ススキ の山 11 月 2 週
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○自由な題名
◎お父さんやお母さんと遊んだこと
★買い物に行ったこと、わたしの先生
○ミツバチの群れは
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ミツバチの群れは、一匹(ぴき)の女王蜂と数千匹(びき)から数万匹(びき)の働き蜂、繁殖期に現れる二千匹(びき)から三千匹(びき)の雄蜂(おすばち)で構成されています。それぞれの役割分担も明確で、高度な巨大社会を形成していると言ってもよいでしょう。
ミツバチは、規則正しい六角形を組み合わせて巣板(すばん)を作ります。巣板を構成する六角形の小部屋(こべや)は巣房(すぼう)と呼ばれます。巣房は、育児、花粉の貯蔵、花蜜の貯蔵、ハチミツの加工など、さまざまな目的に利用されています。それぞれの作業を効率よく行えるように、巣房の配置も考慮されています。
では、ミツバチは、なぜ六角形の巣を作るのでしょうか。もしミツバチの巣が丸だったら、上下左右に並べていくとき、無駄なスペースができてしまいます。もし四角だったら、巣と巣の間に隙間はなくなりますが、ミツバチが巣に入ったときに無駄なスペースができてしまいます。ミツバチの体型から考えると、六角形がいちばん効率がよいのです。
ミツバチの巣の材料は、働き蜂の腹部から分泌される蝋片です。働き蜂は、その蝋片を、後肢の内側にあるブラシ状の毛を使って抜き取り、肢(あし)についた蝋片を大あごでくわえ、それをかみ砕きながらはりつけていきます。この根気のいる作業を続けるだけでも大変なことですが、定規も分度器もコンパスも持たずに六角形の巣を規則正しく並べていくのですから、まさに神業としか言いようがありません。
以前は、ミツバチが最初に丸い形の巣を作り、それが周囲から押しつぶされて自然に六角形になると考えられていました。しかし実際にミツバチの巣づくりの様子を観察したところ、初めから六角形を作っていることが分かったのです。
一九六六年、ドイツの二人の学者は、ミツバチの巣が横向きに作られていることから、六角形の巣を作る秘密は、重力に関係ある∵のではないかと考えました。巣を作るとき、ミツバチは、頭を上下左右に向けたいろいろな姿勢を取らなければなりません。そのときに体にかかる重力は絶えず変化します。そこで、二人が注目したのが、働き蜂の首と腹にある感覚毛です。二人は、実験から、ミツバチは首の感覚毛が頭に触れることによって重力の方向を感知していることをつきとめました。ミツバチは、感覚毛の接触によって、自分の体の向きを知り、六角形の巣を作っていたのです。
ミツバチの巣がいかに巧妙に作られているかは、数学者たちの研究によっても証明されています。三つの菱形からなる中央部のそれぞれの角度は一〇九度二八分ですが、この数字は、使う蝋の量を最小にして巣を作った場合の角度なのです。数学者たちが微分学の理論を使ったむずかしい計算をして出した数字をミツバチは生まれながらに知っていたことになります。
ハニカム構造と呼ばれる六角形の組み合わせは、効率がよいだけではなく、安定した形でもあります。外部から力が加えられたとき、うまく力を分散することができるのです。ダイヤモンドや雪の結晶は、このハニカム構造になっています。また、建築材料、航空機の翼の内部、サッカーゴールのネット、スキー板(いた)の内部などにもこのハニカム構造が応用されています。ハニカム構造がこんなにも幅広く採用されていることをミツバチが知ったら、はにかんでしまうかもしれません。
言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(Λ)