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記事 98番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
中身のある子供向けの本を as/98.html
森川林 2006/08/28 09:11 
 子供向けの本というと、ほとんどが物語です。もちろん物語も大事ですが、自然科学や社会科学などの本があまりにも少ないように思えます。
 しかも、その数少ない科学の本の多くは、子供向けに内容を薄めて書いているようです。言わば、学習漫画を文章にしたような内容なのです。その結果、科学の本の多くは、断片的な知識だけを提供するような作りになっています。
 私はもっと、原因や結果を構造的に考えさせるような子供向けの科学の本が登場するべきだと思っています。その点で評価したいのが、今は絶版となった「世界ふしぎめぐり」シリーズです。また、毎日小学生新聞などに掲載される子供向けの解説記事にも優れたものがあります。また、物理学者寺田寅彦のエッセイは、この分野では古典と言ってもいいでしょう。
 世間でよく売れている科学の本に共通する大きな弱点は、文章が雑だということです。知識をわかりやすく伝えるという目的のために、表現をくずしているところがあるのです。例えば、次のような書き方です。
「気孔は、二酸化炭素をすって、酸素をはき出す場所だったよね。○ちゃんが葉っぱの裏側に多いって言ってたけど、実は表や茎にも少しはあるんだよ。ただ、圧倒的に葉っぱの裏側が多いんだけどね。」
 知識を必要以上に正確に伝えようとすれば、文章はどうしてもつまらなくなります。そこで、話し言葉を多用して敷居を低くしようとしているのです。それはもちろん善意の試みです。しかし、子供の本という本来の目的から見るとやはり方向がずれているのです。
 子供向けの本は、理科や社会の知識を詰め込むために読ませるものではありません。自然や社会の構造の不思議さに感動するためにあります。そのためには、細かい網羅的な知識は大胆に省略し、肝心の仕組みだけを格調の高い文章で書く必要があります。

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記事 97番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
森リンの点数を修正中 as/97.html
森川林 2006/08/19 11:38 
 森リンの点数を修正しています。

1、カタカナの一部も重量語彙に含まれるようにしました。

2、素材語彙・重量語彙・強力語彙のそれぞれに文書出現頻度の重み付けをしました。(これまでの1万件の作文から約10万語について、「idf=log(全文書数/出現文書数)」を計算し、その数値にこれまでの点数との継続性があるように係数をかけました。
 その結果、普段あまり使われていない語彙で書かれた作文は点数が高めになっています。

 本当はこのあと、課題と文章の一致度を評価する仕組みも入れるようかと思っていましたが、実際上の効果があまり見込めないので見送りました。

※idf……inverse document frequency(文書の頻度の逆数)

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記事 96番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
「伝言メール」のページで欠席連絡ができるようになりました as/96.html
森川林 2006/08/09 10:38 
 欠席の連絡があるときは、「伝言メール」のページから送信すると、先生にメールで直接連絡が行きます。
https://www.mori7.com/outi/d/


 授業のある時間の直前に連絡をしても対応できますのでぜひご利用ください。

(これまでのように、電話で教室にご連絡いただいてもけっこうです)

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tamaki 20200304  
桑田です。昨日は用事があった為電話に出ることが出来ませんでした。連絡が遅くなってしまいすみませんでした。

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記事 95番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
読解の本質は向上 as/95.html
森川林 2006/07/30 10:24 

 作文教育の目標は、正しく分かりやすく書くという基礎力をつけることだけにあるのではありません。また、入試に合格する作文小論文を書くということのためだけにあるのでもありません。作文によって創造性を育てることにあります。

 創造性が、三角形の高さだとすると、その底辺は材料の豊富さです。作文を支える材料は、読むこと(読解)によってもたらされます。

 読解教育も、現在、速く正しく読むという目標と、受験の国語で高得点を取るという二つの目標に分化しているように見えます。
 速く正しく読むことは読解の基礎力をつける点で大切ですが、速読力だけを独自に追求するような読む力では、ある程度の読解力までしか育ちません。内容を消化しつつ読む場合のスピードは文章の難しさにもよりますが大体2000字が限度ですから、5000字や1万字も読むような速読力は、読解力とは関係のない別の能力です。

