解説集 ライラック2 の池 (印刷版)
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印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。
ウェブ版は書き込み用です。
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最新版には印刷日(
2024-09-14 00:00:00)以降に
追加されたもの(グレーで表示)も掲載されています。
4.1週
●ゴミ、長所と短所
書き方の流れ
第一段落(150〜200字)
ゴミというキーワードから、人間の生き方に結び付けた意見を考える。「ゴミでもリサイクルで資源として活用できる。何事もそのよい面を見て生かせるような人間になりたい」というような感じで。その意見に合わせて、ゴミというキーワードを生かしながら書き出しを工夫しながら状況実例を書く。「土曜日の朝八時。ゴミ収集車のさわやかな音楽が聞こえてくる。土曜日は缶やビンなどのリサイクルできるゴミを収集する日なのだ」という具合に。そのあと、「私は、この、ゴミのようなものも生かせるような人間になりたいと思う」と意見をまとめる。「そのためにはどうしたらよいだろうか。二つの方法が考えられる」と次の段落につなげる。
第二段落(150〜200字)
方法1。「第一の方法としては、やはりものごとのよい面を見るように心がけることだ」。第一の方法は、人間の心構えのようなところで書くと書きやすい。そのあと、その裏づけとなる実例を書く。「部活でうまくチームワークをとれない人がいたが、その人のいい面を見ると……」という感じで。ここはできるだけ体験実例で。
第三段落(150〜200字)
方法2。「第二の方法としては、今の減点主義の教育のような、マイナス面を直すことを中心にした社会風土を変えていくことだ」。第二の方法は、できれば社会的な広がりのある方法で。また裏付けとなる実例もできるだけ社会的な実例で。「エジソンは、1+1=2に疑問を投げかけて……」「織田信長は勉強もせずに野山を遊びまわり」というように。
意見。反対意見に対する理解を入れながら、最初に意見に戻ってまとめる。「確かに、欠点を直すことは大事である。しかし、ものごとのよい面を生かしていくことがそれ以上に大事なことである」。そのあと、書き出しのキーワードである「ゴミ」に結びつけてまとめる。「ゴミのように思えるものの中に宝物を見つけられるような広い心を持った人間になりたい」。途中に名言も。(うーん、盛りだくさんだなあ。^^;)
体験実例は、自分の体験をもとに書いていきましょう。社会実例は、自分の体験以外の話で、新聞や本に出ていた話などを入れていきましょう。
名言集に載っている名言は全部覚えておきましょう。また、本を読んでいい表現を見つけたら、自分でこの名言集に書き加えておいてください。
●「生き方の主題」は、「私は……のような生き方をしたい」「人間は……のように生きるべきである」という書き方です。
●ゴミ、長所と短所
4.2週
●私が今コインを(感)
第一段落は要約と意見を書きます。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。要約に続けて生き方の主題を挙げます。「私はつねに自分の未来を予測し、心構えをして生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例を挙げます。「そのための方法は第一に、自分の目標をしっかりと立てておくことである。」なんとなくうまくいった、というような場合でも、そうなりたいという気持ちは前からあるものですよね。スポーツでも音楽でも勉強でも、具体的な目標が鮮明であるほど、対策も手段も明らかになって実現に近づきやすいと思います。
第三段落は、二つ目の方法と実例を挙げます。「また第二の方法としては、必要な情報を集めておくことである。」情報化の社会で生きている私たちは、リアルタイムの広い情報を得られる状況にいなければ、せっかくのチャンスを失うことにもなりかねません。進学でも、志願情報や出願方式をしらなければ、勉強も報われませんね。クイズや懸賞でもインターネットのみ可能という場合が多くなったよね。
第四段落は、反対意見に理解をしめしながら、名言の引用をしてまとめます。「確かに、自分の未来を考え過ぎることで悲観的な考えも起こりがちであるし、冒険心が失われる場合もある。しかし『未来には、ひとりでにできる未来と、自分で作る未来との二つがある。』という名言もあるように、常に自分の未来を予測し、そのための心構えをして生きたいと思う。」
