解説集 ツゲ の池 (最新版)
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10.1週
●お父(母)さんの仕事、秋を見つけたこと
お父さんやお母さんのしている仕事を見たり聞いたりして書きましょう。休みの日に、お父さんやお母さんにどんな仕事をしているのか聞いてみるといいでしょう。聞いて書けない場合は、ふだん自分が見ているお父さんやお母さんの家でのようすを書きましょう。
■小4 お父さん(お母さん)の仕事、秋を見つけたこと
事前に取材しておかないと、なかなか書けない作文です。
事前の準備ができていず、お母さんもお父さんも近くにいないという場合は、仕事の話は短くてもいいですから、お父さん(お母さん)のことを作文で書いていくといいと思います。
●構成図の書き方
構成図は、小3以上の生徒が書きます。小2以下の生徒は、絵をかいてから作文を始めるという課題になっているので、構成図は書かなくて結構です。
構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。
たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。しかし、全部埋まらなくてもかまいません。
枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。
構成図は、原稿用紙や普通の白紙に書いて結構です。
構成図を書きます。
| 頭の中にあるものをそのまま書くとき。
| 構成図で書くとき。
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初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)
| 思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
| 思いついたことを矢印でつなげていきます。
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関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
| はみだしてもかまいません。 | 大体うまったらできあがり。
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10.2週
●ゆるしてあげたこと、どきどきしたこと
すごくくやしかったり残念だったりしたけど許してあげたという話を思い出して書いてみましょう。そういう話を思いつかないという人は、別の題名で。
○お米は日本人に(感)
お米は日本人の生活のいろいろなところに使われています。おもち、せんべい、お酒、お酢などのほかに、たたみや壁やわらじやかっぱにも昔はお米から作ったわらが使われていました。わらで作られたものは、使い終えれば燃料になったり肥料になったりしました。
似た話として、身近にある「お米から作られたもの」を探してみましょう。みなさんの家にも、畳のしいてある部屋と板の間になっている部屋とがあるでしょう。家族みんなでくつろぐときは、やはり、畳の部屋でこたつに入ってというかたちになりがちです。(もちろん、これは家庭によって違いますが)
いま、わらじをはいて、わらがっぱを着て学校に通う子はいませんが、昔の人は、みんなこういうものを履いたり着たりしていました。お米を主食にしていた日本人は、たくさんとれたお米を食べることに使うだけでなく、食べられないわらやもみも残さず使うようにくふうしました。そのくふうが、なわやわらじやかっぱや畳を生み出したのです。
現代では、わらを使うことはほとんどなくなりましたが、こういう工夫の精神は日本人の心に生き続けているようです。ペットボトルを再利用したり、牛乳パックを葉書にしたりというのは、昔の人があまったわらを利用した物作りを工夫したことに通じるところがあるようです。みなさんの中にも、一度使った消しゴムのかすをあつめて、それを再利用している人がいるでしょう。「いえーい。鼻くそができたぞ」なあんて。
●ゆるしてあげたこと、どきどきしたこと
「あなただけに教えるけど、ダレにも言わないでね。ぜったいに秘密(ひみつ)だよ。」と、かたく約束して、内緒話(ないしょばなし)をしたのに、別のお友だちに、バラされてしまった。
「今日中に、かならず、○○○○を、ちゃんとしておいてね。」とお願いしたことが、夜になってきちんとやり終えていなくてこまった。
まっさらのお洋服をきて、ルンルン気分で学校に行ったのに、うっかりしていた給食係りの人に、ケチャップをつけられてしまった。
などなど、悲しかったり、情けなくなったりすることは、なかったかな?
