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中学生の定期テスト期間中は、勉強と読書はいったん休みで可――休んだ授業はあとから振替で取り戻す必要はない――その週のことはその週で終わらせて長続きする勉強を as/4759.html
森川林 2023/06/10 08:34 

ニチニチソウ

●動画:https://youtu.be/FZJ-vuOlsxE

 題名に書いてあるとおりです。
 定期テスト期間中は、勉強と読書はいったん休みでいいです。
 休んだ授業はあとから振替で取り戻す必要はありません。
 その週のことはその週で終わらせて長続きする勉強をすることが大事です。

 中学生の場合、まだ親が勉強をコントロールしていることが多いので、保護者がこのことをよく理解しておく必要があります。
 高校生の場合は、子供が自分で判断するので、特に問題はないと思います。

 中学生、高校生の定期テストでは、作文試験というものはまずありません。
 それは、作文の評価採点が大変だからです。

 定期テストに作文はまず出ないので、定期テストの対策期間である、テストの2週間前からは、作文の授業が負担になることがあります。

 そのときは、作文クラスの授業に出ても、長文を読んで要約だけ書いておしまいということでかまいません。
 考えるだけで終わりということにしてもいいです。
 要約+意見というかたちで書いてもいいです。
 もちろん、テスト前だから休むということにしてもいいのです。
 要するに、自分のテスト前という状況に合わせて、普段の勉強の対応を考えるということです。

 休んだ分は、そのあと、どうするかというと、その週のうちに振替で取り戻す余裕があれば振替をしてください。

 しかし、我が家の場合、休んだ分の振替はしませんでした。
 学校の行事で休むとか、家族の旅行で休むとか、風邪で休むとかいうそれぞれの理由で休むわけですから、ほかの日にその休んだ分の埋め合わせをしようとすれば、どこかでしわ寄せが出てきます。
 そういう無理をすると、結局長く続けることが難しくなります。

 その日のことはその日のうちに終わらせ、その週のことはその週のうちに終わらせるという生活をしていれば、無理なしわ寄せは起こりません。
 そうすれば、長く続けることができます。
 勉強は、長く続けることで力がつくのです。

 以前、数ヶ月前の休んだ分の振替をしたいと電話をしてきた保護者の方がいました。
 そのときは、その振替を受けましたが、私は、その子は、あまり勉強ができるようにならないだろうと思いました。

 親の監視のもとで、自分の望んでいないことを無理にやらされる子が、将来勉強好きになることはありません。
 勉強は、無理にさせれば嫌いになります。

 勉強ができる子は、好きで勉強をしています。
 無理に勉強をさせれば、そのときの成績は誰でも少しは上がります。
 しかし、長期的には成績は下がります。
 勉強好きにさせるには、無理をしないこと、楽しく続けることが大事なのです。

 楽しくということは、実は、かなり大事です。
 数ヶ月前の欠席の振替を子供にさせようとしたお母さんは、たぶん険しい顔をしていたと思います。
 「ずっと前の休んだ分を、今度、振替で受けさせるからね」と怖そうな顔で言われて、楽しく授業を受けられるわけがありません。
 振替をするときも、楽しく言ってあげる必要があります。

 すべては、長続きする勉強のためです。
 勉強は、長く続ければ必ず上達するからです。

 そして、勉強の中心は、あくまでも家庭です。
 学校や塾の授業を受けるのは、家庭学習のきっかけ作りのためです。
 家庭で毎日自分のペースで勉強をしていれば、学校や塾には特に行く必要はないくらいです。

 家庭学習ということについて、少し参考になる記事を見ました。

▽参考記事
「ほぼ塾なし家庭学習9年目のママが「家庭学習の習慣化」で大切にしてきた3つのポイント」
https://withonline.jp/with-class/education/berry-kurashi/Wc23s

> 共働きで、4人の子どもたちを子育て中です。子どもたちは保育園児から小学生、中学生まで。第一子の長男は高校受験に向けて塾に通い始めましたが、最近までは子どもたち全員が塾なし家庭学習のみで勉強を進めてきました。

