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解説集 プラタナス2 の池 (最新版 /印刷版 /ウェブ版 /最新版
印刷版は印刷物として生徒に配布されているものと同じです。ウェブ版は書き込み用です。 https://www.mori7.com/mine/ike.php
最新版には印刷日(2024-09-14 00:00:00)以降に追加されたもの(グレーで表示)も掲載されています。

10.1週 
●人間にとっての幸福、季節感のある暮らし
 不幸は生きるばねになることもありますが、最初から不幸を求める人はいません。だれでも幸福に生きたいと願っているはずです。しかし、現代の社会には人間が幸福に生きることをはばんでいる多くの障害があります。このような中で幸福に生きるためにはどうしたらいいかと考えてみましょう。
高1 自作名言とは
 自作名言とは、自分で作った名言です。本当は、これがいちばん大事なのですが、最初から「自分で名言を作る」と言ってもわかりにくいので、中学生のころは、名言集から名言の引用を行なって練習をしています。
 名言は、「○○はAでなくBである。」というかたちの文です。名言集の多くの名言も、このようなスタイルを持っています。「出口のないトンネルはない」→「人生はトンネルのようにどんなに暗く見えようとも、行き止まりではなく、必ず出口がある」。「民主主義は教科書には書かれていない」→「民主主義は、教科書のように既にできあがったものではなく、自分たちで日々作っていくものだ」。
 Aは世間で一般に思われている常識、Bは逆説に見える真理、という位置づけです。かたちだけ「○○はAでなくBである」と書いてあっても◎にしますが、「夏は、寒いのではなく、暑い」のように当たり前のことを書いている場合は、名言ではありません。
 名言の効果が出るのは、文章の結びの5〜10行です。できるだけ結びの5行に、決めの言葉を書いていきましょう。
●人間にとっての幸福、季節感のある暮らし
 人文科学的なテーマについて、「べき」というかたちで意見を書く練習です。
 第一段落は、状況実例と意見。「電車に乗ると、日本は豊かな国だとは言うが、憂鬱そうな顔をして通勤や通学に向かう人が多いのに驚く。」続けて意見。「幸福とは、どこか遠くにあるものではなく、今この場所を幸福だと感じる心の持ち方ではないか。私たちは、幸福になろうとするのではなく、今の状態を幸福だと感じようとするべきだと思う。」もちろん、逆でもいいです。高校生の場合は、逆の方がピンと来ると思います。「幸福とは、満足した状態のことではなく、何かを求める過程だと思う。私たちは、未来に幸福を求めるべきだ。」
 第二段落は、そのための方法を書きます。第一の方法は、心がまえのようなものを中心に。「第一の方法は、現状に満足しないことだ。」そのあと、体験実例を書きます。「バスケットボールの市大会で優勝した私たちは、その幸福にいつまでもひたっていることはできなかった。すぐに次の県大会優勝を目標に練習を始めた」など。
 第三段落は、もう一つの方法です。第二の方法は、社会のあり方や教育のあり方などを中心に。「第二の方法としては、成功したことが尊いのではなく、挑戦することが尊いのだという価値観をもてるような社会を作ることだ。」実例は、歴史上の話で。「明治維新前夜の日本では、多くの若者たちが新しい社会を作るために立ち上がった。西郷隆盛は『児孫に美田を残さず』と言った。当時の若者たちの幸福感は、自分の満足を求めるようなところにはなかった。」
 第四段落は、反対理解を入れながら、最初の意見に戻ってまとめです。「確かに、幸福は心の持ち方だという考え方もわかる。しかし、私は敢えて、幸福とは未来を目指すなかにあると言いたい。」
●構成図の書き方
 構成図は、小3以上の生徒が書きます。小2以下の生徒は、絵をかいてから作文を始めるという課題になっているので、構成図は書かなくて結構です。
 構成図を書くときに大事なことは、思いついたことを自由にどんどん書くことです。テーマからはずれていても、あまり重要でないことでも一向にかまいません。
 たくさん書くことによって、考えが深まっていきます。したがって、構成図は、できるだけ枠(わく)を全部うめるようにしてください。しかし、全部埋まらなくてもかまいません。
 枠と枠の間は→などで結びます。この矢印は、書いた順序があとからわかるようにするためです。作文に書く順序ということではありません。
 