許してあげる心を持つには、相手の立場や気持ちをおしはかって、「たぶん、……だったのだろうな」と、優しい(やさしい)気持ちになることが大切ですよね。
その時の様子や心の動きを中心に、「まるで〜のように」と、たとえの表現で書きあらわしてみましょう。
和解したときに感じた、なんともいえないさわやかな気持ちも、むすびに書き加えてください。
10.3週
●みなさんは江戸時代の(感)
江戸時代には、「加賀百万石」などというようにお米のとれ高でその国の豊かさを表わしていました。お米は日本人にとっては生きるための基本でした。また、日本の川は急流が多く、降った雨はすぐに川に流れてしまいますが、水田や森林の力でいつでも枯れることがありません。
日本では、普段の生活の中でお米が重要な役割を果たしています。昔のように、給料のかわりにお米が渡されるというようなことはもうありませんが、朝ご飯でも夕ご飯でも、毎日の食事のほとんどがお米中心だという生活は今も変わらないでしょう。みなさんがスパゲティーやハンバーガーなどを食べていると、よくお父さんやお母さんは、「やっぱりご飯の方が食べた気がするね」などと言いませんか。そんな似た話を書いてみましょう。また、田舎などに行くと、水田に稲が実っている光景がよく見られます。水田には、いつも水がたたえられています。こういう水田の水が緑のダムになっているんだなあとあらためて思い起こしてみましょう。
似た話は、水田を見た話や水田の近くで遊んだ話などが書けそうです。水田にはいつも水がたたえられています。この水田の水が、降った雨が川にすぐながれていかずに地下にたくわえられるもとになっています。
夏に川で遊んだことを思い出してもいいでしょう。雨が何日も降らずに晴天が続いていても、川はいつも同じように流れています。この川の水は、降った雨がすぐに川になるのではなく、いったん水田や森林にたくわえられてそれが地下水になってから川として出てくるのです。ですから、いま流れている川の水の中には何百年も前の雨の水が含まれています。こう考えると、水田や森林の力は偉大ですね。
小4 10.3週 ●みなさんは江戸時代の(感)
第一段落で、三文抜き書きをしていきます。長文の最初の方から一文、途中から一文、最後の方から一文というように、全部で三文選んで、行を続けて書いていきましょう。初めての練習で、三文抜き書きのコツがわからない人は、先生にどこを選ぶか聞いてもいいです。三文抜き書きに続けて、「私は、この話を読んで……と思いました」と全体の感想を書きます。
次に第二段落で、似た話です。似た話のかわりに、想像した話を書いてもいいです。「昔は、お米がお金のかわりで、給料もお米で払われていた」などというところは、似た話よりも想像した話の方が書きやすそうです。「もし、ぼくのおこづかいがお米だったら、どうするだろう……」と考えてみましょう。
第三段落も似た話です。ここは、お父さんやお母さんに取材してみてもいいでしょう。「お米は、昔、そんなに大事なものだったの」と聞いてみましょう。おじいさんやおばあさんに聞いてみると、さらによくわかると思います。降った雨が森林や水田でためられて、何百年もかけて地下水になりやがて川になるという話も、似た話としてはなかなか書きにくいので、想像した話として書いていくといいでしょう。「もし、水田がなかったら」「もし、ぼくが雨の粒だったら」など、いろいろ考えてみましょう。
第四段落は、この長文全体の感想です。結びに、動作情景を書いてみましょう。「ぼくは、あらためて、朝食べたほかほかの真っ白なごはんを思い出してみた」などという結び方です。動作情景の結び方の練習なので、同じような書き方になってもかまいません。
●みなさんは江戸時代の(感)
長文の中に、家来をやしなうのに、一人一日五合の計算とありましたね。みなさんのおうちでは、一日何合のお米をたくでしょうか。お母さんに、毎日どのくらいごはんをたいているかインタビューしてみるのもおもしろいですね。
★みなさんは江戸時代の(感)
似た話の例。田植えや稲刈りの体験をしたことがある人もいると思います。田植えのとき、田んぼは水が張られていたので、足が水につかって、どろどろ・ぐちゃぐちゃしていましたね。ところが、稲刈りのときは、田んぼはすっかり乾いていました。稲刈りの前に田んぼから水を抜く(落水といいます)のですが、落水は早すぎても遅すぎてもお米の品質が悪くなってしまうそうです。質がいい、おいしいお米を収穫するには、ちょうどいいタイミングを知って落水することが必要なのだそうです。
