a 長文 4.1週 ka
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 わたしのクラスでは、モルモットを二ひき飼っか ています。一年生のときからわたしたちのクラスにいます。一ぴき茶色ちゃいろ長いなが で、真っ黒ま くろな目をしています。名前なまえはココアです。もう一ぴきは、白くて短いみじか で赤い目をしています。名前なまえはミルクです。休み時間じかんになると、わたしは、いつもモルモットを見にいきます。毎日まいにち見ても飽きあ ません。
 今日きょうあさから雨でした。そと遊べあそ ないので、お昼休みひるやす あいだも、ずっとモルモットを見ていました。わたしは、どちらかというとココアが好きす です。ココアの茶色ちゃいろ長いなが がとてもきれいだからです。わたしがココアを見つめると、ココアもじっとわたしの目を見つめてきました。まん丸  まる真っ黒いま くろ 目に見つめられていると、少しすこ 照れくさくて    なります。
 わたしは、ときどきココアをそっと抱っこだ  して背中せなかをなでてあげます。それから、優しくやさ  耳の辺りあた をなでてあげます。すると、ココアは、「クックックックッ」とこえを出し、気持ち良きも よさそうに目をつぶります。そんなココアを見ると、わたしもうれしくなります。
 わたしは、ココアをきながら、
「かわいいね、ココア。」
と、こえをかけました。すると、となりにいたメイちゃんが、
「ミルクもかわいいよ。」
言いい ました。わたしが、
「メイちゃんは、ミルクのどこが好きす なの。」
聞くき と、メイちゃんは、
真っ白ま しろがきれいだもん。」
答えこた ました。
「そう。わたし一緒いっしょ茶色ちゃいろがきれいだからココアが好きす なんだ。」
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 そうして、わたしとメイちゃんは、かお見合わせみあ  てにっこりしました。
 ココアとミルクという名前なまえは、みんなで相談そうだんして決めき ました。女子はちゃんと名前なまえ呼んよ でいますが、男子の中には、決めき 名前なまえ呼ばよ ない子もいます。
「おい、ネズきち。」
などとふざけて言いい ながら、乱暴らんぼう持ち上げるも あ  子もいるので、少しすこ 心配しんぱいです。でも、ココアもミルクも全然ぜんぜん怒りおこ ません。まるで高いたか たかいをされている赤ちゃんのように、意外といがい 楽しいたの  のかもしれません。
 このあいだ、サツキちゃんが長井ながい先生に、
「男子は勝手かってにネズこうとかネズきちなんて呼ぶよ んです。」
と、文句もんく言いい ました。すると、長井ながい先生は、
「あらあら。かわいいモルモットなのにね。」
笑いわら ました。
 ココアとミルクは、わたしたちのクラスのアイドルです。わたしは、こんなかわいいモルモットを飼っか ているクラスは、ほかにはないだろうなあと思いおも ました。

言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)
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長文 4.1週 kaのつづき
 わたしたちは眠っねむ ているとき、レム睡眠すいみんという浅いあさ 眠りねむ と、ノンレム睡眠すいみんという深いふか 眠りねむ 繰り返しく かえ ています。「レム」というのは「目玉がよく動くうご 」という意味いみ英語えいご略語りゃくごで、「ノンレム」というのは、「目玉が動かうご ない」という意味いみです。レム睡眠すいみんのときにはわたしたちの身体しんたいは休んでいますが、のうはまだ活動かつどうしています。そして、ノンレム睡眠すいみんのときには、身体しんたいとともにのうも休んでいます。
 ゆめは、おもにこのレム睡眠すいみんのときに見ていると言わい れています。
 ゆめには、寝るね まえ考えかんが ていたことや、ているあいだ自分じぶん身体しんたい感じかん たことも影響えいきょうしているようです。ですから、テストのまえにはテストのゆめを見たり、トイレに行きい たいのを我慢がまんしているとトイレに行くい ゆめを見たりします。また、「自分じぶんでもどうしてこんなゆめを見たのかわからない」というようなへんゆめも、じつはこころおく隠さかく れているもう一つの自分じぶん現れあらわ ではないかと言わい れています。
 ゆめを見るのは、人間にんげんだけではありません。犬もゆめを見ます。犬のている様子ようすを見ていると、眠りねむ ながら、うなったり、しっぽをふったり、足を動かしうご  たりすることがよくあります。犬だけではなく、ある程度  ていどのう発達はったつした動物どうぶつには、このような現象げんしょう観察かんさつされるそうです。
 いま人間にんげんのう働きはたら 近いちか 能力のうりょく持っも 人工じんこう知能ちのう開発かいはつ進んすす でいます。のうはあまりにも複雑ふくざつなので、人工じんこう知能ちのう完全かんぜんのう代わりか  ができる日はそう簡単かんたんにはそうにありませんが、その研究けんきゅう一環いっかんとして、人工じんこう知能ちのうゆめを見させようという研究けんきゅうもあります。いろいろな画像がぞうその他  た刺激しげき与えあた て、それをゆめとして組み立てく た させようという試みこころ です。これは、科学かがく世界せかいでのゆめのあるはなしです。