 私のうちの子は、2人とも、以前にも書きましたが、小学生から高校生まで塾や予備校には行きませんでした。
 行っていたのは、言葉の森の作文だけです。
 家でやっていたのは、ほぼ読書だけです。

 上の子は中3のとき、近所の塾の夏期講習に少しだけ顔を出しましたがすぐにやめました。
 下の子も、中3の最後のころ、一時的に友達に誘われて塾に行きましたが、それもすぐにやめました。

 塾に行かずに何をしていたかというと、上の子は、パソコンでロールプレイングゲームに熱中、下の子は、バスケットボールに熱中です。

 私は、熱中するものと読書と対話があれば、勉強は必要になったときにすぐにできるようになるという考えです。
 ただ、数学だけは苦手にならない程度に一応やっておくことです。

 大学は、二人とも早稲田大に行きました。
 上の子は、実力で行きましたが、下の子はスポーツ推薦で高校に入りその延長で行きました。小論文がうまかったのだと思います。
 私は、国立大の理系の工学部あたりが面白いと思っていましたが、それは実現しませんでした。

 大学に行ってから友達と話してみると、塾に行かずに勉強していたのは、うちの子たちだけだったようです。

> 宿題が多い日は家庭学習の量を調整して、いつもはドリルを2ページしているけれど今日は1ページにしようとすることはあっても、ドリルは必ず毎日進める。子どもや親の機嫌に左右されることなく、毎日少しでも進めることを徹底することが大切です。ちなみにわが家では体調不良のときと旅行・帰省のときは勉強しなくてOKとしていて、このルールも子どもたちに何度も話し、守っています。

 私のうちでは、読書は毎日すると決めていたので、体調不良のときなどは、勉強は休みで読書だけということにしていました。
 旅行に出かけるときは、言葉の森の課題の長文と読みかけの本を持っていくようにしていました。
 課題の長文の音読をして、内容がすっかり頭に入っていると、友達と話をするときにも格好いいことを言えるので得をしたようです(笑)。

> わが家は2LDKの60平米マンションに6人暮らしということもあり、子どもたちの個室がありません。また、上の子たちを含めて、学習机もありません。子どもたちは全員リビングのテーブルで勉強しています。心掛けているのは、「家庭学習で使うグッズは、すべてリビングにまとめておく」こと。勉強しようと思ったときに参考書やドリル、筆記用具などの必要なものが数秒で揃う環境にしています。

 リビングで勉強をするというのは、中3までは大事です。
 高校生になると、自覚して勉強できるので、どこでやってもいいのですが、中学生のころはまだ勉強の自覚がないので、子供部屋でひとりで勉強をすると、遊んでしまいます。

 しかし、多少の遊びに関しては、目くじらを立てるべきではありません。
 大人でも、退屈な仕事をしていてくたびれたら、ちょっと一休みということはあります。

 子供の勉強を、最初から最後までずっと監視してやらせるようにしていると、子供は必ず外見だけの勉強をするようになります。
 つまり、深く考えるようなことはせず、作業的な漢字の書き取りや計算練習をさも一生懸命にやっているように見せる勉強をするようになるのです。
 こういう習慣がつくと、高校生になってからも作業的な勉強をするようになります。
 子供の時間管理は、子供に任せることが大事です。

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対話のある参加型の少人数オンライン学習で、思考力、創造力、共感力を伸ばす――これからの大学入試では学力とともに個性が重要に as/4758.html
森川林 2023/06/09 06:30 

ニワゼキショウ

●動画:https://youtu.be/ZyenNXYhnHM

●一斉学習型のオンライン学習

 現在、行われているオンライン学習の多くは、優れた教材を動画で流し、それを生徒に視聴させるような受け身の一斉オンライン学習です。

 面白くてためになる動画を見るというのは、テレビや、YouTubeを見ることと同じです。
 みんなが、同じ面白い動画を見て学習するだけなら、みんなで一緒にテレビを見ているのと変わりません。

