アカシア3 の山 4 月 4 週
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○自由な題名
○お花見
★清書(せいしょ)

○ゴキブリの世界
 苦手な虫の名前は何かと質問したら、多くの人はゴキブリと答えることでしょう。台所に潜(ひそ)んでは、夜中(よなか)に這い出してきて住人を驚かす、というよくないイメージを持たれているゴキブリです。しかし、ほとんどのゴキブリは人間と直接関わりあうことなく、朽木や動物の死骸など、腐ったものを食べてほそぼそと暮らしている野の虫なのです。
 ゴキブリは生きている化石と言われており、現在と姿があまり変わらない化石が、太古の地層から発見されています。ゴキブリは、人家を始め熱帯雨林や砂漠など、寒冷地以外の様々な場所に生息してきました。
 人間の住環境に出没するようになったゴキブリは、同じゴキブリの中でも特に雑食性の強い種です。ゴキブリにとって人家は、豊富な食料がほぼ確実に手に入れられる環境なのです。彼らは残飯だけでなく、人間の垢や髪の毛といったものまで食べてしまいます。このたくましさなくしては、約三億年近くも絶滅することなく現在まで生き延びることはできなかったでしょう。
 生物には天敵がつきものなので、もちろんゴキブリにも天敵は存在します。カエルやクモなどはその代表ですが、人家に棲むゴキブリにとっては殺虫剤やスリッパの方が恐ろしいかもしれません。
 ゴキブリは古来から生き延びてきたことから、「人類滅亡後はゴキブリが地球を支配する」と考える人もいます。しかし、多くのゴキブリは森や林の自然の中に生息しているのですから、地球の環境が破壊されればゴキブリもまた影響を免れる(まぬがれる)ことができません。ゴキブリだけがいいゴキブンで生き延びることはできないのです。∵
 人間もゴキブリも、同じ地球の仲間です。今度ゴキブリを見つけたら、そっと手に乗せて優しくなでてあげましょう。きっとゴキブリは喜んで、もっとたくさんの仲間を連れてくるはずです。

 言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(χ)