 言葉ことばの森ちょう作成さくせい委員いいんかい τ
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a 長文 4.2週 ka
 水でっぽうをもったさかな――おもしろいてっぽううお――

「じろう、しゃげきのじょうずなさかなを知っし てるかい。」
 おとうさんがおっしゃいました。
「えっ、しゃげきのじょうずなさかな。そんなさかながいるの。」
「うん、いるんだよ。てっぽうをうって、むしをとるのさ。ただし、水でっぽうだ。水の中にいるさかなだからな。」
「どこにいるの。」
「日本じゃないよ。フィリピンとかミャンマー(ビルマ)とか、あついみなみのくにの川にいるのだよ。」
 みなさんも、こういうめずらしいさかながいることを、まだ知らし ないでしょうね。
 そのさかなは、ながさ十六センチくらいの、ちょっとたいににたさかなですが、口がいくらかつきだしています。
「おひるのおやつに、なにかおいしいものをさがしてこようかな。」
思うおも と、川のきしのほうを、すいすいとおよいでいきます。そして、くさや木のはにとまっている、むしをさがします。
 むしが見つかると、きゅうに水の上にあたまをだして、口のさきをむしのほうにさしむけ、水でっぽうをはなつのです。そのよくあたること。けっして、しっぱいしないそうです。
 むしは、たちまち川の中にころげおちます。そこを、ぱくりとたべてしまうのです。
 ですから、このさかなを、てっぽううおとよんでいます。
 てっぽううおは、どうしてこんなにじょうずに、水をふきだすことができるのでしょうね。
 みなさんは、さかなが、ほっぺたのところをぱくぱくうごかして、水をすったりはいたりするのを知っし ているでしょう。
 あのぱくぱくうごくところを、えらぶたといいますが、てっぽううおがえらぶたをとじて、水を口の中にすいこむときには、ちょうどインクをだしいれするスポイトのゴムのようなはたらきをするのだそうです。ですから、水がぴゅっといきおいよくとびでるのです。
 それから、このさかなのしたさきがたいへんうすくなっていて、したのさきをまるめると水をうちだすのにつごうのよいみぞができます。それで、まっすぐにねらったところへ水をとばすことができるのです。
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(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい
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a 長文 4.3週 ka
 さかなのめだまがひっこし――ひらめとかれい――

 みなさんは、かれいとひらめの目が、どこについているか、知っし ていますか。
 かれいの目は、二つとも、あたまの右がわについているし、ひらめは、二つとも、あたまの左がわについています。
 ところが、かれいもひらめも、こどものときはほかのさかなとおなじように、あたまの右と左に一つずつついているのです。それが、からだが大きくなると、いつのまにか、二つともかたほうによってしまうのです。
 ずいぶんおかしなことですね。
 なぜかというと、かれいもひらめも、おとなになると、ひらべったいからだのかたがわをぴったりうみのそこにつけていますから、一つの目が下になっていては、ぐあいがわるいのです。
 かれいは、左がわを下にして、よこになりますから、目が右がわのほうへひっこしをするのです。ひらめは、右がわを下にして、よこになりますから、目が左がわのほうへひっこしをするのです。
 なぜ、かれいとひらめとでは、はんたいがわに、目がひっこしをするかといいますと、それにはわけがあるのです。かれいは、からだの右がわが、うすぐろく、左がわがまっしろです。
 うみのそこで、うすぐろいほうを上にしていれば、すなのいろとおなじですから、じぶんをいじめるさかながやってきてもきづかれません。
 また、えさがそばへきたときは、つかまえるのに、ぐあいがいいからです。
 それとはんたいに、ひらめは、からだの左がわがうすぐろく、右がわがまっしろです。だから、うすぐろい左がわを上にしているのです。
 らいちょうのはねや、ほっきょくぎつねのが、まわりのゆきやめんのいろとおなじようにかわるおはなしを、まえにしましたが、ひらめやかれいは、はじめからからだのかたがわがすなのいろをしていて、そのほうを上に見せているのです。
 これも、やっぱりほごしょくの一つです。

