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解説集 ハギ2 の池 (印刷版 /印刷版 /ウェブ版 /最新版
印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。ウェブ版は書き込み用です。 https://www.mori7.com/mine/ike.php
最新版には印刷日(2024-09-14 00:00:00)以降に追加されたもの(グレーで表示)も掲載されています。

4.1週 
●私の目標、さようなら○○さん(先生)
 今年度の目標は何かな。前の学年でどんなことがあったかを思い出しながら新しい学年の目標を書いてみましょう。

 「私の目標」「私の夢」など、未来の話を作文に書くときは、自分の思ったことを書くだけでは具体的に長く書くことはなかなかできません。どうしてそういう目標や夢を持つようになったかという過去にあった出来事を通して書くのがコツです。

 結びの感想は、「○○というものは、(人間にとって)……である」と大きく一般化してまとめていきましょう。

 お父さんやお母さんに聞いた話などを書いて、構成に広がりを持たせていきましょう。

●書き出しの工夫……「いつ、どこで何がありました」と書き出す前に、そのときの会話や色や音を書く練習です。慣れないうちは理屈でいくら説明しても、子供にとってはむずかしく感じるようですので、はじめは無理矢理でも「『やったあ。』と、ぼくは言いました。今日は遠足です」のように書いてしまいます。最初の二、三回は、とってつけたような書き出しになってもかまいません。何度か書いていると、自然に文章になじむような書き方ができるようになってきます。

●たとえ……「まるでトマトみたいに赤い」「まるで雪のようにつめたい」というように「まるで〜みたい」「まるで〜のよう」という形をつかってたとえを入れてみましょう。

●ユーモア表現……作文の中に、おもしろい表現を入れていきましょう。おもしろい表現というのは、ダジャレでもかまいません。「ぼくは、どぶにドブンと落ちました」というような書き方です。これは、小学校低中学年で「絵をかく」という項目があるのと同じ意味で、表現を楽しむ姿勢を身につけるためです。

●一般化……作文の結びに大きくとらえた感想を書く練習です。実際の出来事や体験をもとに、「人間にとって、○○○とは……である。」というようにまとめます。

●字数……新年度になって、項目がむずかしくなった学年が多いので、字数は前の学期よりも少なくしています。
●私の目標、さようなら○○さん(先生)
 構成図は、小3以上の生徒が書きます。小2以下の生徒は、絵をかいてから作文を始めるという課題になっているので、構成図は書かなくて結構です。

 構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。

 たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。しかし、全部埋まらなくてもかまいません。

 枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。

 構成用紙は、構成図の書き方に慣れるために使います。構成用紙を使わずに、白紙に自由に構成図を書いてもかまいません。

構成用紙を使って構成図を書きます。
頭の中にあるものをそのまま書くとき。
構成図で書くとき。
初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)
思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
思いついたことを矢印でつなげていきます。
関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
枠からはみだしてもかまいません。全部うまったらできあがり。

 



▽構成図は、原稿用紙や普通の白紙に書いても結構です。


4.2週 
●最近、諸外国(感)
 まず貿易摩擦とはどんなものか自分できちんと調べるべし。今回の長文では日本が貿易相手の国から「あんたばっかり得してるじゃないか。なんとかしろよ!」と不満を持たれている立場なのだ、ということを頭に入れて読んでみよう。
 第一段落は要約です。本文を話題のかたまりごとに分けると
☆日本という国・日本人の現在の姿
☆作者が聞いた話その1その2
☆貿易摩擦を少なくする(=外国とうまくやっていく)には日本・日本人がどうなればよいのか。
という流れになります。それぞれの話題から大事だと思う文を使って要約しましょう。
 第二段落は体験実例。CMでどこぞの宇宙人も「異文化コミュニケーション」は大事だと力説していましたねえ。日本以外の国の人と話した経験(驚いたこと・困ったこと・興味ぶかかったこと)があればそれを書きましょう。本文のように相手の方がよっぽど日本のことにくわしくて、あわててしまったことはありますか?
 自分の国のことをあんまりよく知らないんだ。という例も書けます。歌舞伎や能、お茶やお花、「私(僕)はくわしいよ!」という人、ぜひその良さを作文で紹介してください。
 最後の段落では前の段落で自分にあてはめてみてわかったことを一般化します。自分だけの話から「日本人は」という話に広げられたら、さらにそれを「人間は」まで広げてみます。自分の国が昔から持っているいいものを知らないままにしている国ばかりになったらちょっと困ったことになるかもしれません

