解説集 リンゴ2 の池 (印刷版)
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印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。
ウェブ版は書き込み用です。
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最新版には印刷日(
2024-09-14 00:00:00)以降に
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7.1週
●ウサギとカメ、手助けはよいか
◎長文実例……長文集のほかのページから似た例を探して書く練習です。長文を何度もしっかり読んでいないとできません。データ実例、昔話実例などとセットになっていますから、どちらかができればいいです。例えば、「データ実例・長文実例」の場合は、データ実例が入っているか、長文実例が入っているかどちらかでいいです。どこの長文からの引用かわかるようにできるだけ「長文○○によると」のように書いておいてください。
世の中には、ウサギ型の人とカメ型の人がいるようです。自分の生き方として考えてみましょう。
展開部分は、その生き方を実現するための方法を書いていきましょう。
結びの段落では反対意見に対する理解も忘れずに。
●ウサギとカメ、手助けはよいか
ウサギとカメ
ウサギとカメの話はどうしてもウサギにとって分が悪い感じがしますね。(何しろ途中で寝てしまって勝負に負けたんですから)
でも、カメを地道な努力を積み重ねる生き方とするならば、ウサギは効率や合理性を重視し、能力を生かす生き方というふうにとらえるといいかもしれません。
試験勉強などで、普段から地道にこつこつやっていく方法と暗記方法などを工夫して効率よく覚える方法がありますね。自分はどちらのタイプでしょうか?(途中で寝てはいけませんが)
●ウサギとカメ、手助けはよいか
今学期は、字数の目標が800字になっています。
各段落それぞれ200字くらいで書いていかれるようにがんばりましょう。
●印の項目は変わっていません。作文の中に入らないキーワードは、ただし書として入れておきましょう。
今回は長文の感想文ではないので、第一段落は、イソップ童話「ウサギとカメ」についてのコメントと意見(生き方の主題)を書きます。「私は、カメのように、急がず、マイペースで生きていきたい。」
第二段落は、方法1と実例。「そのための方法としては第一に、目先のことにとらわれず、もっと先の目標をしっかりと見つめていくことである。」目先のことに振り回されて周囲に流されてしまうことのないように、自分の目標をしっかりと見つめ、その目標に向かって一歩一歩着実に進んでいくことが大切ですね。
第三段落は、方法2と実例。「また、第二の方法としては、学校などでももっと長い目で子供の成長を見つめていくことである。」エジソンの母親は、エジソンの才能を信じ、長い目で子供の成長を見守りました。
第四段落は、反対理解と名言の引用。「確かに、先取りをしながら進んでいく生き方にも良さがあるだろう。しかし、『毎朝、歯をみがくのに、一週間分まとめて一挙にという人はいない。』という名言があるように、私は、むやみに先を急がず、目標に向かってカメのようにこつこつと進んでいきたい。」
構成図の書き方
構成図は、小3以上の生徒が書きます。小2以下の生徒は、絵をかいてから作文を始めるという課題になっているので、構成図は書かなくて結構です。
構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。
たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。しかし、全部埋まらなくてもかまいません。
枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。
構成用紙は、構成図の書き方に慣れるために使います。構成用紙を使わずに、白紙に自由に構成図を書いてもかまいません。
構成用紙を使って構成図を書きます。
| 頭の中にあるものをそのまま書くとき。
| 構成図で書くとき。
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初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)
| 思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
| 思いついたことを矢印でつなげていきます。
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関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
