解説集 タラ の池 (印刷版)
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2024-09-14 00:00:00)以降に
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4.1週
●いたずらをしたこと、何かをきれいにしたこと
いたずらをした思い出を書いてみましょう。自分ではいたずらなどしたことがないという人は、お父さんやお母さんに子供のころの思い出を聞いてみましょう。
でも、お父さんやお母さんのいたずら話を聞いて、「ようし、ぼくも……」とあぶないことをしないでね。
小学校中学年は、表現を工夫して、長く書く力がついてくる時期です。しかし、このころの作文は、「はじめに何をして、つぎに何をして、それから何をして、……」と、経過を並列的に書くかたちにもなりがちです。自分のしたことや思ったことがはっきりしている場面を中心に書いていくと、中心のしぼられた文章になります。作文の冒頭に、「いちばん……は……です」と入れてから書き出すのもコツです。
●書き出しの工夫……「いつ、どこで何がありました」と書き出す前に、そのときの会話や色や音を書く練習です。慣れないうちは理屈でいくら説明しても、子供にとってはむずかしく感じるようですので、はじめは無理矢理でも「『やったあ。』と、ぼくは言いました。今日は遠足です」のように書いてしまいます。最初の二、三回は、とってつけたような書き出しになってもかまいません。何度か書いていると、自然に文章になじむような書き方ができるようになってきます。
●自分だけがしたこと…作文の題材には、できるだけ自分のしたことを書くことが大切です。それはその方がその人らしい作文になるからです。 例えば、サッカーの試合の話を書くときに、「Aくんがパスして、Bくんがシュートをして、1点を取った」というような書き方ではなく、「(ほかならぬ)ぼくがシュートをしようとして空振りした」というようなことを書いていくということです。
●たとえ……「まるでトマトみたいに赤い」「まるで雪のようにつめたい」というように「まるで〜みたい」「まるで〜のよう」という形をつかってたとえを入れてみましょう。
●ダジャレ表現……思ったことや会話の中にダジャレ表現を入れていきます。
●心の中で思ったこと……口には出さない(出せない)思ったことを書いてみましょう。
○前の話・聞いた話……作文の途中で、自分の去年の話や、お父さんお母さんに聞いた話を書いて、作文を立体的にしていく練習です。
○現在形……「でした」「ました」中心につながっていく作文のところどころに「です」「ます」を使い、表現に変化を持たせる練習です。「お母さんが来ました。手に大根を持っています。ぼくは気がつきました。今日は誕生日だったのです。」というような書き方です。(なんで誕生日に大根なの)
○動作情景の結び……作文の結びを自分の思ったことではなく、動作や情景で結んでいく練習です。「とてもうれしかったです」と書くかわりに「ぼくはいつまでも見送っていました」というように書きます。「ふりかえると燈台が青い空にうかんでいました」のように情景を書いて結ぶこともできます。こういう情景動作の結びが自然にできるのは実はもっと高学年になってからですが、言葉の森では、高学年になると説明文意見文中心の勉強に入ってしまい、生活作文を書く機会があまりなくなるので、4年生で表現上のいろいろなくふうを練習します。
●字数……新年度になって、項目がむずかしくなった学年が多いので、字数は前の学期よりも少なくしています。
●段落は三文ぐらいで……読みやすいと感じる段落の長さの平均は、約150字と言われています。文にすると、2〜3文の長さです。「話の変わるところで段落にする」という練習をする前に、句点(。のこと)が三つぐらい来たら段落にするという練習をしておくと、段落が理解しやすくなります。
●いたずらをしたこと、何かをきれいにしたこと
★いたずらをしたこと、何かをきれいにしたこと