(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい
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a 長文 4.4週 ka
長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
 地球ちきゅう表面ひょうめんの七わりうみです。りく地形ちけい簡単かんたんに見ることができますが、うみの中の地形ちけいは見ることができません。長いなが あいだ海底かいてい地形ちけいはなぞにつつまれていました。しかし、二十世紀せいきになって、深いふか うみの中を調べるしら  技術ぎじゅつ発達はったつしました。たとえば、うみそこ音波おんぱをぶつけて、はねかえってくる時間じかんのちがいから、うみふかさを測るはか 方法ほうほう考え出さかんが だ れたのです。こうして、しだいに海底かいてい姿すがたがわかってきました。
 海底かいてい地形ちけいを見ると、陸地りくち以上いじょうに大きな山やたにがたくさんあることに驚かさおどろ  れます。陸上りくじょう山脈さんみゃくとはまったくくらべものにならないほど、長いなが 山脈さんみゃく続いつづ ていたり、深いふか たになん本もきざまれている場所ばしょもあります。海底かいていは、山ありたにありなのです。なぜ、うみそこはこのような地形ちけいになっているのでしょう。
 地球ちきゅう中心ちゅうしんからは、いつも熱いあつ マグマが上昇じょうしょうしています。マグマは、地殻ちかく引き裂いひ さ 新しいあたら  海底かいてい作りつく ます。うみ山脈さんみゃく、つまり海嶺かいれいは、新しいあたら  海底かいていが生まれ出ている現場げんばです。またうみたに、つまり海溝かいこうは、海底かいてい地球ちきゅう中心ちゅうしん沈みしず こんでいる場所ばしょです。海嶺かいれい海溝かいこうも、たいへん地震じしん起きお やすい場所ばしょです。
 地球ちきゅう表面ひょうめんは、十まい以上いじょういた分かれわ  ており、それぞれが異なっこと  方向ほうこうにゆっくりと動いうご ています。そのスピードは、一年にすうセンチメートルほどです。海底かいてい陸地りくちも、このプレートと呼ばよ れるいたの上に乗っの 少しすこ ずつ動きうご ます。これをプレートテクトニクス理論りろん言いい ます。したをかみそうな名前なまえなので、テクトウ(適当てきとう)に読みよ たくなってしまいます。
 プレートがのプレートとぶつかる場所ばしょはどうなっているのでしょう。そこでは片方かたほうのプレートが新しくあたら  生まれ出ており、もう片方かたほうのプレートがその下に沈みしず こんでいます。海底かいていの山やたには、プレートが動くうご ときに大きな力がかかってできるきずのようなものです。
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まさに地球ちきゅうは生きているということがわかります。
 陸地りくち動いうご ているのではないかということを最初さいしょ考えかんが たのは、二十世紀せいき初めはじ のウェゲナーという人でした。かれは、世界せかい地図ちずを見ているとき、陸地りくちをはさみで切り取っき と てジグソーパズルのように合わせあ  てみると、ぴったり合うあ ことに気がついたのです。アフリカ大陸たいりく西にし南米なんべい大陸たいりくひがし海岸線かいがんせんなど、驚くおどろ ほどうまく重なりかさ  ます。このふとした思いつきおも   から、考え出さかんが だ れたのが大陸たいりく移動いどうせつです。大昔おおむかし地球ちきゅうにはパンゲア大陸たいりく呼ばよ れる一つの巨大きょだい大陸たいりくがあり、これがいくつかに分かれわ  移動いどうし、現在げんざいのようなたくさんの大陸たいりくになったという考え方かんが かたでした。
 しかしウェゲナーは、なぜ大陸たいりく分かれわ  動いうご ていったのかということまでは、うまく説明せつめいできませんでした。そのため、当時とうじ学者がくしゃたちは大陸たいりく移動いどうせつ疑問ぎもんをいだいていました。また、自分じぶんたちの生活せいかつ基盤きばんである大地だいち動くうご という考えかんが は、人々の反発はんぱつ買いか ました。ウェゲナーは化石かせき調査ちょうさなどを行ないおこ  、その証拠しょうこ示そしめ うとしましたが、グリーンランドを探検たんけん中に遭難そうなんしてしまいました。
 ウェゲナーの死後しご、いったんほろび去っさ たかに見えた大陸たいりく移動いどうせつは、プレートテクトニクス理論りろんとともに復活ふっかつすることになります。世界せかい地図ちずを見てふとひらめいた考えかんが が、すう十年のとき真実しんじつであるとわかったのです。
 ウェゲナーがいまも生きていれば、きっとうれしゲナーかおをしたでしょう。自分じぶんの正しかったことが証明しょうめいされて、ウェゲナーはうれしなきをしたかもしれません。「ウェーン。」