 受験の国語力は、ある程度までは読解力を反映していますが、難度が増すにつれて読解力よりもクイズを解く力が必要になってきます。つまり、読解力の低い子に低い点数をつけることはできますが、読解力の高い子には高いなりの評価を出すことができません。そのために、国語の難問は、悪文をもとにした悪問になりがちなのです。国語の勉強をしすぎると作文が下手になるのはこのためです。

 読解力の本質は、向上です。それは、知識を向上させることから始まり、ものの見方や考え方を向上させ、自分自身を向上させることにつながります。読むことが、ただ単に一時的な知識を増やすだけであれば、文章を読むことは辞書を引くことと変わりません。
 読むことによって、知識や思考の枠組みが向上するからこそ、最初の読み方よりも後からの読み方の方が、読む深さが増すのです。同じ文章を同じように読み、その文章をもとにした国語問題で同じような点数を取っていても、実はその文章を読み取る深さは人によって違います。

 この読み取りの深さを評価する方法は、それを作文の材料としてどのように生かせるかということです。それは、作文に留まらず、自分の人生や身の回りの状況にどのように生かせるかということにもつながっていきます。

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記事 94番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
作文を書く面白さは創造性にある as/94.html
森川林 2006/07/29 06:35 

 社会に出てから使える能力は、単純にその人がもともと持っている能力の総和ではありません。
 その人が既に持っている能力を前提として、それらをそのときどきの目標に向けて、創造的に組み合わせる能力こそが社会で生かせる能力です。

 通常、学校ではそのような能力の教育はなされません。学校の目的は、能力を伸ばすことですから、そのためには自由に選択できる手段を制限して、限られた細い水路の中で、特定の能力だけを伸ばす訓練をする必要があるからです。例えば、社会に跳び箱のような障害物があった場合、それをうまく跳び越す人ももちろんいるでしょうが、中には迂回したり、跳び箱そのものを片付けたり、はしごをかけて跳び越えたりする人もいます。それらすべてその人にとっての創造的な解決策なのです。

 では、この創造的な能力はどこで身につくのでしょうか。それは、主に遊びの中でです。遊びには、目標はあっても手段の制限はありません。この遊びの中で子供たちは、自分の持っている能力を最大限に生かすための創造性を学んでいくのです。

 この遊びによる創造性と同じ役割を果たす勉強が作文です。
 作文の中で身につく能力は確かにあります。それは、一定の時間に目標とする字数を正確にわかりやすく書く力です。しかし、作文の本当の目標はその先にあります。それは、自分が今持っている材料(実例、語彙、思考力)を有効に組み合わせてよりよい文章を書くという能力です。

 作文を書く面白さは、実はここにあります。書くことによって、新しいものの見方、新しい表現の仕方、個性、感動、共感、ユーモアなどを美的に創造するというのが作文の目的です。

 現在の作文教育は、正しくわかりやすく書くという初歩的な段階の指導と、作文小論文入試に合格するために書くという受験対策的な指導とに分化しています。しかし、作文教育の本道は、創造性を育てる作文という第三の道にあるのです。

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記事 93番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/29
作文的な勉強の重要性 as/93.html
森川林 2006/07/28 11:14 

