解説集 チカラシバ の池 (印刷版)
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2024-09-14 00:00:00)以降に
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7.1週
●お父(母)さんの子供のころ、おふろ
●書き出しの工夫……「いつ、どこで何がありました」と書き出す前に、そのときの会話や色や音を書く練習です。慣れないうちは理屈でいくら説明しても、子供にとってはむずかしく感じるようですので、はじめは無理矢理でも「『やったあ。』と、ぼくは言いました。今日は遠足です」のように書いてしまいます。最初の二、三回は、とってつけたような書き出しになってもかまいません。何度か書いていると、自然に文章になじむような書き方ができるようになってきます。
●自分だけがしたこと…作文の題材には、できるだけ自分のしたことを書くことが大切です。それはその方がその人らしい作文になるからです。 例えば、サッカーの試合の話を書くときに、「Aくんがパスして、Bくんがシュートをして、1点を取った」というような書き方ではなく、「(ほかならぬ)ぼくがシュートをしようとして空振りした」というようなことを書いていくということです。
●たとえ……まるでトマトみたいに赤い」「まるで雪のようにつめたい」というように「まるで〜みたい」「まるで〜のよう」という形をつかってたとえを入れてみましょう。
●ダジャレ表現……思ったことや会話の中にダジャレ表現を入れていきます。
●心の中で思ったこと……口には出さない(出せない)思ったことを書いてみましょう。
○前の話・聞いた話……作文の途中で、自分の去年の話や、お父さんお母さんに聞いた話を書いて、作文を立体的にしていく練習です。
○現在形……「でした」「ました」中心につながっていく作文のところどころに「です」「ます」を使い、表現に変化を持たせる練習です。「お母さんが来ました。手に大根を持っています。ぼくは気がつきました。今日は誕生日だったのです。」というような書き方です。(なんで誕生日に大根なの)
○動作情景の結び……作文の結びを自分の思ったことではなく、動作や情景で結んでいく練習です。「とてもうれしかったです」と書くかわりに「ぼくはいつまでも見送っていました」というように書きます。「ふりかえると燈台が青い空にうかんでいました」のように情景を書いて結ぶこともできます。
お父さん(お母さん)が小学4年生のころ、どんなことをしたか聞いてみましょう。いまはりっぱなお父さんやお母さんも、小学4年生のころは、いたずらばかりしていたのですよ。(たぶん)
でも、いまとむかしでは、遊びの種類もかなりちがっています。お父さんやお母さんがどんなことに熱中してどんな遊びをしていたのか聞いてみるといいでしょう。
●お父(母)さんの子供のころ、おふろ
今学期は、●印の項目は変わっていませんが、字数の目標が500字以上となっています。前学期と同じようにキーワードに気をつけながら、少しずつ長く書けるようにがんばっていきましょう。
お父さん、お母さんの子供のころの話を聞いて書いてみましょう。おじいちゃん、おばあちゃんに取材してみるのもいいですね。こっそりおもしろい話を教えてくれるかもしれません。また、お父さんやお母さんの小さいころの写真なども見せてもらうと新しい発見があるかもしれません。今はスマートなお母さんが子供のころは太っていたとか、今はまじめなお父さんが子供のころはカツオ君みたいだったとか……。(笑)
書き出しはいつものように会話や情景などで書き始めましょう。たとえを工夫することも忘れずに。できればダジャレも考えてみましょう。「心の中で思ったこと」は、今の自分と子供のころのお父さん(お母さん)とを比べて思ったことなどが書けそうです。
話がかわるところでは段落をかえますが、慣れるまでは三つの文を一つの段落と考えて書いていきましょう。
構成図の書き方
7.2週
●わたしの母(父)、いちばんすきなあそび
お母さん(あるいはお父さん)について書いてみましょう。
書き出しは、お母さんのおこっている声や台所から聞こえてくる何かを切る音で始めることができそうですね。