 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(κ)
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長文 4.4週 kaのつづき
 現代げんだい携帯けいたい電話でんわという便利べんりなものがありますが、むかし情報じょうほうひとつ運ぶはこ のも大変たいへんでした。手紙てがみにして、相手あいてのいるところにまでとどけなくてはなりません。もちろん荷物にもつ運ぶはこ トラックも鉄道てつどうもない時代じだいです。
 江戸えど時代じだい、このような郵便ゆうびん宅配たくはい便びん仕事しごとをしていたのが飛脚ひきゃくでした。戦乱せんらん世の中よ なかでは、各地かくち関所せきしょ置かお れ、みち自由じゆう通行つうこうすることができませんでした。しかし、江戸えど平和へいわ時代じだいになると、街道かいどう宿場しゅくば整備せいびされ、人やもの移動いどうがスムーズになったのです。
 飛脚ひきゃくのうちで、料金りょうきんがいちばん安いやす ものは、なん日で届けるとど  という保証ほしょうがないものでした。急ぐいそ ものや重いおも ものは値段ねだん高いたか というところはいま同じおな でした。
 飛脚ひきゃく頼むたの とき、近いちか ところだといまのお金ですう百円、江戸えどから大阪おおさかまでの最ももっと 速いはや 特急とっきゅう便びんだとすうまん円もかかったそうです。
 ところで、なぜうま使わつか なかったのか、という疑問ぎもんがわいてきます。理由りゆうとしては、当時とうじうまいま競走きょうそうのように速くはや なかったこと、遠距離えんきょり走れはし なかったこと、そして何よりなに  リレーしていくうま常につね 飼っか ておく費用ひようがかかりすぎたことなどが挙げあ られています。
 さて、これらの飛脚ひきゃく明治めいじ時代じだいに入って、イギリスから郵便ゆうびん制度せいど取り入れと い られたことにより、その役割やくわり終えお ました。郵便ゆうびんくにだけが行うおこな ようになり、切手きってをはるという仕組みしく もできました。江戸えど時代じだい飛脚ひきゃくたちが、いま高速こうそく情報じょうほう通信つうしん時代じだいたら、目を丸くまる することでしょう。もしかしたら、マラソン選手せんしゅになって、オリンピックで活躍かつやくするかもしれません。

 言葉ことばの森ちょう作成さくせい委員いいんかい α
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a 長文 5.1週 ka
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 ある日、おじいちゃんから電話でんわがありました。おじいちゃんは、
知っし てるか。今日きょうよる流れ星なが ぼしがいっぱい見られるんだぞ。」
教えおし てくれました。オリオン流星りゅうせいぐんというのだそうです。ぼくは、流れ星なが ぼしを見たことがありません。急いいそ お母さん かあ  言いい ました。
お母さん かあ  今日きょう流れ星なが ぼしが見られるんだって。」
 ぼくは、お兄ちゃんにい   にも知らし せました。それから、ぼくは、お母さん かあ  に、
中になったらぼくのこと起こしお  てね。お願い ねが 。」
頼みたの ました。お母さん かあ  は、
「いいねえ。じゃあ、起こすお  から必ずかなら 起きお てね。よる寒いさむ から、上着うわぎを出しておこうか。」
と、早速さっそく準備じゅんび始めはじ ました。
 その日のよる、ぼくは、お母さん かあ  からだ揺さぶらゆ   れて目を覚ましさ  ました。お母さん かあ  は、かお近づけるちか   と、
いま、すごく大きいのが流れなが たよ。」
言いい ました。ぼくはあわてて起き上がるお あ  と、そと飛び出しと だ ました。お母さん かあ  上着うわぎ持っも 追いかけお   てきました。ぼくたちは上着うわぎ羽織るはお と、レジャーシートの上にごろりとよこになりました。急いいそ よこになったので、ゴツンと地面じめんあたまをぶつけてしまいました。
「そんなにあせらなくて大丈夫だいじょうぶ。まだまだこれからだよ。ほら、あれがオリオンでしょう。オリオン辺りあた を見ていてごらん。あっという間に     ま 流れなが ちゃうから、ようく空を見ていてね。」
と、お母さん かあ  言いい ました。お母さん かあ  教えおし てくれたほうに目を向けるむ  と、小さなほしが三つ並んなら 光っひか ています。
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「ようし。いつでもこい。」
ぼくは気合いきあ を入れました。
 しかし、しばらく待ちま ましたが、なかなか見られません。おまけに少しすこ 寒くさむ なってきました。お母さん かあ  が、
「あたたかいココアでも入れてこようか。」
言いい ました。ぼくとお兄ちゃんにい   歓声かんせいをあげました。まるでぼくの気持ちきも 伝わっつた  たみたいでした。
 ちょうどココアを飲んの で空を見ていたときです。さあっと一つ、ほし流れなが ました。
「あっ!」
三人のこえ重なりかさ  ました。ぼくにとっては、初めてはじ  流れ星なが ぼしでした。ひかりは、あっという間に     ま 流れなが 消えき ました。
 そのよる、ぼくは、全部ぜんぶで五つの流れ星なが ぼしを見ました。願い事ねが ごとはできなかったけれど、ぼくは満足まんぞくしてベッドに入りました。

