ケヤキ の山 3 月 4 週
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○じゆうなだいめい
★清書(せいしょ)
○カブトムシ
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【1】夏休みの友といえばやはりカブトムシです。昆虫の王様と呼ぶにふさわしいその姿は、子どもたちの視線をとらえてはなしません。ペットショップのカブトムシコーナーは、毎年黒山の人だかりができていますし、採集ツアーも登場するほどです。
【2】いかにも丈夫そうな姿のカブトムシですが、その命はそれほど長いものではありません。卵からかえり、冬を越した幼虫は、蛹へと姿を変え、夏になると成虫、つまりカブトムシへと変身しますが、成虫になってからの命はおよそ一か月ほどといわれています。【3】ですから、夏休みが終わるころは、ちょうどカブトムシの命もつきる時期にあたるのです。クワガタムシも、カブトムシと並んで人気があります。カブトムシがひと夏の命なのに対して、クワガタムシの場合、種類によっては越冬できるものもあります。えっとうれしくなってしまうでしょう。
【4】大切に育てていたカブトムシの死は悲しいものですが、死んでしまったからといってすぐに飼育ケースを処分してはいけません。ケースの中の腐葉土をそっとのぞいてみましょう。もしかしたら、小さな卵が見つかるかもしれません。【5】直径三ミリ程度の白くて丸い卵です。孵化直前の卵は大きさは五ミリ程度になり、色も黄色味(み)を帯びてきます。この卵をじょうずに育てることができたら、大切にしていたカブトムシの二世と対面できる日がやってくるのです。
【6】卵からかえった幼虫は、おもに腐葉土を食べて大きくなります。幼虫時代に摂取した栄養が、成虫のカブトムシの大きさを決定付(づ)けます。いったん成虫になってしまったら、どんなに樹液を吸ったところでそれ以上大きくはなりません。【7】立派な大きさのカブトムシは、幼虫時代に十分な栄養を取っていたのです。もしも人間がカブトムシと同じ性質だったらどうでしょう。成人したらいくら食べても太らないわけですから、ダイエットに励んでいる大人にとってはなんともうらやましい話です。∵
【8】通常、一匹(ぴき)の幼虫が蛹になるまでに食べる腐葉土の量は、洗面器に山盛り一杯分にもなるそうです。カブトムシは、そんな大量の腐葉土をかぶっとむしゃむしゃ食べてしまうのです。さすがに昆虫の王者、驚いてしまいます。
【9】友達に自慢できるくらいの大きなカブトムシを育てるためには、良質な腐葉土を絶えず補充してあげることが大切です。また、飼育ケースの中のフンを取り除いたり、掃除をしたり、根気よく世話を続けることが必要です。
【0】では、カブトムシとクワガタムシでは、どちらが強いでしょうか。カブトムシの得意技は、カブト割りでしょう。クワガタムシの得意技は、もちろんクワ固めです。結果は、カブトもクワガタも、お互いをムシして引き分けになりました。
言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(ω)