どんなお母さんか説明するよりも、実際のエピソードを書いた方が生き生きとした作文になります。お母さんらしさがよく表れているような出来事を思い出して、「この間、こんなことがありました。」というように書いてみましょう。ふだんは、おこってばかりいるお母さんも、病気のときは優しく看病してくれるとか、あわてんぼうで失敗ばかりしているとか、そんなお母さんの様子がわかるようなエピソードを書いていきましょう。
「自分だけがしたこと」は、お母さんといっしょに何かをした話などが書けたそうです。「まるで〜のよう」というたとえも忘れずに使ってね。
最後は、お母さんについて心の中でひそかに思っていることを書いてみましょう。普段はなかなか口に出せないようなことが書けるといいですね。
7.3週
●母屋(おもや)はもうひっそり(感)
母屋(おもや)に火をつけようとした巳之助は、マッチがないので火うち石を使いましたが、大きな音がするだけでなかなか火がつきません。「古くせえもなア、いざというとき間にあわねえ……」とつぶやいて、ふと自分の言った言葉に気がつきます。 小学4年生のみなさんは、「古くせえもの」などにはあまり縁がないと思うので、似た話は見つけにくいかもしれません。お父さんやお母さんに、昔の道具で今はもうあまり使われなくなったものを聞いてみるといいでしょう。まさか火うち石を使って火をつけていたお父さんやお母さんはいないでしょうけど。
4年生は、要約の練習をする前段階として、三文抜き書きの練習をしていきましょう。抜き書きするところはどこでもいいです。はじめ、なか、おわりから、一文ずつ書き出して、そのあと「私がこの話を読んでいちばん……だったのは」と続けていきましょう。
余裕のある人は「動作情景の結び」にも挑戦しましょう。これは自然に入れるのがなかなかむずかしい項目です。初めはかたちだけできればいいと割り切って書いていきましょう。
(三文抜き書きの例) 母屋はもうひっそり寝しずまっていた。巳之助は、今になって、自分のまちがっていたことがはっきりとわかった。世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなれば、男らしく、すっぱりそのしょうばいはすてて、世の中のためになる新しいしょうばいにかわろうじゃないか。
私がこの話を読んでいちばん感心したのは、巳之助が自分で正しい生き方に気づいたことです。
私も、似た話が……。
もし、わたしが……。
お母さんに聞いてみると……。
私は、この話を読んで、古いものを大事にするのもいいことだけど、時には勇気を出して古いものをすてることも必要なのだなと思いました。 私は、ふと本棚にある古い漫画「スラムダンク」の全巻を見つめました。
●母屋(おもや)はもうひっそり(感)
第一段落で、三文抜き書きをしていきます。長文の最初の方から一文、途中から一文、最後の方から一文というように、全部で三文くらい選んで、行を続けて書いていきましょう。【例】「巳之助は火打ちで火を切りはじめた。火花は飛んだが、火口(ほくち)がしめっているのか、ちっとも燃えあがらないのであった。巳之助は、今になって、自分のまちがっていたことがはっきりとわかった。世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなれば、男らしく、すっぱりそのしょうばいはすてて、世の中のためになる新しいしょうばいにかわろうじゃないか。(三文抜き書き)」
三文抜き書きに続けて、「私がこの話を読んでいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。【例】「私がこの話を読んでいちばんよかったと思ったのは、巳之助が自分のまちがいに気づいて、自分の考えを変えたことです。」
第二段落は似た話です。今ではもう役に立たなくなってしまった古いものの話が書けるといいですね。少しむずかしいですが、古い考えにとらわれて失敗したという話や自分の考えが絶対に正しいとは限らないという話でもいいです。お父さんやお母さんにも似た話を聞いてみましょう。
第三段落も似た話です。似た話が見つからない場合は、「もしぼくが巳之助だったら……」などと想像した話を書いてみましょう。
