イバラ の山 8 月 4 週
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○じゆうなだいめい
★清書(せいしょ)
○世界に広がる蚊帳
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寝ようとしたら、ブーンという音がして、あわてて灯りをつけたことがありませんか。そして、小さな蚊がどこにいるか見つけようとしたことがあるでしょう。
日本では昔、蚊を防ぐために蚊帳という道具を使っていました。これは、一ミリメートルほどの細かい網でできている四角いテントのようなもので、部屋の中で四方から吊り下げるようになっています。網目が細かいので、蚊は中(なか)に入(はい)れませんが、涼しい風は通すことができます。昔の日本人は、蚊の多い暑い夏の夜を、蚊帳の中で風鈴の音を聞きながら涼しく過ごしたのです。
しかし、昭和の後期になると、殺虫剤や下水道が普及した結果、蚊自体が少なくなり、蚊帳は次第に使われなくなっていきました。
ところが、今、この蚊帳が再び注目されています。蚊帳は、電気も薬品も使わない点で、人間にも地球にももちろん蚊にも優しい道具だと考えられるようになってきたのです。
日本は、マラリヤの被害に悩まされるアフリカ諸国にたくさんの蚊帳を送っています。これによって多くの子供たちの命が助かっているそうです。日本ではほとんど使われることのなくなった蚊帳も、世界では大活躍をしているのです。日本人のこれからの役割は、より安くより安全な蚊帳を世界中に広めることではないでしょうカ。
「ブーン。」
「あ、蚊や。蚊帳に入ろう。」
「しまった。蚊帳に入られたカ。ヤーン。」
言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(α)