ススキ2 の山 12 月 1 週
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○自由な題名
◎おいしかったことやまずかったこと
★ないしょの話、なにかをかんさつしたこと

○人類の歴史の中でも(感)
 【1】人類の歴史の中でも、くらべる人がないほど、たくさんの発明をなしとげたエジソンですが、そのしごとを成功させたのは、いうまでもなく、エジソンをたすけたメンロパークの研究所の人々です。
 【2】いいかえれば、エジソンは、これだけのすぐれた人を見つける才能と、それをあつめ、そだてる力と、そして、それをまとめていく徳とをそなえていたのです。【3】それなしには、いくら天才的な頭脳や、おどろくべきにんたい、つかれを知らない体力をもっていたエジソンでも、あれだけのしごとをなしとげることはできなかったにちがいありません。
 【4】研究所の中には、七つのたてものがあって、木造の大きな二階だての研究所を中心に、所員たちとその家族の家や、娯楽室・倉庫などが、ずらっとならんでいました。
 【5】中心の研究所の中には、実験室のほかに事務室があって、エジソンの電信手時代からの友だちのグリフィンがしごとをしています。
 グリフィンは、エジソンの秘書役で、この人のいそがしさは、じつにたいへんなものでした。【6】特許の事務、山のような通信文、会計事務――それらをぜんぶひきうけて、旧友エジソンのために、ほねみをおしまず、はたらきつづけたのです。
 【7】二階は、実験室です。おもな機械や実験器具はぜんぶここにあって、エジソンとその助手たちが、朝はやくから夜おそくまで、ねっしんにしごとをしていました。白熱電球が生まれたのも、この実験室です。
 【8】一階は、試験室で、れんがづみの台があって、その上せいみつな測定をする電流計やてんびんなどがのせられています。
 一すみは、化学実験室にしきられ、ハイドがその係です。
 【9】研究所のとなりのたてものが機械工場で、ボイラー室とエンジン室があってエジソンの設計するあらゆる機械がつくられるので∵す。ドイツ生まれのクルージが主任です。エジソンのさいしょの蓄音機を、みごとにつくりあげた人です。【0】スイスでせいみつな技術教育をうけたクルージは、エジソンにとって、かけがえのないだいじな人でした。
 かけがえのない人といえば、数学者のアプトンもそうです。プリンストン大学をでて、ドイツでゆうめいな物理学者ヘルムホルツについて勉強した人ですが、数学がにがてだったエジソンですから、この人にどれだけたすけられたかわかりません。
 こうした専門家たちが、それぞれに助手をひきいてしごとをすすめたのです。

(「エジソン」 崎川(さきかわ)範行著 講談社 火の鳥伝記文庫より)