| 枠からはみだしてもかまいません。 | 全部うまったらできあがり。
|
△この見本の図は構成用紙を使っていますが、構成図は作文用紙などに自由に書いてください。
7.2週
●「近ごろの若いものは……」
第一段落は要約。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。要約に続けて意見。「私は自分を固定せず、常により良い自分を目指して生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例。「そのための方法は第一に、現状に満足せず、常に向上心を持ち続けることである。」妥協をしたり、目標が達成されたことで満足したりせず、さらに上を目指して、切磋琢磨していくことで人間は成長し続けることができます。「もうこのへんでいいや。」と線を引いてしまったら、自分の成長も止まってしまうし、時代からも取り残されてしまうでしょう。実例は、勉強やスポーツなどで、一つの目標が達成された後もさらに上の目標を目指してがんばった話など。
第三段落は、二つ目の方法と実例。「また第二の方法としては、新しいことにも目を向け、積極的に挑戦してみることである。」自分の中にないものを取り入れることによって、自分を高めることができるかもしれません。「食わず嫌い」にならず、ときには、自分の興味のないような物事にも目を向けてみることが必要でしょう。実例は、周囲の人の影響で新しい趣味を持つようになった話など。
第四段落は、反対理解と名言の引用。「確かに、現状に満足することも大事である。しかし、『脱皮できない蛇は滅びる。』という名言もあるように、私は常により良い自分を目指して生きていきたい。」
●「近ごろの若いものは……」(感)
第一段落は、説明と意見。「私もよく大人の人が『今の若い者は』と言うのを聞く。先日……。しかし、私は、若さや新しさを大事にして生きていきたい」など。
第二段落は、方法1と実例。「そのための方法としては、失敗を恐れないことだ。新しいことをすると、うまく行かないことも多い。先日、文化祭の企画で、私はこれまでやられていなかった新しい提案をした。それは……」など。
第三段落は、方法2と実例。「もう一つの方法は、社会で若い人が活躍できるような仕組みを作ることだ。日本では年齢の上下による差が大きく、私の入っている部活でも上級生と下級生が……」など。
第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、若いことや新しいことをそのまま無条件でいいというわけではない。しかし……」など。
7.3週
●テレビの前では
第一段落は、要約と生き方の主題。
・テレビは、自宅にいながら世界全体と直接交流しているような気がする反面、気安さもある。
・テレビ文化は大きな影響力をおよぼしており、テレビ文化の中で育った若者は本に親しむことが少なくなった。
・本は読む側に能動性が要求され、批判的なスタンスをとることが可能だが、テレビを批判的に見ることは難しい。
「テレビは、視聴者が受動的な立場になってしまう。私は情報を自分なりに分析し、批判的に見ることを忘れずに生きていきたい。」
第二段落は、方法と体験実例です。
「第一の方法として、テレビの情報を鵜呑みにしないで、別の側面があるのではないかと考えてみることだ。」
ありのままにものごとをとらえているように見えるテレビカメラですが、実はものごとのごくわずかな一面を映し出しているに過ぎないかもしれません。テレビの報道に疑問を持ったことなどを体験として入れてみましょう。
第三段落も、方法と実例です。
「第二の方法として、自分の意見をきちんと持てるようになるために、たくさんの良い書物を読むことだ。」
良い書物に出会って、考え方が変わったり、自分が大きく成長したことを書いてみましょう。
第四段落は、名言を引用しながら生き方の主題に戻って結びます。
「確かに、ものごとを一つ一つ疑ってかかるわけにはいかない。しかし、批判的な目を養い、自分の考えをしっかり持って生きていくことが大切なのだ。」
8.1週
●骨董はいじるもので
芸術とはただ黙って鑑賞するものでしょうか。「行為をもって表現されないエネルギーは彼らの頭脳を芸術鑑賞と言う美名の下にあらゆる空虚な妄想で満たす(長文より)」難しい長文ですが、内容は共感しやすいものだと思います。
第一段落は要約と生き方の主題。
(例)「私は、すばらしい芸術に出会ったとき、その感動をきちんと表現するような生き方をしたい。」
第二段落は、その方法と体験実例。
「第一の方法は、自己の内面を磨き、表現する能力を身につけることだ。」
作文を書くことももちろんそうですが、自分の内面にあるものを表現する方法はいろいろありますね。たとえばスピーチなど、表現力不足でうまく自分の内面を表現しきれなかったことがあれば、体験実例として書いてみましょう。