 世間では単線的な学力観が根強くあります。例えば国語の成績で言えば、学力の高い方から順に5・4・3・2・1という成績がついていくという考え方です。この考え方は、子供が小学校から高校に通っているころには、そのまま子供社会の現実とほぼ一致します。したがって、子供が小学生から高校生にかけての親も、学力は高い方から低い方にピラミッドのような構造で成り立っているという考え方をしがちです。その考え方はもちろん間違っていません。問題は、そのピラミッドのような構造がそのまま社会に出てからも続いていくように考えがちな点にあります。
 ピラミッドの上にいる子は、そのまま将来もその位置が約束されたかのように感じ、ピラミッドの中間にいる子は、そのまま将来もその位置に甘んじなければならないように感じてしまうのです。
 ところが、実際の社会を見てみると、そのようなピラミッドとは違った構造があることに気づきます。世の中には、多種多様の職業があり、IT産業で働く人もいれば、八百屋さんで働く人もいます。歌を歌うことを仕事にしている人もいれば、会計の記帳を仕事にしている人もいます。それぞれ自分の置かれた立場で、自分の持ち味を生かして仕事をしているのです。
 学校時代が、学力を育てるための時代だとすれば、社会は、その学力を生かす時代です。高い学力があることは、広い底辺を持つという点で有利なことですが、それだけでは学力を生かしたことにはなりません。学力を生かすとは、既にある学力を前提にして、それを創造的に組み合わせるということです。この創造性こそが、社会に出てから重要な能力なのです。
 ピアニストの舘野泉(たてのいずみ)氏は、脳溢血で右手の自由を失います。しかし、彼は左手だけで弾ける曲があることを発見します。過去の時代にもやはり、舘野氏のように病気や事故で片手を失ったピアニストたちがいたのです。彼らは、不足している片手の能力を嘆くのではなく、今自分が使えるもう一つの片手の能力を生かすことで音楽活動を続けようとしました。

 今自分が使えるものを生かす。これが作文的な勉強です。

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森リンに得点の目安を表示 as/92.html
森川林 2006/07/27 10:26 
 森リンの得点で、作文検定の合格級の目安がわかるようにしました。
 また、これまでの、強力語彙、重量語彙、素材語彙という言葉を、それぞれ、思考力、知識力、表現力に改めました。
 
 例えば、次のような点数の作文があったとします(小6の生徒が7月に書いた作文です)

総合 73 点(上位1%)
字数 70.7 点 1197 字
思考力(強力語彙) 63.3 点  20 個
知識力(重量語彙) 54.7 点 32 種
表現力(素材語彙) 59.2 点 89 種

 得点の表を見ると、次のようなことがわかります。
・この作文は総合70点以上なので、5級(中2相当)の実力があります。
・字数は68点以上(3級)なので、長く書けています。
・思考力は63.3点以上(5級)なので、説明や意見がよく書けています。
・しかし、思考力に比べて知識力が51.3点以上(7級)なので、難しい言葉や漢字をもっと使っていくといいでしょう。
・表現力は57.3点以上(6級)なので、実例の幅を広げるか多様な表現を工夫していくかすると更にいい作文になるでしょう。

 以上のように、シンプルですが、今後の勉強の方向がわかりやすくなりました。

【総評】 点数はそれぞれの級の合格ラインの目安です。
12級11級10級9級8級7級6級5級4級3級
総合11点〜18点〜28点〜35点〜44点〜52点〜61点〜70点〜74点〜77点〜
相当学年小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1
字数点21.6点〜27.8点〜35.3点〜40点〜46点〜51.3点〜57.3点〜63.3点〜66点〜68点〜
思考力30点〜30点〜35.3点〜40点〜46点〜51.3点〜57.3点〜63.3点〜66点〜68点〜
知識力33.5点〜33.5点〜35.3点〜40点〜46点〜51.3点〜57.3点〜63.3点〜66点〜68点〜
表現力22.1点〜27.8点〜35.3点〜40点〜46点〜51.3点〜57.3点〜63.3点〜66点〜68点〜
思考力:意見や説明を書く力
知識力:難しい言葉や漢字を使う力
表現力:多様な実例や表現を書く力
(スペースの関係で準2級以上は省略しています)