 もちろん、そういう学習は、面白くて頭に入るからそれはそれでいいのです。
 面白い動画の一斉学習には、それなりの役割があります。

●個性を生かすオンライン学習

 しかし、これから必要になるのは、子供一人ひとりの個性を生かす学習です。
 子供たちには、それぞれの個性があり、興味のある分野、得意な分野がそれぞれ異なります。

 その個性を生かすためには、子供たちが発言し発表できる場が必要です。
 一人ひとりの発表は、オンラインの教室であっても、リアルの教室であっても、一斉指導型の学習の中ではできません。

●学習の深化には5人以内の仲間との対話と交流が必要

 生徒一人ひとりが自分から発言し発表するためには、その発言と発表を受け止める仲間が必要です。
 質問をしたり意見を述べたり対話をしたりする相手がいることによって、発言と発表は進歩します。
 そういう仲間の数は、5人以内です。

●一対一の個別学習では対話と交流がない

 一対一の個別学習は、先生と生徒の間で密度の濃い学習ができるという利点がありますが、生徒どうしが対話をし交流するという機会がありません。
 密度の濃い学習という点だけから言えば、一対一の学習は、ChatGPTなどのAI技術によってカバーされるようになります。

 人間の教育には、同じ人間による少人数の仲間が必要です。
 その少人数の基準は、繰り返し書きますが5人以内です。

●対話を生む探究学習としての作文、創造発表、プログラミング

 対話が成り立つ学習には、それにふさわしい学習内容があります。
 国語、数学、英語などの教科型の学習には、対話はそれほど必要ではありません。
 それは、すでにある与えられた知識を吸収する学習ですから、ビデオ授業の一斉学習でも、ChatGPTの個別学習でもいいので、能率のよい学習法を組み合わせて選べばいいのです。

 発表と対話のある学習は、探究学習と呼ぶこともできますが、具体的に言葉の森で言えば、作文と創造発表とプログラミングです。
 それは、全員に同じ答えがある学習ではなく、逆に、全員が違う答えを作る学習だからです。

● 個性と創造性が求められる新しい時代の教育

 一律の知識の学習から、多様な個性の学習へという流れは、教育の分野だけでなく、社会にも広がっています。
 これまでの社会は、言われたことをきちんとできる平凡な優等生を求めていました。
 しかし、それは今後、ロボットとAI技術で代替できるようになります。

 これからの社会に求められるのは、誰にも言われないことを、自分の興味と関心と個性の力で作り上げることのできる人間です。
 それは、作文や創造発表やプログラミングの学習をする生徒の延長にある社会人の姿です。

●新たな未来への選択は、個性を活かした起業への道

 これからの若者は、受験勉強という狭い枠の中で上位を目指し、その延長にある就職活動の枠の中でよりよい枠の中に入ることを目指すような生き方をする必要はありません。
 それよりも、個性を生かし、独立起業を目指す生き方を選択することができるようになります。
 それが、間もなく来る未来の社会です。

●保護者の時代の入試と現代の入試の違い

 多くの保護者は、自分が若かったころの経験を基準にして考えるため、子供たちが個性を生かす生き方を部分的にしか容認できません。
 しかし、その場合は、次のように考えればいいのです。

 現在の大学入試では、すでに一般入試よりも推薦型入試の方が多くなっています。
 ペーパーテストの点数で1点差を競うような詰め込み学習をした生徒よりも、個性的な持ち味のある生徒の方が大学に入りやすくなっており、その傾向は年々強まっています。

●これからの入試は、普通の学力と豊かな個性

 推薦型入試では、勉強は、普通にできるぐらいで十分です。
 普通にできるという基準は、東大の学長が推薦入試について述べた「センター試験8割で学力を担保」というレベルです。
 それなりの学力は必要ですが、逆に言えば、それなりの学力の見通しがあれば、あとは個性を伸ばすことに力を入れていく方がいいのです。

