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解説集 ヒイラギ2 の池 (印刷版 /印刷版 /ウェブ版 /最新版
印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。ウェブ版は書き込み用です。 https://www.mori7.com/mine/ike.php
最新版には印刷日(2024-09-14 00:00:00)以降に追加されたもの(グレーで表示)も掲載されています。

7.1週 
●うれしかったプレゼント、わたしのペット
●四段落構成……全体の構成を大きく四つぐらいのまとまりに分けて書いていく練習です。
 作文の場合は(1)説明(2)できごと1(3)できごと2(4)感想というかたちです。
 感想文の場合は(1)要約(2)似た話1(3)似た話2(4)感想というかたちになります。
 これまでにもらったプレゼントの中で、とてもうれしかったという思い出を書いてみましょう。
●うれしかったプレゼント、わたしのペット
 今学期は、●印の項目は変わっていませんが、字数の目標が800字以上となっています。前学期と同じようにキーワードに気をつけながら、少しずつ長く書けるようにがんばっていきましょう。

 これまでにもらったプレゼントの中で特に印象に残っているものや今でも大事にしているものについて書いてみましょう。
 書き出しは、会話や音、情景などで書き始め、プレゼントにまつわる思い出を書いていきます。そのプレゼントをもらったときの様子を思い出しながら会話などを入れて書いていくといいでしょう。
 結びは、ことわざを引用し、「人間にとって本当にうれしいプレゼントとは……」などと大きく考えてまとめます。【例】「『山高きが故に貴からず』ということわざもあるように、人間にとってプレゼントの価値は、それが高価であるかどうかではなく、いかに心がこもっているかで決まると思う。」
●うれしかったプレゼント、わたしのペット
ことわざを使った例文
ex.もらって嬉しいのは物より気持ち。ついた餅より心持ちというわけだ。
ex.(ピアノやパソコンなど高価なプレゼントを買ってもらって)猫に小判とならないようしっかり練習しようと心に決めた。
ex.餅は餅屋というけれど、やっぱりバースデーケーキは家族の手作りに限る!
構成図の書き方
 構成図は、小3以上の生徒が書きます。小2以下の生徒は、絵をかいてから作文を始めるという課題になっているので、構成図は書かなくて結構です。
 構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。
 たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。しかし、全部埋まらなくてもかまいません。
 枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。
 構成用紙は、構成図の書き方に慣れるために使います。構成用紙を使わずに、白紙に自由に構成図を書いてもかまいません。
構成用紙を使って構成図を書きます。
頭の中にあるものをそのまま書くとき。
構成図で書くとき。
初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)
思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
思いついたことを矢印でつなげていきます。
関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
枠からはみだしてもかまいません。全部うまったらできあがり。

 


△この見本の図は構成用紙を使っていますが、構成図は作文用紙などに自由に書いてください。

7.2週 
●だれにすがるわけにも
 第一段落は要約です。「自分の判断に基づく行動のほか何にもない、こういう状態が自由です。」「自由と聞けば、とたんにダンスのステップでも踏み出しかねないかっこうをする人が多くて、まったく閉口です。」「めいめいがそれぞれ、ブレーキを持って、まさかのときは、自分でブレーキをかけることを忘れない。こういう人間の集まっている所が文明社会です。」というところがポイントになりそう。長文は敬体で書かれていますが、常体に直して書いていきましょう。
 
 第二段落と第三段落は、似た例です。自由という言葉には大きな責任が伴います。自由に決めてよいと言われるとかえって迷ってしまうこともあるでしょう。自由とは何でも好きなことをしてよいということではありません。周りの人にも気を配ることも必要です。自分一人の責任で選んだり、ブレーキをかけたりすることは決して楽なことではないでしょう。中学に入学するとほとんどの学校では制服があります。もし、自由な服装でよいと言われたら、毎日、学校に着ていくのにふさわしい洋服を選ぶのに苦労するかもしれませんね。
 
