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解説集 ヤマブキ2 の池 (印刷版 /印刷版 /ウェブ版 /最新版
印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。ウェブ版は書き込み用です。 https://www.mori7.com/mine/ike.php
最新版には印刷日(2024-09-14 00:00:00)以降に追加されたもの(グレーで表示)も掲載されています。

4.1週 
●長所と短所、あだなはよいか
 書き方の流れ
 第一段落(150〜200字)
 長所と短所にまつわる身近な実例を書く。
 第二段落(150〜200字)
 意見A。「確かに長所を伸ばすことは大切だ」と一方の意見を書き、その裏づけとなる実例を書く。例えば、「私も、得意な教科の○○を伸ばすことによって、勉強全体が順調に進むようになった」など。ここはできるだけ体験実例で。
 第三段落(150〜200字)
 意見B。「しかし、短所を直すことが大事だいう考えもある」ともう一方の意見を書き、その裏づけとなる実例を書く。例えば、「小野東風という人は、自分の下手な字を直そうとして……」など。ここは、できるだけ社会実例で。
 意見C(総合化の主題)。AとBの二つの意見を総合化して、より高い次元でまとめる。例えば「長所を伸ばすことも短所を直すことも大切だ。しかし、最も大切なことは、自分自身を向上させるという目的である。長所を伸ばすか短所を直すかということはそのための方法である」という具合に。そのあと、名言を入れてまとめる。

 体験実例は、自分の体験をもとに書いていきましょう。社会実例は、自分の体験以外の話で、新聞や本に出ていた話などを入れていきましょう。

 名言集に載っている名言は全部覚えておきましょう。また、本を読んでいい表現を見つけたら、自分でこの名言集に書き加えておいてください。

●「総合化の主題」は「AもBもよいが、いちばん大事なのはCである」という書き方です。
●長所と短所、あだなはよいか
 構成図は、小3以上の生徒が書きます。小2以下の生徒は、絵をかいてから作文を始めるという課題になっているので、構成図は書かなくて結構です。

 構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。

 たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。しかし、全部埋まらなくてもかまいません。

 枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。

 構成用紙は、構成図の書き方に慣れるために使います。構成用紙を使わずに、白紙に自由に構成図を書いてもかまいません。

構成用紙を使って構成図を書きます。
頭の中にあるものをそのまま書くとき。
構成図で書くとき。
初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)
思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
思いついたことを矢印でつなげていきます。
関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
枠からはみだしてもかまいません。全部うまったらできあがり。

 



▽構成図は、原稿用紙や普通の白紙に書いても結構です。

●長所と短所、あだなはよいか
 第二課題「あだ名はよいか」で書く場合。あだ名のよい面、悪い面、両方を対比させて書いていきます。
 一段落は、身近な実例。
 二段落は、意見A。「あだ名はよいという考え方がある」。あだ名で呼び合うことにより、親しみが増し、仲良くなったなどの例を書いていきましょう。
 三段落は、意見B。「一方、あだ名は悪いという考え方もある」。いやなあだ名をつけられて困った、というような経験はありませんか?
 四段落は、まとめ。総合化の主題でまとめていきます。「本当に大切なことは、相手に親しみを持って接すること」などとまとめてみてはどうでしょうか。