4.3週 
●何年か前、中米奥地の(感)
 第一段落目は、200字程度で要約をします。文末を「常体」にそろえましょうね。
(1)私たち自身がつくってしまったシステムは、厳しい競争と殺人的な業績強制の経済原理で、れをともにしないものは落伍する。
(2)たましいを捨て子にしたことで、肉体が病んでいき、病院は、ひとびとであふれている。
(3)快適さという誘惑に負けてはいけない。
(4)快適な生活のためにつくられたものは、本質的なことのための時間をめぐんでくれるはずだったのに、本質的なものから解放してしまっている。
 第二段落目は、自分の体験談を書いていきます。一番になりたいと思って「はやくはやく」とがんばってることって多いでしょう。計算も速く、書き取りだって、テストだって、速く終わったらかっこいいよね。だからといって、肝心の得点が悪くては仕方ないし、やったことが身についてないのは困りものです。給食も一番がいいと思って飲み込んではいけないよ。よくかんで食べることが大切です。はやくはやくと思って失敗することはたくさんあるなあ。
 第三段落目は、聞いた話・調べた話を書いてみましょう。「いどばた会議」って言葉をしってるかな? 長文のインディアンの女性の水汲みではないけれど、日本も昔は共同の井戸の水を大切に使っていたのです。家の中に水の出る水道がなくて、時間と手間がかかりましたが、反対に水仕事をしながらお母さんたちがはげましあったり、助け合ったりしたんだね。便利になった今でも「おしゃべり」の「いどばた会議」だけは残ってたりしてね。井戸ではなくて電話のそばかなあ。(笑)
 第四段落は、一般化してまとめます。「過ぎたるは及ばざるがごとし」のことわざがあるように、競争ばかりしていると、はやい事だけがいいことのように思えてきて、何のためにがんばっているのかわからなくなります。人間にとって大切なのは、しあわせになるためにという大きな目標ですね。

5.1週 
●集めているもの、大笑いしたこと
 小学校中学年から高学年にかけては、ものを集めたくなる時期にあたるようです。カード、切手、レゴブロック、さけぶた(酒蓋)など、みなさんも集めたことがあるでしょう。
 先生(森川林)のうちの子供も、小学生のころ、よくさけぶたを集めていました。「『いいちこ』はたくさんあるんだけど、この『菊正宗』が珍しいんだよなあ。『月桂冠』は、もう持っているし」とかなんとかよくわけのわからんことを言っていました。
 いまは中学生になって、トレーディングカード集めに熱中しています。「『生ける屍(しかばね)』が、まだないんだよなあ。『セラの天使』はかなり強いんだけど」など、これもあいかわらずよくわからんことを言っています。
 動物もものを集めるようです。カラスが光るものを集めたり、リスやハムスターが食べ物を集めたりするのを聞いたり見たりした人もいるでしょう。先生のうちの犬も、この前、家族の靴下を集めて靴下の中で眠っていました。

5.2週 
●個人が集まって社会を(感)
 第一段落は要約です。全体の四分の一くらいの字数を目安にしましょう。長文は敬体で書かれていますが、常体に直して要約していきましょう。「個人が集まって社会を作りあげている。」「ひとりひとりの人間は、喜んだり悲しんだりする心、自分から動きだして、ほかのものを動かしてゆく力、さらに自分の選んだ目的に向かって、自分の意志で行動してゆく能力を持っている。」「社会全体の動きは、このような能力を持った個人個人の動きが、あるいはぶつかりあい、あるいは結びつき、あるいはからみあって生じてくるものなのだ。」というあたりがポイントになりそう。
 
