ススキ の山 11 月 4 週
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◎自由な題名
★清書(せいしょ)
○食虫植物とは
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食虫植物とは、葉などで虫や小動物をつかまえて消化し、栄養分として吸収する植物のことです。食虫植物と言っても、しょっちゅう虫をつかまえているわけではありません。食虫植物も普通の植物と同じように、日光から栄養分を自分で作っているので、虫を食べなくても枯れることはないからです。ただ、育ちが少し悪くなることはあります。食虫植物は、世界には、五百種あまり、日本にも、二十種あまりが自生しています。数ある食虫植物の中から、ハエトリグサ、ウツボカズラ、モウセンゴケの三種類を紹介しましょう。
ハエトリグサの葉には、片側に三つずつ、合計六本の小さな毛が生えています。虫がこの毛に二回さわると、すぐに葉が閉じて虫をつかまえます。虫があたふたしているうちにふたが閉まってしまうわけです。なぜ二回さわるまで葉を閉じないかというと、一回だけでは虫が葉っぱのまん中に入っていないかもしれないからです。二回ならほとんど間違いなく虫が真ん中に入っているだろうというわけです。ハエトリグサは用心深い性格なのかもしれません。
葉を閉じてからもしばらくは、葉の中に虫が動ける隙間があります。しかし、虫をつかまえてから一日経つと、葉をぴたりと閉じて虫を押しつぶしてしまいます。そして、消化液を出して虫をどんどんとかしてしまいます。虫を完全にとかすまでには十日ぐらいかかります。その後、また葉を開いて、次の餌食となる虫を待つのです。
ウツボカズラのふくろにはふたがあります。このふたの裏やふくろの口のまわりから甘いミツを出して虫をおびきよせます。ふくろの表面はロウのようになっていてとてもすべりやすいので、虫たちがいくらもがいても徒労に終わってしまいます。ミツを目当てにやってきた虫たちは、結局は足をすべらせてふくろの中に落ちて∵しまいます。ふくろの下にはいつも消化液がたまっています。ウツボカズラは、ふくろの内側にあるぶつぶつから虫の栄養分を吸い取っています。一方的に栄養分を取るだけですから、物々交換とはいかないようです。ふくろについているふたですが、このふたは雨を防ぐためのもので、虫をつかまえた後も閉まりません。
モウセンゴケの仲間は、北極、南極、砂漠をのぞく、ほぼ世界中に分布しています。日本でも北から南までどこでもよく見ることができます。モウセンゴケの葉には腺毛が生えていて、その先からねばねばした液を出して虫を捕えます。赤い腺毛の先にねばねばがきらきらと光り、まるでダイヤモンドダストのようです。葉の上に虫がとまると、毛が素早く動きだします。毛だけでなく葉も虫をつつみこむように動き、虫をとかす消化液を出します。十時間もすると、葉は虫をくるくる巻きにして、ゼンマイのような姿になります。そして、消化液でとかされた虫の栄養分を吸い取り、その後、まるで何事もなかったようにまた葉を開いて次の虫を待ちます。「モウセンゴケ」とは名ばかりで、「もう、せん。」と言いながらも次々に虫をつかまえてしまうようです。
言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(Λ)