1今から六億年くらい前の海には、クラゲやゴカイなどの仲間や三葉虫のような節足動物がくらしていました。体がたくさんの細胞で作られていると、体中の細胞を分裂させて自分の子孫を作るわけにはいかなくなります。2そこで、ひとつの細胞に自分の体のすべての情報を入れて、その細胞が情報にしたがって分裂していき、親と同じ形になるような方法で子孫を残すようになりました。これが卵のはじまりです。
3最初に生命が生まれたのは海の中でした。生物は長い間、海の中で進化をつづけ、最初の卵も海の中で生まれました。水中に産みつけられた卵は、まだかたい殻を持たず、やわらかいゼラチン質で中心の細胞を守っているだけでした。
4最初に陸に進出した生命は、藻や苔のような生物ですが、やがて、水辺からいろいろな生物が上陸していくようになりました。ゴカイやミミズの仲間、クモやサソリの仲間、カタツムリの仲間などが、水からはなれて陸上でくらすようになります。5クモやサソリの仲間からは、やがて昆虫もあらわれ世界中に広がりました。それら動物たちは、みんな体の中心に硬い骨がないので、無脊椎動物と呼ばれています。6水の中ではなく、陸で最初に卵を産むようになったのは、こうした無脊椎動物でした。空気中で乾燥しないように比較的硬い殻に守られた卵は、丸かったり細長かったり、いろいろな形をしていました。
7犬や猫や人間などの哺乳類は、脊椎動物と呼ばれ、体の中心に硬い骨格を持つ動物です。海の中で進化した魚の中から、やがて陸に上がるものが現われ、それらが今の地上の脊椎動物の祖先になったと考えられています。
8最初に陸に上がったのは、カエルなどの両生類でした。カエルは、陸上を歩き、肺で呼吸することができますが、体の乾燥には
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