 第二段落は似た例。球技大会や運動会での組み体操など、クラスで力をあわせて何かに取り組んだ話などが書けそうです。みんなが一丸となったとき、大きな力を発揮できるものですね。
 
 第三段落も似た例。一人一人の考え方はちがうので、話し合いでもさまざまな意見を一つにまとめていくことは大変です。でも、その意見のぶつかりあいにこそ意味があり、より良いものが生まれていくのですね。クラスでの話し合いのことなどを書いてみましょう。
 
 第四段落は、「「三人寄れば文殊の知恵」ということわざもあるように、一人一人の力は小さくても何人かの人間が集まれば大きな力になるものである。」などとことわざを引用しながら大きく考えてまとめます。

5.3週 
●赤字その他の理由で(感)
 第一段落は要約です。「私が夢の中でもいいからもう一度乗りたいと願っているものに岡山県の小私鉄、西大寺鉄道がある。」「西大寺鉄道は、堤防の一部を切りとり、河原にじかに線路をしいている。」「私が西大寺鉄道に脱帽したのは、自然に対して実に合理的に、しかも謙虚に対応していたからだ。むだな金や力を使って自然の力をねじふせるのではなく、自然とうまく折り合いをつけ、だましだまし共存しようという姿勢に対してである。」というところがポイントになりそう。
 
 第二段落と第三段落は、似た例です。自然を人間の思うとおりに支配しようとしている例はたくさんあります。みなさんの身近なところでも、遊び場だった空き地にマンションが建ったなどということがあるかもしれません。人間のやりやすいように自然を破壊した結果、地球温暖化、酸性雨、大気汚染、オゾン層の破壊などといった問題が生じてきました。そんな環境問題について聞いた話や調べた話を書いてみましょう。
 
 第四段落は、「人間にとって自然とは」などと大きく考えてまとめます。人間も自然の一部であることを忘れずに、ありのままの自然を受け入れながら自然と調和して生きていこうとする努力が必要だと言えるでしょう。ことわざは、「後悔先に立たず」、「災害は忘れたころにやってくる」、「やはり野におけ蓮華草(れんげそう)」など、まとめ方によっていろいろなものが使えそうです。

6.1週 
●家族の長所、楽しい先生
 家族みんなの長所を見つけるのは意外と難しいものです。
 今まで短所と思っていたことも、見方を変えると長所になるということがあります。例えば、いつもうるさいと思っていたお母さんも、実は私たちのことを心配しているからうるさいんだ、という具合に。でも、やっぱりうるさいよね。(笑)
●家族の長所、楽しい先生
 身近にいる人の長所を見つけることは意外とむずかしいものかもしれませんが、いつもは小言ばかり言っているお母さんが実は優しくて力持ち(笑)、寝坊ばかりしているお父さんが実はいざというときには頼りになるなど、家族の長所を見つけて書いてみましょう。いじわるばかりするお兄さんやお姉さんが本当は優しい、いたずらばかりしている弟や妹も寝顔はかわいいなどという話でもいいです。
 書き出しは誰かの会話などで書き始め、家族の長所がわかるようなエピソードを書いていくとよいでしょう。
 結びは、ことわざを引用し、「人間にとって家族とは……」、「人間にとって長所とは……」などと大きく考えてまとめます。【例】「人間にとって家族とはお互いの短所を補い合い、長所を伸ばし合うものだ。」「『長所は短所』ということわざもあるように、長所は短所の裏返しだが、同様に短所も長所の裏返しなのだ。(一般化)」

