2013年2月22日
4月からの家庭学習と自習について
https://www.mori7.com/kg/jslist.php
言葉の森 港南台教室
■意義
これまで、いろいろな形で自習に関する連絡をお渡ししましたので、わかりにくい面が多かったと思います。
言葉の森港南台教室では、この春から、小中学生の「作文+全教科の家庭学習アドバイス」に本格的に取り組んでいきます。その背景については、後述の「家庭学習に関する参考記事」をごらんください。
■目標
小学生の家庭学習アドバイスの目標の目安は、公立中高一貫校に合格する力をつけることです。
この目標を目安にすれば、(1)無理な詰め込み学習は必要なく、(2)考える力をつける勉強ができ、(3)中学に入ってからの学力の土台がつき、(4)合格した場合は、志望大学の合格可能性が高まります。
中学生の家庭学習アドバイスの目標の目安は、公立トップ高に合格する力をつけることです。
しかし、この場合も、高校に入ってからの学力の土台を作っておけば、高校での勉強次第でどこの大学にも進学できます。私立小中学校に通う生徒も、こういう目標を目安とすることで実力がつきます。
■希望に応じて自習をチェック
これまで、ひととおりいろいろな自習の仕方や、自習の記録の付け方を説明してきました。しかし、これは、これらの自習を全部やらなければならないということではありません。最低限やっていただくことは、読書、予習、そしてできれば音読、暗唱です。それ以外の漢字、算数、英語などは、希望に応じてやってください。
後述の「参考自習リスト」から、希望する自習を選んだら、それを自習ノートに記録するようにしてください。
教室では、その自習表、チェック表をもとに、自習の進み具合を毎週チェックし、必要に応じてアドバイスをしていきます。
■作文と自習で週2回出席もできます。追加費用はなし
家庭での自習の仕方がわかりにくい場合、
作文を書く曜日とは別に、教室に来て国語、算数・数学、英語、理科・社会などの自習をすることもできます。この場合の追加の費用はかかりません。
ただし、教室の定員があるので、作文を書く曜日以外に教室に来る場合は、その曜日をできるだけ固定するようにしてください。自宅でできるのであれば、来る必要はありません。
作文を書く日と同じ日に、時間を延長して、国語、算数、英語、理社などの勉強をすることもできますが、生徒の様子を見て負担が大きいと思われる場合は別の曜日にしていただくことがあります。
■自習チェックの希望に応じて、別紙の「自習希望リスト」をご提出ください
4月からの自習を個人別に決め直します。別紙の「自習希望リスト」で、チェックを希望する自習に○をつけご提出ください。途中での変更、追加、取消は、お電話でご連絡ください。教材がそろえば、3月からスタートすることもできます。
■家庭では具体的にどんなふうに
家庭では、親子で相談の上、曜日ごとの自習の予定表を作ります。その予定表に沿って、子供が毎日の自習をします。親が教えたり丸付けをしたりするのはできるだけ避け、子供が自分で答えを見ながら問題を解き採点もするようにします。1日1回、子供がつけた自習表の記録をもとに、親が、子供に説明をさせるような形を中心に自習のチェックをします。
算数数学の問題などで、子供が解法を見てもわからない問題があったときは、親が一緒に考えてあげます。できるだけ親子で対話を楽しみながら解決するようにしてください。親子で解決できないときだけ、教室の先生に聞きます。算数数学の問題はその場で説明すると時間がかかることが多いので、問題を預かり翌週解説をするようにします。
家庭学習に関する参考記事「中3までの勉強は、塾に行かなくても家庭でできる」
(これは2月20日のホームページに掲載した記事です。)
今日のfacebookページに、「中3までの勉強は、塾に行かなくても家庭でできる」という記事を書きました。
なぜ、中3までかというと、中3までは子供はひとりでは勉強の計画まで立てられないので、親が助言をしてあげる必要があるからです。
====2/20のfacebook記事より====
中学3年生までの勉強は、家庭学習で充分にできます。必要なものは、教科書と市販の参考書・問題集だけです。年に数回、全国学力テストを受ければ、自分の位置が客観的にわかります。受験に対応するためには、志望校の過去問に取り組めばいいのです。
昔の子供は、学習塾にも行かず、通信講座も使わず、余裕のある生活の中で必要な学力をつけていました。今は、市販の教材が昔よりも充実しているので、更に家庭学習は容易になっています。
