ススキ の山 12 月 4 週
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◎自由な題名
★清書(せいしょ)
○駄洒落とは
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駄洒落(ダジャレ)とは、音が同じかそっくりな言葉をならべて遊ぶ言葉遊びです。江戸中期の雑俳と呼ばれる短い詩のひとつと言われています。地口(じぐち)とも呼ばれます。この雑俳に詠われる内容は、みんなの知っている言葉や、芝居の有名なせりふをもとにした機知に富んだおもしろいことがらです。いろいろな言葉をよく知っていて、世の中のことに精通し、センスがよいと気の利いたじょうずなシャレができるのです。ですから、江戸時代では、シャレのうまい人を教養があるとみなしたようです。立派な庶民の文化だったわけです。地口(じぐち)に合った絵を行灯に描いて、秋のお祭りに使ったという「地口(じぐち)行灯」は、最近復活して関東地方のあちこちで、作られているようです。
しかし、正統派の俳人や文化人と言われる人たちの中には、ばかばかしいおふざけと見る人もあり、シャレに「駄」がつけられてしまったのです。もともとは「洗練されている」「洒落ていて趣がある」という意味だったシャレですが、つまらない・粗末な・でたらめといった意味を表す、不名誉な「駄」がつけられてしまいました。
さて、ダジャレにはどんなものがあるのでしょう。いろいろな種類がありますが、まずはちょっとした語呂合わせで作る「同じ読み方の言葉を使ったもの」。これには、「電話にはでんわ」、「アルミ缶の上にあるミカン」などがあります。全く同じ音なのに全然違うものを表しているという意外性のおもしろさがあります。ダジャレといえば、このようなものを思い浮かべる人も多いでしょう。少し発展させると、「とかげと影」「机にくっつく絵」「宝があったから」などができます。
次に、「似たような音を持つ言葉を使ったもの」があります。「とこやはどこや」「めじろのねじろ」「迷子の舞妓」などがそれにあたります。気軽にひょいと口をついて出るような軽いダジャレ∵です。少し無理があると、またそれがおもしろくなることもあります。
三つめは、ニつの言葉をくっつけて作ったやや上級編です。「布団がお山の方まで吹っ飛んだ!」「おやまぁ。」ちょっとしたストーリーができあがります。
さらに、一つの文にニつの意味をもたせるものがあります。「風林火山ない?」と「風鈴飾んない?」、「倒産か辛かったな」と「父さんカツラ買ったな」、「私と居てください」と「渡しといてください」などです。ダジャレのつもりでなく、口にして、「あれ、勘違い」ということもあるかもしれません。
江戸時代には文化だったダジャレですが、最近では若者たちに親父ギャグなどと呼ばれて、肩身のせまいところです。しかし、日本語独特の音のおもしろさ、言葉から広がるイメージなどを共有することで、場が和み、楽しい気分になるものです。ダジャレを最もよく言う層は、小学校高学年の男子と四十代以上のサラリーマンだそうです。語彙が増えて、ユーモアを解するようになったダジャレ入門者の小学生と、忙しい生活や仕事に疲れ、つかのまの癒しをダジャレに求めるダジャレ世代のお父さんたちというわけです。
欧米人は冗談が好きで、ユーモアとウィット(機知)に富んだ会話を楽しむ、とよく言われます。ユーモアのセンスというのは、言っている本人はもちろん、相手も楽しくなり、円滑な人間関係を結ぶ上で大変重要なものです。
ダジャレの特徴は、子供から大人までだれでも気軽に言えることです。「日本じゃだれでも、ダジャレを言える」となったら、ダジャレは日本の伝統文化の一つとして世界に誇れるものになるかもしれません。
言葉の森長文(ちょうぶん)作成委員会(φ)