などで極力アドバイスをするようにしています。

 言葉の森では、優れた作文・小論文を書く指導をすることについては自信がありますが、問題は、採点する学校の方が、多数の受験生の充実した作文を十分には読みきれないだろうという心配があることです。

 だから、受験作文指導では、本当は実力をつけることで十分なのですが、ある程度合格するポイントに絞った指導をしています。その指導のポイントというのは、平凡ですが、

(1)誤字が一つもないこと。もちろん習った漢字は使っていること

(2)できるだけ指定の字数いっぱいまで書くこと

(3)その学年相応よりもやや難しい語彙を自然に使うこと

(4)感動のある実例を書くこと(しかし、本当のことだけを書きます)

(5)きらりと光る表現を入れること

 これらの、いい表現、いい実例、いい意見、いい語彙を使えるようになるためには、正攻法の勉強が大切です。それは、そういうものを意識的に入れて書く練習をすることに尽きます。

 作文というのはどれぐらいで上手になるかというと、指導を始めてすぐに上手になる面ももちろんありますが、高校生の場合は、毎週作文を書いて1年たったころになると、「自分でも上手になった気がする」と言うようになります。つまり、自分でも自覚できるぐらい上手になるのが1年ということです。

 言葉の森では、合格するポイントに沿った指導をしているので、ときどき実力としては不十分だと思われるのに合格する生徒もいます。

 学校側が正しく受験生の実力を評価するにはどうしたらいいかというと、時間はかかりますがいちばん確実なのは、作文試験の課題を複数にすることです。1題の作文試験では出来不出来の誤差が出ますが、2題、3題と書いていけば、ほぼ正確にその受験生の実力がわかります。

 しかし、最近、それよりももっとよい方法があると思いました。(つづく)

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