 大学入試共通テストで満点を取れる個性の乏しい人よりも、共通テスト8割で個性の豊かな人の方が活躍できる世の中になっています。

●作文、創造発表、プログラミングで個性を伸ばす

 中学生や高校生は、まだ社会の流れをよく見ていないので、学校の定期テストでいい成績を取ることが大きな目標になっています。
 定期テストは、全教科90点以上が目標ですが、それ以上がんばる必要はありません。

 それよりも、言葉の森の作文クラスや創造発表クラスやプログラミングクラスで、自分の個性を伸ばしていくといいのです。
 これらのクラスのいずれか、またはすべてに参加し、個性と思考力と創造力と発表力とコミュニケーション力を伸ばしていくことが、これからの勉強の大きな方向と考えていくといいと思います。

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上手な作文は親子の対話で書く――低学年は題材作り、中学は似た例の取材、高学年は感想のアドバイス、受験生は準備と推敲の協力 as/4757.html
森川林 2023/06/08 08:13 

アジサイ・ダンスパーティー

●動画:https://youtu.be/pnpkHia7-I8

 言葉の森には、何度も作文のコンクールに載るような小学生から高校生までの生徒がいます。
 そういう上手な作文を書くには、コツがあります。
 そのコツの土台になるのは、読書と対話です。

●字数

 見栄えのある作文を書くためは、学年相応の字数も必要です。
 字数の大体の目安は、学年の100倍から200倍です。

 小学1年生は100字から200字、小学2年生は200字から400字、……、小学6年生以上は600字から1200字、中学生、高校生も600字から1200字です。
 内容のよい作文で、字数が短いときは、清書の週などに新しい実例を追加して字数を倍にします。

 小学校高学年、中学生、高校生になると、字数がなかなか伸びなくなる生徒も出てきます。
 作文の字数推移グラフを見ると、すぐにわかりますが、1年間近く同じ字数のまま書いている生徒が時どきいます。
 字数が伸びていないのは、作文力が伸びていないからです。

●字数の目標

 字数を長く書くためにどうしたらいいかというと、ひとつは字数の目標を意識することです。
 もうひとつ、もっと大事なのは、読書の量を増やすことです。

●読書

 読書は、小学生の間は生活作文という事実中心の文章なので、物語文の読書でも間に合います。
 しかし、中学生以降は意見中心の作文になるので、説明文や意見文の読書をする必要があります。

 アウトプットをするためには、その前提としてインプットが必要です。
 読む量が不足していると、作文を書くために必要な実例や表現が出てきません。

●添削

 この読書と並んで大切なのが、親子の対話です。
 作文力は、読書と対話に支えられて成長します。

 世間で大きな誤解のあるのはここのところです。
 上手な作文を書くためには、添削を強化すればいいと思ってしまう人が多いことです。

 添削では、作文は上手になりません。
 もともとの作文が読み応えのある内容になっていることが大事で、添削はその付け足しなのです。

●低学年の対話

 対話の分野は、学年によって変わってきます。
 小学校低学年の場合は、作文の題材作りを手伝うことです。

 低学年の生徒は、自分のしたことや、自分が面白いと思ったことを無邪気に書きます。
 それは、それでいいのですが、普通に自分のしたことを書くだけだと、いつも「学校でこんなことがありました」とか、「今日もともだちとサッカーをしました」とかいう、代りばえのない作文になります。

 もちろん、それでもいいのですが、大きくなってから自分の低学年のころの作文を読み返して面白いと思えるような作文を書ければ、やはりその方がいいのです。

 価値ある作文は、その子の自分らしい経験が書いてある作文です。
 子供は、映画を見にいって楽しかったときは、映画の話を書こうとします。
 ゲームをして面白かったら、ゲームがどうなったかという話を書こうとします。
 翌日楽しい遠足があるというときは、遠足が楽しみという話を書こうとします。
 しかし、見ただけの話や、未来の話は、いずれも、自分らしさのある作文にはなりません。