構成図は、原稿用紙や普通の白紙に書いて結構です。
構成図を書きます。
頭の中にあるものをそのまま書くとき。
構成図で書くとき。
初めに絵をかきます。(絵はどこにかいてもいいです)
思いついた短文を書きます。(どこから始めてもいいです)
思いついたことを矢印でつなげていきます。
関係なさそうなことでも自由にどんどん書きます。
はみだしてもかまいません。大体うまったらできあがり。


 


10.2週 
●なりふりかまわず(感)
 第一段落は、状況実例と意見。「デファクト・スタンダードに流されない文化的規範を持つべきだ」。
 第二段落は、その方法1。「そのためには、自分のこだわりを情報として発信することだ。例えば、自然の循環に配慮した農産物などで、高価格にもかかわらず根強いファンを持つものがある。生産者が消費者の文化性に訴えることで、デファクト・スタンダードを超えることも可能だ」
 第三段落は、方法2。「もう一つは、文化を形成するための集団作りだ。グローバリズムが無味乾燥な価格と能率で世界を平準化しようとするときに、ローカリズムは、価格や能率以外の文化性でその平準化に抗することができる。例えば、今はあまり流行らないが『国産品を使おう』などは、その一つの例である」
 第四段落は、反対理解と意見。「確かに、文化的制約から自由になった経済は、豊かな社会を生み出した。しかし、人間らしい生き方とは、利益に還元されない内部の規範を持つものではないか」

10.3週 
●世紀末の今日まで(感)
第一段落は、当為の主題(……べき)を導けるよう展開します。
(例)経済大国になっても、豊かになったとはいえない状況を身近な例を元に述べる→転換期の新たな課題を実現すべきである。

二段落目から三段落目は、●複数の方法<構成>。
長文の中にも、アジア民衆の経験から学ぶことの重要性が訴えられていますが、それ以外にどのような方法があるでしょう。
たとえば、豊かな課題の一つである「多様性の展開」を実現するためには、欧米のみならず、近隣諸国との文化交流を積極的に行う、アジアの文化を学ぶ機会を増やすなどが考えられます。
 また、「関係性の創出」では、経済や工業技術、学問の分野で、アジア圏での協力体制を築くなど。 たとえば現在、IT技術で日本は韓国に学ぶべき点が多いといいます。アジア全体を一つの地域社会と考えれば、金儲けに限らず、それぞれの持ち味を生かした新しい暮らしかたの可能性を見つけられるはずです。

●歴史実例または長文実例<題材>を二、三段落目に用います。
歴史実例としては、漢字や稲作の伝来が思い浮かぶでしょう。戦国時代末期、フィリピンとの交易を開いた大阪堺の豪商、呂宋助左衛門など、歴史上の人物を取り上げてもいいですね。

●反対意見への理解<主題>→●ことわざの加工または自作名言<表現>→再び当為の主題で、四段落目を書きます。
(例)たしかに、経済的な豊かさを実現したことの意義は大きい。 しかし、現在の日本のありかたは、「衣食足りて礼節を知る」というより、「衣食足りて礼節を忘れる」(ことわざの加工)になっていないだろうか。 今後私たちは……べきである。

