長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
1四月五日に、入学式がありました。ぼくは、朝からうれしくてたまりませんでした。どうしてかというと、早く一年生になりたかったからです。ぼくは、黒いランドセルを買ってもらいました。2家の中で何度もランドセルを背負って、鏡に映してみました。入学式に着る服は、お兄ちゃんのお下がりです。ぼくは、服はお下がりでも気にしないけれど、ランドセルがお下がりだったら嫌だなと思いました。
3ぼくが入学するのは、北小学校です。ぼくの家からは、歩いて十分くらいです。お母さんは、
「ちょっと、写真撮ろうよ。そこに立ってみて。」
と言って、ぼくを校門に立たせました。ぼくは、わざとサルのまねをして変な顔をしました。4お母さんは、ぷうっとふくれて、
「もう、なんでそんな変な顔するの。普通に、にっこりしてよ。」
と言いました。
ぼくがにっこりしてカメラの方を向くと、お母さんは、何枚も写真を撮りました。5七、八枚撮ったところでやっとお母さんは満足したようです。
六年生と手をつないで、体育館に入りました。六年生は体が大きくて、まるで大人のようです。
6「分からないことがあったら、ぼくたちに聞いてね。」
などと、いろいろなことを優しく教えてくれました。六年生は何でも知っているのだなと思いました。うしろを見てみると、お父さんやお母さんたちがたくさんいました。7ぼくは自分のお母さんの顔を探しました。なかなか見つからなくて、何度も振り返ってしまいました。何度目かに振り向いたとき、お母さんが手を振っているのが見えました。ぼくは少し安心しました。
|