一番めの長文は幼長の一~三月のものを再掲しています。
1夏の間、あんなにたくさん見かけたカエルは、冬にはまったく見かけなくなります。カメやヘビも、冬の間は見かけません。しかし、また春になると、姿を現すようになります。2カエルにしてもヘビにしても、あんなに毛がなくてつるつるの体では、さぞ冬には寒いことでしょう。それに、冬の間は、エサにする虫などの生きものもとても少なくなります。3それでは、こういう生物たちは、寒い冬をどうやってすごしているのでしょう。
じつは、カエルやカメやヘビなどは、冬の間、冬眠といって、地面の中や池の底、木の穴など、比較的暖かそうで安全な場所にかくれて寝ているのです。4カエルやヘビは変温動物といって、外の気温が下がってくると、自分の体温も同じように下がってしまいます。だから、冬になって気温が下がって活動できなくなると、冬眠してしまうのです。
5この冬眠の間は、体の中に蓄えたエネルギーを使って生きていますから、エサを食べる必要がありません。息さえしなくても大丈夫なものもいるといいますから驚きます。6息もせずに生きられるとはちょっと生意気ですね。こうして、まるで死んだように眠り続け、カエルのいなくなった世界は静まりかえるのです。
7春になり、外が暖かくなってくると、眠っているカエルたちの体もいっしょに温まり、体温が上がってきます。すると、カエルたちの体は再び活動を始め、「ああ、おなかがすいたなあ」と、外に出てきます。8そのころには、エサたちも冬眠から目覚めたり、新しく生まれたりしてたくさんいるので、おなかいっぱい食事をすることができます。
「眠れる森の美女」という、魔法使いに眠らされたお姫様の話があります。
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