解説集 黄アカシア の池 (最新版)
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印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。
ウェブ版は書き込み用です。
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2024-09-14 00:00:00)以降に
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4.1週
○心
「心」という漠然としたテーマを一般化の主題で書いてみましょう。
まず、考えられるのは、「心VS身体」。次は「心VS物やお金」でしょう。
ここでは、「心とお金」で考えてみましょう。
第一段落は、心という言葉で考えられる問題の説明です。社会問題として考えるならば、福祉における「心とお金」などと考えてもよいでしょう。
第二段落は実例です。お金が高くても心がこもっていなければ、生きたお金の使い方とはならない、など。
第三段落は実例2です。逆に、お金がなくても心があれば、伝わるものがあるという実例など。
第四段落は、一般化の主題でまとめ。「人間は、心によって動かされる」など、「人間」という言葉を入れてまとめましょう。
4.2週
●私は最近、九十歳を越えて(感)
<要約>
要約のコツは、この長文の内容を知らない誰かに内容を教えてあげるような感覚でまとめるとうまくいきます。映画や本を観賞した後に友達に「こういう話だったよ」と伝えるような感覚です。
今回は「一時でも厳しい環境の中に身を置くことで、生物体としての適応能力を刺激する。逆に満ち足りた環境の中に長くいると、適応能力が衰えたまま、固有の能力も退化してしまう。これは精神の適応能力にも、響いてくる」などと要約できます。
<一般化の主題>
生物は過酷な環境におかれてこそ生命力が強くなるが、人間も例外ではない。
<体験実例>
体験実例はそれだけで一つの作文になるように書くと、字数が増えます。「食っちゃ寝」しているよりも徹夜明けのほうが仕事(勉強)がはかどるという経験はありませんか? いったん「やるきモード」がスイッチオンになると、猪突猛進できるという経験などもいいですね。
ちなみに私はダラダラ過ごしているときは何もできずに一日が終わりますが、「やるぞ」と一念発起すると一気になんでも片付けてしまうという生活を繰り返しています。
<ことわざの引用>
「狭き門より入れ。滅びに至る門は大きくその道は広くこれより入る者は多し」が使えますね。
4.3週
●経済の原点である産業構造は(感)
<要約>
誰かに長文の内容を教えてあげるような感覚でまとめると要約しやすいですね。また具体例は省略しエッセンスだけを抜き出すのもコツです。
今回は「経済の原点である産業構造は時代とともに変化する。日本企業は海外に生産拠点を移し、次の世代の製品ために研究開発投資をやる。このような努力を続けることだけが、日本の製造業を末永く維持するエネルギーになる」と要約できます。
<体験実例>
衣料品でも家電製品でも安い製品は海外生産のものが多いですね。日本企業の製品なのに東南アジア製だったりすることはよくあります。一方で製品は矢継ぎ早に新製品が売り出されます。最新の携帯電話を買ったと思ったらもう新しい携帯電話が、なんてことはありませんか?
<一般化の主題>
資本主義は成長を続けることによって存在しうるというマルクスの言葉がありますが資本主義社会に生きている私たちは新製品に惜しみなくお金を使いますね。新しいもの好きな現代人と資本主義は持ちつ持たれつで社会は存続し続けています。
●経済の原点である産業構造は(感)
「時代とともに技術は変化する」を経済の問題として考えてもよいが、社会や人生の問題として考えることもできる。
1、要約。
2、似た例1:昔の人は、速記を発明した。しかし、今はパソコン入力の方が速い。また、携帯のキーを親指で打つ技術が優れている人もいるが、将来の入力方式の主流は音声入力になる、など。
3、似た例2:第二次大戦時、日本は世界最大の戦艦を作ったが、時代は航空母艦主体に移っていた、など。
4、感想:人間は、現状に甘んじたり、現状の延長で物事を考えるのではなく、現実が変化することを前提にして考えるべきだ、など。
5.1週
●地球が抱えるこれからの課題(感)
説明文なので、ひとことで主題をしぼるのは難しいが、まとめて言えば「日本の食糧問題における明るい可能性」というところか。
その一方で、もちろん暗い可能性もある。それは、食糧自給率の低下。
したがって、トータルに論じるとなると、プラス面、マイナス面を両方書いてまとめるような形。
1、日本及び世界の、今後の食糧問題を書く(人口増加と環境破壊から、食糧不足が予想される)。
2、日本の食糧問題のマイナス面。主に自給率の低下あたり(日本の自給率は先進国の中で驚くほど低い。食卓の材料のほとんどが海外からもたらされている)
3、日本の食糧問題のプラス面。この長文にあるように、豊かな自然条件、高い技術と生産性、意欲的な国民性など(しかし、同時に、そのプラス面が十分に発揮できない環境もある)
4、まとめは、「食料とは人間にとって」という形で大きく。
(全体に、自分なりに調べたデータが入れられればなおよい)
5.2週
●このような社会的な傾向が(感)
第一段落は、要約、又は状況実例。「海外との競争が激しい製造業は生産性が高いが、競争のない分野は生産性が低い。その生産性の低い分野で情報技術を利用することが必要になる」。
第二段落は、実例1。海外との競争のない分野は、農業、医療、教育、行政など。これらの分野で、日々情報技術革新が行われているが、まだ不充分なところがある、という例を考えてみよう。「例えば、学校では、形だけコンピュータが全校に設置されているが、実際の授業は昔ながらの黒板、チョーク、ペーパーテストなどによっている」など。