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ニコンデジタルの母 20060804  
夏休み集中受講では大変お世話になりました。
3月に、「新中2男子の母」でコメントしたものです。
7月にお試し学習2回のあと、8月の学習4回を1日から連日で
やっていただきました。イレギュラーな受講でご迷惑をおかけしました。
パソコンおたくの息子は、パソコンで入力できること
森リンがすぐに採点してくれることが気に入り、
大の苦手の国語なのに、喜んで文章を作っていました。
森リンはとても息子に合っているシステムのようです。
普段の勉強では集中力がなく、20分やると休憩してしまい
長続きしなかったのに、言葉の森の課題をしているときは
気がつくと1時間2時間と集中していました。 文章を
作り出すことは、たびたび休憩しながらではできないのですね。
昨日は、森リンが出してくれた、上位1%に大喜びでした。
最終回の今日は、「今日は会心の出来とはいえない。得点は
低いだろう」と申しております。
が?たった今送信したところ、78点、上位1%が出てしまったそうです。 (森川林先生、プログラム採点甘くないですか?笑) 
学期中は、補習とサークルで平日の帰りが遅く、夏休み集中受講という形になりました。 また時間を見つけて受講したく思います。 どうぞよろしくお願いいたします。



森川林 20060809  
 コメントありがとうございました。
 ちょうど中学2年生のころは文章を書くことがいちばん苦手になる時期だと言われています。年齢的に、読む力と書く力の発達がアンバランスになるからです。
 しかし、森リンのように評価に客観性があると、文章を書く子とに一定の目標ができるので、取り組みやすくなるようです。
 ニコンデジタル君は、思考力の点数が高かったので、考える力は十分にあると思います。
 4回目の文章は字数も1200字以上で、とてもよく書けていました。

森川林 20060809  
 コメントありがとうございました。
 ちょうど中学2年生のころは文章を書くことがいちばん苦手になる時期だと言われています。年齢的に、読む力と書く力の発達がアンバランスになるからです。
 しかし、森リンのように評価に客観性があると、文章を書く子とに一定の目標ができるので、取り組みやすくなるようです。
 ニコンデジタル君は、思考力の点数が高かったので、考える力は十分にあると思います。
 4回目の文章は字数も1200字以上で、とてもよく書けていました。

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作文の勉強の指針としてアルゴリズムを公開 as/91.html
森川林 2006/07/26 05:44 

 グーグル以前の検索エンジンは、あるページに含まれるキーワードを合算しただけでした。グーグルはこれに対して、そのページに対するリンク数という考え方を打ち出しました。
 しかし、グーグルの評価が、単純に被リンク数を加算するだけなら、相互リンクを増やしたサイトがトップに立つはずです。しかし、必ずしもそうならないのは、被リンクの質を評価に付け加えているからです。これは、評価の高いところからリンクを受けているサイトは、高評価にするというだけではありません。評価の低いサイトからリンクを受けているサイトは、減点にするということも行っているはずです。この裏技破りによって、グーグルの評価は妥当性を維持しつづけているのです。

 森リンの評価も、これに似ています。
 森リン以前の文章評価は、おおまかに言えば、ある文章の中にあるプラスの要素を合算しただけでした。例えば、句読点の数が妥当であるとか、高度な語彙が多く使われているとか、接続語の数が多いとかいう要素にそれぞれ配点を割り当てて合算していました。評価の正確さを追求すると、要素の数を増やしていかなければなりません。そして、評価の仕組みは、作った人にもわかりにくいブラックボックスになっていきました。
 森リンの評価は、もっとシンプルです。更に、そのシンプルさに加えて、語彙間のバランスを評価の中に組み入れています。このバランスの評価が、いわゆる裏技に対応する仕組みになっています。

 グーグルは、検索のアルゴリズムを基本的に公開しています。しかし、裏技に対抗するアルゴリズムまでは公開していません。もしそこまで公開すれば、検索の妥当性という本来の目標を離れて、裏技への対応のいたちごっこが始まってしまうからです。
 グーグルがアルゴリズムを公開しているのは、それを公開することによって、よりよりサイト作りの指針が提供できると考えているからだと思います。
 森リンも同様に、作文の勉強にプラスになる指針作りのために、アルゴリズムを公開していきたいと思っています。

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●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
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