【ミニヒント】
本当は、人の困るようないたずらを、 やってはいけないのだけれど、誰もが、一~二回くらいは、しでかして、先生や、お家の人たちから、バッチリしかられたことがあるでしょうね。
気持ちよさそうに昼寝をしているお父さんの足を、こちょこちょとくすぐってみた。学校帰りに、「ピーンポーンダッシュ」をして、大急ぎで逃げたこと、台所で、砂糖と、塩の容器を入れ替えたこと、……など、数え上げればきりがないほど、いたずら話は、つきないものですね。他の人が考えつかないような、その人らしい茶目っけたっぷりの「自分だけがしたこと」で、ゆかいないたずら話が書ければ最高ですね。もちろん、友達や兄妹といっしょにやったことでも、かまいません。
誰もが、思いついたそのいたずらを実行するのは、ちょっぴり勇気が要りますし、スリル感、ドキドキ感があります。「まるで……のように、みたいに」のたとえが入るとさらに、もっとよくなるしょう。後で、ばれて大目玉をもらったことも、会話やダジャレを入れて、これまでに、いちばん心に残ったいたずらに関する出来事を、項目を入れながら、くわしく、書いて下さいね。
むすびには、充分に反省したようすを、書き述べておきましょう。
4.2週
●初めて何かを食べたこと、学校へ行く道
めずらしいものや初めて食べたものの話を書いてみましょう。
先生が、はじめて食べたもので印象に残っているのは、子供のころ初めて飲んだコカコーラ(まずかった)。それから、イカスミスパゲティ(気持ち悪かった、が意外においしかった)。それから、くさや(その後二度と食べていない^^;)
作文の材料集めのために、お父さんやお母さんに「めずらしいもの、食べにいこう」とたのんでもいいかもしれないね。(笑)
4.3週
●ミイラ取りがミイラになる(感)
ミイラが薬になるというのは、すごいですね。本当かなあ? 昔は、今のようにいろいろな薬がなかったから、不思議なものや珍しいものを薬にしたのかもしれません。その中には現代にも生きているものもあります。みなさんも、おじいちゃんやおばあちゃんから、「これは薬だから」とへんなもの(?)を飲まされたことがありませんか。
「ミイラ取りがミイラになる」ということわざは、この長文に書いてあるとおり、帰ってこない人をつれもどしに行った人が、自分もそこにとどまってしまうという意味で使われています。公園で遊んでいる弟を迎えにいったお兄ちゃんが、自分もそこで遊び出して、仕方なくお母さんが二人を迎えに行った、などというときに使います。
感想文は、似た話を見つけて書くというところが書きにくいと思います。字数は長く書けなくてもいいですから、次のような順番で書いていきましょう。
この話(長文)を読んで、いちばんおもろしろかった(ふしぎだった・おどろいた)のは……というところです。
↓
わたしにも、にた話があります。このまえ……(と、自分のにた話を書く)
↓
また、ずっとまえは(お母さんの話では)……(と、にた話をできればもうひとつ書く)
↓
わたしは、この話(長文)を読んで……と思いました。
にた話が見つからないときは、「もし……だったら」と自分で想像した話をにた話のかわりに書いてもいいでしょう。
4年生の人は、最初の段落で、三文ぬきがきをしてから始めましょう。長文のはじめのほうから一つ、中のほうから一つ、おわりのほうから一つ、と合計三つぐらいの文をそのままぬきがきしておいてください。(文というのは、「。」から「。」までの間です)
この三文抜き書きは、5年生で勉強する要約の練習の準備です。
項目表の字数どおりに書くのはたいへんだと思いますから、とりあえず、1年生は100字、2年生は200字、3年生は300字、4年生は400字、5年生以上は500字を目標にして書いていくとよいでしょう。
●ミイラ取りがミイラになる(感)
第一段落で、三文抜き書きをしていきます。長文の最初の方から一文、途中から一文、最後の方から一文というように、全部で三文選んで、行を続けて書いていきましょう。【例】「古代エジプトでは、人工的にミイラを作った。中世から十八世紀のヨーロッパでは、このミイラが〈医薬品〉としてもてはやされた。そのため、ヨーロッパでも日本でも、危険を知りながら「ミイラ取り」にいった人がたくさんいたらしい。(三文抜き書き)」
