カキ の山 5 月 1 週
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★自由(じゆう)な題名(だいめい)
○ならいごと、家族で遊んだこと
○ほしぞらを見たこと、ならいごと
○とりのごうとう(感)
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【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
【1】ある日、おじいちゃんから電話がありました。おじいちゃんは、
「知ってるか。今日の夜は流れ星がいっぱい見られるんだぞ。」
と教えてくれました。オリオン座流星群というのだそうです。ぼくは、流れ星を見たことがありません。【2】急いでお母さんに言いました。
「お母さん。今日は流れ星が見られるんだって。」
ぼくは、お兄ちゃんにも知らせました。それから、ぼくは、お母さんに、
「夜(よ)中になったらぼくのこと起こしてね。お願い。」
と頼みました。【3】お母さんは、
「いいねえ。じゃあ、起こすから必ず起きてね。夜は寒いから、上着を出しておこうか。」
と、早速準備を始めました。
その日の夜、ぼくは、お母さんに体を揺さぶられて目を覚ましました。【4】お母さんは、顔を近づけると、
「今、すごく大きいのが流れたよ。」
と言いました。ぼくはあわてて起き上がると、外へ飛び出しました。お母さんが上着を持って追いかけてきました。ぼくたちは上着を羽織ると、レジャーシートの上にごろりと横になりました。【5】急いで横になったので、ゴツンと地面に頭をぶつけてしまいました。
「そんなにあせらなくて大丈夫。まだまだこれからだよ。ほら、あれがオリオン座でしょう。オリオン座の辺りを見ていてごらん。【6】あっという間に流れちゃうから、ようく空を見ていてね。」
と、お母さんが言いました。お母さんが教えてくれた方に目を向けると、小さな星が三つ並んで光っています。∵
「ようし。いつでもこい。」
ぼくは気合いを入れました。
【7】しかし、しばらく待ちましたが、なかなか見られません。おまけに少し寒くなってきました。お母さんが、
「あたたかいココアでも入れてこようか。」
と言いました。ぼくとお兄ちゃんは歓声をあげました。【8】まるでぼくの気持ちが伝わったみたいでした。
ちょうどココアを飲んで空を見ていたときです。さあっと一つ、星が流れました。
「あっ!」
三人の声が重なりました。【9】ぼくにとっては、初めての流れ星でした。光は、あっという間に流れて消えました。
その夜、ぼくは、全部で五つの流れ星を見ました。願い事はできなかったけれど、ぼくは満足してベッドに入りました。【0】
(言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会 ω)∵
とりのごうとう――いじわるなとうぞくかもめ――
【1】にんげんには、どろぼうやごうとうなど、ときどきわるいことをする人がいますね。
ところが、とりにも、どろぼうやごうとうがいるといったら、きっとみなさんは、ふしぎに思うでしょう。
【2】とうぞくかもめという、海のとりが、そうなのです。
ほかのかもめやうみどりが、さかなをとってとびたとうとしますと、とうぞくかもめはいきなりとんでいって、
「おい、そのさかなをこっちへよこせ。」
とかなんとかいって、おどかすのです。
【3】すると、あいてのとりは、びっくりして、くわえたさかなをおとします。
もしも、さかなをのみこんでしまったあとだったら、とりは、おなかの中から、むりにさかなをはきださせられます。
【4】そして、とうぞくかもめは、さかなが海におちないうちに、うまくうけとめて、たべてしまうのです。
【5】また、ほかのとりが、木のえだをあつめてすをつくりますと、じぶんのすをつくるのに、そのえだをよこどりしにきます。
すのまえで大きくはねをひろげてとびまわりながら、おどかすのです。【6】とうぞくかもめは、ひじょうにさむいところにすんでいますが、ほっきょくのちかくにいるのと、なんきょくのちかくにいるのとでは、しゅるいがちがいます。
【7】日本のなんきょくかんそくたいがいったオングルとうのちかくにもとうぞくかもめがたくさんいました。
【8】いつもからふと犬をおそったり、ねこをねらったり、ときには、かんそくたいの人たちをおそったりしたそうです。にんげんにはとてもかなわないということを、知らないのですね。
【9】おかげで、かんそくたいの人たちは、とうぞくかもめをてっぽうでうちおとして、やきとりをつくり、大よろこびだったそうです。【0】
(「世界ふしぎめぐり二年生」より抜粋)