0エニシダ の山 2 月 1 週
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★じゆうなだいめい
○節分、マラソン
○まめまき
豆まき
◆
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【1】二月三日(みっか)は節分です。ぼくたちは豆まきをしました。
「鬼は外、福は内。」
と、元気よく大声をあげました。パラパラと豆が散らばります。おもしろくてどんどん投げました。ベランダから外に投げるときは、ちょっとだけ声を小さくしました。【2】どうしてかというと、夜なので大声をあげると近所迷惑になるからです。
「豆の片付けはチップにやらせるからじゃんじゃんまいていいよ。」
と、お母さんが笑いながら言いました。チップというのはぼくの家の犬です。【3】まいた豆は食いしんぼうのチップがきれいに食べてしまいます。
豆まきのあと、ぼくがお父さんとお母さんに年(とし)の数だけ豆を配りました。
「お父さんは三十一歳だから三十一()個ね。はい。」
そう言ってお父さんの前に豆を置きました。【4】お母さんには、
「はい、お母さんは三十四個ね。」
と、三十四個数えました。
「いいなあ、こんなにいっぱい。」
と、ぼくがうらやましそうに言うと、
「いいでしょう。」
と、お母さんはにっこりしました。【5】お母さんが、
「年(とし)の数だけとって食べるんだよ。」
と言うので、ぼくと弟たちは自分で豆を取りました。ぼくは六個でリョウタは五個。キョウタは四個のはずでした。でも、ぼくはキョウタが四個以上口に入れているのを見てしまいました。【6】キョウタのやつ、それじゃあぼくより年上じゃないかと思いました。リョウタはちゃんと五個だけ食べていました。ぼくも六個だけ食べました。ぼくとリョウタは真面目だなと思いました。∵
みんなに配ってからもまだ豆は残りました。【7】残った豆はぼくが作った紙の箱に入れてテーブルの上に置いておきました。その豆を、お父さんが食べていました。次から次へと豆を口に放り込んでいます。まるで豆の方からお父さんの口にふっ飛んでくるみたいです。【8】おもしろそうなのでぼくも真似してばくばくと食べてしまいました。だからぼくも年(とし)の数よりも食べてしまいました。どうして年(とし)の数だけ食べるのかなあと不思議に思いました。豆がきらいな人はどうするのかなと心配になります。【9】年(とし)の数だけ食べるのじゃなくて、はじめから好きなだけ食べることにしたらいいと思います。
ふと、おじいちゃんとおばあちゃんの顔を思い出しました。
「じいとばあは六十個も豆を食べたのかな。」
と、お母さんに聞いてみました。【0】お母さんは、
「さあ、どうかな。今度、電話で聞いてみたらいいんじゃない。」
と言って笑いました。
(原作 しゅんのすけ 編集 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会 ω)