解説集 ルピナス2 の池 (最新版)
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印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。
ウェブ版は書き込み用です。
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2024-09-14 00:00:00)以降に
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10.1週
●季節感のある暮らし、スポーツの勝ち負け
現在の社会は、暑ければクーラー寒ければ暖房というように、季節感のない生活ができるようになっています。食べ物でも季節とは関係なく年中栽培されるようになっています。
季節感のある暮らしをするためにはどうしたらよいかということで、複数の方法を考えてみましょう。
伝記実例のヒント
「変化を楽しむ気持ちを持つこと」という方法の中で、ベートーベンの伝記実例が使えそうです。ベートーベンは、雨の降る日も風の吹く日も、日課としていた散歩を休むことはなかったそうです。自然の中を歩き回り、自然の変化を楽しむことがベートーベンの作曲活動を支えていたのかもしれません。
●季節感のある暮らし、スポーツの勝ち負け
第一段落は身近な実例を書き出しの工夫を入れながら書く。「『チリリン、チリーン』風鈴の音が静かに響く。秋風にゆれる風鈴を見ると、去ってゆく夏がしのばれる。私の家はエアコンがないので、季節感のある暮らしをせざるを得ない。(笑)」実例に続けて意見。「私は、このような季節感のある生き方をしたい。」(季節感のある暮らしという具体的なものでもいいですし、季節感のある人生という抽象的な意見として書いてもいいです)
第二段落は、その方法。「そのための第一の方法としては、変化を楽しむ気持ちを持つことだ。」その裏づけとなる実例。「私は、ふだん出かけるときでも、行きと帰りの道はできるだけ別になるようにしている。」など、自分の体験実例を中心に。
第三段落は、方法(2)。「第二の方法としては、学校や社会で、もっと季節ごとの行事を大事にするような文化を作っていくことだ。または、「もっと野山に出て自然と接する機会を増やしていくべきだ。」など。伝記実例は、よく使えるのがエジソンと織田信長です。例えば、「織田信長は、子供のころから野山を駆け回って、あたりの地理や自然を熟知していた。そのために、桶狭間の戦いでも、最高の場所と時刻を選べたのではないか。」など。伝記実例がない場合は、長文実例、又は普通の社会実例で。それもない場合は体験実例でもいいです。
第四段落は、反対理解を入れながら書き出しの意見で結びます。「確かに、科学の発達は、人間に快適な環境をもたらした。病人やお年寄りが寒さに震えたり暑さに弱ったりする社会は決してよい社会とは言えない。しかし、私たちはもっと季節感のある人生を送っていくべきではないだろうか。」余裕があれば、このあと、書き出しの結びで。「『チリリン、リリーン。窓辺の風鈴は今日も静かに鳴っている。」など。
●構成図の書き方
構成図は、小3以上の生徒が書きます。小2以下の生徒は、絵をかいてから作文を始めるという課題になっているので、構成図は書かなくて結構です。
構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。
たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。しかし、全部埋まらなくてもかまいません。
枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。
構成図は、原稿用紙や普通の白紙に書いて結構です。
構成図を書きます。
| 頭の中にあるものをそのまま書くとき。
| 構成図で書くとき。
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初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)
| 思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
| 思いついたことを矢印でつなげていきます。
