エニシダ の山 1 月 2 週
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★じゆうなだいめい
○新学期、冬休みの思い出
○けんかをしてしまったこと
○月の青いばん(感)
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【1】月の青いばん、アフリカの草原で、ライオンに三つ子がうまれました。まるまるふとってククククとよくわらうのがコロン、ちっともわらわないのがムウ、ちょっとばかりげんきがないのがショボン……となづけられて、いくにちかすぎました。【2】ちかくにお花ばたけがあるせいか、花のさいているときにうまれたせいか、みんなひどく花ずきでした。三びきは、よく、ちかくの森の、花ばたけにねそべりにゆきました。
【3】さてまた月の青いばん、三びきが花のあいだでふざけていると、かあさんライオンがやってきて、コロンをよびました。
――コロンちゃん、いっしょにいらっしゃい。
【4】うん、とコロンはおきあがり、クローバーを、ちょいとあたまにつけて、かあさんライオンについてゆきました。
森にはいると、かあさんライオンはいいました。
――きょうはね、ケモノのつかまえかたをおしえてあげるの。【5】よくみてらっしゃいよ。そういうと、じっとからだをひくめて、しのび足で、ツツツツツウと、すすみます。おや、ウサギがいるぞ。
――ここでね、ウンといきをすいこんで、ひととびにゆくのよ。
【6】かあさんは、ささやくようにコロンにおしえると、ウンと、いきをすいこみます。
はなのあなが、三かくにひろがり、ひげがヒョロリとたれてしまって、とってもへんなかおです。みたとたん、コロンはクククククと、わらいだしてしまいました。【7】ウサギはもちろん、ぴょんと、ひととびでサヨナラしてしまいました。
――だめじゃないの、コロンちゃん。
――だって、さっきのかあさんのかお、あんまりおかしかったんだもの。それに、あのウサギのあわてかたったら!
【8】そしてまた、ククククなのです。かあさんライオンは、あきらめてかえりました。
つぎのよるは、ムウでした。
――ムウちゃん、いっしょにいらっしゃい。
ムウは、だまってついてゆきました。森にはいると、かあさんライオンはいいました。∵
――【9】きょうはね、ケモノのつかまえかたをおしえてあげるの。よくみてらっしゃいよ。
そういうと、からだをしずめて、スススススと、しのび足ですすみます。おや、あそこにリスがいるわ!――ここでね、ウオーッってほえるの。【0】そしたら、リスはびっくりして、ちぢみあがっちゃうのよ。そこを、つかまえるの。
かあさんは、そうムウにささやくと、あごがはずれそうに大きく口をひらいて、ウオーッとほえました。
もちろん、リスはビリリリと、でんきがかかったみたいになってうごけません。
――さあ、おたべ。
かあさんライオンがムウにいいましたが、ムウはこたえません。じっと、リスをみつめています。そして、「さあ」と、もういちどかあさんがすすめると、ムムウと、かおをしかめるのです。かあさんはびっくりして、ムウをみました。
へんじなし、なのです。
――どうしたの?
それもそのはず、ムウもうごけなかったのです!
――あらあら、ムウちゃんまで!
ごめん、ごめん。
かあさんライオンは、あわててムウのしっぽを、ちょいとおしてやると、ムウはやっとうごけましたが、リスのほうもそのすきに、ひととびで木にかけのぼりました。
「ぽけっとにいっぱい」『三びきのライオンの子』より(今江 祥智)フォア文庫