三文抜き書きに続けて、「私がこの話を読んでいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。【例】「私がこの話を読んでいちばんびっくりしたのは、ミイラをくだいて粉にしたものを、けがした人や病気の人にのませると、とてもききめがあると信じられていたことです。」
第二段落は、似た話です。テレビや博物館などでミイラを見た話、にがい薬を飲まされた話など、この長文に関係のある話を思い出して書いてみましょう。
第三段落も似た話です。だれかをさがしに行って自分も迷子になってしまった話や誰かを説得しようとしていたのにいつの間にか逆に説得されてしまっていたなどという話を書いてみましょう。
似た話がどうしても見つからない場合は、「もし……だったら」という言葉で想像した話を書いていってもいいです。【例】「もし私がミイラ取りに行ったら、ミイラを見ただけで気絶してしまったかもしれません。」
第四段落は、この長文全体の感想です。【例】「私はこの話を読んで、ミイラは本当は静かに眠っていたかったのにみんなにあらされ、粉薬にされてしまうなんてかわいそうだなあと心の中で思いました。」
5.1週
●家族でスポーツをしたこと、お手伝い
お父さんやお母さんとスポーツをしたことを書いていきましょう。連休中なので、家族でハイキングに行ったり、潮干狩りに行ったりしたことでもいいでしょう。また、お父さんと遊んだとか、お兄ちゃんと遊んだというような話でもいいと思います。自分のしたことを中心に、お父さんやお母さんの会話もできるだけ入れながら書いていきましょう。
●家族でスポーツをしたこと、お手伝い
スポーツをするにはちょうどよい季節になりました。連休中に家族でスポーツをした人も多いと思います。公園でサッカーやバドミントンをしたことなど、お父さんやお母さん、お兄さんやお姉さんといっしょにスポーツをしたことを書いていきましょう。スポーツをしたことがなければ、家族でどこかに行ったことを書いてもいいでしょう。
書き出しは、会話や音、そのときの情景などで書き始めます。だれかのかけ声などで書き始めることができそうですね。
スポーツをしているときのようすは、会話などを入れながら書いていきます。「まるで滝のように汗をかきました。」など、たとえも使ってみましょう。もし、おもしろいダジャレを思いついたら入れてみてね。【例】「坂道(サッカ道)でサッカーをした。」(これよりはおもしろいのを考えてね。(^^ゞ)
最後は心の中で思ったことを書きます。【例】ぼくは、「さすがにお父さんは強いなあ。でも、いつかは必ずお父さんに勝つぞ。」と心の中で思いました。
5.2週
●飼っている生き物、りょうりを作ったこと
かっている生き物の話は、これまでに何度か書いたことがある人も多いと思います。その生き物のまた別の面を見つけながら書いていきましょう。
生き物は、人工のものにくらべて、観察(かんさつ)すればするほど新しい発見があると思います。生き物の動き、色、音、においなどをよく見て書きましょう。たとえもわすれずにね。
●飼っている生き物、りょうりを作ったこと
みなさんはどんなペットを飼っていますか? 家でペットを飼ったことのない人は学校で飼っている動物について書いてみましょう。それもむずかしかったら、動物園や水族館などで見た生き物の話でもいいですよ。
書き出しは、会話や音、そのときの情景などで書き始めます。ペットの鳴き声などで書き始めることができそうですね。
ペットのようすをよく観察して、その色や動きなどをたとえを使いながら書いていきましょう。【例】「ハムスターは、まるで毛糸玉のように丸くなってねむります。」
また、自分がペットといっしょに遊んでいるところやペットの世話をしているところも書いてみましょう。
もし、おもしろいダジャレを思いついたら入れてみましょう。【例】「ネコがねころびました。」
