黄アカシア の山 5 月 2 週
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○自由な題名
○家、自己主張の大切さ
★このような社会的な傾向が(感)
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このような社会的な傾向が三〇年先にどのようになっているかを現在時点で予測することは困難だし、またその結論を保証することはできないが、次のような手法は可能だし、また企業として将来の目標を立てるために使える。それにはまず、
(1)三〇年先の望ましい社会または個人の姿を設定する。
(2)それに到達する上でのボトルネックに何があるかを洗い出す。
(3)そのボトルネックを解決するには行政、企業、個人はどのようなことをすればよいかをリストアップする。
(4)そのための技術、製品、流通、などとして何が考えられるか。という方法論である。
三〇年先へのボトルネックといってもピンと来ないかもしれないが、いくつかの例を示せば次々と見えてくるはずだ。そのひとつはもちろん高齢化社会への移行から来る数々の問題だ。問題があるということは、それを解決するための方法が見つかればビジネスとして成立するということである。
すでに日本だけではなく高齢化が進む工業先進国の間では、そのための技術開発が次々と進められている。日本でも一般住宅用のエレべーターが開発されて、新しい市場が生まれた。また二四時間沸き放しの風呂も若い人からの要求ではなく、ある年齢層以上の市場を開拓した。
ここで日本のボトルネックの例としてまず高齢化の話を取り上げたが、日本の経済という立場からすると、最も大きな課題は世界の中で日本の産業が三〇年先でも優位性を保つことができるかどうかということである。もっとわかりやすくいえば、どの種類の産業で稼ぐことができるかということだ。
産業の競争力を示す一般的な指標として使われるのは生産性である。つまり生産のために投入する人、設備、資金、原材料、時間などが単位当たりどれだけの付加価値を産出できるかという数字である。これらが低いレベルにあればコストが高いということに相当するのだから稼ぎが少なくなり、それだけひ弱な経済ということになる。
日本のボトルネックとして現在誰でもいうのが日本の物価高だが、その原因は簡単だ。∵日本国内には海外に比べて生産性の低い分野がかなりあるからだ。日本国内ではすべての物価が高いわけではない。海外よりもむしろ安いものも結構ある。自動車はそうだし、エレクトロニクス製品がそうだ。一般的に海外製品と直接ぶつかり合うものはだいたい日本製は強い。それは負けると会社が潰れるから、石にかじりついても何とか生産性を上げて価格競争に耐えているのである。
ところがこのような海外との競争原理の働きにくいところではどうしても経営が甘くなって生産性が低く、内外価格差に直接効いているのである。このことはデータから明らかに示されている。
このようなことが長続きするはずはない。必ず生産性革命が起きる。むしろこれらの分野は日本国内にまだ眠っている未利用資源である。これらはすべてニュービジネスの種になる。
いまマルチメディア革命という言葉がはやっているが、マルチメディアの使い道で一番インパクトの大きいもののひとつは物流の効率化である。その原理は、必要なときに必要なものをその数だけ生産し、要求されたところに届けるということであって、それらを管理するのが時間という情報である。そしてこれは情報技術があって初めて可能なのだ。
日本では製造業の高い生産性は誰もが認めていたが、流通業には革命がいるといわれていた。これに対して全く新しいシステムの構築に成功したセブン-イレブンは好調である。日本のセブン-イレブンはアメリカの本家がおかしくなったのを日本で開発したシステムを逆に持って行って建て直しに成功した。セブン-イレブンの流通管理のシステムの生産性は世界のトップレベルにある。
このような日本人独特のきめの細かさで実現した生産性の高いシステムを逆に海外企業に持って行って成功した例が最近では珍しくなくなっている。
このことは重要である。どのようにすれば海外以上の生産性を上げることができるかのノウハウは、日本国内に結構あるし実績を持っている。したがってこれからの日本国内では、低い生産性分野で新しい革命が文句なしに進むと考えてよかろう。これに高齢化による国内独自の圧力が加わるから、その速度は予想外に早いはずだ。そしてその新しい社会革命の中で最も有効に使われる道具が情報技術である。(「日本・陽は必ず昇る」唐津一より)