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関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
| はみだしてもかまいません。 | 大体うまったらできあがり。
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10.2週
●私は、長いこと(感)
第一段落は要約。続けて生き方の主題の意見。「私は、悲しみを排除するのではなく、悲しみをプラスにして生きていきたい。」
第二段落は、方法1と体験実例。「そのためには、第一に、悲しいことがあっても現実から逃げず、その現実を直視することだ。」私たちは、悲しい出来事からは目をそむけてしまいがちですが、つらいことがあってもそこから目をそらさずに、何かを学ぼうとするくらいの強さが必要なのかもしれません。
第三段落は、方法2と伝記実例。「また、学校教育でも、世の中には理不尽な運命があるということを教えることだ。」伝記実例は、本能寺で信長が討たれたと聞いたときに、突然に運命に嘆くのではなく、すぐに新しい作戦を考えた秀吉の例など。ほかにも、悲しい運命をプラスに変えた偉人伝は多くありそうです。
第四段落は、反対理解と名言の引用。「確かに、悲しみの感情をいつまでも持ちつづけることはよくない。しかし、『寒さに抵抗するいちばんよい方法は、寒さに満足することである。』という名言もあるように、私は、悲しみからも目をそらさずにそこから何かを学んで生きていきたい。」
10.3週
●自分の脳の「好み」を(感)
高学年の皆さんは「より良く生きる」とか「なりたい自分になるために」という言葉をよく耳にすると思います。脳が判断する好き嫌い、偏見もありますが、苦手分野に勇気をもって挑戦するエネルギーは何倍もの力を発揮し、意外にも大きな結果をもたらせてくれるものかもしれませんね。
本文中の「生き方探し」のコツを一つずつ見ていきますと、
コツ? 勘違いすることなく、自分のなりたい自分への道探し。他人の脳と自分の脳の趣味(笑)を勘違いしないように……
コツ?食わず嫌いをしないで、新規開拓を積極的に。自分の可能性も広げいこう。
コツ?違う好みを持った違う脳(他人)と理解を深めるためには、やはり、コミュニケーション!ここに尽きる!
他者と語り合い、他の意見も認め、そこから学び合えれば互いの視野も広まっていくことでしょう。
自分だけが選ぶ自分だけの「自分」を見つけることよりも、他者と混ざり合う中で見えてくる自分の姿を客観的に見れる余裕が「なりたい自分」への近道を教えてくれるかもしれません。
新しいこと(勉強・スポーツ・校外活動)に参加した経験。年上の人の話を聞いて学ぶ日本の文化・歴史。小さな子供を見て気付いた子供の純粋さ。あらゆる発見を実例に取り上げてみましょう!
●自分の脳の「好み」を(感)
「生き方探し」というと少しわかりにくいかもしれませんね。「自分は将来どうなりたいか」というふうに置き換えて考えてみるといいと思います。
将来やりたいことやしたいことがはっきりしている人はその目標を実現する方法を具体的に考えてみてもいいですね。
まだ、漠然としか考えられない人はこの長文に出てくる「コツ」をヒントにどのように将来を決めて行きたいかを考えてみるといいでしょう。例)「なるべくいろいろなことに挑戦して生き方を決めるのがいいと思う。」「私は世界中の国や文化と触れ合う生き方をしたい。」など。
11.1週
●機会があって最近(感)
第一段落は要約と意見を書きます。
要約に続けて生き方の主題を挙げます。「私は生命に尊厳を感じて生きていきたい。」
第二段落は、そのための一つ目の方法と体験実例を挙げます。「そのための方法は第一に、動植物、自然と触れ合う機会を持つことだ。」自然と触れ合うというと、キャンプや移動教室や旅行を思いますが、身近にも自然はあります。ペットブームで動物をかわいがるひとがふえているのも、こういった流れでしょうか? (ときおり、かなり無理のあるものを飼う人がいて驚かされます)流行や気取りではなく、心からそれを楽しむ生活を送りたいものです。