11.1週
●わたしの好きな食べ物、たまごやきを作ったこと
好きな食べ物、苦手な食べ物の話を書いてみましょう。自分の体験だけでなく、お父さんやお母さんに聞いてみるとおもしろい話が出てくると思います。先生(森川林)の苦手な食べ物は、クサヤ。うちの犬は大好物ですが、人間が食べるものとしてはどうも……。でも、それが好きな人もいるのでしょう。
納豆などは、好き嫌いが分かれる例ですが、ニンジンやほうれん草などは、どちらかと言えば嫌いな人のほうが多いかな。
ずいぶん昔になりますが、小学校の給食で出る牛乳は脱脂粉乳というまずーいもので、冷めるとなかなかひといきでは飲めませんでした。今の給食はおいしいから、そういう献立はあまりないでしょう。給食で人気があったのは、揚げパンや鯨のから揚げ(だったかな?)。おいしい献立のときは、ほとんど丸呑みでおかわりしている男の子がいました。今でもいるでしょ。
いま、近くのイタリア料理のレストランでよく注文するのはイカ墨スパゲティ。口の回りを真っ黒にして食べています。
5・6年生のことわざは、「88、蓼食う虫も好き好き」「114、花よりだんご」「140、良薬は口に苦し」など、たくさんありますね。
自分の好きな食べ物の説明と、そのエピソードを書いてみましょう。今と昔では、食べ物の好みも違ってきているでしょうから、昔のことも途中で思い出して書いてみるといいでしょう。そのほかに、お母さんやお父さんに、好きな食べ物のことを取材して話題をふくらませてもいいでしょう。
小4 11.1週のヒント ●「わたしの好きな食べ物」
自分の好きな食べ物の説明だけだと短く終わってしまうので、その食べ物にまつわる話を書いていきましょう。思わずつまみ食いをしてしまったり、兄弟で取り合いをしてしまったり……。こっそり誰かのお皿にお箸をのばして……なんていうこともあるのでは?(笑)
どうしてその食べものを好きになったのか覚えていたら、好きになったきっかけなども書いてみましょう。
昔と今とで好みが変わったということもあるかもしれません。お父さんやお母さんに取材をすると、同じ家族でも好きなものはさまざまだということがわかるかもしれません。ここに「前」、「聞」などのキーワードが使えそうです。昔のことと比べたり、ほかの人の好みと比べたりすると、わかったこともまとめやすくなります。
「動作情景の結び」はむずかしそうですが、わかったことを書いたあとに夕食風景などを表す一文を加えてみましょう。
【例】「今日も食卓に並んだ○○○からはおいしそうなにおいがしています。」
11.2週
○いねは、さきに(感)
内容:いねには、たくさんの長所があった。第一に長く保存できた。第二に栄養があった。第三に栄養のバランスがとれていた。だから、お米は給料のかわりにも使われた。
解説:昔は冷蔵庫などがありませんでしたから、肉や魚は干したり塩漬けにしたりしなければ保存できませんでした。その点お米はそのまま何年も保存できました。また干し飯(ほしいい)と言って蒸したお米を日に干したものは十年でも二十年でも保存でき、そのうえお湯をかければすぐおかゆにして食べることができました。現代のインスタントラーメンの大先輩のようなものです。
先生(森川林)のうちでも、子供が小学4年生のときこの話を読んで早速干し飯作りに挑戦してみました。炊いたご飯をお皿にひらたく並べ、日の当たるベランダに干して数分後、見に行くと、空っぽのお皿の横で犬がうれしそうに口のまわりをなめていました。
お米は、パンなどとくらべると栄養のバランスがとてもよくとれています。パンだけでは栄養のバランスがとれないので、パンはサンドイッチのように野菜や肉と一緒に食べる必要がありますが、お米の場合は、お米だけ食べていれば大丈夫です。日本人は、昔からこのお米に大豆食品による植物性たんぱく質を組み合わせて、一見質素な食事にもかかわらず、元気に長生きをしてきました。
似た話は、お米のおいしさなどで書いてみるといいでしょう。
ことわざは、「101、燈台もと暗し」で、身近にある大切なものを見直そうという感じに使えるかな。
