シオン の山 8 月 3 週
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★自由な題名
○小さいころから大切にしているもの

○おかしかったこと
★ニトログリセリンのグリセリンは(感)
 【1】ニトログリセリンのグリセリンは、石けんをつくるときにできる副産物です。ねばっこい液で、薬や、機械のうごきをなめらかにするための油としてつかわれます。【2】「硝酸が変化させたグリセリン」というのが、ニトログリセリンのいみですが、じっさいには、とくべつのそうちで、こい硝酸と硫酸をまぜた液に、水分をとりさったグリセリンをそそいでつくります。
 【3】これくらいのことは、技術雑誌にしたしんでいるアルフレッドには、とっくにわかっています。
(つくりかたがわかっても、ばくはつをコントロールすることには役だたないなあ……。)
 【4】そうおもいながら、アルフレッドは、いくどか、小さなばくはつ実験をこころみました。けれども、ニトログリセリンは、うんともすんともいわないか、とんでもないときにばくはつして、きもをひやさせるかです。
【5】「いずれにしても、導火線を用いなければならないよね……。」
 アルフレッドが、ちえをかりにいったジーニン先生は、大学の研究室でいいました。
 【6】導火線は、黒色火薬を紙と糸でまいてつくった線です。手もとに火をつけると、シューッともえていき、ばくやくをばくはつさせるのです。
【7】「……そうなんです、先生。まさか大量のニトログリセリンを、鉄のはりでばくはつさせるわけには、いきませんものね。いのちあってのものだねです。」
【8】「しかし、導火線では、ばくはつしない……と。あたえるショックが小さすぎるのかなあ。」
【9】「そうかもしれません。といって、導火線をうんと太いものにすると、もちはこびのとき、きけんですし……。」
 アルフレッドは、そうこたえながら、「あたえるショックを強めるには?」と、ノートにメモしました。【0】
 
(「ノーベル」大野進著より)