ススキ の山 11 月 1 週
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○自由な題名
◎いたずらをしたこと
★たまごやきを作ったこと、びょういんにいったこと
初めての電車
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【1】ぼくは、二年生のとき、初めて一人で電車に乗りました。夏休みにおばあちゃんのうちへ行くためです。駅のホームで、お母さんは、心配そうに何回もぼくの顔を見て、
「いい? 港南台でおりるんだからね。二つめだからね。」
と言いました。【2】ぼくは、うなずきました。でも、お母さんは、まだ心配そうで、
「港南台、だからね。おばあちゃんがそこでまってるからね。」
と言いました。
青い電車が入ってきて、いよいよ乗り込みました。ぼくは、ドキドキしてきました。【3】お母さんを見たら、いっしょうけんめい手をふっています。ぼくは、それを見て、手をふるのはまだ早いよ、と思いました。そのとき、プルルルルーとベルが鳴って、びっくりしているうちに、電車のドアが閉まりました。
【4】ぼくは、ドアに顔をくっつけて、お母さんを見ました。お母さんが、何か言いながら手をふっています。ぼくもふろうとしたけれど、あっというまに電車は発車して、お母さんは見えなくなってしまいました。
【5】ぼくは、急に心細くなって、あたりを見回しました。すると、近くの席にぼくぐらいの年齢の子がゲーム機で遊んでいるのが見えました。そのとなりには、もう少し大きいその子のお兄さんのような子もいて、やはりゲームをやっていました。【6】二人は、大きな声で笑ったり、たたきあったりしながら、夢中で遊んでいます。ぼくは、何のゲームかなあと思いながら、ずっとそちらを見ていました。
「次は洋光台、洋光台。」
とアナウンスが聞こえました。ぼくは、はっとしました。【7】いくつ駅をすぎたか数えていませんでした。でも、「台」がつくから、合っているなと思いました。やっとついたと思って、電車をおりてホームをさがしても、おばあちゃんはいませんでした。∵
【8】ぼくは、ドキドキしてきましたが、自分に、「落ち着け。よく考えろ」と言い聞かせました。そこで手ににぎっていた紙を思い出して、よく見たら、「二つめ、港南台」と書いてありました。ぼくは、どうしたらいいかわからなくなって、紙を持ったまま立っていました。【9】そうしたら、知らないおばあさんが来て、紙をのぞきこんで
「一つ先まできちゃったね。港南台でおりたかったんでしょ。あっちがわにきた電車にのって、一つもどればだいじょうぶ。」
と教えてくれました。急いで反対方向の電車に乗ると、その電車はすぐに発車しました。
【0】電車が次の駅に近づくと、
「次は港南台、港南台。」
と、アナウンスが聞こえました。今度はしっかり紙を見ていたので、合っているなと思いました。電車が止まり、ホームにおりたら、おばあちゃんが遠くからぼくを見つけて、こっちに走って来るのが見えました。
(言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会 φ)