最後は心の中で思ったことを書きます。【例】ぼくは、「ペットは家族と同じなんだなあ。」と心の中で思いました。
5.3週
●急がばまわれ(感)
感想文の課題というと「えー、また感想文かあ」というためいきが聞こえてきそうです。(^^ゞ 長く書いたり上手に書いたりする必要はありませんから、長文を読んで自分の感想をまとめるという書き方の流れをつかんでいくことを当面の目標にしていきましょう。そのためには、授業のある日までに、その長文を五回ぐらいは声を出して読んでおいてください。にた話が見つかると感想文も書きやすくなるので、お母さんやお父さんとも相談しておきましょう。
にた話のヒント:漢字書取の宿題などで、へんだけを先にまとめて書き、そのあとまとめてつくりを書くというようなことをしたことのある人も多そう。早くできたように見えて実は何も覚えていなかったとか……。
●急がばまわれ(感)
第一段落で、三文抜き書きをしていきます。長文の最初の方から一文、途中から一文、最後の方から一文というように、全部で三文選んで、行を続けて書いていきましょう。【例】「いそぐ時には、少しくらい危険があっても、近道をとおりたくなる。けれどそれが失敗する原因になる。武士の矢馳の船ははやくとも急がばまわれ瀬田の長橋 この歌の中で「急がばまわれ」のことばだけがひろまっていき、ことわざとしていまものこっているんだ。(三文抜き書き)」三文抜き書きに続けて、「私がこの話を読んでいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。【例】「私がこの話を読んでいちばんびっくりしたのは、「急がばまわれ」のことわざの元が和歌だったことです。」
第二段落と第三段落は、似た話です。長文にもあったように、テストのときに時間内にはやくやろうと急ぐあまり、問題をしっかり読まずに答えを書いてしまったことはないかな? また、ピアノを習っている人は経験があると思いますが、遠回りに見えても左手と右手を別々に練習するのが新しい曲をひけるようになるための近道ですよね。
逆の話もあるかもしれませんね。先生は、車で駅に向かう途中、道が混んでいたので裏道を通って遠回りをしたら、ずっと後ろにいたバスに抜かされてしまったことがあります。
第四段落は、この長文全体の感想です。【例】「私はこの話を読んで、急いでいるときこそあわてずに落ちついて一番いい方法を考えることが大切だと思いました。」
●急がばまわれ(感)
【ミニヒント】
少しでもはやく用事をすませたくて、その場しのぎの方法を考えて,逆に無駄な時間をくってしまうという失敗は、だれにでもあります。
……前に、陸橋の向こうにバス停がありましたが、急いでいたので、ひとつ手前の、信号機のない横断歩道を走って行こうとしました。ところが、ひっきりなしに自動車やトラックが行き来し、そのスピードに恐れをなし、なかなか、渡るチャンスがありません。その間にバスは出てしまい、次のが来るまで、15分も待たされてしまいました。^^;
さらに、スーパーに買い物に出かけたときのことです。夕方のことで、 大混雑。長い行列が出来ている中で、一人だけのレジがあり[ヤッター]とう気分で、そのレジに並びとしました。ところが、前の人のカートには、上下のかごにいっぱい品物があり、しかも、レジ係りが研修中の人だったため、もたついて、なかなかはかどりません。長蛇(ちょうだ)の列のお客さんのほうが、スイスイと支払いを済まして店を出て行きます。結果、すごく時間がかかってしまいました。
そういう体験が少ない人は、「もし〜だったら」を使った想像でもいいですよ。
また、お母さんにも取材して「ゆっくり考えないで、行動に移して、かえって時間がかかり、失敗したことはない?」と聞いてみて、そのお話を書いてみるのもひとつの方法ですよね
6.1週
●私の父(母)、体育の時間