4.2週 
●ある作家の話によると
 第一段落は、長文の要約を書きます。150文字程度で考えましょう。
 第二段落では、意見の第一として肯定的な意見Aを書きます。「時間をかけてひとつの問題を解決していくことは大切だ。」という意見をだしてみましょう。そして、自分自身の体験談をくわしく書いていきます。自分で問題を探し出して対策を考えていって充実感をあじわったことがあるでしょう。最近始まった「総合的な学習の時間」の体験談があげられるかもしれませんね。
 第三段落では、意見の第二として、反対の立場の意見Bを書きます。「テレビやインターネットなどですばやく判断することは大切だ。」という意見を出してみましょう。情報技術の発達によって、家に居ながらにして世界中のリアルタイムの情報を手にすることが出来るようになりました。テレビを見ていないと友達の会話にもついていけないですよね。「あれ、なんだったっけ?」と思ったらすぐにインターネットで検索している人もいるでしょう。それを友だちに自慢して「即席物知り博士」になってる人もいますよね。つっこまれて失敗したり(笑)。
 第四段落では、いままでにあげた二つの意見それぞれに理解を示しながら、さらに上の発想Cをしてまとめていきます。「大事なことはAかBかではなくCである。」としていくのです。これを「総合化のまとめ」といいます。
難しいときはAとBの折衷案でもいいです。中間論です。
 確かに、自分で根気よく解決していくことも、情報によって解決することも大切だ。しかしもっと大事なことは「自分の心のうちに持っていないものは、何ひとつ自分の財産ではない。」という言葉があるように、自分に必要なものを選び取っていく姿勢ではないか。
●ある作家の話によると(感)
<第1段落>ふだん本に触れる機会はあるだろうか? 読書体験をふりかえってみよう。
<第2段落>長期に渡って取り組んだ読書や、難問に挑戦してやっとの思いで自力で答えを出した体験などを入れ、「ひとつのことにじっくり取り組むことは必要なことだ」という意見を書く。
<第3段落>めまぐるしく移り変わる現代社会に対応するためには、マスメディアやインターネットの力を存分に活用することが望ましい、という視点で、それらを便利に使った体験を入れる。
<第4段落>自分で根気強く解決する姿勢も、情報を活用してすばやく解決することも重要である。しかし最も大事なのは、自分にとって必要なものを正確に選び取る目である。

4.3週 
●「ことば」ということに関連して
 第一段落は、長文の要約を書きます。150文字程度で考えましょう。
 第二段落では、意見の第一として肯定的な意見Aを書きます。「昔からあるものを受け継いでいくことは大切だ。」という意見を出しましょう。体験実例は、いろいろな角度から考えられます。古典からものの考え方を学んだ話。歴史小説やマンガが大好きという話。お年寄りから教えられたことになるほど! と感動した話など。自分の価値観とちがったさまざまなものを吸収するのはいいことですよね。
 第三段落では、意見の第二として、反対の立場の意見Bを書きます。「今の価値観で判断することは大切だ。」という意見をあげましょう。学校や社会がもめごとなく(無いことはないけれど・・)円満に動いているのは、みんなが同じような基準でものごとを考えているからですね。また、日本中で言葉が通じるのは標準語が普及したせいです。方言が主流だと、国内で同時通訳が必要なことになっちゃいます。(笑)
 第四段落では、いままでにあげた二つの意見それぞれに理解を示しながら、さらに上の発想Cをしてまとめていきます。「大事なことはAかBかではなくCである。」としていくのです。これを「総合化のまとめ」といいます。
難しいときはAとBの折衷案でもいいです。中間論です。
 確かに、昔からある考え方を重んじることも、今の標準化された考え方を尊重することも大切だ。しかしもっと大事なことは「脱皮できない蛇は滅びる」という言葉があるように、自分の未来にそれを生かしていくことだ。
受験の課題としての解説
 受験の課題としての解説です。
 テーマは、「言葉の文化を大切にしよう」。日本で言えば標準語、世界で言えば世界共通語英語ということになるでしょうか。
 第一段落で、現状を書いていきましょう。
 第二段落で、標準や共通というもののよさ。能率が上がるということを、外国の人とのコミュニケーションの例などを通して書きましょう。
 第三段落で、標準のマイナス面。いちばんの欠点は、この長文にも書いてあるように、標準の枠組みに入らないものが切り捨てられることによって、言葉の文化が貧しくなっていくことです。
 第四段落は、まとめの意見。名言は、「言葉のために人間がいるのではなく、人間のために言葉がある。」
●「ことば」ということに関連して(感)
<第1段落>自分の話す言葉について、考えてみる。現状を書く。
<第2段落>大昔からその土地で使われてきた味のある方言は、合理化、標準化が進んだとしても、なくしてしまうことは、日本語をだんだん枯れさせていくようで、もったいないことだ。
<第3段落>しかし、もし標準語がなかったら、同じ国の中で通訳が必要というような状況になり、ものごとが円滑に進まず、地方間の距離も今よりずっと大きかったことだろう。
<第4段落>昔からある伝統を守っていくことも、合理的な方法を用いることもそれぞれ価値がある。しかし、もっとも大切なのは、状況に応じて適切な使い分けをするということである。

5.1週 
●ピアシングという行為が
 茶髪・ピアス。最近は珍しくもなくなりましたね。ワープロでも「ちゃぱつ」と入力したら一発で「茶髪」と変換してくれました(笑)。