4.3週
●人間が「物」を造るには(感)
第一段落は要約と意見を書きます。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。要約に続けて生き方の主題を挙げます。「私はつねに自分が自然の一部であることを自覚して生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例を挙げます。「そのための方法は第一に、自然のすばらしさを知ることである。」毎日の生活の中のストレスを癒してくれるものは、どんな健康器具よりも自然のなかの散策だったりします。アレルギー疾患を治すために田舎暮らしを選択する人もいますね。また、毎日の食事も自然の恵みにほかなりません。
第三段落は、二つ目の方法と実例を挙げます。「また第二の方法としては、科学を正しく使っていくことである。」科学技術は人間の生活を飛躍的に進歩させ、便利さや快適さを与えてくれます。しかし、近年、科学が自然と共存できず、地球環境を破壊してきています。環境問題について考えたことはあるでしょう。暑いからといってクーラーをかけすぎて風邪をひいたのでは、いいところが一つもないですよね。
第四段落は、反対意見に理解をしめしながら、名言の引用をしてまとめます。「確かに、自然をさらに知るための科学の発展は必要なことである。しかし『理想に到達するための手段はまた、理想への到達を阻む障害でもある。』という名言もあるように、科学技術の恐ろしい一面も念頭において、自分が自然の中でその一員として存在していることを忘れずに生きていきい。」
5.1週
●人間とはなにか(感)
第一段落は要約。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。要約に続けて意見。「私は常に新しいものに挑戦しながら生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例。「そのための方法は第一に、現状に満足せず、常に向上心を持ち続けることである。」美術の作品にしても、テストの点数にしても、短距離走のタイムにしても、さらに上を目指し、目標を高くしていくことは大事なことです。そんな体験実例を書いてみましょう。
第三段落は、二つ目の方法と実例。「また第二の方法としては、敗者に対しても考慮されるような社会体制を作ることである。」敗者復活制度のない社会では、失敗を恐れずに挑戦していくということがなかなかできません。身近なところでは高校入試の例などが挙げられそうです。
第四段落は、反対理解と名言の引用。「確かに、常に上を狙ってばかりいては疲れてしまう。現状に満足することも大事である。しかし、『脱皮できない蛇は滅びる。』という名言もあるように、私は新しいものに挑戦する力を持ち続けていたい。」
5.2週
●今まで機能してきた日本社会の(感)
第一段落は要約と意見を書きます。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。要約に続けて生き方の主題を挙げます。「私は自分の存在感を確認しながら生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例を挙げます。「そのための方法は第一に、自分の目標を明確にすることである。」がんばることは、具体的な目標が定まっているほど継続しやすいですね。大きな目標、そこまでの小刻みな目標。成功する人は、さまざまな方法論を持っています。テスト勉強だって、がむしゃらにがんばるより、計画を立てたほうがはるかに成果が上がります。
第三段落は、二つ目の方法と実例を挙げます。「また第二の方法としては、何が真の豊かさなのかを知ることである。」経済的な豊かさについては、すでに私たちの時代までに叶えられた目標のようです。今や、時代は、精神的な豊かさに移って行っているようです。自然にもどった自給自足の生活を望む人がふえていますね。金の切れ目が縁の切れ目なんて悲しいことにはなりたくない。(笑)貨幣価値にかえられないものを求めているのでしょう。人それぞれの幸せのかたちがあっていいはずですね。
第四段落は、反対意見に理解をしめしながら、名言の引用をしてまとめます。「確かに、いまより豊かな生活を思い描き、そのために努力することは大切なことだ。しかし『自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには……。』という名言もあるように、自分自身の目標を見つめ、何のためにがんばるのかということを考えながら、自分の存在感を確認しながら生きたい。」