第三段落も、方法と実例。
「既存の価値観にとらわれず、自分なりの価値観を大切にすることだ。」
名作といわれる絵画や音楽を鑑賞して、自分だけが「すばらしい」と思えなかったことがあるかもしれません。価値観は人それぞれです。ただ、本当にすばらしいものを見分ける目を養うことも必要ですが……。
第四段落は、名言の引用と生き方の主題でまとめます。
「確かに、芸術のすばらしさに黙って感動するという姿勢も良いかもしれない。しかし、自分の内面にあるものを表現することによって、さらに自分自身を高める生き方ができるように思う。」
8.2週
●戦争がすんだら
第一段落は、長文の要約と意見(生き方の主題)。「俳句に代表されるような理性よりも感性に訴える表現の良さが分かる人間になりたい。」
第二段落は、方法1と実例。「そのための方法としては第一に、物事を理詰めで考えようとしないことだ。」世の中には、理屈では説明できないもの、また、理屈で説明すると味も素っ気もなくなってしまうようなことがあります。道端に咲く可憐な花の美しさをあれこれと説明することは意味のないことでしょう。
第三段落は、方法2と実例。「また、第二の方法としては、感性を豊かにすることだ。」五感を研ぎ澄まして、何かを感じ取ろうと心がけ、心の琴線にふれるような体験を多くすれば、共感できる表現も増えるでしょう。
第四段落は、反対理解と名言の引用。「確かに、論理的、理性的に考えることも大切である。しかし、『辞書のような人間になることではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である。』という名言があるように、私は頭で理解するだけではなく心で感動できる人間になりたい。」
8.3週
●たとえていえば
カメラ、プリクラなどがずいぶん進化して、美しい写真が簡単に撮れるようになってきたようですね。写真に限らず、化粧品の進化、果ては整形など、見かけの美しさはどうにでもなる時代になったのかもしれません。美を手軽に手に入れることができるようになったため「美の時代が終わりつつある」のでしょうか……。
第一段落は、要約と生き方の主題です。
(例1)私は、外見的な美しさではなく、内面で人を判断する生き方をしたい。
(例2)私は、外見的な美しさだけでなく、内面をそれ以上に充実させるような生き方をしたい。
第二、第三段落は、そのための方法です。
(例1)「内面の伴わない美しさは、砂上の楼閣のようなものだと知ることだ。」
(例2)「外見にこだわらず、先入観なしに人と接してみることだ。」
ここに、美しい人だと思ったのに話してみてガッカリしたことなど、体験実例を入れましょう。逆に、「お母さんも昔は美人だったのになあ。」などとお父さんがぼやいていても、今でも昔と変わらず仲が良いのは、内面の美しさに価値を見出しているからかもしれませんね。
第四段落は、反対意見への理解と名言の引用です。
「確かに見た目の美しさは、人間関係において第一印象を決定する大切なものかもしれない。美しいに越したことはない。しかし『自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない』という名言もある。人間として内面が充実していることは、見た目よりもはるかに重要なことだと思う。」
9.1週
●ファッションと
「その日の気分によって洋服を選んでいる」という人もいるかもしれません。しかし、この長文を読むと、逆に「洋服によってその日の気分が決まる」とも言えそうですね。
第一段落は、要約と生き方の主題です。
(例)衣服のもつ効果を上手に利用するような生き方をしたい。
第二段落は、一つ目の方法と体験実例です。
(例)「そのための第一の方法は、服装の持つ社会的な意味をきちんと理解することである。」
結婚式では、白は花嫁の色、黒は親族の色という意味合いがあるそうです。招待客が、うっかり白を着てしまうと、悪気はなくてもあまりよく思われないかもしれません。
第三段落は、二つ目の方法です。
(例)「第二の方法は、服装によって自分を表現できるセンスを身につけることである。」
着るものにはまったく無頓着で、人間は中身が勝負という人もいるかもしれません。(笑)しかし、服装によって気持ちや心構えまで影響を受けるということもあります。
第四段落は、反対意見への理解と名言の引用です。
「確かに、服装ばかりにこだわって中身が伴わないのは困る。しかし、『人はその制服のとおりの人間になる』という言葉もある。服装をきちんとすることによって、自覚を持つこともできるのだ。」
●ファッションと
●生き方の主題
どんな人でも全裸で暮らしている人はいませんよね。(たぶん)関心の大きい小さいはあっても、服装と生き方は切ってもきれない関係にあります。自分の服装(見かけ)と中身(生き方)の関係について考えてみるといいと思います。