 低学年の作文は、題材づくりを親が手助けをしてあげるといいのです。
 それは、別に、わざわざディズニーランドに連れていくというようなことではありません。
 例えば、「今度の日曜日、お母さんと一緒にカレーライスを作ろうか」とか、「お父さんと一緒に、ザリガニをつかまえに行こうか」とかいうことでいいのです。
 その際、子供と一緒に、必要な手順を考えて、できるだけ子供が主体的に参加する形にすることです。
 こういう経験が、作文を書く以上に、子供を成長させます。

●中学年の対話

 中学年からは、作文の課題が決まってくるので、お母さんやお父さんに似た例を取材することが必要になります。
 特に、日常的に対話をする機会の少ないお父さんに似た話を聞くと、子供の題材力が広がります。

 感想文の課題のときは、特に、子供の体験だけでは十分に書けないので、お父さんやお母さんが似た経験を話してあげることが必要になります。

 似た話の取材は、家族だけに限りません。
 場合によっては、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに電話で取材をしてもいいのです。

 この取材によって、子供の題材と表現の幅が広がります。
 そして、この対話は、作文に役立つだけよりも、むしろ子供の生き方、ものの見方の成長に役立つのです。

●高学年の対話

 小学校高学年以降は、似た例の話のほかに、感想や意見のアドバイスもしてあげることができます。
 高学年になると、生徒自身がよりよい文章を書こうと思うようになります。

 しかし、小学校高学年のうちは、まだ感想や意見を書くための語彙が不足しています。
 そのときに、中学年のころまでに似た例の取材をよくしてきた子は、感想や意見についても両親に話を聞こうとします。
 感想や意見の対話によって、子供の考える力が伸びていくのです。

●受験生の対話

 受験作文に取り組む場合も、親子の対話が必要です。
 ひとつは、課題を見て、どういう実例や構成や意見で書けるかを話し合うことです;
 特に大事なのは、どういう実例で書くかということです。
 いい実例を思いつくと、その方向で一気に書けるようになるからです。

 そして、先生から作文が返却されてきたときは、その作文を親子で推敲するのです。
 普段の作文では、推敲までする必要はありません。
 かえって、普段の作文で推敲をする時間をとると、子供は作文を書くことを負担に感じるようになります。
 しかし、受験作文の目標は合格する作文を書くことですから、よりよい表現になるように親子で赤ペンを入れていくようにするといいのです。

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2023年の夏期講習(修正中) as/4756.html
森川林 2023/06/07 09:08 

イワダレソウ

 現在、情報を修正しています。

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森川林 20230607  
 2023年の夏期講習は、暗唱、読書感想文、受験作文、国語読解ディスカッション、ホームページ作成プログラミングなどです。
 その他の講座も企画中。

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オンライン少人数クラスの学習――5人以内という少人数クラスでコミュニティ学習の効果が生まれる as/4755.html
森川林 2023/06/06 04:45 

カタバミ

●動画:https://youtu.be/9fnJHowGmCk

 少人数教育の研究でよく知られているグラフです。

全米学力調査(英語版)の2005年調査「学級規模と読書能力の相関( 4学年、8学年)」
クラスの規模は重要ですか?

 1クラスの生徒数と読む力の関係で、1クラス20人よりも、1クラス10人の方が効果が高くなるという結果が出ています。

 このグラフの延長を考えてみると、30人学級や40人学級になると、更にクラス全体の学力が低下することが予想されます。
 これが、現在の日本の学校の平均的な生徒数です。

 一方、10人学級よりも少ない人数では、少なくなればなるほど、クラス全体の学力は向上することが予想されます。

 私の考えでは、生徒数が10人、9人、8人と少なくなるにつれて、学力はもちろん向上しますが、生徒数が5人ぐらいのレベルになると、その向上度が加速するのです。
 ところが、生徒数が、3人、2人、1人と減っていくと、向上度は頭打ちになるか逆に低下します。
 これは、人数のレベルに応じて教育の形態が異なってくるからです。