●バスや電車に乗ったこと、買い物に行ったこと
数年前のことですが、先生がバスに乗っている間中運転手さんが歌を歌い続けていたことがあります。もちろんマイクはオンに。(笑)そんなおもしろいエピソードを書いてみましょう。
バスや電車に初めて乗るときというのは緊張(きんちょう)しますね。切符の買い方や乗り方をお母さんやお父さんに教えてもらい、ひとりでバスや電車に乗ってみましょう。もうとっくにそんなことはできるという人は、昔の思い出というかたちで書いてみましょう。
お年寄りに席をゆずってあげた話や居眠りをして降りるはずの駅を乗り越してしまった話、電車の中で駅弁を食べた話などがあるとおもしろい作文になりそうです。
●バスや電車に乗ったこと、買い物に行ったこと
自動改札機(じどうかいさつき)のカード挿入(そうにゅう)ができるすき間に、入れるとスーッと吸い込まれて、数歩、前に進むと、駅名や金額が印字されたカードが、柱からピュッと、飛び出してきます。急いでいるときにとりあえずカードを入れたら、前方の小さなドアが、パシャッと閉じてしまい、あせりました。よく注意してカードを見たら、なんと、入れたのはテレホンカードではありませんか! 顔が真っ赤になったり、後ろの人に「すみません。」と謝ったり、……そんな失敗を、先生は、よくします。
エスカレーターやエレベーターなど、長い階段を上り下りすることなく、進めますね。駅の施設(しせつ)も以前に比べて、本当に便利になってきました。便利になりすぎてとまどったり、先生のような失敗をしたりしたことはありませんか?
いろいろな出来事を書いたら、最後にすてきな「動作情景の結び」を考えて、表現してみてくださいね。電車の窓から見える景色や、着いた駅の様子などを思い出しながら書いてみましょう。
11.3週
●第四に、お米は(感)
内容:日本のお米は、ヨーロッパの小麦と違って、何年も同じ土地で作りつづけることができる。その秘密は水田にひかれる水にある。また、お米はおかずがなくても食べられるほどおいしい。稲は、縄文時代の終わりごろ、中国から伝わってきたと考えられている。
解説:水のはられている水田を見た話や、ごはんがおいしいという話などを書くとよいでしょう。今学期のこの長文で、ごはんが好きになった人も多いと思います。パンなどはジャムをつけたりハムや野菜をはさんでサンドイッチにしたりしないとおいしく食べられませんが、ごはんはそのまま食べてもおいしいものです。運動会や遠足のお弁当というと、やはり中心になるのはパンではなくお米だと思います。
「おかずがなくてもおいしいお米」(のように題名を自分なりにくふうしてみましょう)
第四に、お米はせまい土地でもたくさんつくることができました。第五に、お米はおいしかったからです。そのジャポニカのふるさとは、中国の長江(揚子江)の流域だとみられています。(と、はじめ、なか、おわりから三文を抜き書きします。抜き書きする場所はどこでもかまいません。5年生になると、大事なところを中心に要約を書く練習をしますが、4年生のうちは、大事なところかどうかわからなくても形だけができていればそれでいいです。初めのうちは、三文をそのまま抜き書きして書くだけですが、慣れてきたら、三つの文が自然につながるように文の前後のつながり方を直して書いていきましょう。また、三文でなく、四文や五文になってもかまいません。)
私が、この話を読んでいちばんおどろいたのは、お米が七千年も昔から栽培されていたということです。それぐらいお米はおいしかったのでしょう。(と中心を決めます。) ↓
私も、お米が大好きです。私の特に好きな朝ごはんは、……。(とここで、会話やたとえや現在形などを入れて、普段の作文と同じように似た話をくわしくかきます)
私は、百科事典でお米がどこで作られているか調べてみました。(と、自分以外の話にも広げていくと、長く書いていくことができます。「どうして」や「たぶん」ということばを使って、自分なりに考えたことを途中で書いていきましょう) ↓
私は、この話を読んで、ヨーロッパの人たちは、おいしいお米をどうして作らないのか不思議に思いました。(と、長文の話にもどって自分らしく感想をまとめましょう。)
ジャポニカ米とインディカ米
