ツゲ の山 10 月 2 週
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○自由な題名
○木登(きのぼ)りをしたこと
★ゆるしてあげたこと、どきどきしたこと
宮崎県にある幸島は
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宮崎県にある幸島は小さな無人島です。この島には百匹(ぴき)余りの猿が生息しています。ある日のこと、イネという名の若いメス猿(ざる)が川の水でイモを洗って食べました。すると、ほかの猿たちも次々とイモを洗って食べるようになりました。これまでは、砂などのよごれのついたイモをそのまま食べていた猿たちは、「イネのまねをして食べるとおいしいね。」と思ったことでしょう。しばらくして、イネは、川の水ではなく海の水でイモを洗うことを思いつきます。海の水で洗うと、塩味がついてもっとおいしくなるのです。それを見ていたほかの猿たちも、イモを海水で洗うのはいいものだと、イネと同じように海水でイモを洗うようになりました。
幸島の猿たちがみなイモを洗って食べるようになると、不思議なことに、大分県高崎山の猿たちもイモを洗い始めました。高崎山の猿ばかりではありません。遠く離れた他の土地や島にすむ猿たちもイモを洗って食べるようになったのです。もちろん、これらの猿たちは、幸島の猿たちがイモを洗うところを実際に見たわけではありません。しかし、いろいろな場所にすむ猿たちが申し合わせたかのようにイモを洗い始めたのです。これは、イモを洗う猿が一定の数に達すると、その行動が距離をこえて、ほかの集団にも伝染したためではないかと言われています。
これと似た現象は、人間社会にもあります。何か新しい発明をした人がいると、ちょうど同じころ世界のほかの場所でも同じ発明をしている人がいたということがよくあります。
言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(Λ)