●集団学習

 30人や40人のクラスでは、集団一斉指導という教育方法しかありません。
 その集団一斉指導をカバーするのが、テストと宿題と競争と規律です。

 集団学習には、規律が必要です。
 授業中に立ち歩く子などが増えれば、授業が成り立たないからです。

 言葉の森のオンライン少人数クラスでは、規律はありません。
 授業のある夕方6時ごろの時間帯はお腹がすくので、お菓子などを食べて勉強してもいいことにしています。
 しかし、こういう自由な雰囲気で勉強することは、集団学習ではできません。

●個別学習

 生徒数が1人か2人の場合は、個別指導という教育形態になります。
 個別指導とは、家庭教師のような教育です。
 この教育は、生徒の意欲と講師の力量に左右されます。
 講師は誰でもそれなりの力量がありますから、大事なのは生徒の意欲です。

 ところが、個別指導で生徒に意欲を持たせるのは難しいのです。
 それは、先生と生徒が1対1の学習では、生徒が先生に甘えるようになるからです。
 「ちゃんと予習してきた?」「忙しかったのでしていません」「だめじゃない」「はい」というような形で毎週、準備不足の子がいても、先生はそれを是正させることができません。
 個別学習は、受験直前のように生徒にやる気があるときにだけ効果がある学習形態です。

●コミュニティ学習

 生徒が5人ぐらいになると、そこに動的な人間関係が生まれます。
 一緒に勉強する時間が長くなるにつれて、友達と一緒に勉強しているという感覚が生まれます。
 すると、あの子もやっているから自分もやるという気持ちになってきます。
 同調圧力がよい方向に働くのです。

 作文のような負担の大きい学習では、特にこの効果は顕著です。
 国語、数学、英語のような教科の学習でも、クラスというコミュニティの中で教え合うということができるようになります。

 ただし、コミュニティ学習の難しいところは、同レベルの生徒5人がひとつのクラスに集まるという仕組みがなかなかできないことです。
 通学式の教室では、コミュニティ学習の仕組みを常態的に作ることはまずできません。
 しかし、オンラインの教室であれば、コミュニティ化したクラスは作れます。

 言葉の森のオンラインクラスでも、仲のいい生徒どうしが集まって勉強するクラスがいくつもあります。
 このコミュニティ化したクラスを増やすことが、今後の目標です。


 コミュニティ学習は、家庭学習とセットにして考える必要があります。
 一緒のクラスで楽しく勉強しても、週に1回1時間の勉強だけでは何の力もつきません。
 クラスでの勉強のあと、毎日、家庭で自分のペースで自主学習をする必要があります。

 家庭で勉強をするときに、「あのクラスの人たちも、みんな今ごろ家で勉強しているだろうなあ」と思えることが、クラスでの勉強と家庭での勉強との接点になります。
 その接点を意識させるのが、学習記録のそれぞれの生徒の学習ページ数です。


 言葉の森のコミュニティ学習は、本格的に始めてからまだ数年しかたっていません。
 2020年のコロナ休校がある前までは、個別学習が中心でした。
 2020年以前は、オンラインクラスの受講者は創造発表クラスと自主学習クラスの2つで、全体の割合は5%でした。
 現在は、オンラインクラスの割合が作文も含めて75%、個別学習の割合が25%です。

 オンラインクラスは、生徒が増えれば増えるほど、コミュニティ化したクラスを作りやすくなります。
 言葉の森の生徒は、現在、北は北海道から南は九州沖縄までほぼ全県から参加しています。
 海外でも、アメリカ、アジア、ヨーロッパ、南米と多くの国から参加しています。
 すると、海外の生徒と離島の生徒と九州と北海道と東京の生徒が、同じクラスで同じレベルの学習をすることができるようになります。

 このロングテール効果を生かして、同学年同レベルのコミュニティ化したクラスを作っていくことが、言葉の森のこれからの課題です。

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●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
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●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

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●作文教室 比較のための10の基準
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●中学受験国語対策
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