第三段落は、実例2。「日本の大学のレベルは、国際的に年々低下している。日本だけを見ていると、国内の序列だけに目が向きがちだが、日本の東大の世界の中での魅力度は30位ぐらい。また、政治などは、インターネットを利用した選挙運動も可能なはずだが、実際に行われているのはあいかわらずの街頭演説と宣伝カーによる候補者の連呼。」など。
第四段落は、まとめ。人間の生活の根本には経済があり、経済の根本は、高い生産性を生み出すこと。さまざまな社会問題を、生産性という観点から見ると、問題の所在と今後の展望がよくわかる。
5.3週
●人はよく「波長が合う」(感)
<要約>
要約のコツは具体例を切り捨て、エッセンスだけを取り除くことです。また、誰かに長文の内容を教えてあげるような感覚でまとめるとやりやすいですね。
今回は「人はよく『波長が合う』『合わない』ということを言い、波動理論ではこれを共鳴、非共鳴という。人間関係では理屈の前にこういう感情が先行することがよくある。病気やいじめにもこの波動が関係している」などと要約できます。
<体験実例>
第一印象というのは意外と当たっていることが多いですね。これも人と人の波動が合わないというのでしょうか。好き嫌いというのも、「なぜ好き(嫌い)なの?」と聞かれても、はっきりとした理由がないことが多いですね。これも波動なのでしょうね。私たちは「雰囲気」や「感じ」というものを無意識に重視しますが、それは波長が合うか合わないかということなのでしょう。そんな経験を書いてみましょう。
<一般化の主題>
人間の感じ方や反応には理屈で説明できないものがあります。その一つが波動なのでしょう。科学的に説明できなくとも、我が身でしっかりと感じ取ることができます。
●人はよく「波長が合う」(感)
第一段落は、状況実例。「現代の社会は、科学的合理主義と能率重視で運営されている。しかし、これから文化が成熟するにつれて、波長や波動のような微妙なものにも目を向けていく必要があるのではないか。それは、教育や福祉など、人間がかかわる分野ではなおさらである」など。
第二段落は、実例1。「私の小学校のときの先生で、今でも思い出に残るのは優しい人柄のC先生だった。小学生は、勉強の内容よりも、教わる先生の人格に感化される。知識の伝達よりもよい波動を伝えられるような人材が求められているのではないか」など。
第三段落は、実例2。「骨董品の真贋を見分けるためには、本物だけを何年も見る必要があると言われる。高度成長期のように、大量消費の時代には、物があることそのものが求められていたが、これからの時代には、文化の成熟に見合ったより微妙な波動を感じる感受性が必要になる」など。
第四段落は、まとめ。「確かに、波長や波動のように主観的なものを前面に出しすぎると、かえって共通の対話ができななくるおそれもある。しかし……」など。
6.1週
●プロローグで日本企業の(感)
日本社会の国際化をテーマにして複数の実例で書いてみましょう。
第一段落は、状況実例。「日本の国際化が進んでいる」など。
第二段落は、身近な実例。「小学校でも英語の授業が取り入れられるようになったらしい。先日……」など。
第三段落は、もう一つの実例。「日本には、これまで大きな国際化の波が二つあった。一つは明治維新、もう一つは敗戦である。明治維新の例を参考に、国際化の方法を考えると、まず海外留学などの人材の国際化が先行したことがわかる。例えば、夏目漱石は……」など。
第四段落は、まとめ。「確かに、日本の伝統を守ることは大切だ。しかし…」。
6.2週
●人間の体はオーケストラの(感)
人間どうしのコミュニケーションには、感受性が必要で、そのためには自然と触れ合うことも大切だ、というのがテーマです。
第一段落は、状況実例。人工的な環境の中で、人間関係もスイッチのオンオフで操作するような感覚が生まれているのではないか。(これを教育や福祉のような分野に関連させて論じてもよい)
第二段落は、似た例。例えば、学校の進路指導。その子の希望や適性よりも、偏差値という尺度で割り切りがちなどということを体験実例などを思い出しながら書いていこう。
第三段落は、似た例2。社会的な例で書こう。例えば、現代の戦争は、モニター画面で行われる。(戦争自体、ない方がいいけど(笑))
第四段落は、一般化の主題。反対理解として、日本人のあいまいさなどを書いてもよい。「確かに、論理的にコミュニケーションを行うことは大切だ。しかし、人間どうしのやりとりには、その根底に、相手を理解しようとする豊かな感受性が必要だ」など。
6.3週
●近代以降の医療は(感)
現代の医療は、病気の原因を根本からなくそうとするよりも、対処療法的なものになっている、というのが、この長文の内容です。
これは、医療に限らず、農業でも教育でも政治でも、同じような状況に置かれています。
例えば、ゴミ問題の例で言えば、ゴミをどう処理するかという対策も重要だが、ゴミを出さないような生活スタイルを作る、ということが今求められているということです。
第一段落は、要約。
第二段落は、似た例。「同様のことは、教育にも言える。日本の子供たちの学力低下が問題になったが、学力向上の対策よりも、子どもたちが勉強をしたくなるような仕組み作りが大切だろう」など。
第三段落も、似た例2。「また、農業でも、食の安全が今問題になっているが、規則や法律を増やすことよりも、自国の食糧は自国で賄うという自給率の向上から見直す必要があるのではないか」など。
実例は、インターネットなどを利用して、数字のデータが入るように書くと説得力が出る。
第四段落は、まとめ。「確かに、科学技術の進歩によって、問題の所在が分析的にとらえられるようになったという面は評価できる。しかし、それが総合的なものの見方を忘れることであってはなならい。私もこれから……」