サツキ2 の山 4 月 4 週
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○自由な題名
○家族(かぞく)で出かけたこと
★清書(せいしょ)
○フロンとオゾン(感)
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【1】冷蔵庫がまだあまり普通の家庭にはなかったころ、冷蔵庫には、毒があって危険な物質が使われていました。この物質は、液体からガスに変わるときに周りを冷やす性質を持っていました。
【2】しかし、このように危険な物質を、家庭におく冷蔵庫に使うわけにはいきません。そこで、何かいい方法はないものかと、研究が行われました。その結果、フロンという新しい物質が見つかりました。
【3】フロンは、色も匂いもない物質で、安定した性質を持っています。性質が安定しているということは、ほかのものといっしょにしても、ほとんど反応を起こさないということです。また、燃えることもないので、火事の心配がありません。【4】さらに、簡単に液体にしたりガスにしたりできるので、取り扱いも楽です。そして、安く作ることができるのも、大きな長所でした。
こうして、フロンは「20世紀最大の発明」として歓迎され、世界中で使われるようになっていきました。【5】フロンは、まさに時代のフロンティア(最前線)でした。
日本では特に、精密機械の工場で、部品を洗うのに使われました。普通の水にはゴミやほこりが溶けこんでいるため、精密機械の工場では使えなかったのです。
【6】しかし、こんなに長所ばかりがあると思われたフロンに、意外な欠点があることがわかってきました。地球の上空にあるオゾン層を、フロンが破壊するということがわかってきたのです。
【7】フロンの長所である安定した性質が、逆に欠点にもなっていたのです。フロンは壊れにくく、ほかのものと反応もしないため、そのままガスとなって空気中に出て行きます。【8】そして空の高いところまで行くと、太陽の強力な紫外線によって初めて分解されることになります。そのときに、フロンから出た塩素がオゾン層を壊していくのです。∵
【9】オゾン層は、太陽の強力な紫外線から地球上の生き物を守っているバリアのようなものです。このバリアが壊されると、紫外線が地球上に降り注ぎ、生き物に大きな害を与えます。【0】こうして、ヒーローだったはずのフロンは、いつの間にか悪者(わるもの)になってしまいました。
しかし、人間が破壊したものは、人間の手によって修復できるはずです。オゾン層を破壊することは、人間にとってオーゾン(大損)ですから、今、世界中でオゾン層を守る対策が進められています。
「フロンさん、元気出してね。君が悪いわけじゃなく、たまたまオゾン君と仲が悪かっただけなんだから。」
「うん、フロン、がんばる。フロンでも(ころんでも)ただでは起きないわ。」
「そう。オゾン君も、だんだん元気が出てきたようだから。」
「オイゾンも、これからがんばって、紫外線からみんなを守るでごわす。」
フロー、フロー、オゾン!
言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(τ)