第三段落は、二つ目の方法と実例を挙げます。「また第二の方法としては、人間同士のふれあいから学び取るような教育を見直すことだ。」便利になって、何もかも機械が代行する世の中になると、誰とも口を利かないで一日過ごすこともできそうです。そういった孤独に悩む人もいますね。外遊びをしない子供がふえているそうです。遊べる場がないからかもしれません。東京都内ではプレイパークという(自由に遊べる広場)の取り組みがあるそうです。遊びの中から自らを育てていった昔の偉人の例をあげるのもいいですね。
第四段落は、反対意見に理解をしめしながら、名言の引用をしてまとめます。「確かに、科学文明は機械化によって私たちのくらしを快適に豊かにしてくれる。しかし『大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である。』という名言もあるように、科学文明を行使する私たち自身が生命に尊厳を感じて生きていくべきだ。
11.2週
木々のきらめき
美しい景色やすてきな光景に触れて感動した経験について考えてみましょう。旅行に行ったときばかりでなく、日常の何気ない風景やできごとにでも心を動かされる瞬間があるはずです。
◎主題:ものごとに感動する気持ちを大切に生きたい。いろいろなものに感動していきたい。いろいろなものに目を向けて生きたい。
●木々のきらめき(感)
<第一段落>
課題文筆者の主張をふまえたうえで、自分の生き方を述べよう。若者の生活はおそらく単調な毎日の暮らしにうんざりしているか、ただ目の前にあることをこなすだけで精いっぱいという状態ではないだろうか。何のために自分は生きているのかと苦しむことも思春期に始まることが多い。そんな今の自分の日常生活を書いてみよう。
そして自分は課題文を読んで、どう生きたいのか考えてみよう。あるいはどう生きたらよいのか分からないと率直に述べることも重要な問題提起である。
<第二段落>
第一段落で述べた自分の今をなんとかするにはどうすればいいかを述べよう。
まず、単調な毎日、あるいは考えるひまもないほど多くのことに追われる毎日の中でも、ささやかな感動があるはずだ。それを見つけてみよう。たとえば部活動の試合で勝った日の夕焼け、入学式の朝の桜吹雪、友達と腹が痛くなるほど笑い合ったときの青い空。「ああ、青春してるなあ」と映画のワンシーンに自分がいるような気持ちになったことはないだろうか。そういうことが積み重なっていくと筆者の言う生き方にたどりつけるかもしれないと述べて、日常生活の小さな感動を大切にしていこうと提案する。あるいはできるだけ何事にも一所懸命になってみよう、など。
<第三段落>
ここでは第二段落の第二の方法を書いてもよいし、あるいは幼い頃の楽しい思い出を実例として、一つ一つの思い出が自分の心の中にどのように積み重なっているのか、その積み重ねが今とどうつながっているか考えてみよう。
たとえば、前向きな性格の人は幼少期に豊かな愛情を注がれ自分自身を肯定的にとらえる傾向がある。前向きな性格というのは日々を充実させる重要な要因だ。今、きみが作文をがんばったり楽しんだりするのは、幼少期の思い出のお陰かもしれない。
<第四段落>
反対意見への理解。想定される反論は、「過去は過去、今は今。今が大切だ」、「生きるために感動など必要ない。人生を成功させるためにはひたすら前進あるのみ」「長くつきあう友達は必要ない。自分は変わるのだから、友達も変わって当然」など。たしかに上昇願望の強い人や思い出したくない過去を生きてきた人はそう思うだろうし、過去の栄光にすがる悲しい人もいる。
しかし人は何のために生きているのだろう、豊かな人生とはなにか、成功とはなにか。小さな感動に生を実感したとき、その答えは目の前に見つけられるのではないか。
11.3週
●まねる力は(感)
第一段落は、長文の要約と意見(生き方の主題)。「私は、まねる力をうまく使いながら生きていきたい。」
第二段落は、方法1と体験実例。「そのための方法としては第一に、よい手本を元に反復練習をすることだ。」楽器の演奏にしても、絵画などにしても、よい手本を見つけ、それに近づけるように練習を重ねていくことで上達していくものです。
第三段落は、方法2と社会実例(伝記)。「第二の方法は、学校教育などで、まねることの大切さを教えていくことだ。」伝記によると、10数カ国語を自由自在に駆使したシュリーマンの語学学習法は、外国語で書かれた物語を丸暗記するというものだったそうです。学習の基本はまねることとも言えそうです。