 第四段落は、「人間にとって自由とは」などと大きく考えてまとめます。【例】「「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ということわざもあるように、人間にとって自由とは、大きな責任を背負った上で初めて手にすることができるものなのだ。」
●だれにすがるわけにも(感)
 「自由」と言えば自由研究。自由研究には苦労したという人も多いでしょう。また修学旅行や遠足で自由行動を経験した人も多いはず。グループごとに相談し合って、何時にどこに行くか、どういう順番で、どういう経路で行くか決めるのは大変なことですね。団体行動で決められた場所にみんなで行く方がよっぽど楽だった、なんて思うかもしれませんね。「自由」ということが、いかに難しいことか考えてみるといいにた話が考えられそう。

7.3週 
●わたしは四歳のときに
 第一段落は要約です。「身障者にとっていちばんの願いはできるなら自分が不具(身体が不自由なこと)であることを、相手が心の底から忘れてくれることである。ごくふつうの人間として扱ってくれることである。」「実際の生活のなかで、社会にとってあまり有用でないものをまとめて“隔離”するというような差別意識が生きていることもまた事実である。」「人間として立派に一人前のものを持っているのに、これらの人々の場合には、それを認めるだけの余裕が社会の側にないのである。」というところがポイントになりそう。
 
 第二段落と第三段落は、似た例です。自分自身が体の不自由な人に手を差し伸べようとして、ためらったような体験はなかったでしょうか。どこまで手伝ってあげたらいいのか、どうしても悩んでしまいます。「たすけたい」という気持ちがかえって「壁」になっています。最近は体の不自由な人の立場に立つために、車椅子にのってみたり、目隠しをして歩いてみたりする体験学習もありますね。そこに来た講師の人が、「私たちは『がんばってください』といわれるのが辛いんです。」とおっしゃっていました。その人は車椅子の生活の人ですが、どうしても行動に制限ができる。制限された中で『がんばってください』と言われると、頑張りようがないと言う気持ちになるのだそうです。
 また、勉強のことで考えても、出来る人と出来ない人を分けてしまうといった考え方はありますよね。
 
 第四段落は、「人間にとって本当に豊かな生き方とは」などと大きく考えてまとめます。『三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵』ということわざもあるように、人間にとって本当に豊かな社会とは、ひとりひとりが出来ることを認め合って、同じ場所で協力し合うことである。
●わたしは四歳のときに(感)
 体の不自由な人と交流を持ったことがある人は、その経験を書くといいでしょう。前に道に迷って困っていた目の不自由な人に手助けを申し出たとことがあります。声をかけるときはドキドキしましたが、「お手伝いしましょうか」と声をかけると、「お願いします」と明るい声が返ってきました。どのように手助けしたらいいかわからないまま声をかけたのですが、その人がどうしたらいいか教えてくださったので、うまく誘導することができました。自分の経験で探せなければ、お父さんやお母さんに聞いてみましょう。身のまわりに体の不自由な人がいれば、その人のことを書いてもいいですね。

8.1週 
●私の家族、痛かった思いで
 家族の説明を書いてみましょう。できるだけ、いいところを見つけて書いてあげるといいですよ。
●私の家族、痛かった思いで
 自分の家族について紹介していきましょう。一人ずつ紹介するしていくのはよいのですが、説明だけで終わらせずにエピソードを挙げることがコツです。その人らしさがわかるようなエピソードを身近なところからさがして書いていきましょう。できれば二つくらいの実例を書けるといいですよ。
 結びは、「人間にとって、家族とは……」と大きく考えてまとめます。家族について改めて考えてみるいい機会かもしれませんね。

8.2週 
●いやいやがまんするのではなくて(感)
 第一段落目は●要約<構成>。
 自分で作る幸福は、決して(自分を)裏切らない。それは学ぶことであり、そして人はたえず学ぶものだ。 「楽しみとは、能力のあらわれである」。簡単に言うと、自分から進んで、楽しんでする仕事や勉強によって、私たちは幸福感を味わうべきだということでしょうか。

