1昔の人々は、明るい星を結んで星座を思い描きました。星座を作ったのは、シュメール人という説もありますが、一般的には、約五千年前、バビロニアの羊飼いたちによって、作られたのが最初と言われています。2初めのころは、十二星座でしたが、その後、四十八星座に増えました。
十七世紀に、オランダで望遠鏡が発明され、暗い星も観測できるようになると、四十八星座のすきまにも新しい星座が作られるようになりました。3そのころ、星を見つけるたびに、こんな会話が交わされたかもしれません。「新しい星を見つけたぞ。」「だめ。それは、おらンダ。」
それまでは、星座というと、北半球のものに限られていました。4しかし、今まで知られていなかった南半球の星座が紹介されるようになると、新星座作りのブームが起こりました。なぜ星座がたくさん作られたのかというと、二十世紀の初めまでは、星座を作ることに決まりがなく、誰でも簡単に作ることができたからです。5一時は百二十もの星座が作られたことがあり、あまりの多さに混乱が起きるようになってしまいました。そこで、二十世紀になってから、国際天文学連合によって、八十八の星座に統一され、星座の境界も定められることになりました。6現在、私たちが親しんでいる星座は、このときに定められたものです。
星座は、神話とともに紹介されることが多いため、西洋のものと思われがちですが、古代のインドや中国にも独自のものがあります。7中国の星座は、七、八世紀ごろ、日本にも伝えられたようで、日本では、明治時代に西洋の天文学が導入されるまで、ずっと中国の星座が使われてきました。
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