11.1週 
●テレビゲームが(感)
<第一段落>
 テレビゲームを「遊戯の革命」とする筆者の主張をふまえて、テレビゲームの功罪を問題提起していこう。革命には必ず功罪がある。では、「遊戯の革命」にはどのような功罪があり、我々はどのように対処していかなくてはならないのか。こういった問題を検証していこう。
<第二段落>
 第一の検証法。かつての遊戯とテレビゲームとはどう違うのか比較してみよう。比較自体は課題文中で行われているので、ここでは「失われたものはなにか」という切り込み方で比較しよう。たとえば、相手が人間でないということはコミュニケーションや集団生活の機会を失う。これは人間関係の築き方、相手の気持ちを思いやる感受性、協調性、コミュニケーション能力(話す力、聞く力)、想像力などの貧弱化につながる。
 テレビゲームが普及する前の遊びを両親に聞いてみよう。たとえばこんな話が聞けるかもしれない。遊びの場では喧嘩がつきものだ。喧嘩と仲直りの繰り返しで人間関係の築き方を学び、殴って殴られて痛みを知ったことなど。
<第三段落>
 第二の検証法。産業革命、マスメディアの普及がもたらした功罪を参考にしながら、遊戯の革命がもたらしうる功罪を考えてみよう。
 産業革命は労力を軽減し大量生産を可能にした一方で、職人技術が消えた。そして便利になった社会で身体能力や手技が衰弱した。マスメディアの普及では功については課題文にあるとおり。では罪の面はなにか。たとえばテレビ。一方的な情報伝達と刺激でコミュニケーション能力、思考力、創造力、自発性が失われる。ぼーっと何も考えずにテレビ画面を眺めていることはないだろうか。最近では乳幼児にテレビを見せることのマイナス面が注目されている。
 では遊戯の革命はどうか。利点はテレビゲームにはまった経験があれば実感できるだろう。「適度なゲームは視覚情報の処理能力を高める」という研究結果があり、米国では神経科のリハビリやボケ防止として用いられている(朝日新聞2003年12月3日朝刊より引用)。筆者は「脳の拡張」と述べているが、脳の退化という可能性は産業革命やマスメディアの普及の功罪をふまえれば、ありえないことではない。森昭雄氏(日本大学教授、脳神経科学)はゲームで遊ぶ子どもの脳波は痴呆の人のそれに近いという研究を発表した(引用、同)。具体的な体験があればそれにそって述べてみると良い。
<第四段落>
 反対意見への理解。確かに技術の発達による革命は便利な生活をもたらす。しかし革命には功罪があることを認識しなくてはならない。そのうえで利便性や豊かさを享受し、新たな文化のあり方を常に自問自答すべきではないか。
●テレビゲームが(感)
 第一段落は、意見。「テレビゲームの進歩性を評価すべきではないか」
 第二段落は、その方法1。「そのためには、テレビゲームがゲーム以外のものに発展する必要がある。その一つの分野として考えられるものは教育である。ビジネスにおける教育はこれまで仕事の中で行われてきた。これらがゲーム化されたEラーニングで代替される可能性がある」
 第三段落は、方法2。「もう一つの方法は、ゲーム自体の進歩である。既に、人間の対戦相手がネットの向こうにいるというオンラインゲームが生まれている。また、テレビゲームの中には、動作に応じて筋力を使うものも登場している。テレビゲームを今の機械の水準で考えないことが大切だ」
 第四段落は、まとめ。「確かに、テレビゲームのマイナス面として、生身の人間や自然との接触の不足が指摘されることは多い。しかし、それはこれからの技術革新で改善可能なものである」

11.2週 

11.3週 
●私の住む島はずれの村々では(感)
<第一段落>
 「死に至る病を得た日本は、社会もビジネスもなし崩しになっていくだろう。」筆者のこの言葉を身近な例を提示しながら論点をしぼりこもう。
 たとえば解雇された人の自殺、路上生活、犯罪の激増。自殺や犯罪はメディアを通じて、路上生活者は毎日目にする。もしかしたらあなたの家族がまさに「パート先がなかなか決まらない」とため息をもらしているかもしれない。そういった日本の現状について感想をまじえながら書く。
<第二段落>
 解決方法を自分なりに具体的に提案する。たとえば社会福祉制度の充実。数千人規模でリストラされた人々を救出する制度的な方法をかんがえてみよう。
 あるいは世界不況の現在、日本の終身雇用制度が見直されていることに注目してみるとヒントが得られる。
<第三段落>
 二つ目の方法。課題文にある日本の「古き良き共同体社会」の機能にヒントを得よう。かつては共同体の中で失業者は扶養され、あるいは仕事を分け合っていた。今で言うところのワークシェアリングである。
 ワークシェアリングは日本ではけっきょく普及浸透しなかったが、成功させた国をお手本にしながら尽力する価値はあるかもしれない。
<第四段落>
 反対意見の理解。たしかに資本主義下の競争で我々は豊かで便利な生活を手に入れることができた。資本主義礼賛者はこういうだろう。がんばった者だけ利益を得るのだから正当公平ではないかと。ほかにも資本主義のプラス面はあるだろうが、しかし資本主義のプラス面とマイナス面はコインの裏表にすぎない(自作名言)ということを指摘しよう。
 たとえばマルクスの「資本は、頭から爪先まで毛穴から血と汚物をしたたらせながら生まれてくる」などの名言を引用。しかし資本主義か社会主義かという二元論でなく、新しい社会経済のあり方を模索しなくてはならない時がきている(自作名言)と述べる。 