言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)
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長文 5.1週 kaのつづき
 とりのごうとう――いじわるなとうぞくかもめ――

 にんげんには、どろぼうやごうとうなど、ときどきわるいことをする人がいますね。
 ところが、とりにも、どろぼうやごうとうがいるといったら、きっとみなさんは、ふしぎに思うおも でしょう。
 とうぞくかもめという、うみのとりが、そうなのです。
 ほかのかもめやうみどりが、さかなをとってとびたとうとしますと、とうぞくかもめはいきなりとんでいって、
「おい、そのさかなをこっちへよこせ。」
とかなんとかいって、おどかすのです。
 すると、あいてのとりは、びっくりして、くわえたさかなをおとします。
 もしも、さかなをのみこんでしまったあとだったら、とりは、おなかの中から、むりにさかなをはきださせられます。
 そして、とうぞくかもめは、さかながうみにおちないうちに、うまくうけとめて、たべてしまうのです。
 また、ほかのとりが、木のえだをあつめてすをつくりますと、じぶんのすをつくるのに、そのえだをよこどりしにきます。
 すのまえで大きくはねをひろげてとびまわりながら、おどかすのです。とうぞくかもめは、ひじょうにさむいところにすんでいますが、ほっきょくのちかくにいるのと、なんきょくのちかくにいるのとでは、しゅるいがちがいます。
 日本のなんきょくかんそくたいがいったオングルとうのちかくにもとうぞくかもめがたくさんいました。
 いつもからふと犬をおそったり、ねこをねらったり、ときには、かんそくたいの人たちをおそったりしたそうです。にんげんにはとてもかなわないということを、知らし ないのですね。
 おかげで、かんそくたいの人たちは、とうぞくかもめをてっぽうでうちおとして、やきとりをつくり、大よろこびだったそうです。

(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい
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a 長文 5.2週 ka
 しぜんにできたいわのはし――にじのうきはし――
 
 山やうみにいきますと、ふしぎなかたちのいわが、たくさんあるのを、よく見ますね。
 アメリカのユタしゅうというところには、だれがつくったのでもない、しぜんにできた大きないわのはしが、たににまたがって、いくつもあります。
 これは、『にじのうきはし』とよばれていますが、たかさが八十五メートルもあって、まったく空ににじがかかったかと思わおも れるような、うつくしいかたちをしています。
 ちょっと見たのでは、まんなかからおれはしないかと思わおも れて、こわいようです。
 けれど、だいじょうぶです。うまにのってパカパカわたっている人があるくらいですから。
 こんなはしが、しぜんにできるなんて、じつにふしぎですね。
 このへんは、ひろいさばくで、つよいかぜがたえずいわにすなをふきつけます。それで、はじめはあたりまえのいわだったのが、すなかぜのためにだんだんやわらかいところがけずりとられて、ながいあいだに、それこそなんまんねんとたつうちに、とうとう、こんなかたちのいわができたのです。
 それにしても、かぜのちからは、つよいものですね。

(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい
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a 長文 5.3週 ka
 あたたかいゆきのいえ――イヌイット(エスキモー)のくらし――
 
 ゆきのいえがあたたかいなんて、ちょっとおかしいですね。
 そのゆきでつくられたいえは、ほっかいどうなどよりも、もっと、ずっときたのほうのさむいくににあるのです。
 ほっきょくにちかいアラスカというところにイヌイットという人たちがすんでいますが、このイヌイットたちが、ゆきでつくったいえの中で、くらしているのです。
 ゆきのいえをつくるには、まず、かたいゆきを四かくにきってまるいわのかたちにならべ、その上へだんだんつみかさねてつくります。
 ちょうど、おわんをふせたようなかたちにして、小さないりぐちを一つつけ、つみかさねたすきまをやわらかいゆきでふさいで、もうできあがりというわけです。
 つくりあげるのに、はんにちくらいしかかかりませんが、それでも、このゆきのいえは、たいへんじょうぶなのです。いりぐちが小さいので、そとのさむいかぜははいってこないし、中ではあざらしのあぶらをもやしますから、さむいことは、ありません。
 てんじょうに小さいあなをいくつかあけておいて、にごったくうきをだしたり、いえの中があたたかくなりすぎて、ゆきがとけないようにしてあります。イヌイットは、ふゆのあいだは、このゆきのいえですごして、なつになると、テントのいえでくらすのですが、ゆきのいえは、ふゆのあいだじゅうとけません。