6.2週 
●本とはふしぎな王国だ(感)
 面白い本を読んだ時、本に向かって「今まで(私に出会うまで)待っていてくれてありがとう」と言ってしまう、というエッセイを読んだことがあります。まさにこの長文でたとえている通り、本との出会いは私たちにいろいろなことをもたらしてくれます。
 第一段落は要約です。作者が本を「ふしぎな王国(のようだ)」とたとえているのは本のどんなところを指しているのでしょうか? 作者があげている「本と出会うことで人間が得る良い点」を要約の中に入れていきます。
※抜き書きした文の中に「その」「そうした」「それ」などの語が含まれている時は、何を指しているのかを本文から探して言いかえると要約がうまくいきます。
 例:九行目「その数は、もしかすると…」
     →「本の中で出会った人々の数(八行目)は、もしかすると…」
 第二段落では、自分自身と本との出会いや、今まで本とどのようにつきあってきたかという体験実例を書きましょう。本や読書に関することわざは多いので、自分の話に近いものを選んで作文にもりこむとよいです。
 この課題に取り組む人みんなが読書好きというわけではないはず。「どうも読書って苦手で…」という人も、ただ嫌い!というだけでなく、ユーモア表現をまじえて、日頃苦手としていることを客観的に見てみましょう。
 最後の段落では一般化の主題を考えます。今回は「人間にとって読書とは」「人間と本との出会いは」というようにまとめてみます。作者のように上手なたとえを思いつくとよいですね。

6.3週 
●私たちは、日本も外国も
 自分の国で成功した技術だからといって、他の国でうまく働くとはかぎらない。この長文のダムの話は、エジプトの農民の気持ちを考えながら読むと、意味をつかみやすいです。

 書き出しの段落には●要約をします。どうしてダムが作られたか。その結果、何が起こったか。これからは、どう考えていくべきか。この三つを要約の柱にたててみましょう。

 二段落目は●体験実例。長文は国同士の話ですが、「家族や友だち同士ではどうかな」と、実際のできごとで考えてみましょう。
人はそれぞれ、得意なことや好みがちがいます。そのことを考えずに、自分にとってよかったからとすすめたりすすめられたりすると、どう感じますか。
 さらに、ここで●ユーモア表現 または、●ことわざの引用 をします。家族や友だちのことで困ったできごとを書くときは、どこかに笑いや明るさのある表現があると、気持ちをやわらかく伝えられますね。
(例)
……
そんなこと言われても、困るって。
そんなこと言われても、困るって(笑)。
……
(笑)をつけるだけでも、ずいぶん感じが変わるでしょう。 または、(ユーモア)と、ただし書きをつけておきます。

 むすびの段落は、●一般化の主題。
「人間にとって」のあとに何を書くか。これは、全体を引きしめる大切なポイントです。今まで書いた文の中で一番言いたいことはなにか、ここでもう一度確かめて言葉を選びましょう。
●私たちは、日本も外国も(感)
 一つ目の段落は、要約をします。三文抜き書きの応用で、つながりのいい文にしあげてみましょう。文末を常体に変えようね。
 二つ目の段落は、自分の身の回りで見つけた「似た話」。この長文では、エジプトの人のために良かれと思ってしたダム建設が、かえってエジプトの人の農作物を奪って砂漠を広げたというお話ですね。たとえば、A君が成功した勉強法はBさんには合わないかもしれない。だから、お父さんがそうだったからって、押し付けられても困るよね。(笑)「ありがためいわく」です。
 三つ目の段落は、本で読んだりテレビで見たり、ご両親から聞いた話を紹介します。。社会的なできごとがいいかなあ。自然のバランスを崩したために、環境が破壊された例を考えてみよう。速く便利に行き来するために高速道路やトンネルをつくったために、美しい山が消えた。干拓のために潟を締め切ったら、海が死んでのりがとれなくなった。日本でもダムをつくったせいで、地割れで消えそうな村があるそうです。いずれも、現地の人の役に立ったのでしょうか?
 最後の段落は、一般化してまとめます。どんなことにも当てはまるようなまとめにするのです。新しいことを始めるときには、よく状況を調べて、結果を想定して、自己流にならない方法をとるのがよい。