サツキ の山 4 月 1 週
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○自由な題名
○風邪(かぜ)
★何かをきれいにしたこと、あたらしい学年

○田んぼの生き物(感)
【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
【1】「また、止まってる。」
 お母さんが部屋に入ってきました。二年生のときの絵や作文、写真などがいろいろなところから出てくるたび、私は片付けの手を止めてしまいます。
【2】「ちょっと思い出にひたっていただけ。」
と言い訳をしましたが、机の上には、たくさんのプリントや本や教科書が山のようになっています。
「思い出もいいけれど、これじゃあ夜までかかっても終わらないわよ。」
【3】「大丈夫、大丈夫。ちゃんと終わるって。」
「そう。桃子おばちゃんたちとお食事に行くから早く終えてね。」
 春休みなので、親せきの桃子おばちゃんたちと夕飯を食べに行く約束をしています。【4】それも、私の大好きなイタリアンだというではありませんか。もし、終わらなくて、行けなくなったら大変です。私は急に心配になって、次々と要らなそうなプリントをゴミ箱に捨て始めました。
 【5】すると、プリントにまじって、クラスのひとみちゃんがかいたイラストが出てきました。ひとみちゃんは、絵が上手で、いつもアニメの主人公などをかいてくれるのです。うまいなあ。あっ、また手が止まった。【6】私は、はっとして、片付けを続けました。教科書をまとめて壁の本棚に移し、ノートは押入れの中に入れました。テストは百点のと九十点のを上にして、箱にしまいました。
 机の上の山がだいぶ片付いてくると、今度は細かいものが目につき始めました。【7】下の方が欠けてしまったキラキラの鉛筆のキャップや、切れてしまったうさぎのヘアゴム、キティちゃんのメモの切れはし。どうしてこんなものをとってあったのだろうというものばかりです。【8】まったく、要らないものはちゃんと捨ててよね、と自分に言いたくなりました。∵
 机の上がきれいになり、本棚にも新しい教科書を入れるスペースができると、私はすがすがしい気分になってきました。【9】まるで、だれか他人の部屋に来たような感じがします。その上、勉強もがんばりたくなってきたから不思議です。やっぱり大事なのは環境だなと私は思いました。これで、おばちゃんたちとのお食事にも行けそうです。【0】

(言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会 φ)∵
 【1】昔、田んぼにはナマズやドジョウなどの生き物がたくさんすんでいました。しかし、戦後、これらの生き物は急速に減ってしまいました。その原因の一つは、田んぼの水路がコンクリートなどで固められたために生き物がすみにくくなったことです。【2】もう一つの原因は、田んぼに、強い農薬がまかれたためにやはり生き物がすみにくくなったことです。
 田んぼには、稲を弱らせてしまう虫が発生します。たとえば、ウンカです。【3】梅雨のころ、雲に乗って中国からやってくるウンカは、日本の田んぼで数を増やし、稲の汁を吸ってつぎからつぎへと枯らしてしまいます。ひどいときは、田んぼの稲が全滅してしまうほどです。今年もウンカの大発生か。【4】ウンカ悪いなあなどと言ってはいられません。またヨコバイも、稲に病気をうつすやっかいな虫です。農薬をまくことで、一時的に害虫の力を抑えて増え方を横バイにすることはできますが、虫たちが農薬に抵抗性を持ち、やがて前よりも農薬に強くなってしまうという問題があります。
 【5】また、農薬をまいたあと、逆にウンカが大発生してしまうこともあります。その理由は、農薬によって、ウンカやヨコバイを食べるクモやアメンボなどの天敵が減ってしまうからです。
 【6】そこで、農薬を使わないで稲を育てる方法がいろいろと考えられてきました。その一つは、小ブナを田んぼに泳がせることで、害虫を食べてもらったり、草取りを手伝ってもらったりする方法です。【7】草取りは農家にとってはたいへんな重労働ですが、コイやフナが田んぼを泳ぎまわっていると、水がかきまわされてにごるので、雑草が生えにくくなるのです。小ブナのおかげで、農薬もほとんど使わずにすみます。
 【8】田んぼにアイガモを飼って、害虫を食べさせるという方法もあります。アイガモは、稲の天敵であるウンカの卵まで食べてし∵まうので、殺虫剤は不要です。雑草は、水かきでけられたり、食べられたりして、生えてこなくなります。【9】その上、アイガモのふんは、とてもいい肥料になるので、化学肥料をやらなくてもすむのです。まさに一石二鳥。アイガモを使う方法はいかがですか。「あ、いいカモ!」【0】

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(κ)