第四段落は、この長文全体の感想です。【例】「私はこの話を読んで、いつまでも古いものにとらわれていないで、ときには新しいものを進んで取り入れることも必要なのだと心の中で思いました。」
Re: ●母屋(おもや)はもうひっそり(感)
3文ぬきがきのヒントです。「巳之助は、火をつけようとした」「うまくいかなかった」「自分のことをはんせいした」この3つのことが書いてある文をさがしてみよう。
にた話のヒント。「古いものが役に立たなくなった」という話がむずかしくてみつからないときは、こういう「にた話」でもいいよ。
悪いことをしようとして、または、やってしまって、お母さんにおこられたことがあるでしょう。その時、ちゃんとはんせいして、自分がまちがっていた、とわかったかな。「もしもわたしが巳之助だったら、……」と考えて書いてもいいね。
★母屋(おもや)はもうひっそり(感)
第二段落の似た話。お父さんやお母さんに、子どものころの生活をきいてみると、いろいろな違いがわかるかもしれません。たとえば、お風呂はまきでたくものだったというおうちもあります。
また、長文に「火打ちの道具」や「火口」という言葉が出てきましたが、これらはどんなもので、どんな使い方をしたかを調べてみてもいいですね。火のおこし方については、縄文時代の生活体験で、火をおこす実験もあります。火きりぼうや火きり板を使い、もみぎりという方法で火をおこしたそうです。それに比べると、火打ちの道具ははるかに文明的なものだったことがわかりますね。
7.5週
巳之(みの)さん、これが電気だ(感)
最初に、長文のはじめ・なか・おわりから一文ずつ、合計三文の抜き書きをしましょう。この三文抜き書きは行を続けて書いていっていいです。抜き書きのあと、段落を変えて似た話や想像した話を書いてみましょう。
似た話は、(1)新しいものが出てきたために古いものの出番がなくなること、(2)自分の失敗をほかの人のせいにしたくなること、などから考えてみるといいと思います。
書き方の流れは、次のような感じで。→「(三文抜き書きのあと)この話を読んでいちばんおもしろかったのは電線をキツネやタヌキが伝わってくると言ったところです。ぼくも、友達が新しいゲームの機械を買って自慢しているのを聞いて『でも、カラーの画面は電池がすぐなくなるんだぞ』と負け惜しみを言ったことがあります。すると……。もしぼくがそのときの巳之助だったら、たぶん……。ぼくは、おとうさんに、『ランプって知ってる』と聞いてみました。すると、おとうさんは田舎の家の話をしてくれました。それは……。ぼくは、この話を読んで……と思いました。」
感想文は最初はむずかしいので、字数は短くてもかまいません。長く上手に書くことよりも、「いちばん……なのは→もし……だったら→……と思いました」のような流れで最後まで書き上げることを目標にしていきましょう。
8.1週
●虫をつかまえたこと、おにぎりを作ったこと
夏休みは、いろいろな虫をつかまえることができます。セミ、カブトムシ、クワガタ、トカゲ、ザリガニ、アサリ、トンボ、チョウチョウ、ゴキブリ(おっと)。
虫をつかまえたときのようすをくわしく思い出して書いてみましょう。
●虫をつかまえたこと、おにぎりを作ったこと
夏は虫とりの季節ですね。セミ、トンボ、チョウ、カ(?)など、虫とりをしたことを書いてみましょう。虫ではありませんが、ザリガニをつかまえた話でもいいですよ。
まずは書き出しの工夫から。虫の鳴き声や虫をつかまえたときの歓声から書き始めることができそうです。そこに「書き出しの工夫」というただし書を忘れずに入れておきましょう。また、虫の色や動きなどを「まるで〜のよう」とうたとえを使って書いてみましょう。ダジャレ表現も考えられるかな? 単純なところでは、「虫はぼくを無視(むし)して飛んでいった。」など。
虫取りをして思ったことを書くときには、「心」というキーワードを入れて書きます。【例】「広い世界を自由に飛び回っていたのに、急にせまい虫かごにとじこめられてしまってかわいそうだなあと心の中で思いました。」
8.2週
●つまみ食い、よその家にとまったこと
つまみ食いをしたときのことを書いてみましょう。え? そんなおぎょうぎの悪いことしたことない?
