カキ の山 6 月 1 週
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★自由(じゆう)な題名(だいめい)
○たいいくの時間、たまごを使った料理
○とくいなこと、めだつ人

○およげなくてもしずまない(感)
【長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。】
 【1】日曜日のことです。お父さんが、
「ちょっと背中踏んで。」
と言いました。私は、時々お父さんの背中を踏んであげます。手でマッサージをするよりも、私が踏む方が気持ちがいいのだそうです。【2】私が手でマッサージをしても、お父さんにとっては物足りないのでしょう。
 私は、靴下を脱ぐと、
「うん、いいよ。」
と言いました。どうしてかというと、靴下を履いていると滑りやすいからです。
【3】「お父さん、乗るよ。」
と声をかけて、右足から背中に乗りました。そして、お父さんの背中の上でゆっくりと足踏みをしました。
「ううん。気持ちいいなあ。」
お父さんは、うつぶせになったまま声を出しました。
 【4】背中の上は、バランスをとって足踏みをするのが少し難しいです。それも、同じところだけでなく、背中全体を踏まなくてはなりません。足の裏全体で優しく踏むのは、少しコツが要ります。
 私は、
「もう少し強く踏んでもいい。」
と聞きました。【5】お父さんは、
「うん。思い切り踏んでいいよ。」
と答えました。私は、少し力を入れて踏み始めました。
 お父さんの仕事は、体をたくさん動かす仕事です。重いものを運ぶこともあるので、大変なのだと思います。【6】お父さんは、いつも元気に働いているので、日曜日にはたっぷり休んでほしいと思いました。∵
 私がしばらく踏んでいると、お父さんは気持ちよさそうに居眠りのふりを始めました。私は、ふざけて、もっと強く踏み出しました。
 【7】お父さんの背中は、広くて厚みがあって、まるで小さな丘のようです。私は、いつの間にかお父さんの背中の上にいることを忘れて、丘の上で行進しているような気持ちになってきました。
 【8】お父さんは、しばらく寝たふりをしていましたが、突然、
「いたたた。踏み方が強すぎる。」
と言って起き上がりました。私は、昔、お母さんにやってもらったように、
「痛いの、痛いの、飛んでけえ。」
と言ってあげました。
 【9】すると、お父さんは、にっこりして、
「よし、元気になったから、どこかに遊びに行こう。」
と言いました。私はうれしくて、お父さんに飛びつきました。【0】

(言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会 ω)∵
 およげなくてもしずまないみずうみ――ふしぎな死海(しかい)――

 【1】死海(しかい)では、なぜからだがしずまないのか、そのわけをおはなししましょう。
 ふつう、みずうみは、海とちがって、ま水(しおけのない水)のわけです。【2】ところが、この死海(しかい)は、海の水よりも、もっとしおからいのです。六ばいもしおけがおおいのです。
 みなさんは、ま水の川や、プールよりも、しおけのある海のほうが、よくおよげるということを、知っているでしょう。
 【3】だから、海よりもしおけのおおい死海(しかい)では、からだがうきあがってしまうのです。
 それでは、ふつうのみずうみはま水なのに、この死海(しかい)は、なぜそんなにたくさんのしおけをふくんでいるのでしょうか。
 【4】それは、こういうわけです。
 この死海(しかい)のあるところは、とちがひくくて、海より四百メートルもひくいのです。
 ですから、たくさんの川が、みんなこのみずうみにながれこんでいます。
 【5】ところで、このへんのとちは、しぜんのしおをふくんでいますので、川の水がすこしずつしおを死海(しかい)にはこんでいるのです。ところが死海(しかい)からは、どこへも水がながれていきません。【6】そのかわり、つよいたいようにてらされて、水だけがどんどんじょうはつしますから、しおがみずうみにのこって、だんだんしおけがこくなったのです。
 【7】さて、にんげんがしねないのに死海(しかい)というなまえがついているわけをおはなししましょう。
 【8】にんげんはしねないけれど、このみずうみには、さかながすんでいないのです。しおからすぎて、さかながすめないのです。
 さかなをはなしてやっても、みんなしんでしまいます。
 【9】にんげんだって、水におぼれることはありませんが、あまりながく、このみずうみにはいっていると、からだのひふがぴりぴりしてきて、たいへんなことになります。それで、死海(しかい)というのです。【0】

(「世界ふしぎめぐり二年生」より抜粋)