お父さんやお母さんの話を書くときに大事なことは、説明だけでなく実際の具体的なエピソードを書くことです。そのためには、お父さんやお母さんに子供のころの話を聞いてみるといいでしょう。たぶん、お父さんやお母さんが小学生のときは、みなさんと同じようなことに喜んだり悲しんだりしていたと思います。
●私の父(母)、体育の時間
お父さん(あるいはお母さん)について書いてみましょう。
書き出しは、会話などで始めます。お父さんの口ぐせで書き始めたり、日曜日の朝、お父さんを起こす声で書き始めたりできそうですね。
どんなお父さんか説明するよりも、実際のエピソードを書いた方が生き生きとした作文になります。お父さんらしさがよく表れているような出来事を思い出して書いてみましょう。また、お父さんが子供のころの話なども取材して書けるといいですよ。お父さん自身に聞くよりもおじいちゃんやおばあちゃんに聞いた方が本当の話が聞けそうですね。
お父さんといっしょに何かをした話の中に「まるで〜のよう」というたとえも忘れずに使ってください。
最後はお父さんについて心の中でひそかに思っていることを書いてみましょう。普段はなかなか言えないようなことが書けるといいですね。
●私の父(母)、体育の時間
お父さんやお母さんの話を書くときに大事なことは、「やさしい母です。」とか「厳しい父です」というふうに書き進めてしまうと、後が続きません。
説明だけでおわってしまうと、平板な内容になって、おもしろくありません。「実際にあった具体的なエピソードや思い出話を書くこと」がたいせつです。
そのために、一つの出来事を通して、ご両親の人柄をかきあらわすとよいでしょう。
【例】:→ふだんは、面白いことを言って、よく人を笑わせるけれど、約束事には、たいへん厳しい父です。この間、帰る門限になっても外で遊びほうけていたら、「こらあ!いつまで遊んでいるのだよ。」と、まるでえんま様のような顔で、きつくしかられてしまいました。……というふうにね。
お父さんたちが言ったおもしろいダジャレなどを、会話で表現してみましょう。
また、親が自分と同じ年頃の時は、どんな環境だったかというのも、興味深いですね。
お父さんやお母さんに子供のころの話を聞いて、今と比較してみるといいでしょう。きっと、小さいときは、みんなと同じようにいたずらをしたこともあったでしょうね。遊びの天才だったかもしれません。(でも、今のような、最新式ゲーム類は、あまりなかったかも。)
「蛙の子は蛙」のことわざどおり、自分の性格と共通したところを、親も備え持っていらっしゃるかもしれません。そんな発見があれば、「心の中で思ったこと」として、ぜひ書き加えてみましょう。
6.2週
●水や土で遊んだこと、カタツムリを見つけたこと
雨が続くと、お日様が恋しくなりますが、そういう雨の日でも楽しいことはたくさんあります。
雨上がりの公園で、残っている水たまりを使って遊んでみましょう。でも、汚れてもいいような格好(かっこう)で行ってね。
●水や土で遊んだこと、カタツムリを見つけたこと
水たまりを見ると思わず入ってしまうという人もいるでしょう。雨上がりに水たまりで遊んだこと、公園で砂場に水を流して遊んだことなどを書いてみましょう。
書き出しは、会話や音、そのときの情景などで書き始めます。だれかの会話や水の音などで書き始めることができそうですね。
どろんこ遊びでは、プリン、お団子、トンネルなど何かを作っているところを書いてみましょう。かわいた砂や土ではかたまらないけれど、水をまぜると形がしっかりできますね。
どろをさわったようすなどはたとえを使って書いてみましょう。
最後は心の中で思ったことを書きます。【例】ぼくは、「お父さんやお母さんもいっしょにどろんこ遊びをしたら楽しいのに。」と心の中で思いました。
●水や土で遊んだこと、カタツムリを見つけたこと
梅雨の中休みで、気持ちよく晴れた日などは、ふんすい公園の人工的にこしらえた川の中に、足を入れて水のぶっかけっこをしている幼児や、小学生をよく見かけますが、本当に気持ちよさそうで、涼しげですね。また、植木鉢に水やりしているうちにホースのシャワーを、自分の頭に放水(ほうすい)して、びしょびしょになったりしたことはありませんか?