(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい
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a 長文 5.4週 ka
長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
 わたしたちは、文字を使うつか ことで、自分じぶん意思いし相手あいて伝えるつた  ことができます。しかし、人類じんるい最初さいしょから文字を持っも ていたわけではありません。わたしたちの遠いとお 祖先そせんは文字を持たも ず、話し言葉はな ことば身ぶりみ  、手ぶり、音楽おんがく踊りおど まで使っつか て、意思いし伝えつた 合っあ ていました。
 文字が生まれる最初さいしょのきっかけは、ものかたちにかいたことでした。あるとき人間にんげんは、小さなをいくつもかいて、意思いし伝えるつた  ことを思いつきおも   ました。けれども、は人によって見方みかた異なること  ので、うまく伝わるつた  こともありますが、誤解ごかいされることも多かっおお  たことでしょう。また、いくら単純たんじゅんといっても、たくさんかくのはたいへんです。より簡単かんたんにかけるように、かたちはだんだん単純たんじゅんされていきました。
 最初さいしょの文字を発明はつめいしたのは、いまのイラクの南部なんぶ当時とうじはバビロニアとよばれていた地域ちいき住んす でいたシュメール人だと言わい れています。いまから五千年もまえのことです。シュメール人の文字は、簡単かんたんにした記号きごうのようなもので、その一つ一つに意味いみがありました。このような文字は、絵文字えもじとよばれています。絵文字えもじ使っつか 文章ぶんしょう書くか ためには、膨大ぼうだいかずの文字が必要ひつようです。これを使うつか のはたいへん難しくむずか  、またわかりにくいという欠点けってんがありました。
 そこで、それぞれの文字に意味いみ持たも せるのではなく、一つの文字に一つの音声おんせいをあてはめることを考えかんが た人々がいました。そうすれば、それほどたくさんの文字は必要ひつようなくなり、話し言葉はな ことばをそのまま写せるうつ  ようになるので、簡単かんたん使えるつか  ようになります。このような音だけを表すあらわ 文字を、表音ひょうおん文字といいます。文字は、どんどんから遠ざかりとお   単純たんじゅん記号きごうになっていきました。
 一つ一つの記号きごう意味いみ持つも 表意ひょうい文字は、絵文字えもじ象形しょうけい文字など、数多くかずおお ありましたが、どれもずっとむかし使わつか れなくなって
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しまいました。しかし、いまでも使わつか れている表意ひょうい文字があります。それは漢字かんじです。中国ちゅうごくには、多くおお の文学作品さくひん宗教しゅうきょう書物しょもつがあり、漢字かんじは、むかしからそれほど変わらか  ないかたち受けう つがれてきました。
 日本語にほんごには、表意ひょうい文字である漢字かんじと、表音ひょうおん文字のひらがな、カタカナがあり、それらを混ぜま て文を書き表しか あらわ ます。これは、世界せかい言語げんごの中でも特殊とくしゅで、外国がいこく人から見ると、たいへん難しいむずか  言語げんごです。
 大昔おおむかし、日本には文字がありませんでした。日本人が初めてはじ  使っつか た文字は、中国ちゅうごくから伝わっつた  漢字かんじです。最初さいしょは、話し言葉はな ことば日本語にほんご書くか 文章ぶんしょう中国ちゅうごく漢文かんぶんという状態じょうたいでした。漢字かんじばかりの漢文かんぶんは、多くおお の日本人にとってちんぷんかんぷん(漢文かんぶん)だったことでしょう。
 その後  ご漢字かんじ意味いみ無視むしして、読みよ だけを日本語にほんごの音にあてはめた万葉仮名まんようがな作らつく れました。これによって、話し言葉はな ことばを文字で表記ひょうきできるようになりました。さらに、漢字かんじかたちをくずして、一文字に一つ音をあてはめたひらがなができました。また、漢字かんじ一部分いちぶぶんをとったり、簡単かんたんかたちにしたりすることによって、カタカナも作らつく れました。
 現在げんざいでは、漢字かんじとかなをまぜて、自由じゆうに文を書き表すか あらわ ことができます。ひらがなの五十音だけで、文章ぶんしょうをつづることもできるし、どの言葉ことば漢字かんじ表すあらわ かは、書くか 人の好みこの 決めるき  ことができます。これは、日本語にほんご表記ひょうきのすばらしい特徴とくちょう言えい るでしょう。
 ただ、面倒めんどうだからといって、すべてひらがなで書くか と、思わおも 誤解ごかい招くまね ことがあるので注意ちゅういしましょう。たとえば、つぎの文はどのように読めるよ  でしょうか。「ははははははとわらった」(はははハハハと笑っわら た・ハハハハハハと笑っわら た)、「きのうおかあさんとぱんつくった」(パン作っつく た・パンツ食っく た) 長文ちょうぶん(κ)
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長文 5.4週 kaのつづき
 湿っしめ た水のあるところが好きす です。遠くとお からでも人の体温たいおんあせからでる水分すいぶん感じかん てよってきます。そして、ちくりと刺しさ ます。ですから、は「この人はおいしくなさそうだから、あっちの人にしよう」と人をみて刺すさ のではありません。体温たいおん高いたか 人、あせかきの人のほうが標的ひょうてきにされるのです。また、スポーツをしてあせをかいたあとやお風呂ふろあがりでからだがほてっているときなどは、刺ささ れやすくなります。
 をすうたまご持っも たメスだけです。メスでも、たまご持っも ていないときは、花のみつ果物くだものしるなどを食物しょくもつとしています。
 が一かい吸うす 血液けつえきりょうは、体重たいじゅうの二ばいぐらいです。そのため、血液けつえきをたっぷり吸うす と、よたよたして飛びと かた遅くおそ なることがあります。
 たっぷり吸っす は、四、五日たつとすうたまご産みう ます。たまごはボウフラからサナギになり、やがて成虫せいちゅうになります。たまごから成虫せいちゅうになるまで十日ほどですから、なつあいだ次々つぎつぎが生まれてくるのです。
 天敵てんてきには、トンボやツバメやコウモリがいます。ツバメは、一日ですう百からすう千の食べた ます。なつの空をトンボやツバメが飛んと でいるときは、捕まえつか  ているのです。