12.1週 
●人種や民族(感)
<第一段落>
 課題文にそくした身近な例から考えていこう。
 まず国際化がもたらした問題の例。「中国人窃盗団」という言葉、「目撃者の話では男はパキスタン人のようす」というニュース、警察や自治体の「外国人による空き巣に気をつけてください」というポスター。
 また、貧困にあえぐ者が日本へ出稼ぎにきて、仕事を日本人労働者と取り合う。建設現場で働く外国人労働者、夜の新宿にたたずむ多くの外国人女性たち。貧富の格差が国境をとびこえている現実は身の回りにたくさんある。
 また規制緩和による外国製品や農産物、近年ではサービスの日本への流入は、国内産業が脅かされるとして激しい反発をひきおこしている。バラ色の国際化はすでに非現実性を露呈した。
 そして同時進行する国民主義や人種主義。「自虐的歴史観」をめぐる論争、政治の右傾化及び保守化、国民の排他主義的感情やアジア系外国人への差別は、国民擁護のための国際化反対論の例である。このように錯綜する問題をどう解決していくか?
<第二段落>
 第一の解決法。国際化の前提条件となっている国境や国籍を問い直してみる。近代国民国家は神話をもとに作り上げられ、教育を通じて浸透させた同一性である。人種や民族などという幻想を利用して、国家が国民の不満を国境の外へ向かせることは歴史上においても常套手段である。例えば不況や治安悪化についての不満を外国人差別にすりかえる。歴史的事件としては関東大震災の朝鮮人虐殺が思い浮かぶ。
<第三段落>
 第二の解決方法。国境を越えた貧富の格差を考える。
 まず資本主義は必然的に貧富の格差をもたらすという仕組みを知ること。国境を越えても貧しいものは貧しいまま、豊かなものはますます豊かになるという現実。
 貧しき者たちが民族や人種の壁を越えて団結することが解決方法として思い浮かべやすいが、共産主義社会の失敗(ソ連の崩壊など)という歴史を考えると現実味に欠ける。では他になにがあるか。路上生活者たちが相互に助け合って生きている新宿公園、また炊き出しなどの草の根の救済活動。身近な具体例をヒントにしよう。
<第四段落>
 反対意見への理解。たしかに外国人による犯罪は増加しているし、労働市場では賃金の安い外国人は日本人より有利だ。また、海外旅行から帰ってきてお茶漬けをすすりながら「やっぱり日本人には日本食よね」と納得する。国民、民族、人種という言葉を完全否定することはできない。しかし近代国民国家はこれらの幻想を利用してきた。金持ちがさらに金持ちになるために、貧しい者が貧しいままでいるために。国民国家の自己正当化のために。問題の根本的解決に近付くために、筆者の言うように、国民擁護でない国際化批判の実効性ある方法を模索することが不可欠である。
●人種や民族(感)
 わかりにくい課題文ですが、こういう悪文にも慣れておきましょう。
 内容は、(1)自由な競争(=国際化)は、国内の貧富の差を拡大する。(例えば、能力のある人は、世界水準の報酬をもらえるが、能力の低い人は、低賃金の外国労働者を同じ賃金で我慢しなければならなくなるなど)(2)この矛盾を、(「昔はよかった」式の)国民の同一性を強調することで解決することはできない。(3)地球化(=国際化)は避けることができないのだから、それを前提として解決策を考えなければならない、ということです。
 第一段落は、説明と意見。「地球化による諸問題(主に貧富の差)を(地球化を前提として)解決すべきだ」
 第二段落は、方法1と実例。「その方法としては、第一に、一人ひとりが国際化に対応できる力をつけることだ。例えば、語学力はもちろん、他のさまざまな能力で、世界の水準と太刀打ちできる能力を身につける必要がある。例えば……」
 第三段落は、方法2と実例。「第二は、弱者に対する保障を行うことだ。例えば、老人や障害者などが国際化の犠牲になるとしたら……」
 第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、鎖国時代の日本のように国内の安定を第一に考えることもできる。しかし、これからの地球化の時代には……」

