シオン2 の山 8 月 4 週
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○自由な題名
★清書(せいしょ)
○ナポレオンが広めた右側通行
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【1】ふだん、歩行者は、道路の右側を歩くことになっています。そして、自動車やバイクは左側通行です。ですから、日本で作られる自動車の大部分は、ハンドルが右についている右ハンドル車です。【2】しかし、外国から輸入された車は、ハンドルが左側についている左ハンドル車が多いのです。これは、外国では、車が日本とは逆の右側通行であることが多いからです。
【3】日本と同じ左側通行をしている国は、イギリス、アイルランド、オーストラリア、インド、南アフリカなど、かつてイギリスの植民地であった国か、イギリスと深い関係にあった国々です。【4】アジアでは日本のほか、タイやシンガポール、インドネシアなども左側通行ですが、全体として右側通行の国の方が多く、左側通行の国は世界の三分の一くらいです。
【5】イギリスや日本がなぜ左側通行なのかというと、これは昔、イギリスの騎士や日本の武士が、腰の左側に剣や刀を差していたため、すれ違うときにその剣や刀がぶつからないようにしたからではないかと言われています。
【6】日本は昔、道があまり整備されておらず、通行のルールもはっきりとは定まっていませんでした。しかし、明治政府がイギリスをお手本として社会の仕組みを整えていったため、ある時期から人も車も左側通行と定められました。【7】その後、人だけは、車と対面通行となる右側通行とするように変更されました。
不思議なことに、都会の人の流れを見ていると、誰が決めたわけでもないのに、自然と左側通行になっていることが多いようです。【8】これは、人間は右利きの人が多いため、右手で他人に対したいからではないかと言われています。
ヨーロッパでも、昔は左側通行がよく見られたようです。【9】しかし、ヨーロッパ全土を支配したナポレオンが、軍隊を右側通行と∵し、それを広めたため、ほとんどの国で右側通行が行われるようになりました。ナポレオンがどうして右側通行を好んだかというと、彼が実は左利きだったから、という説があります。
【0】ナポレオンの左利き説が正しいとすると、もしもナポレオンが大多数の人と同じ右利きだったら、世界にはイギリスや日本と同じ左側通行の国が多数を占めていたかもしれません。そうすれば、日本人である私たちが、海外旅行で車の流れにとまどうことはなかったでしょう。
ところで、船と飛行機は、安全性のために世界中で右側通行に統一されています。国によって通行の方法が違うと、国際航路で大混乱が起きてしまうからです。
言葉の森長(ちょう)文作成委員会 τ