 言葉ことばの森ちょう作成さくせい委員いいんかい β
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a 長文 6.1週 ka
長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
 日曜日にちようびのことです。お父さん とう  が、
「ちょっと背中せなか踏んふ で。」
言いい ました。わたしは、時々ときどきお父さん とう  背中せなか踏んふ であげます。手でマッサージをするよりも、わたし踏むふ ほう気持ちきも がいいのだそうです。わたしが手でマッサージをしても、お父さん とう  にとっては物足りないものた   のでしょう。
 わたしは、靴下くつした脱ぐぬ と、
「うん、いいよ。」
言いい ました。どうしてかというと、靴下くつした履いは ていると滑りすべ やすいからです。
お父さん とう  乗るの よ。」
こえをかけて、右足から背中せなか乗りの ました。そして、お父さん とう  背中せなかの上でゆっくりと足踏みあしぶ をしました。
「ううん。気持ちいいきも   なあ。」
お父さん とう  は、うつぶせになったままこえを出しました。
 背中せなかの上は、バランスをとって足踏みあしぶ をするのが少しすこ 難しいむずか  です。それも、同じおな ところだけでなく、背中せなか全体ぜんたい踏まふ なくてはなりません。足のうら全体ぜんたい優しくやさ  踏むふ のは、少しすこ コツが要りい ます。
 わたしは、
もう少し  すこ 強くつよ 踏んふ でもいい。」
聞きき ました。お父さん とう  は、
「うん。思い切りおも き 踏んふ でいいよ。」
答えこた ました。わたしは、少しすこ 力を入れて踏みふ 始めはじ ました。
 お父さん とう  仕事しごとは、からだをたくさん動かすうご  仕事しごとです。重いおも ものを運ぶはこ こともあるので、大変たいへんなのだと思いおも ます。お父さん とう  は、いつも元気げんき働いはたら ているので、日曜日にちようびにはたっぷり休んでほしいと思いおも ました。
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 わたしがしばらく踏んふ でいると、お父さん とう  気持ちよきも  さそうに居眠りいねむ のふりを始めはじ ました。わたしは、ふざけて、もっと強くつよ 踏み出しふ だ ました。
 お父さん とう  背中せなかは、広くひろ 厚みあつ があって、まるで小さなおかのようです。わたしは、いつの間にか   ま  お父さん とう  背中せなかの上にいることを忘れわす て、おかの上で行進こうしんしているような気持ちきも になってきました。
 お父さん とう  は、しばらくたふりをしていましたが、突然とつぜん
「いたたた。踏みふ かたつよすぎる。」
言っい 起き上がりお あ  ました。わたしは、むかしお母さん かあ  にやってもらったように、
痛いいた の、痛いいた の、飛んと でけえ。」
言っい てあげました。
 すると、お父さん とう  は、にっこりして、
「よし、元気げんきになったから、どこかに遊びあそ 行こい う。」
言いい ました。わたしはうれしくて、お父さん とう  飛びつきと   ました。

