https://www.youtube.com/watch?v=YVqexv1HXnk
●作文力における抽象的思考の重要性
作文力とは思考力です。
小学生の間は事実を、そのまま書くような力が作文力でしたが、小学校高学年になると、そこに抽象的な思考が加わってきます。
つまり、感想の部分をどれだけ深く書けるかが、小学校高学年の作文の要になるのです。
●中学生に求められる「構成の力」と「理由の提示」
次に中学一年生になるときには、ここに新たに構成的に考える力が必要になってきます。
それまで、複数の実例で書いていた作文を、中学一年生になると複数の理由で書くようになるのです。
ところが、最初はこの理由の書き方ができない生徒が多いのです。
例えば、「読書の大切さ」という意見で作文を書く場合、最初の意見は「読書は大切だと思う」で、それは、誰にでも書けます。
その次に、その意見の裏付けとなる複数の理由を書く際に、中学生になったばかりの生徒は理由ではなく実例を書いてしまうことが多いのです。
例えば、「私は読書は大切だと思う。この間、こんな本を読んだことがある」と実例を進めていってしまうのです。
そこで、例えば、「私は読書は大切だと思う。その理由は、第一に知識が増えるからである」などと書けば理由になり、その理由の裏付けとしての実例を書くという形になります。
ところが、この理由がなかなか書けないのです。
何度説明しても、理由でなく実例を書いてしまうという生徒がかなりいます。
つまり物事を考える際に、抽象的に考えるのではなく身近な体験だけで考えてしまうということです。
●「社会的な方法」へ視野を広げる
これは構成の練習をする際の「複数の方法」ということについても言えます。
意見は、「私はこういうふうにすべきだと思う」というような形で始まります。
そのあと、そのための方法を書く際に、自分の心構えのような方法は誰でもすぐに思いつきます。
しかし、社会的な方法というのが思いつかないのです。
つまり、何かをする場合、自分はどうするか、人はどういう心構えをするべきかということは考えつくのですが、社会的にどうしたらいいのかということまでは考えが進まないということです。
方法を書く練習をすることによって、社会的に考えるという見方ができるようになります。
●多角的な視点と「自作名言」による逆張り思考
実例の書き方や表現の仕方についても、同じようなことが言えます。
昔話の実例という練習があります。
自分の意見を書く際に、それを桃太郎や浦島太郎のような昔話の例を生かして書くという練習です。
そのことによって例えば、桃太郎の昔話を、普通に考えられている見方とは別の観点からとらえるという発想が必要になってきます。
表現の項目では、自作名言という書き方があります。
自分の意見を書く際に、今世の中に一般的に言われている意見とは逆にある真実を書くという書き方です。
これも、最初は誰でもなかなか思いつきません。
●思考を飛躍させる柔軟性とダジャレの共通点
小学生の「たとえを書く」という項目も似ています。
たとえを書くためには、物の見方を広げなければなりません。
考え方を飛躍させる必要があるのですが、その飛躍した考え方がなかなか思いつかない子もいるのです。
これは、ダジャレにも当てはまります。
ダジャレをすぐに思いつく子は、考えを飛躍させることができるという点で頭のいい子です。
これは、考え方の柔軟性とも言えるものです。
作文を書くことによって、このように考え方を広めたり深めたり高めたり飛躍させたりという練習ができるのです。
【AIに聞いた感想より】
特に感じ入ったのは、「『理由』を書くべきところで『実例』を書いてしまう」という中学生の躓きに関する分析です。これは大人のビジネスライティングや論理的思考(ロジカルシンキング)の研修でも全く同じ問題が見られます。「なぜなら?」の後に、客観的な理由(抽象論)ではなく、自分の身の回りのエピソード(具体論)をいきなり語ってしまう人は少なくありません。
また、後半の「社会的な方法に目が向かない」という点や、「ダジャレと思考の飛躍」を結びつける視点も非常にユニークです。作文指導とは、単に原稿用紙を埋めるテクニックではなく、「自己中心的な視点から、社会や多角的な視点へと認知を拡大していくトレーニングである」という筆者の強いメッセージが伝わってきます。
――――
この文章は、教育心理学でいう「具体的思考から抽象的思考への発達」という考え方と関係があります。
代表的なものとしては、ジャン・ピアジェ の認知発達理論があります。ピアジェは、おおむね小学校高学年から中学生にかけて、抽象的・論理的な思考が発達すると考えました。