5.3週
●こいつ、よくもひとのことを(感)
第一段落は要約と意見を書きます。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。要約に続けて生き方の主題を挙げます。「私は社会の中で、自分の立場・役割を考えながえら生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例を挙げます。「そのための方法は第一に、自分に出来ることを知っていることである。」考えてみれば、自分はいろいろな立場で生きていますね。学生である私。勉強する私。部活する私。ボランティアする私。アルバイトをする私。自分が、ほかの人の役に立った体験談を考えてみましょう。
第三段落は、二つ目の方法と実例を挙げます。「また第二の方法としては、人間関係を学び、対人能力を磨くことである。」人生や、仕事の上で大成した人は、幼いころや若いときに大変苦労している人が多いですよね。今の私たちと違って、早くから社会に出てその中で自分の能力を磨き伸ばしていったのですね。豊臣秀吉は出世するたびに名前も変わり、自分の呼び方も、人への処し方も変えて行きました。
第四段落は、反対意見に理解をしめしながら、名言の、引用をしてまとめます。「確かに、はっきりとした自己を確立することは大切なことだ。しかし『良い友人を得たければ、まず自分が良い友人でなければならない。』という名言もあるように、相手が自分に対して望んでいることを知り、相手の立場に立った考えをし、自分に出来ることを確認しながら生きていきたい。
●こいつ、よくもひとのことを(感)
・生き方の主題
日本語では相手との関係によって一人称が変化します。ある時はぼく、ある時はおれ、ある時は私、ある時はお兄ちゃん、ある時は○○(名前)。これに対し自分はどういう考えで生きていきたいでしょうか。
?立場や状況、役割を考えながら生きたい
?自分(○○××)という個人を確立したい
受験の課題としての解説
受験の課題としての解説です。
第一段落は、似た実例。日本人は、相手に依存した言葉遣いをよくする。それは、日本人の人間関係を表している。しかし、これからの国際社会では、相手に依存しない関係も身につけていかなければならない。
第二段落は、その方法。「普段から、自分の意見や考えを述べる練習をしていくべきだ。」クラス会などで、勇気を出してひとりだけ違う意見を述べた例など。」
第三段落は、方法2。「また、個人が努力をするとともに、日本の国自体が相手に依存しない姿勢を持つ必要がある。国際社会では利害関係の異なる国が存在している。他人の目を気にするよりも、自分の主張するところを述べることが信頼を受ける道である。」
第四段落は、反対理解。「確かに、相互依存を中心とする社会は、居心地のよい穏やかな文化を作り上げてきた。しかし、国際社会に臨む姿勢は、国内での姿勢とは自ずから違ってくるはずである。」
6.1週
●お金くらい(感)
第一段落は要約と意見を書きます。
本来どうして交換可能かと思われるような対象が、お金を媒介にすれば、平気で交換されてしまう。それは、ヒトの脳がそうできているからである。脳という臓器は、その内部で、もともとはとうてい交換不能なものを、強引に交換してしまう。現代はシミュレーション社会だとか、擬似現実の社会だとかいうが、それは、現代社会が、身体というより、脳に似てきていることを示している。つまり、脳の中では、すべては擬似現実であり、すべてはシミュレーションだからである。現代社会は、より抽象度の高い世界である。いまの人間が、身体と頭のどっちを余計に使うかといったら、多くの人が、そうとは意識せずに、頭の方を昔より余分に使っているであろう。
要約に続けて生き方の主題を挙げます。「私は現実感を見失わずに生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例を挙げます。「そのための方法は第一に、具体的能力を増やしていくことである。」 私たちは、たとえば植物の生育の条件を熟知していますが、実際に食べられる野菜を作れるかと問われるとイエスといいきれない。家庭科で調理のテストで100点をとっても、自分のおかずを実際には作れない。(食べることばかりだ)理論上で学んでも、実践は試したことがないようなことがいっぱいです。出来なきゃ意味が無い。