12.2週 
●文化とはその国の(感)
1、グローバル化、均質化の時代にも関わらず、多様性、独自性のある文化を保護すべき。
 例えば、インターネットの時代に、日本語の縦書きは生き残りにくい。しかし、縦書きは日本の貴重な文化。
2、方法1。技術に文化を合わせるのではなく、文化に技術を合わる(例えば縦書きを表示できるブラウザなど)
3、方法2。独自性の基盤となる勉強(世界史の勉強も大事だが、日本史の勉強もそれ以上に大事)
4、確かにグローバルな環境の方が便利だが……。

12.3週 
●絵画と音楽とが(感)
 「現代数学が一部のマニアのものになってしまったのはなぜか」というテーマです。ここで取り上げられている「現代数学」とは、高校までの学校で習うようなものではなく、もっと専門的な内容のものを指しています。数学というものは高度になればなるほど、かえって数式を多用しなくなる傾向があるようです。数学の本なのに、ほとんど数式がなく、文章ばかりでつづられたものもあります。それは日本語で書かれているはずなのに、一般人にはいくら読んでも言葉が何一つ意味を成さないような代物です。
 たとえば「フェルマーの最終定理」もしくは「フェルマーの大定理」などと呼ばれる難問は、「 3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがない」という定理のことですが、こんな簡単そうな(?)定理の証明が最終的に決着したのは、フェルマーがその予想のメモを残してから、なんと360年も後の1994年のことでした。ちなみに、その証明は、素人が読んでもやはりまったく理解できません。
 「数学の発展」というテーマに絞ってしまうと範囲が狭くなるので、一般に「学問を生活の中で生かしていくこと」ということで書けばよいでしょう。

<第1段落>要約と、「当為の主題」。「学問は机上の空論ではなく、生活の中で生かすことができてこそ、本当に身につき、役に立てることができる。つねに応用を心がけていくべきだ。」

<第2段落>方法の1。「まずはジャンルを問わず、いろいろな学問の基礎を学ぶことだ。」など。実際、「数学なんて、生活上何の役にもたたない。微積分を知らなくても、生きていける」とうそぶく学生はたくさんいます(特に文系の人。笑)。しかし、微積分を学んで使おうという目的で習っているわけではなく、数学を通して、「論理的思考力」を養っているのです。苦手な教科に苦労した「体験実例」などを入れてみましょう。

<第3段落>方法の2。「理系文系という区別を厳密にせず、境界的なジャンルで活躍できる人材を育てることだ。」など。現代の専門分化の弊害として、クロスオーバー的な活躍のできる人材が少ないことが一因としてあります。数学がマニアのものになってしまったのも、理系の研究者は文章力がなく、文系の研究者は数学がわからない、という絶縁状態が現実としてあるからでしょう。ここは「歴史実例」または「長文実例」で。

<第4段落>「確かに、学問そのものを追求していくと、一種の理想主義に陥り、現実から遊離しやすい傾向にある。しかし、……」「ことわざの加工」あるいは「自作名言」を入れてまとめましょう。