 まず、書き出しに200字以内の要約を。
 二段落目からは、複数の意見を書いていきます。二つの意見を書くには、どんなパターンがあるかな。項目表の書き方、
・確かにAという意見もある。しかし、Bという意見もある。
この構成の場合、意見AとBは、反対の立場と想定するのが一番わかりやすいですね。
(例)
……
・たしかに、外見を変えることで自分は親や環境から解き放たれるという意見もある。外見はその人の気持ちが形になったものだからだ。
・外見で自分の存在を変えようとするのは、「自分は変わった」という気持ちを表面だけで味わっているにすぎない。
……
一番目の意見(外見)に対して、二番目の意見(中身)が、反対の立場で書かれています。 
他にも、同じ立場で少し見方を変えて書く方法があります。(例)外見で自分を変えるには賛成、しかし行き過ぎには疑問、など。
 【体験実例】は、身近に見つかりそうですね。最近は、茶髪にピアスの先生が、「生徒のみなさんは校則を守ろうね」と指導することさえ……これは、ないかな。【ユーモア表現】

 意見1と意見2を書き込めたら、まとめは【総合化の主題】。
外見か中身か。本当の自分の存在を確認できるのものは、どこにあるのでしょう。人間の行動は外から周囲に認知されるものですが、外から見える自分がすべてではないですね。 どちらかが大切だと一方を安易に支持することなく、私ならこう考えるという意見を導いてみよう。
 【名言の引用】は、「家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人である」が、あてはまりそう。 
●ピアシングという行為が(感)
<第1段落>ピアス、茶髪などについて、日ごろ感じていることを書く。初めてそれらに挑戦したときの気持ちなど。
<第2段落>外見を変えることで、自分自身を開放したり、親からの巣立ちというけじめを意志表示できる。
<第3段落>しかし、外見をいくら変えても、問題は中身である。外見をいくら変えても、自分自身が変ってしまうわけではない。
<第4段落>時には外見を変えて気分転換を図ることも、内面を充実させることを意識することもどちらも大切だ。しかしもっとも大切なのは、そのことによって自分自身が成長をとげることができるということではないだろうか。

5.2週 
●旅が面白いのは(感)
 第一段落は、長文の要約を書きます。150文字程度で考えましょう。
 第二段落では、意見の第一として肯定的な意見Aを書きます。「先入観を持たずにものごとをみることは大切だ」という意見を出しましょう。問題を解決するとき、実は全くちがったことが原因になっていることを発見したことはないでしょうか。難問に悩んでいて、友人のふとした意見であっさり解決したり。本を読み返して、違う解釈に気づいたり。
 第三段落では、意見の第二として、反対の立場の意見Bを書きます。「過去の知識に照らし合わせて考えることは大切だ。」という意見をあげましょう。ピンチのとき頼りになるのは、解決方法を書いた書物だったり、経験者のアドバイスだったりしますね。うまく切り抜けたら、その人を拝みたくなりますね。(笑)
 第四段落では、いままでにあげた二つの意見それぞれに理解を示しながら、さらに上の発想Cをしてまとめていきます。「大事なことはAかBかではなくCである。」としていくのです。これを「総合化のまとめ」といいます。
 確かに、先入観をもたずに物事を見ることも、過去の知識を利用していくことも大切だ。しかしもっと大事なことは「自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには…」という言葉があるように、常に問題意識をもって未来に向かっていくことである。
●旅が面白いのは(感)
<第1段落>旅行の計画を立てている段階のイメージと、実際の場所が違うという経験はないだろうか。
<第2段落>あまり下調べをしすぎて、先入観を持っていくと、新たな発見がしづらく、純粋に旅を楽しめないことがある。
<第3段落>しかし、インターネットの普及によって、得な情報を得たり、能率的なスケジュールの組み方ができるようになった。
<第4段落>行き当たりばったりの旅の醍醐味は捨てがたい、また用意周到にして、安心で快適な旅ができるのは大きな魅力である。が一番重要なことは、常に問題意識を持って前に進むことである。ぼんやりしていては、何も見えないのである。