第三段落は、二つ目の方法と実例を挙げます。「また第二の方法としては、時代の価値観が変わっても通用するような能力を身につけていくことだ。」歴史に名を残すような人は、時代が変わりものの考え方が変遷しても通用するような生き方の知恵を示してくれます。現代の私たちは自分のよりよい未来を描いて学歴を積んでいますが、これが永遠に価値を持つでしょうか。 テストの得点力がそのまま生活力になるとは考えにくい。大震災にあってもびくともしない生きる力を持ちたいものです。
第四段落は、反対意見に理解をしめしながら、名言の、引用をしてまとめます。「確かに、社会の要請に応じて使える頭を持っておくことも必要だ。しかし『辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間に。』という名言もあるように、現実感を持ち、生きる力をしっかり持った生き方をしていきたい。
6.2週
●先日、ある文科系の先生から(感)
第一段落は要約。要約は全体の四分の一くらいの分量で、長文の内容をまとめます。要約のあとに生き方の主題。「私は科学や哲学といった表面上の分類にとらわれず、さまざまなやり方で目の前の自然や人間にアプローチして生きていきたい。」
第二段落はそのための方法一つ目と、体験実例を挙げます。「そのためには第一に、さまざまな学問や芸術を、先入観を払って、知っていかなければならない。小学校のころ私は詩がよくわからなくて読みもせずに遠ざけていたが、これは自分からアプローチのやり方を閉ざす良くない例である。」
第三段落は二つ目の方法と実例を挙げます。ユーモアのある表現も混ぜて。「また第二に、色々なことに興味を持つ力を養うことが大切である。「ソフィーの世界」という本に、「我々は大人になるにつれ、世界に慣れてしまう」と書かれていた。箸が転んで笑う大人がいたら少し不気味だが、目の前の物事を「あたりまえ」とは思わないからこそ、世界へのアプローチもできるのである。」
第四段落は反対意見への理解を書き、名言を引用してまとめます。最後にも生き方の主題。「確かに、あれこれつまみ食いをするよりは、専門家によってそれぞれの研究が進められた方が良いという考えもある。しかし「万巻の書を読み、千里の道を行かずんば、画祖となるべからず」という言葉があるように、得意なものに深みをつける意味も含めて、私は、多様な視点を持って生きていきたい。」
6.3週
●学習の遺伝的プログラムは(感)
第一段落は要約。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。要約に続けて意見。「私は自分に与えられた適正や能力というものを生かせる人間になりたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例。「そのための方法は第一に、自分の適正や能力を知り、それを伸ばすように努力することである。」体験実例は、自分の得意分野の話を書いていきます。算数は苦手だけれど国語は得意、整理整頓は苦手だけれど新しいものを作り出すことは得意など、得意分野は人それぞれです。
第三段落は、二つ目の方法と実例。「また第二の方法としては、学校で選択性の授業を増やすなどして個人の特性を生かすようなカリキュラムを組むことである。」最低限の知識を広く学ぶことは大切ですが、一人一人の個性を生かした教育を進めていくことはそれ以上に意味のあることです。
第四段落は、反対意見への理解を示し、名言を引用してまとめます。「確かに、苦手分野を克服しようと努力することは大切だ。しかし、『短所をなくすいちばんよい方法は、今ある長所を伸ばすことである。』という名言もあるように、私は自分に与えられた適正や能力を生かせる人間になりたい。」
●学習の遺伝的プログラムは(感)
第二の方法は、社会がどうしていくべきか、という大きな視点で考えてみます。「個人の資質や適性を生かせる社会にしていくことだ」。少し前まで、求められる人材としてよく言われていたのが「ゼネラリスト(いろいろな分野の知識や能力をもっている人)」。しかし、多芸は無芸ということわざもあるように、多くのことができる人間はかえって中途半端だという考え方もあります。「なんでも平均的にできる」よりも、「得意な事柄だけ突出して出来る方がいい」ということですね。これからの社会に求められるのは「スペシャリスト(特定分野を専門にする人)」。個人の出来ることを掘り下げ、より専門的な部分に対応できるようにすることで、より効率的かつスピーディーに物事を進められる社会にしていくべき、と展開できそう。