00エニシダ の山 1 月 2 週
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★じゆうなだいめい
○新学期、冬休みの思い出
○けんかをしてしまったこと

○十五のとき、信玄は(感)
 【1】十五のとき、信玄は、おとうさんといっしょに、はじめて、戦争にでかけました。
 しかし、敵が、しっかり城をまもっているので、なかなか、城をせめおとすことができません。そのうち、雪がどんどん、ふってきました。
 【2】おとうさんは、あきらめて、じぶんの国にひきかえすことにしました。
 すると、信玄は、おとうさんにないしょで家来たちをあつめて、
 「この雪で、敵も、せめてこないとおもって、ゆだんしているだろう。【3】そのすきに、せめこめば、きっと、せめおとせるにちがいない。」
 そういって、敵の城にむかい、ゆだんしている敵の城を、せめおとしてしまいました。
 それからも、信玄は、いく度も戦争をしましたが、一度も、まけたことがありませんでした。
 【4】そして、とうとう、謙信と信玄は、川中島というところでたたかうことになりました。
 しかし、どちらも、つよい者どうしです。なん度(ど)たたかっても、なかなか、勝負がつきません。
 【5】あるとき、謙信は、ウマにのり、刀をふりあげて、いきなり信玄の陣地に、せめこんでいきました。
 信玄は刀をぬくひまもありません。もっていた軍配で、やっと、謙信の刀をうけとめました。
 「えいっ、えいっ。」
 【6】謙信は、なおも、はげしく、きりかかります。謙信の刀が、信玄の肩にあたって、血がながれました。
 そのとき、信玄の家来が、かけてきて、謙信ののっているウマのおしりを、びしりと、槍でたたきました。
 【7】「ヒヒーン」
 ウマは、おどろいて、にげだしました。∵
 こうして、謙信は、とうとう、信玄をうちとることができませんでした。
 やがて、信玄は、ほかの国と戦争をはじめました。
 【8】信玄の国は、山国です。塩や、さかなは、よその国から、はこんでこなくてはなりません。そこで、あいての国では、とちゅうの道をふさいで、塩やさかなを、信玄の国にはこべないように、してしまいました。
 【9】謙信は、その話をきいて、信玄を、気のどくにおもいました。そして、あいてのやり方に、すっかり、はらをたてました。
 「生きていくのにひつような、塩やさかなをたべさせないようにするなんて、なんという、ひきょうなやり方だろう。
 【0】わしと信玄とは、敵どうしだが、だまってはいられない。よし、すぐに、こちらからおくってやろう。」
 そういって、じぶんの国から、塩やさかなを、どっさり、信玄のところへおくってやりました。

 (大石真())
 「子どもに聞かせるえらい人の話」(実業之日本社)