ジャポニカ米は、日本で普通に食べられている、モチモチしたお米で、日本のほかには中国東北部と、朝鮮半島で食べられています。
インディカ米は、細長くてパサパサしたお米で、世界の米の90%を占めています。
日本にはどちらの種類も同時期に伝わりましたが、ジャポニカ米を好みました。ジャポニカ米は水分も多く、それだけでもおいしいので、ごはんとおかずを分ける食文化となりました。
一方、インディカ米を食す地域では、おかずと混ぜて食べる(カレー、ピラフなど)食習慣となったのです。
12.1週
小4 12.1週 ●小さいころから大切にしているもの
幼稚園のころのバッグやふでばこ、小さいころからいっしょにねているぬいぐるみ、どこかでひろった石など、ずっと大切にしているものについて書いてみましょう。説明の「です」や描写の「ます」が使えそうですね。その大切にしているものにまつわるエピソードを書いていくと長く書けます。
また、自分が大切にしているものだけではなく、お父さんやお母さんが大切にしているものについて取材できるといいですね。「たぶん」という言葉を使って、お父さんやお母さんの気持ちを想像して書いてみましょう。「たぶん、それはお父さんにとって命の次に大切なものなのだと思います。」など。
作文の最後は動作や情景で結びます。「ぼくは、その石をそっと宝箱にしまいました。」など。
●小さいころから大切にしているもの、ないしょの話
今週の課題は「小さいころから大切にしているもの」です。誰にも 大切にしている品物が、身近にありますよね。 誕生日のお祝いにもらったぬいぐるみや、野球のグローブやバット、手編みのマフラー、品物ではないけれど、家族とか、友人からの便り、忘れられない思い出なども、とても貴重ですね。
いろいろたくさんあるでしょうが、その中から、ひとつか二つにしぼって、くわしく書いてください。
☆題材:前の話、聞いた話、調べた話
自分の物だけでなく、ご両親や友だちの話や、伝記本で読んだお話などを、書いてみるといいです。
野口英世は、母親からの手紙を、後生大事にしていたそうです。「おまイの しせにわ みなたまけました わたくしもよろこんでをりまする なかたのかんのんさまに よこもりを いたしました(...中略...)これのへんちちまちてをりまする ねてもねむられません」たどたどしい文章の中から、子供を思う母親の気持ちが、あふれていますね。
☆表現:たとえ 「です、ます」
どんなに大切にしているかを表現するのに「まるで〜みたいに」、「まるで〜のように」のたとえ方であらわしてみましよう。【例→】まるで、宝物みたいに……まるで、自分の分身のように……
さらに、大事にしているものについて、説明の「です」や描写の「ます」「です、ます」を用いて、あなたの大切なものを紹介してください。
☆主題:心の中で思ったこと
ちょっぴり恥ずかしくて、ふだんは口に出せない宝物への思いをありのまま書いて下さい。、
☆構成:動作・情景の結び
「そっと、ぬいぐるみを、かざり棚の上に、おきました。」とか、「寒い日には、マフラーを首に巻いて、北風が吹きつける外へ、飛び出していきます。」というふうに、余韻(よいん)のあるむすびをくふうしてみるといいですよ。
進級テストですから、項目、字数を、入念に確認し、かならず四つのマークをかいて、提出して下さいね。
12.2週
○いま農村には(感)
内容:いま農村には、新しい風景がつくりだされつつあります。たとえば、あいがもの泳ぐ風景です。田んぼの草とりは、人手もかかるし、費用もかかります。こうしてあみだされたのが、あいがもをつかっての米づくりでした。あいがもは、雑草の芽だけでなく害虫も食べてくれます。農家の人たちはたがいに情報を交換しながら、どうしたら、おいしくて、安全なお米がつくれるだろうかと研究をつづけています。
解説:あいがもを使った農業というのは、ニュースでも見たことがあるかもしれませんね。昔は、農薬をふんだんに使う農業が主流でしたが、いまは農薬をあまり使わない農業へと転換が進んでいます。みなさんの家でも、お母さんが「この食べ物は添加物がない」とか「農薬が使われていない」とか言うことがあるでしょう。農作物を病害虫から守るためには、ある程度の農薬はまだ使わざるをえませんが、この長文にあるように、自然の天敵を利用した農薬の開発も進んでいるようです。