第四段落は、生き方の主題と名言の引用。「確かに、まねをするだけではなく、そこから新しい何かを創造していくことも大切だ。しかし、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない。」という名言があるように、私は、よい手本を自分のうちに取り入れ、まねる力の大切さを認識しながら生かしていきたい。
12.1週
●大抵の人が(感)
第一段落は要約と意見。「読書は知識として早く吸収すればいいのではなく、その本との対話を通して自分なりに吸収していくことが大切だ。(生き方)」
第二段落は、方法と実例。「そのためには、自分の気に入った本を読むことだ。私は「○○」が好きだが、その本を読んでいる人はあまりいない。逆に、みんながいいと言う「□□」の本は、私はどこがいいのかよくわからなかった。」
第三段落は、方法2と実例。「また、読書でも勉強でも、もっと余裕を持って取り組めるような環境が必要だ。現在の受験勉強は時間内にすばやく解くことが要求されすぎるように思う。『読書百遍、意自ずから通ず」という言葉があるが、そういうゆとりが必要だ。」
第四段落は反対理解とまとめ。「確かに、現代のように情報が豊富な時代にはすばやく取捨選択する能力も必要だ。しかし、私はもっと自分なりに消化する読み方をしていきたい。」
●大抵の人が(感)
偉人や成功者たちに共通していることは2つあるそうです。1つは、「プラス思考であること」。もう1つは、「読書」。読書と偉人の関わりのエピソードを探してみましょう。例えば、近いところで田中角栄。彼の功績に対する評価は色々ですが、小学校を出ただけで総理大臣にまでなったというエピソードは有名ですね。彼は、一般教養は全て読書で身につけたと言われています。また、ナポレオンが生涯を通じて読書家であったことも有名な話です。晩年を過ごしたセント・ヘレナ島にも、なんと3000冊の本が置いてあったといいますから、びっくりですよね。田中角栄もナポレオンも、忙しい日々の中でも読書をする習慣を大切にし続けたのでしょう。これらの実例を生かすなら、「読書を日々の習慣とし、じっくり本と向き合っていくことだ」のような方法が書けそうですね。
12.2週
●日常会話の中では(感)
<第一段落>
課題文の問題提起をふまえて、自分の体験や似た話を書く。課題文:「常識ってなんだろう」「つい、自分の経験でものを考えてしまう」「常識については、科学的知識とその伝達という問題も含めてよく考え、もう一度整理しなければならない」。
たとえば梅雨。関東首都圏に住んでいると梅雨期は六月下旬から七月下旬までという長い期間である。けれども四国や九州に住む友人と話していたら「梅雨は二週間くらいだ」と言われて大激論(笑)したことがある。またはお好み焼きの作り方、食べ方でもめたこともある。
<第二段落>
「常識ってなんだろう」と自分で考えてみよう。常識とはどうやって常識になったのか。それはその土地の気候風土に基因して形成される生活習慣や文化、生活の知恵をその土地に住む人々が共有することで常識となるのではないか。あるいは誰かがやりはじめて会社や地域などの小共同体を仲介し一般に普及していったケースがある(エスカレーターの乗り方など)。
あるいは無知や不十分な理解から偏見や差別的な常識となるものもある。エイズなどの疾病、ハンディキャップド、外国人差別など。
<第三段落>
私たちが「つい、自分の経験でものを考えてしまう」のはなぜだろうか。またそれがもたらす問題はどのようなものか。
たとえば、常識を共有している共同体の中で生まれ育っていけば「つい」は自然な行動だろう。人は経験を自分の物差しとしているからだろう。
天気や食べ物のレベルでは大きな問題はないのかもしれないが、海外では宗教や文化、身体的特徴の違いから深刻な社会的政治的問題がおきることは珍しくない。また偏見や差別に満ちた常識をも形成する。
<第四段落>
「常識については、科学的知識とその伝達という問題も含めてよく考え、もう一度整理しなければならない」ということに対しての解決方法を提案してみよう。たとえば観光旅行。その土地のことを事前に多く知るようにする、滞在中にその土地の慣習に従う、その土地の人々との交流を大事にする。例えば国内外を問わない交換留学の促進。そしてメディアを利用して研究成果を分かりやすく普及させることなど。
●日常会話の中では(感)
<論点をしぼる場合の書き方>