 二段落目・三段落目は、●体験実例<題材>と前の話・聞いた話を書いていきます。
 自分で「やってみたいな」と思って、取り組んだことが、とちゅうに苦しみを味わっても、最後にはちゃんと実を結んだ。 このような経験はありますか?
 また、それまで見るだけだったことにチャレンジしてみて、初めておもしろさがわかった体験、好きなことでどんどん勉強がはかどって、うれしくなった体験などが書けそうですね。
 ●ユーモア表現<表現>も、入れておきましょう。

 四段落目は、●一般化の主題<主題>。
 おいしい食べ物があって、ほしいものが何でもそろった部屋に住んでいる自分を想像してみてください。 それは、お父さんやお母さんによって、「はい、ただで使っていいよ」と与えられたものではなく、あなたが好きな仕事を見つけて、勉強して、やがて成功した結果、手に入れたものなのです。 きっとただでもらうのと、幸福感の重みが違ってくるでしょう。
 なかには、「食べ物も、部屋もいらない、ただ、好きなことができれば幸福なんだ」と思うことのできる人もいるかもしれませんね。
 まとめは、「好きこそものの上手なれ」という◎ことわざ<表現>があるが、「人間にとって大切なのは……」と、形作ってみましょう。

8.3週 
●私が考えてみたところでは
 第一段落は要約です。「本人の心の中で生きるよろこびが感じられなければ、生きがいを持っているとはいえないわけです。」「生きがいを感じる心とはどんな心かと考えてみますと、それは結局、感受性のこまやかな謙虚な心、何よりも、「感謝を知る心」だろうと思われます。」「生きがいとは生きているだけのねうちということでしたが、この「ねうち」が、自分にもっともはっきり感じられるときのひとつは、自分の存在が何かのために、だれかのために必要とされていると自覚されるときでしょう。」というところがポイントになりそう。長文は敬体で書かれていますが、常体に直しながら自分でまとめてみましょう。
 
 第二段落と第三段落は、似た例です。感謝の心を持って物事を見ることは大事なことです。先生に叱られたときも、自分のためを思って叱ってくださったのだと考えれば先生に対する感謝の気持ちが湧いてきますね。(笑)同じように世の中のこと一つ一つを、感謝の気持ちを持って眺めると、自分がいかに多くの人に支えられて生きているかがわかるでしょう。また、人間は、他人のために役立っていると自覚できるときにこの上ない喜びを感じるものです。お手伝いをして喜んでもらえると、自分までうれしい気持ちになりますよね。そんな話を書いてみましょう。
 
 第四段落は、「人間にとって生きがいとは」などと大きく考えてまとめます。【例】「「十人十色」ということわざもあるように、人間にとって生きがいとは、一人一人違うものだが、いずれにしても感謝の気持ちを持って初めて感じられるものだ。」

●私が考えてみたところでは(感)
 「自分の存在が何かの(誰かの)ために役に立ったと感じられるとき」というところでにた話を探せそう。例えば、お母さんやお父さんのお手伝いをしたときのこと。お手伝いは面倒だと思うこともありますが、「ありがとう」と感謝されると、「またやってあげよう」という気持ちになりますよね。学校生活でも友達のために何かをしてあげて、感謝された経験を探してみるといいと思います。例えば、学期末の大そうじも面倒だけれど、次に使う下級生のために役立っていると考えれば、がんばれそうですよね。

9.1週 
●私の長所短所、一番になったこと
 自分の長所と短所を書いてみましょう。短所というものは自分でもすぐにわかりますが、長所というものは自分では意外とわかりにくいものです。身近なお父さんやお母さんに、自分の長所を聞いてみるといいでしょう。
●私の長所短所、一番になったこと
 まず、自分の長所と短所について簡単に説明します。特に長所については、自分ではなかなか見つけにくいものなので、身近な人に聞いてみるといいでしょう。
 次に、長所について、具体的な出来事を挙げながら書いていきます。たとえば「何事も最後までやりとげる」という点が長所なら、「結局一夜漬けになってしまった夏休みの宿題も朝までがんばって仕上げた」などという話です。(長所?)
 今度は、短所について、具体的な出来事を挙げながら書いていきます。たとえば「整理整頓が苦手」という点が短所なら、「いつも部屋をきたなくしていたので、ついにゴキブリと同居することになってしまった」などという話です。
 結びは、人間の長所と短所について大きく考えてまとめます。人間には誰にでも長所と短所があるもの。短所をなくしていくべきだという考え方もありますが、長所をさらに伸ばしていくことも大切でしょう。