家庭学習というと、親が教えるようなイメージを持つ人も多いと思いますが、いい勉強法は、できるだけ教えない勉強法です。家庭教師でも、教える家庭教師はすぐに成績が上がりますが、その後すぐに伸びなくなります。教えない家庭教師の方が、生徒は伸びるのです。
教えない勉強法というのは、子供が自分で問題を解き、答え合わせをし、自分で間違ったところを理解する勉強法です。そして、その間違ったところだけを反復して練習する勉強法です。どんな難問でも、4、5回反復すれば確実にできるようになります。これで、本当の実力がつくのです。
子供が自分で理解できないときだけ、親や先生に聞きます。だから、親や先生の出番は、ほとんどありません。もし、親や先生の出番が頻繁にあるようなら、それは問題集のレベルをもっと易しくする必要があるということです。
親子で勉強すると喧嘩になるという人もいますが、それは親が教えようとするからです。親は、子供が自分で勉強するのを、横で静かに見ていればいいのです。忙しいときは、家事をしていればいいのです。でも、もちろん横でにぎやかなテレビを見ているのはダメです(笑)。
家庭学習の利点は、親子の対話や読書の時間が増えることです。塾に行かない分、夕方の時間に余裕があります。
親が教材を把握しているので、勉強の中身でも話題が共有できます。他人に任せる勉強をしていると、親子で共有できるのは点数だけになってしまうのです。
ただし、教材の選択から、毎日の勉強時間の管理まで親がやらなければならないとすると、そのための準備が大変です。だから、家庭学習のコンサルタントのようなものがあればいいのです。これからの学習塾は、そういうコンサルタントのようなものになっていくと思います。
また、小学校高学年から中学生ぐらいの子供は、他人と一緒に勉強したがります。ひとりで勉強できるのは、高校生になってからです。だから、同じような勉強をする近所の子供が一緒に勉強できる場があればいいのです。それは、家庭でも、地域の集会所でも、又は、従来の学習塾でもいいと思います。
こういうことが普通に行われるようになれば、子供たちはもっと時間の余裕のある中で、もっと学力をつけていくことができるでしょう。
====引用ここまで。====
中3まであまり塾に頼らずに勉強した子は、高校生になっても、予備校にほとんど頼らずに自分で勉強していけます。勉強は、独学でやるのが最も能率がいいのです。
塾や予備校を利用するのは、模擬試験で全国の位置を知りたいときだけです。今は、そういう模擬試験だけのサービスを提供してくれるところもあります。
ただし、人に見てもらわないと、できない勉強もあります。できないわけではありませんが、独学だと能率の悪くなる勉強です。それは、音楽や運動や作文のように、答えのない勉強又は練習です。国数英理社の勉強が独学の方が能率のよい理由は、答えがあるからです。
言葉の森の通学教室では、これまで作文だけを教えてきました。しかし、低学年から塾通いで多忙になる生徒が年々増え、それに反比例するような形で中学生になってから勉強疲れをする生徒が増え、そして肝心の実力があまりついていない生徒が増えるのを見て、家庭学習のアドバイスをすることにしました。
家庭学習と言っても、親が時間を割いて教えるのではありません。親は、勉強全体のアウトラインを決めて、あとは子供が勉強したことを報告するのを聞くだけです。
もし、子供から質問があれば、そのときは一緒に考えてあげます。小中学生のときに苦手な科目があった親でも、大人になれば理解力がついているので少し考えればわかることが多いのです。それでもわからない問題があったときは、教室の先生に聞きます。親が聞いても、子供が聞いてもどちらでもかまいません。子供が聞いたときは、今度はそれを親に説明させます。すると、更に理解が深まります。
こういう勉強法は、小学校低学年から始めた方がやりやすくなります。高学年や中学生になってから始めるのでは、親が子供の勉強に追いつくまでが大変だからです。でも、もちろんやれば誰でもできます。
親の姿勢で大事なことが二つあります。一つは、家庭学習が習慣になるまで、例外を作らないことです。うっかり忘れたというようなことが続くと習慣にならないので、かえって続けることが難しくなります。
もう一つは、いつもにこにこ褒めてあげることです。注意するようなことが多くなると、親も子も疲れてきます。