そうしたら、自分のいちばん好きな食べ物のことでも書いてね。
●つまみ食い、よその家にとまったこと
【ミニヒント】
ちょっとお行儀(ぎょうぎ)の悪い話かもしれないけれど、つまみ食いをしたことを、思い出してみて下さい。だれでも、一度や二度はつまみ食いをしたことがあるでしょうね。でも、
「そんなことは、しないよ。」
と言う人も、中にはいるかもしれません。その場合は[わすれないあの味]や、[すごくおいしかった食べ物]で書いてみるといいでしょう。
実は先生も、小さい頃、一人お留守番をしていた時に、お腹がすいたので、食器棚(しょっきだな)を探してみたら、奥のほうに、お茶っぱを入れる缶を見つけました。そっと、ふたをあけたら、おいしそうなせんべいがいっぱい入っていたので、「一枚ぐらいなら構わないだろう」
と、食べてみたら、止まらなくなって、気がついたら半分くらいしか、残っていないのです。……^^; 残りを上手に盛り上げ、元通りの場所にもどしておきました。ところが、あとでバレて、母親から、こっぴどくしかられたという経験があります。でもこっそりつまみ食いしたものは、なぜだか、とってもおいしいものですね。
冷蔵庫の枝豆や、ヨーグルト、新聞紙にくるんだ焼いもなど、つまみぐいした食べ物の種類や、そのときのスリル感、後ろめたい気持ちなども、正直に書いてみましょう。
「パリパリ、ポリポリ」、「ムシャムシャ」のような音や、お説教の会話等で、書き出してみて下さい。「まるで〜みたいに」のたとえや「もし見つかったらどうしよう……」というように、イメージしたことも書いてみるといいです。
8.3週
●次の朝早く(感)
海蔵さんは、自分の井戸掘りのことばかり考えて、老人の死を待ち望んでしまった自分の心を恥じて、老人に謝りに行きます。しかし、海蔵さんの真心に心を動かされた老人は、井戸掘りを許可してくれます。
自分の間違いを正直に認めて謝るというのはとても勇気の要ることです。みなさんも「ごめんね」と正直に言ったことがあるでしょう。例えば、友達に借りたゲームのカセットをなくして「ごめんね」とか、おとうさんの大事にしているパソコンを壊して「ごめんね」とか、いろいろあると思います。
また、伝記などにも、そういう話はありそうですね。ワシントンは、お父さんの大切にしていた桜の木を切ってしまいましたが、そのことを正直に謝りました。お父さんは、そのワシントンの正直さと勇気をほめてくれました。
●次の朝早く(感)
第一段落で、三文抜き書きをしていきます。長文の最初の方から一文、途中から一文、最後の方から一文というように、全部で三文くらい選んで、行を続けて書いていきましょう。【例】「次の朝早く、海蔵(かいぞう)さんは、また地主の家へ出かけていきました。「お前さんは、感心なおひとじゃ。」と、老人はやっと口を切っていいました。海蔵さんは、思いがけない言葉をきいて、返事のしようもありませんでした。(三文抜き書き)」
三文抜き書きに続けて、「私がこの話を読んでいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。【例】「私がこの話を読んでいちばんよかったと思ったのは、老人が海蔵さんの言葉に動かされて考えを変えたことです。」
第二段落は似た話です。自分のしてしまった失敗を素直に謝ったというような話が書けるとぴったりです。この話とは逆に、素直に謝ることができなかったという話でもいいです。また、けんかをしてしまった友達が素直に謝ってくれると、自分も素直な気持ちになれますね。そんな話を書いてもいいでしょう。
第三段落も似た話です。似た話が見つからない場合は、「もしぼくが海蔵さんだったら……」などと想像した話を書いてみましょう。
第四段落は、この長文全体の感想です。【例】「私はこの話を読んで、間違ったことをしてしまったときは素直に謝るのがいちばんだなあと心の中で思いました。」
8.5週
牛が葉をたべてしまった(感)
海蔵さんは、みんなのために井戸を掘るお金をためていました。そして、とうとうお金はたまりましたが、肝心の井戸を掘る場所の土地を持っている老人が、そこに井戸を掘ることを許してくれません。しかし、その老人は病気でもう長いことがないようでした。海蔵さんは、「あのがんこ者の親父が死ねば、息子が井戸を掘らせてくれる」とお母さんに言いました。すると、お母さんは「お前は、じぶんの仕事のことばかり考えていて悪い心になっただな」と言いました。
海蔵さんのしようとしていることは、みんなのために井戸を掘るというとても立派なことです。しかし、その立派な目的のために、手段はどうでもいいという気持ちになってしまったのでした。
昔、石川五右衛門は、貧しい人を救うために泥棒をしたと言われています。正義のために戦争をするということと少し似ていますね。いいことをしようとしているのだから、そのやり方はどうでもいいという気持ちになることはよくあります。しかし、実は、そのやり方の中にその人の人間性が表われるようです。