9.2週 
●この数年、おりおりに森を
 第一段落は、要約を200字程度でまとめます。
・森歩きとは、森の豊かな時間、いのちの鼓動を感じることだ。
・時を忘れさせるほどに豊かな森は、倒木のある森だ。人工の森林には倒木はない。
・倒木からまた新たな生命が宿る。森の中では生と死がさまざまなかたちを見せている。

 第二、第三段落は、似た話です。
夏休みにキャンプに行き豊かな自然とふれあったことなど、体験実例を入れてみましょう。私たちの周りにも緑の風景はありますが、本当の自然とはどんなものでしょうか。たとえば、ゴルフ場は緑豊かですが、美しく保つために、相当な量の農薬が使われていて、水質汚染の原因になっているそうです。自然破壊が進み、絶滅の危機にある生物が増えていることなど、聞いた話、調べた話を入れてみるのもよいでしょう。

 第四段落は、一般化の主題です。
「『覆水盆に返らず』ということわざがあるが、一度人間が破壊した自然を、元に戻すのは非常に困難だ。人間にとって、豊かな自然とはかけがえのないものであるということを理解し、自然を大切にしたい。」
●この数年、おりおりに森を(感)
 にた話は色々な方向から考えてみましょう。「森」にこだわりすぎると、にた話が見つかりにくいかもしれません。大きく「自然に触れた経験」を考えてみるとよいでしょう。海や川で自然の豊かさを感じられた経験を書いてもいいですね。また「生と死を精妙に織りなして」という部分に注目すると、自然の中には「生と死」が共存している、というところでにた話が書けるかもしれません。例えば、海で発生する「マリンスノー」。名前だけ見るとロマンチックですが、これは実はプランクトンの死骸が水中に漂っているものだそうです。これは、深海に降り積もり、深海魚のえさとなっているようです。ある生き物が死に、それが、ほかの生物が生きていく糧になる……、他にもいろいろな話が見つかりそうです。

9.3週 
●実は私にもまったく同じ経験が(感)
 第一段落目は、●要約<構成>。
 最後の段落までしっかり読みましょう。水田や山のありかたは、林業のなりたちと関係があると説明のあと、結論にはさらに大きな意見が述べられています。

 二段落目から三段落目は、●体験実例<題材>と、前の話・聞いた話。
 「自然を大切にしましょう」「町に緑を増やしましょう」。こんな気持ちで、私達は学校や地域に植物を植えますね。
 林間学校などで、木がたくさんある場所を訪れ、「緑は気持ちいいな」と思ったこともあるでしょう。 
このような、木や緑にふれた体験を思い出して書きます。
 それに加えて、林業や農業のことで知っていることを書きましょう。
自然の山々がたくさんあり、以前は農業や林業がさかんだった土地が、人が都会に移住してしまったために、過疎(かそ)化してしまい、田畑や林を守る人が少なくなってしまった。 このような問題を、学校で習った人もいるでしょう。社会科の教科書で調べてもいいですね。
 ●ユーモア表現<表現>は、意見の流れをさまたげないように使う工夫をしましょう。 

四段落目は、●一般化の主題<主題>と、◎ことわざの引用<表現>。
 ことわざは、「覆水(ふくすい)盆にかえらず」が使えそうですね。
 「人間にとって、緑とは……」とするのもいいですが、「日本人にとって、農業とは……(一般化)」と、テーマに合わせてまとめてもいいでしょう。