5.3週 
●人間はすばらしい(感)
 第1段落は長文の要約をします。全体の四分の一程度の字数で。要約の場合、くわしすぎる例は省き、その例からわかることを抜き出します。「日本と欧米の霊長類研究の違い(省略)」→「研究法には研究者の自然観や人間観が反映してよいのではないか」
 第2・第3段落の「対立する意見A・B」は意見一「科学の利点」意見二「科学を過信することの恐ろしさ」としてもよいですし、意見一「科学的認識は人間の進歩に必要だ」意見二「人間的な感性を失ってはいけない」とすることもできます。
 根拠として体験実例や長文実例をあげましょう。生命科学の進歩によって身の回りで便利になったことはありますか。バイオテクノロジーというキーワードで事例を探すとよいでしょう。例えば医療の分野では科学的な原因の解明と技術の進歩によってそれ以前の迷信的な治療で命を落とす確率は減りました。(特に伝染病・風土病など)
 しかし研究が進む中で「生物の技術化」、つまり命を「研究対称のモノ」としてしまうことへの反発は大きいですね(意見二)。クローン技術の問題、臓器移植、などについてはまさに「理性か感性か」という両極端な立場で論争が起きたりします。せっかく発見した技術が人を苦しめるために使われてしまうこともあります。(生物兵器など)
 第四段落は総合化の主題「大切なのは科学と人間性の優劣ではなく、科学と、科学以外の知の存在が認めあい、補い合いながら進歩することだ。」
 使えそうな名言
「科学はやはり不思議を殺すものではなく、不思議を生み出すものである(寺田寅彦)」
「未来を見る目を失い現実に先んずる技術を忘れた人間の行き着く先は自然の破壊だ(出典 忘れてしまいました)」
 
●人間はすばらしい(感)
<第1段落>動物園でぼんやりサルを眺めたことはないだろうか。人間にもっとも近いとされている動物。我々と彼らの違いは、何だろう。
<第2段落>人間は、その誕生以来めざましい進歩をとげ、特に科学分野においてはその成果により、人々の暮らしは豊かになり便利になった。
<第3段落>しかし、神の領域にまで届くかと思われそうな、こと「生命」に関する分野での研究成果については、賛否両論ある。生命、生物を研究対象の「モノ」とみなしてはいまいか?
<第4段落>もっとも重要なのは、科学技術に頼りすぎることなく、かといって反発するわけではなく、うまい具合に取り入れてよりよい暮らしをしていくことではないか。

6.1週 
●科学文明は第二の自然で
 第一段落は、長文の要約を書きます。150文字程度で考えましょう。
 第二段落では、意見の第一として肯定的な意見Aを書きます。「科学文明を利用していくことは大切だ」という意見を出しましょう。体験実例は、長文の中からも見つけていけますね。科学文明と無縁に暮らしている人などいないくらいです。便利になった現代の社会のことを書いていきましょう。たとえの表現も入れてみましょう。
 第三段落では、意見の第二として、反対の立場の意見Bを書きます。「自然を守ることも大切だ。」という意見をあげましょう。人間が科学文明を手に入れたことによって、身勝手に自然を破壊している例を挙げていきましょう。環境問題を取り上げるといいでしょう。近代化された戦争もまた、大きく自然を破壊しています。
 第四段落では、いままでにあげた二つの意見それぞれに理解を示しながら、さらに上の発想Cをしてまとめていきます。「大事なことはAかBかではなくCである。」としていくのです。これを「総合化のまとめ」といいます。
 確かに、科学文明の恩恵を受けていくことも、ひとつしかない地球の環境を守っていくことも大切だ。しかしもっと大事なことは「理想に到達するための手段はまた、理想への到達を阻む障害でもある。」という言葉があるように、人類の平和のためにという理想を常に忘れないことである。

6.2週 
●便利になればなるほど(感)
 第一段落は要約。全体の四分の一くらいの字数を目安に長文の内容をまとめます。

 第二段落は、意見A。「便利さを追求することはよいことだ。」「疲れない」、「時間を有効に使える」など、便利さがもたらすよい点はたくさんあります。科学の進歩は人間の生活を楽にしてくれました。実例は、便利な生活の利点をさがして書いてみましょう。これはたくさん見つかりそうです。

 第三段落は、意見B。「しかし、便利さばかりを追求せずに、現状に満足することも大切だ。」快適て便利な暮らしに慣れてしまった人間は生きていく力そのものを失いつつあるのかもしれません。機械が何でもやってくれて、自分の力で何かを成し遂げる達成感を味わうことも少なくなりました。また、便利な暮らしがあたりまえになってしまうと、ちょっとしたことにも不足を感じるものです。(このあたりの実例を挙げられるといいですね。)それはかえって不幸だと言えるでしょう。現状に満足しながら生きることも大切です。