似た話が見つからない場合は、「もし……だったら」という言葉で、海蔵さんの気持ちや老人の気持ちを考えてみましょう。
また、似た話は、もっと簡単に考えて、お母さんに叱られたことなどを思い出してもいいでしょう。海蔵さんが、「あの老人が死ねば……」と言ったときに、聞いている人がもしお母さんでなかったら、海蔵さんに話を合わせて、「そうだ、そうだ。もうすぐだよ」などと言っていたかもしれません。お母さんは、子供の海蔵さんのことを本当に考えていたからこそ、海蔵さんにとって耳の痛いことを率直に言ってくれたのでしょう。
「動作情景の結び」に挑戦するなら、「ぼくのお母さんも、そんなふうに言うかなあと思って、ぼくはとなりにいるお母さんの顔をふと見上げました。」というような感じで。
9.1週
●秋の虫、かぞくみんなの好物
そろそろ秋の虫の鳴く季節です。スズムシやコオロギを飼育している人も多いと思います。 近くの公園で、材木や大きな石があったら、そっとどけてみましょう。コオロギがかくれているかもしれません。
もっと計画的にやる場合は、小さいビンを一つ用意します。ビンの内側にマーガリンをぬってすべるようにして、ビンの中に煮干しやキュウリを入れておきます。草むらの土の中にビンのくちまで埋めて翌日見に行くと、あーらびっくり、カブトムシが落ちていたなんてことはありませんが、たぶんいろいろな虫がビンの中に入っているはずです。
先生(森川林)も昔、コオロギをたくさんつかまえて、自宅の飼育箱に入れておいたら、夜中になってそのにぎやかなこと。部屋の中でコオロギが大合唱すると、うるさくてほとんど寝られないということがわかりました。
●秋の虫、かぞくみんなの好物
進級テストですね。「秋の虫」で字数をたくさん書きたいひとは、「夏の虫」とくらべてみてもいいですね。夏にはどんな虫をどこでとったかな?秋には、どんな虫をどこでとったかな?どちらのほうがたくさんとれたかな?鳴き声がきれいなのはどちらかな?かたちがすきなのはどちらかな?え、ゴキブリは夏も秋もいる・・・?!
●秋の虫、かぞくみんなの好物
【ミニヒント】
毎年、夏休みの終わり頃になると、鈴虫やコオロギ、クツワムシなど、秋の虫達の涼しげな音色が草むらから聞こえてきます。昼間はセミが鳴いているのに、夕方から夜になって、よく耳を澄ましてみると、静かな庭先から、秋の虫が、心地よい合唱を始めますね。「ああ、もうすぐ、二学期が始まるな……。」と、虫の鳴き声から、季節の代わり目を心に、ふと感じたことがあるでしょう。
9月になると、高原や池の周りで、赤とんぼや、ギンヤンマなどを見かけることも多くなりますね。
「このあいだ、お庭で、夕涼みをしていたら……」というふうに、虫たちとの出会いを、思い出しながら、作文を書き進めるといいですね。「まるで○○○○のように、リーンリーンと鳴いていました。」のようなたとえが入ると、いっそう、感じがよくなります。
構成→書き出しのくふう 、題材→自分だけがしたこと 、表現→たとえかダジャレ 、主題→心の中で思ったことの、4つの「項目」と「500字以上で書き上げ、なるべく早く作品を送る」ことを目標にして、頑張って下さい。
9.2週
●わたしの好きな勉強、何かを作ったこと
みなさんの好きな勉強は、たぶん、図工と体育でしょ。先生(森川林)もそうだったから、よくわかる(笑)。
自分の好きな勉強のことを書いてみましょう。なぜ好きかという理由なども書いておくといいですね。
●わたしの好きな勉強、何かを作ったこと
今週は、学校のお勉強で、一番好きな科目について書きます。
算数、音楽、理科、体育、国語、図工……。時間割表を見て明日の準備をするとき、いちばん心がワクワクするのがあれば、それを書きましょう。国語の授業でも、作文が、特に好き、というのは、実に最高ですね! 中には「自分はたくさん好きな勉強がある」と言う人も、いるはずです。(うらやましいな……。)
ぜひ、そのわけを、いっぱい書いてみて下さい。どうして好きになったのか、きっかけや出来事をくわしく書くと、さらにもっとよくなるでしょう。 先生の、寒いダジャレやギャグ、時には脱線話などを会話で書きあらわすと、おもしろくなります。
あと、「もし、自分の好きな科目が毎日あったら、いいのにな。」と、心の中で自由に想像したことを入れるといいですよ。
楽しくて仕方がない授業がある、というのは、とても幸福なことですね。
「○○○○みたい、○○○○のように」というたとえであらわしてみましょう。
9.3週
●「くッくッくッ。」(感)
内容:子牛をあずかった盗人(ぬすびと)の頭(かしら)は、笑っているうちに涙が出てきました。これまで多くの人にきらわれていた自分が、子供や子牛に信頼されていることがうれしくてたまらなくなったのです。頭(かしら)の心は、いつのまにか美しい心になっていました。