ブランド品が好き、ユニクロが好き、制服はあったほうがいい、無いほうがいいなど、服装に関心がなくても、実際にはいろいろ考えているものです。
「服装によって自分の内面を表現していく生きかたがいい」
「イメージにとらわれず、自由に服装を楽しむ生きかたをしたい」
「外見で中身を判断しない生きかたをしたい」
など、いろいろな主題が考えられますね。
9.2週
●比喩的な表現で(感)
●是非の主題
「モノやカネなど表面的なものだけに左右されない本質的な豊かさを重視して生きたい」
「個人的、物質的豊かさではなく、地球的な豊かさを大切にしていく生きかたをしたい」
●複数の方法
・環境保護を積極的に行う
・国際的な民族の相互理解を進める
・何事にも余裕のある生活をする
●比喩的な表現で(感)
第一段落は要約と意見を書きます。
要約に続けて生き方の主題を挙げます。「私はモノのほうからではなく人間の感受性から得られる豊かさを大切にして生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例を挙げます。「そのための方法は第一に、自由時間を持ちさまざまの体験をしていくことだ。」数学や英語といった教科の勉強は方法やカリキュラムに縛られてしまいます。そういった画一的なことから離れて、自由に自分の能力をさぐっていけるような体験を持つのです。旅行や読書など実例をあげてみよう。
第三段落は、二つ目の方法と実例を挙げます。「また第二の方法としては、量や能率重視の考え方から、内容の充実を考える社会に変えていくことだ。」戦後の日本は大量生産、大量消費によって経済の発展を遂げてきました。充分に豊かになった今となっては、いかにユニークなもの、質の高いもの、売れるものを創っていくかということが評価の対象となってくると思われます。人を感動させるものが売れるのです。そこに、第一の自然と第二の自然の調和も生まれてくるように思います。
第四段落は、反対意見に理解をしめしながら、名言の引用をしてまとめます。「確かに、現在の私たちの豊かな暮らしをささえているのは科学、生産の発展である。しかし『大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である。』という名言もあるように、モノではなく人間の側の豊かさに注目して、調和の取れた真の豊かさを追求して生きたい。
9.3週
●たとえば、路傍のぬかるみの中へ(感)
第一段落は要約。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。要約に続けて意見。「私は一見意味のないようなものも大切にして生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例。「そのための方法は第一に、一見意味のないものをすぐに排除したりしない柔軟な心を持つことだ。」勉強でも、試験に出ることだけを覚えようとするのではかえって能率が悪いものです。試験には役に立たないような知識を身につけることもときには大切ですね。
第三段落は、二つ目の方法と実例。「また第二の方法としては、意味のないことも楽しめるような余裕を持つことである。」一見意味のないようなものも楽しめるような遊び心を持つことも大切でしょう。学校の授業でも必要なことだけを話す先生よりも冗談などを言いながら授業を進めてくれる先生の方が人気がありますね。
第四段落は、反対理解と名言の引用。「確かに、意味のないものばかりに目を向けるのは本末転倒である。しかし、『雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである。』という名言もあるように、私は一見意味のないものにも目を向ける余裕を持って生きていきたい。」
●たとえば、路傍のぬかるみの中へ(感)
第一段落は、実例と意見。「私も子供のころ、プール遊びに熱中して家に帰る時刻も忘れて遊んだことがある。それは……。私も、その瞬間を全身で生きるような生き方を忘れないようにしたい。」
第二段落は、その方法と実例。「そのためには、今の自分の心に正直になることだ。先日、『これをしたい人』と聞かれたとき、私はすぐに手を挙げた。結果のことや、他の人にどう思われるかということを考えるとためらう気持ちも少しあったが、自分の心に聞いてみた結果……。」
第三段落は、方法2と実例。「また、社会が、子供たちのそういう瞬間を大事にする感覚を認めてあげることも大切だ。私の○年生のときの担任は、その点で理解があった。例えば……」
第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、世の中はルールや計画によって成り立っている。もし……。しかし、子供時代から、いつも後先のことを考えて行動するような人ばかりが増えたら……。」