ところで、この二つの姿勢は、両立しにくく、一般に例外を作らない人は厳しくなりがちで、いつもにこにこできる人は例外も許容しがちです。だから、自分の苦手な方を意識して子供に接することが大切です。
この二つ、例外を作らない、いつもにこにこという親の姿勢は、子供が小学校低学年のころまでに決まってしまいます。だからこそ、勉強の中身が簡単で時間もあまり取らない小学校低学年のうちに、家庭学習の習慣をつけておくことが大事なのです。
重要度 | 略称 | 名称 | 内容 | 対象学年 | 所要時間 | 親と先生の行うくわしいチェック | 親と先生の行う簡単なチェック | 目的 | 教材 |
○ | よ | 漢字の読み | 漢字集を1学年前から2行(48字)又は1行暗唱 | 幼長~中3 | 毎日10分 | 読みの暗唱を聞く | ふりがなを隠して読ませる | 漢字の読みを先取りし、受験学年前から問題集読書ができるようにする。 | 教育漢字集(小)常用漢字集(中) |
△ | か | 漢字の書き | 漢字集を1学年前から書けない漢字を2行(40回)書き取り | 幼長~中3 | 毎日5分 | 書いたノートを見る | 漢字を指示して書かせる | 学年までの漢字がひととおり書けるようにする。 | きそがためドリル(幼) 教育漢字集(小)常用漢字集(中) |
◎ | お | 音読 | 毎週の課題の長文を1回音読する。(読み聞かせでもよい) | 幼長~中3 | 毎日5分 | 音読を聞く | 音読した長文の内容を3点ぐらいで説明させる | 繰り返し読むことで語彙を増やし内容を把握する(感想文のときは特に重要) | 課題フォルダ |
◎ | あ | 暗唱 | 長文を1日100字、1週間で300字、1か月で900字暗唱する。 | 幼長~中3 | 毎日10分 | 暗唱を聞く | 口頭の穴埋め問題に答えさせる | 暗唱力をつけ、記憶力をつけ、発想力をつける。作文の表現力をつける | 課題フォルダ |
○ | さ | 算数数学 | 問題集を1日2ページぐらい、解法を見ながら解く。できなかったところを理解する。 | 幼長~中3 | 毎日20~30分 | その日の問題の解法を説明させる | 解いた問題集又はノートを見る | 算数数学の問題の解法を理解する | 問題集(ハイクラステスト、くわしい算数など) |
○ | も | 問題集読書 | 入試問題集を5~10ページ線引きをしながら読む | 小4~中3 | 毎日10分 | 読んだところの内容を1つ説明させる | 線を引いた箇所を見る | 難しい語彙や考え方が書かれている文章を読む力をつける。 | 中学入学試験問題集国語編、全国高校入試問題正解国語、公立中高一貫校適性計算問題集 |
○ | え | 英語暗唱 | CDを聞いて1ページ暗唱する(小4)、暗唱暗写する(小5以上) | 小4~中3 | 毎日10分 | 暗唱させる、暗写させる | 口頭の穴埋め問題に答えさせる | 英語の感覚に慣れ、聞き取り力、単語力、表現力をつける | 英語の絵本CD、教科書ガイドのCD |
● | ど | 読書 | 毎日10ページ以上の読書をする(できれば50ページ以上) | 幼長~中3 | 毎日10分以上 | 読んだ本を見て中身を聞く | 読んだ本の書名とページを聞く | 読書の習慣をつける | 市販の本 |
△ | り | 理科 | 参考書を5ページ線を引きながら読む、問題を解答を見ながら解く | 小3~中3 | 週1回20分 | 読んだところの内容を1つ説明させる | 線を引いた箇所を見る | 理科の生きた知識を身につける | これでわかる理科、くわしい理科 |
△ | し | 社会 | 参考書を5ページ線を引きながら読む、問題を解答を見ながら解く | 小5~中3 | 週1回20分 | 読んだところの内容を1つ説明させる | 線を引いた箇所を見る | 社会の生きた知識を身につける | くわしい社会、くわしい地理、歴史、公民 |
△ | ぶ | 英語文法 | 参考書を5ページ線を引きながら読む、問題を解答を見ながら解く | 中1~中3 | 毎日20分 | 読んだところの内容を1つ説明させる | 線を引いた箇所を見る | 英語文法力をつける | くわしい英語 |
○これらのほかに「●予習(対話)」として、次の週に書く作文について、週に1回子供に書こうとする内容や読んだ長文を説明させ、それをもとにお父さんやお母さんの似た話などを話してあげてください。これは、作文の材料を増やすとともに、思考力、聞き取り力、説明力、面接力をつけます。