解説:みんなからきらわれていれば、心もだんだんひねくれてきます。みなさんも、おこられたときは、「いいよ、いいよ、どうせぼくは悪い子なんだから。ふん」という気持ちになったことがあるでしょう。逆に、ほめられたり期待されたりしたときは、その期待にこたえようとして「ようし、もっとがんばるぞ」と思ったことがあるでしょう。
漫画やゲームなどでも、はじめは悪の手先だった人が、正義の味方に助けられ、そのやさしさにふれて正しい心を取り戻すという展開がよくあります。人間というのは、もともとそういういい心を持っているのですね。 似た話は、自分の体験ばかりでなく、読んだ本の話や、お母さんやお父さんに聞いた話などからさがしていきましょう。
●「くッくッくッ。」(感)
第一段落で、三文抜き書きをしていきます。長文の最初の方から一文、途中から一文、最後の方から一文というように、全部で三文くらい選んで、行を続けて書いていきましょう。【例】「ほんとうに、盗人(ぬすびと)のかしらは泣いていたのであります。子どもも仔牛も、じぶんを信用しているのです。こんなことは、盗人のじぶんには、はじめてのことであります。かしらの眼から涙が流れてとまらないのはそういうわけなのでした。(三文抜き書き)」
三文抜き書きに続けて、「私がこの話を読んでいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。【例】「私がこの話を読んでいちばんよかったと思ったのは、子どもと仔牛から信用されて、かしらが美しい心になったことです。」
第二段落は似た話です。誰かからほめられてやる気が出た話などを書いてみましょう。テストで百点を取ってお母さんにほめられると、次も百点を取ろうという気持ちになりますね。逆に、悪い点数を取ってお母さんにおこられると、やる気をなくしてしまいます。そんなときでも「この次がんばればいいじゃない。」などと励ましてもらえると、やる気が出ます。また、友達から、「絵がうまいね。」と言われたことがきっかけで絵が得意になったなどという話も書けそうです。
第三段落も似た話です。似た話が見つからない場合は、「もしぼくがかしらだったら……」などと想像した話を書いてみましょう。
第四段落は、この長文全体の感想です。【例】「私はこの話を読んで、みんながお互いを信用できるような世の中になったらすばらしいなと心の中で思いました。」
9.5週
とつぜん(感)
「ぬすと(盗人)だ」という子供たちの声に、盗人(ぬすびと)の頭(かしら)はおどろきました。子供たちの遊びだと知ってほっとした頭に、声をかけた男の子がいました。上品そうな男の子は、持っていた子牛を頭にあずけて、子供たちの方に行ってしまいます。 次の長文につながっている文章です。次の話の方が中心になるので、今回の長文はその前段階の説明ということになります。この長文にはまだ主題がはっきり出てきていないので、これだけで感想を書くのは本当は難しいところです。感想文の練習ということで書いていってください。
似た話は、「ぼくも、どろぼうごっこをしたことがあります」などという話が書けそうです。遊びには、どろうぼうごっこのほかに、たたかいごっこ、お店やさんごっこ、お母さんごっこ、先生ごっこなどいろいろありますが、こういう「ごっこ遊び」というのは、つい熱中して、本当にそういう仕事をしている人になったような気がしてしまいますね。
この長文でも子供たちがどろぼうごっこに熱中して遊んでいたので、つい頭(かしら)も、自分をつかまえにきた声だと勘違いしたのでしょう。
心にやましいことがあると、ちょっとしたことにもびくびくしながら生きていかなくてはならないようです。盗人の頭などというと、すごく強そうな人のように見えますが、良心に反する行いをしているときの人間というのは、本当はすごく弱いのかもしれません。「わたしも、悪いことをしてしまったとき、いつ見つかるかとどきどきしていたことがあった」という似た話も書けそうです。
似た話のかわりに、そのときの盗人の頭の気持ちなどを想像して書いてもいいでしょう。
この盗人の頭は、子供たちの遊びを見て「盗人ごっことはよくない遊びだ。……あれじゃ、さきが思いやられる」などと言っています。こういうのを「自分のことは棚(たな)に上げて」と言いますが、みなさんの身近にもこういう人がいるかもしれませんね。先生(森川林)も、自分ではよく路上駐車をするくせに、自分のうちの前に車を停められたときは、「まったくこんなところに路上駐車して。ぶつぶつ」などとよく文句を言っています(笑)。教室でよくさわぐ人がいますが、そういう人ほど、ほかの子がうるさいと、「静かにしろよ。気が散って勉強できないだろ」などとまじめな顔で文句を言うなどということもあります。