これからの暑い季節は、ぬれた服もすぐかわくし、からだもひんやりしてとてもいい気持ちです。
プールでの休憩(きゅうけい)時間に、みんなで水遊びをしたことなども、思い出してください。
水の音の書き出しや、ふざけて水で遊んでいるときの、友達との会話のやりとりなどで書き始めてみましょう。お母さんのお小言で、書き出しのくふうをしてもみると、印象づけられますよ。
これからの季節は水遊びや、水のちょっとしたいたずらは、とても心地よいものですね。
水の流れや音で面白いダジャレを考えたり、「スプリンクラーのように」とか、「たきのように」というようなたとえで、涼しさを表現したりしましょう。
同じようにどろんこ遊びや、土のお団子作りをしたり、トンネル堀りをしたりした思い出がある人は、そのことをくわしく書いてみてください。
むすびに、思いっきり遊んだ後の感想や、おろしたてのきれいな運動靴をよごしてしまった反省などを「心の中で思ったこと」として書き加えておきましょう。
6.3週
●怪我の功名(けがのこうみょう)(感)
失敗したと思っていたら、それがかえっていい結果につながったという例をさがしてみましょう。4年生の人は、ある程度、過去の出来事を思い出して書く力がついていますが、3年生の人にはまだ過去を思い出す力があまりありません。おうちの方が「ほら、むかし、こんなことがあったでしょ」と話してくださるとよいと思います。
例としては、学校にかさをおきわすれてきたが次の日学校に行ったら帰りに雨がふってきたので「昨日、かさをわすれておいてよかったなあ」というようなことが考えられます。けがをしてどこにも遊びに行けなくなったので、お母さんがゲームを買ってきてくれた、というような話もありそうです。いろいろ思い出してみましょう。
●怪我の功名(けがのこうみょう)(感)
第一段落で、三文抜き書きをしていきます。長文の最初の方から一文、途中から一文、最後の方から一文というように、全部で三文選んで、行を続けて書いていきましょう。【例】「失敗をしたのにそれがかえってよい結果になった、ということ。また、なんの気もなくやったことが、たまたまよい結果になった、ことでもある。ドライ・クリーニングの方法を世界ではじめて見つけたのも、さいしょは失敗からだった。テーブルクロスにオイルをこぼしたばかりに、ベランさんはとっても大きな発見をしたのだ。(三文抜き書き)」三文抜き書きに続けて、「私がこの話を読んでいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。【例】「私がこの話を読んでいちばん良かったと思ったことは、Oさんが財布を忘れたばかりに事故にあわずにすんだことです。」
第二段落と第三段落は、似た話です。失敗が成功につながったという話を思い出して書いてみましょう。お父さんやお母さんにも聞いてみるといい話が見つかると思います。たとえば、風邪を引いて学校を休まなければならなかったけれど、お母さんが優しくしてくれて、普段は食べられないようなおいしいものを食べられたなどという話です。道に迷ったと思ったら思わぬ近道を発見したなんていうこともあるかもしれませんね。
第四段落は、この長文全体の感想です。【例】「私はこの話を読んで、失敗だと思ったことが成功につながることもあるのだから、小さい失敗にいつまでもこだわる必要はないのだと思いました。」
●怪我の功名(けがのこうみょう)(感)
追加のヒント
第三段落で似た話が見つからなかったら、「もし私がOさんだったら、……」、「もし私がベランさんだったら、……」などと想像した話を書いてもいいです。
●怪我の功名(けがのこうみょう)(感)
〜雨ふって地固まる〜
実はこのことわざも怪我の功名!?
けんかしたけれど、それを通して仲が良くなった。
家族のなかで問題がおきたけれど、みんなで協力してのりきったら、きずなが深まった。
学校(塾)に行きたくないと泣いたら、お母さんが「どうしたの? なにかあったの?」と聞いてくれて、本当のことを話すことができた。
そんなことはありませんか?
私は飲み終わったビールのビンのラベルをはがそうとして、水につけておいたことがありました。翌朝起きてみてみると、家族のだれかが水からビンを取り上げてかわかしていました。たぶん親切心からでしょうが……。
なんでこんなことするの! と怒ったのですが、ラベルをこするとするりとはがれました。水につけてもなかなかはがれなかったのに。
水につけてだめだったら、乾かしてみる。おなべのこげつきも乾かすととれるんですよね。
怪我の功名でした。
★怪我の功名(感)
「怪我の功名」と似た言葉には、「失敗は成功の母(失敗を成功の母とする)」、「災いを転じて福となす」などがあります。失敗がよい結果につながった話の例。たとえば、タルトタタンはりんごとバターと砂糖をいためて作るお菓子です。が、そのお菓子が生まれたのは、うっかりしてりんごをいため過ぎ、こがしてしまった女の人が、何とか失敗を取り返そうと工夫したことからだそうです。