また、「実例から理由へ」「個人から社会へ」「常識から逆説へ」という流れは、まさに小論文教育で重視される思考の発達段階とも重なっています。
この文章は、森リンや作文検定の理念を説明する文章としても使いやすい内容だと思います。特に「作文を書くことで考え方を広めたり深めたり高めたり飛躍させたりする」という最後のまとめは、とても印象に残りました。
さらに説得力を増すなら、最後のまとめの前に、
「作文の指導とは、文章を書く指導ではなく、考える力を育てる指導なのである」
というような一文を入れてもよいと思います。
――――
※AIには、小見出しをつけてもらっています。
https://www.youtube.com/watch?v=urA6rf7C-fo
●OCRから音声入力への転換
Nottaを使った作文のテキスト化で、作文を書く時間を短縮しましょう。
言葉の森では以前、オシロンというOCRサイトを作って、手書きの作文もテキスト化できるようにしていました。
しかし、最初はかなり性能が良かったのですが、使っているうちにAIがくたびれたのかどうか分かりませんが、性能が落ちてきました。
また、もともとGoogleやOpenAIのOCR用のAPIは英語向けに作られているため、縦書きの文字が読みにくいなどの問題がありました。
さらに、手書きの文字は人によってかなり個性があるので、AIが発達してもOCRで正確に読むことは難しいと思いました。
もちろん、上手な字を書いている子の場合はほぼ正確に読み取れますが、字が上手ではない子もかなりいます。
そこで、OCRではなく、音声入力を使ったテキスト化の方法を試みてみました。
音声入力の今の水準はかなり高く、人が話したことをほぼ正確に読み取ります。
中でもNottaは日本語にも十分対応していて、多少の読み違いがあっても自然な文章に直してくれます。
そこで、テキスト化はNottaを使って行うという方法を考えました。
●作文入力にかかる時間の比較
ちなみに、1200字の作文を書く場合、いろいろな入力方法にかかる時間は、
・手書き40分
・フリック入力30分
・キーボード入力15分
・音声入力5分
ぐらいだと思います。
Nottaは無料版で1回3分までの音声をテキスト化できます。
人間が原稿を読むスピードは400字1分程度ですから、3分あれば1200字の文章は読み切れます。
早口で話せば2000字ぐらいまでは正しく読み取るだろうと思います。
無料版では月に300分まで利用できるということなので、毎週の作文の音声入力には困ることはありません。
では、これをどのように使ったらいいかということです。
●低学年の子供の活用法
まず、小学校低学年で手書きで作文を書いている子供たちの場合です。
これまでは、お母さんやお父さんが子供の書いた手書きの作文をキーボード入力してテキスト化していたと思います。
Nottaを使う場合、低学年の子供が自分で書いた手書きの作文をNottaに向かって音声で読み上げます。
すると、手書きの作文がそのままテキスト化された作文になります。
あとは段落や改行などを追加すればいいだけです。
子供でもできるというところが一番の強みです。
ひらがなも自動的に通常の漢字かな交じり文にするので、森リンにかける場合も正しく採点されます。
●高学年の生徒の活用法
高学年の生徒の場合も、手書きで書く練習をしている人は、手書きの作文を書き上げた後に3分以内で音声入力をすれば、手書きの作文とテキスト化した作文の両方が出来上がります。
その両方を一緒に送ればいいのです。
●音声入力で作文を書く方法
さて、普段からテキスト入力をしている人の場合は、次のような活用の仕方ができます。
まず、手書きで構成メモを書きます。
長文を読み、自分が書く内容を考え、それを手書きでメモにするだけですから、早ければ15分ぐらいでメモが出来上がります。
その後、そのメモを見ながら口頭で作文を音声入力するのです。
普通、1200字の作文をキーボード入力で書く場合、考えながら書くので1時間半ぐらいかかるのが普通です。
しかし、自分のメモを元に音声入力で作文を書けば、手直しの時間も含めて10分もあれば十分にテキスト化した作文が書き上がります。
学校のテスト勉強などで忙しい時も、この方法であれば作文を書くことができます。
また、たとえ作文を書かなくても、長文を読み、構成を考え、メモを書くだけであれば、忙しい時でも準備をすることができます。
●AIと組み合わせてさらに便利に
ところで、Nottaは数字を漢数字にしてしまうことがあるようです。
それを半角の算用数字に自然に変換したい場合は、テキスト化した作文をAIに編集してもらえばいいのです。
小学校高学年、中学生、高校生でテキスト化している皆さんは、ぜひこの方法を試してみてください。