課題文筆者は「常識については、科学的知識とその伝達という問題も含めてよく考え、もう一度整理しなければならない」と主張している。この主張に焦点をしぼって書いてみることも意義深い。
まず何のために「もう一度整理しなければならない」のか。常識はそれを持つ人々の言動を決定し、その影響力は強大である。ある常識を持つ人々が他の常識をもつ人々と出会った場合、なにがおきるだろうか。軽蔑、偏見、拒絶、争い、自らの常識の強要。常識とは何か、常識は真理ではないということを常に自覚することで、不幸な結果を招くことが避けられるだろう。そればかりでなく、これは他者を受け入れることにつながり、我々の内的世界は広がるという幸運な結果さえ期待できるのではないか。
次に科学的知識と伝達がなぜ問題なのだろうか。偏見や差別に関連する常識は主に無知や間違った理解、情報不足に起因することが想定できる。そういった問題の好例がエイズやハンセン病だ。医学的解明が進み、それが普及浸透することで人々の常識は変わっていく。しかしその普及方法には長い時間と根気のいるアッピール活動が欠かせない。
常識を問い直す作業は、我々の内的世界を広げ、あらゆる人々が暮らしやすい社会を作り、互いを受け入れることで豊かな心を育むことができるのではないか。
●日常会話の中では(感)
第一段落は、身近な実例を通して、自分の生き方を意見として書いていきます。「この前、こんなことがあった。……。私は、常識というものにとらわれないような生き方をしたい。(常識に疑問を感じることのできるような人間になりたい」など。
第二段落は、そのための方法1。「そのためには、第一に、人に言われたことを鵜呑みにせずに自分の力で考えてみることだ。例えば、昔の人は、スポーツをしているときには水分を取らないという練習をしていたそうだ。しかし、私の入っている部活では……」など。
第三段落は、方法2。「また、第二には、学校教育などでも、もっと生徒が疑問を持つよう授業をしていくことだ。中1のときの数学の先生は、よくみんなに考えさせる問題を出した。例えば……」など。
第四段落は、反対意見に対する理解とまとめ。「確かに、世間一般で言われていることを常識として受け入れることは、能率がよい。しかし……」
●日常会話の中では(感)
「いろいろなこと(もの)に対して疑問を持つ」ということでは、福沢諭吉の例などもよさそうですね。彼は小さい頃から、自分を取り巻く色々なことに疑問を持っていたと言われています。封建制度に疑問を感じた諭吉は、長崎で蘭学を学びますが、その蘭学に対しても時代遅れであると感じると、すぐに独学で英学を学ぶようになったそうです。現状のもの、環境、考え方に対して常に疑問を持ち、よりよいものを求める、諭吉の姿勢には学ぶことが多くありそう! また、諭吉は「活用なき学問は無学に等し」という名言を残していますが、自分が勉強することで得たものを、多くの人に伝え、活用しようという考え方が素晴らしいですね。「常識を正しいと信じ込まず、物事を色々な方向から見て、考えられる柔軟さが必要」、ということなのでしょう。
12.3週
●挨拶のことばを(感)
第一段落は要約と意見。「言葉よりも経験を先行させよう。(生き方)」
第二段落は、方法と実例。「そのためには、小さいころからまずいろいろなことを実際に体験してみることだ。この前、広いところに行って、初めて『地平線』という言葉が実感できた。ふだん何気なく使っている言葉の中には、自分の実感の伴っていないものもあるのではないか。例えば、『平和』などという言葉も、国によってその言葉の持つ温度がかなり違うはずだ。」」
第三段落は、方法2と実例。「また、そのためには、早期からの知識だけの教育を改めることだ。今は理科の実験や社会の調査なども、時間が取れないために教科書を読んで済ませるというところがある。時間はかかっても、実際に自分の目や手足を使って確かめたものの方があとまで残るに違いない。間宮林蔵は、自分の足を使って日本の測量をした。この結果作られた地図によって、明治時代、欧米列強(ロシア)の圧力に抗して日本は自国の領土を明確に主張することができたと言われている。」
第四段落は反対理解とまとめ。「確かに、言葉を知ることによって経験の内容がより豊かになることはある。しかし、私たちはまず経験を豊かにしていくことが必要だ。」
挨拶のことばを(感)
●長文実例
経験に基づいた言葉が重要という例として、11月3週『まねる力は』から引用ができそうですね。