昔の家では、ねずみを退治するために猫を飼っていました。また、泥棒が入らないように犬を飼っているという家もありました。このように、自然の生き物を利用したやり方は副作用があまりないのが特徴です。
人工的な農薬などを使わずに自然を利用するという例を、お母さんやお父さんと相談して見つけてみましょう。
小4 12.2週のヒント ●わたしのしているスポーツ
得意なスポーツのある人は、そのスポーツについて練習中や試合などのエピソードを書いてみましょう。スポーツは楽しいだけではなく、つらい練習がつきものですね。練習中の苦しかったこと、試合で負けてくやしかったことなど特に印象に残っている場面を思い出して書いてみましょう。「です」「ます」を使って書くとそのときの様子が生き生きと伝わってきます。「たぶん」という言葉を使って、相手チームの気持ちを想像して書くことができそうです。結びは、「試合が終わったグラウンドに冬の冷たい風が吹きぬけていきました。」など工夫しましょう。
ふだん、あまりスポーツをしていないという人は、学校の体育の話やスポーツ以外の趣味の話を書いてみてください。
●わたしのしているスポーツ、私の友達
サッカーや野球の試合のこと、スイミングスクールでのテストのこと、ボーリングやスキーなど、家族で何かスポーツをしたことなどが書けそうです。
お父さん、お母さんにも得意だったスポーツの話を聞いてみましょう。今のお父さん、お母さんからは想像もできないような意外な話が聞けるかもしれませんよ。(笑)
12.3週
●日本の大地に(感)
内容:お米がたくさんとれると、人口も増えました。人口が増えると力を合わせることができ、ますますお米がとれるようになりました。文明が発達し、力の大きい国が力の小さい国を従え、日本がひとつに統一されるようになりました。
解説:みんなで協力すると能率がよくなる話などを書くとよいでしょう。重いものなどを運ぶとき、ひとりでは運べないときも力を合わせると楽に動かすことができます。似た話が書きにくいときは、「もしお米がとれなかったら、日本はいまごろ……」と想像した話を考えて書いていってもよいでしょう。
小4 12.3週のヒント ●日本の大地に(感)
第一段落で、三文抜き書きをしていきます。長文の最初の方から一文、途中から一文、最後の方から一文というように、全部で三文選んで、行を続けて書いていきましょう。三文抜き書きに続けて、「この話を読んで私がいちばん……と思ったところは……です。」と感想を書きます。例えば、「いちばんふしぎだと思ったのは、お米作りが、みんなの協力を生み出したと同時に、戦争も生み出したということです。」
次に第二段落で、似た話です。大変な仕事をみんなで協力してやりとげた話などを書いてみましょう。ひとりではうまくできないこともみんなで力を合わせれば楽にできることがあります。そのときのみんなの気持ちを「たぶん」という言葉を使って書けそうですね。例えば、グラウンドの石ひろいなど、みんなでやるとすぐに終わるでしょう。
第三段落も似た話です。ここは、お父さんやお母さんに聞いた話や調べた話が書けるとよいのですが、似た話としてはなかなか書きにくいので、想像した話として書いていくといいでしょう。「もし、毎年同じようにお米がつくれなかったら……」、「もし、お米が保存できなかったら……」など、いろいろ考えてみましょう。
第四段落は、「わたしはこの話を読んで……と思いました。」と長文全体の感想を書いてまとめます。例えば、「私は、今は水田の水を争って戦争なんかはしないけれど、そのかわり、今は別のもので争って戦争をしているのかなあと思いました。」
感想文は字数を長く書くのが難しいので、最低400字まではがんばるという低い目標を最初に決めてから書いていくといいでしょう。
●日本の大地に(感)
一人一人が力をあわせれば大きなことができる・・・ということで、みんなはペットボトルのふたを集めたり、ごみの分別をしたりして、エコに役立てていないかな? 高学年の生徒さんで、この課題を書く人は、力を合わせて戦争をしたのなら、力を合わせて平和をつくるにはどうしたらいいのか、ということや、地球規模で二酸化炭素削減をすることについてなど、社会実例の意見を「聞いた話」などに入れて考えてみましょう。