 第四段落は総合化。「今以上の便利さを追求していくことも、現状に満足しながら生きることもどちらにも良さがある。しかし、何より大事なことは、「自分が考えるとおりに生きなければならない。そうでないと、ついには自分が生きたとおりに考えるようになってしまう。」という名言があるように、どのような状況にあっても自分が何のために生きているのかという意味を見失わないことである。」
受験の課題としての解説
 受験の課題としての解説です。
 「足るを知る」ことの大切さを複数の理由で展開していきましょう。
 第一段落は、状況実例。「豊かな世の中になったが、ますます多くの豊かさを求めて、私たちは先を争って生きているように思える。(「みんなは」と書かずに「私たちは」と書く姿勢が大事)」そのあとに意見。
 第二段落は、理由1。「足るを知ることによって、もっと穏やかな生活ができるからだ。」実例としては、「試験に間に合わせようと思ってやっているときは気が立っていたが、どうせ間に合わないからと諦めたら、気持ちが落ち着いた。」(いいのか)
 第三段落は、理由2。「足るを知ることによって、社会の環境ももっと落ち着いたものになるからだ。」実例としては、環境破壊など。「暑いときは暑さに満足し、寒いときは寒さに満足するようになれば、冷暖房は要らない。」
 第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに便利な生活で、人間の社会が豊かになった面はある。しかし、今はそれが行き過ぎているのではないだろうか。」

6.3週 
●相手がにっこりすると(感)
 第一段落は、長文の要約を書きます。150文字程度で考えましょう。
 第二段落では、意見の第一として肯定的な意見Aを書きます。「言葉以外の手段で心を伝え、理解しあうことは大切だ。」という意見を出しましょう。自分の体験の中から、身振りや表情で、強くわかりあえた時のことを思い出してみましょう。部活などで、先輩の教えや気持ちが、無言の動作でわかるときがありますね。そんなときのことの方が、忘れられないものです。
 第三段落では、意見の第二として、反対の立場の意見Bを書きます。「言葉による正確な伝達も大切だ。」という意見をあげましょう。童話の「はだかの王様」では、「王様ははだかだぁ!」という正直な子どもの、はっきりした言葉による表現で、見栄っ張りの王様や大人たちの目を覚ましたのだ。なんとなく伝わっているだけでは、手ぬるいんだよね。
 第四段落では、いままでにあげた二つの意見それぞれに理解を示しながら、さらに上の発想Cをしてまとめていきます。「大事なことはAかBかではなくCである。」としていくのです。これを「総合化のまとめ」といいます。
 確かに、身振り手振りで心を伝えることも、言葉で正確に伝えることもどちらも大切だ。しかしもっと大事なことは「何事もしない者だけが失敗もしない。」という言葉があるように、失敗を恐れず、他者に向かって自分の思いを伝えようとしていく熱意である。。
受験の課題としての解説
 受験の課題としての解説です。
 テーマは単純に、ノン・ヴァーバル・コミュニケーションの大切さ。
 第一段落は状況実例。「インターネットやEメールなどの発達により、ますます人間同士が直接的な接触なしにコミュニケーションを交わす機会が増えている。どうしたらよいだろうか。」
 第二段落は、方法1。「一つは、利用できるメディアの可能な範囲で、ノン・ヴァーバルなコミュニケーションを生かしていくことである。例えば顔文字。(^▽^) ハッハッハ。又は、最近流行りのギャル文字。ぉレ£ょ(おはよう)、こωL=ちレ£(こんにちは)、ぁξぼ(あそぼ)。」(←試験に使わないでね(^^ゞ)
 第三段落は、方法2。「もう一つはやはり、直接のコミュニケーションを大切にすることである。米ソ冷戦時代のキューバ危機の際、当時の米国大統領ケネディが、ソ連のフルシチョフに直接国際電話をかけ、危機を乗り切ったという話は有名である。」
 第四段落は、まとめ。「確かに、効率のよいノン・ヴァーバル・コミュニケーションはこれからも発展するだろう。しかし、私たちは人間どうしの交流という大きな前提を忘れてはならない。」