言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい ω)
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長文 6.1週 kaのつづき
 およげなくてもしずまないみずうみ――ふしぎな死海しかい――

 死海しかいでは、なぜからだがしずまないのか、そのわけをおはなししましょう。
 ふつう、みずうみは、うみとちがって、ま水(しおけのない水)のわけです。ところが、この死海しかいは、うみの水よりも、もっとしおからいのです。六ばいもしおけがおおいのです。
 みなさんは、ま水の川や、プールよりも、しおけのあるうみのほうが、よくおよげるということを、知っし ているでしょう。
 だから、うみよりもしおけのおおい死海しかいでは、からだがうきあがってしまうのです。
 それでは、ふつうのみずうみはま水なのに、この死海しかいは、なぜそんなにたくさんのしおけをふくんでいるのでしょうか。
 それは、こういうわけです。
 この死海しかいのあるところは、とちがひくくて、うみより四百メートルもひくいのです。
 ですから、たくさんの川が、みんなこのみずうみにながれこんでいます。
 ところで、このへんのとちは、しぜんのしおをふくんでいますので、川の水がすこしずつしおを死海しかいにはこんでいるのです。ところが死海しかいからは、どこへも水がながれていきません。そのかわり、つよいたいようにてらされて、水だけがどんどんじょうはつしますから、しおがみずうみにのこって、だんだんしおけがこくなったのです。
 さて、にんげんがしねないのに死海しかいというなまえがついているわけをおはなししましょう。
 にんげんはしねないけれど、このみずうみには、さかながすんでいないのです。しおからすぎて、さかながすめないのです。
 さかなをはなしてやっても、みんなしんでしまいます。
 にんげんだって、水におぼれることはありませんが、あまりながく、このみずうみにはいっていると、からだのひふがぴりぴりしてきて、たいへんなことになります。それで、死海しかいというのです。

(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい
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a 長文 6.2週 ka
 さばくのかいぶつ――サボテンのいろいろ――

 アメリカのアリゾナしゅうとかメキシコへいきますと、やけるようにあついさばくの中に、きみょうなすがたをしたしょくぶつが、にょきにょきとはえています。
 まるで、かいぶつが手をつきだして、おどっているように見えるのです。
 ところで、このかいぶつのからだは、水でいっぱいなのです。
 どこか、くきのところをきりとって、しぼってみますと、おいしい水がとれるのです。
 水のないさばくをりょこうする人たちは、このサボテンの水をのんで大だすかりをします。
 ところが、このたかいくきのてっぺんに、すをつくるとりがあるから、おもしろいではありませんか。
 サボテンふくろうというとりで、ふくろうのうちでも、いちばん小さいとりです。すずめぐらいしかありません。こんなたかいところの、とげだらけの中にいればあんぜんだと、すましています。
 このサボテンふくろうはちゃっかりもので、そのすも、じつは、きつつきがすんだことのある、あきやのあなをしっけいしているのです。
 サボテンには、四千いじょうのしゅるいがありますが、どれも、はもえだもない、くきばかりのしょくぶつで、からだにいっぱいとげがはえています。
 ずいぶんかわったすがたのしょくぶつですがこれでなくては、さばくのようなところではそだたないのです。
 さばくは雨のすくないところで、めんも、水けのないすなか、いわばかりのところです。
 ですから、サボテンは、からだぜんたいに、水けをいっぱいふくんでいるのです。
 はっぱがないのにも、わけがあります。はっぱがあると、そこからすいぶんをどんどんはきだしてしまいますから、いくらくきが水をたくさんもっていても、たちまちすいぶんがなくなって、かれてしまうのです。
 そこで、はっぱは、ほそいとげにかわって、やたらとすいぶんをそとにはきださないようになってしまったのです。

(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい
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a 長文 6.3週 ka
 せかい一のふねをしずめたうみのかいぶつ――おそろしい氷山ひょうざん――

 みなさんは、うみの水がこおって、氷山ひょうざんができたと思うおも かもしれませんが、そうではありません。
 うみの水は、あつさ三メートルくらいまではこおりますが、それからさきはこおりません。
 そのわけは、こおりがはると、その下の水はひえませんし、まして、しおけのあるうみの水は、こおりにくいからです。
 氷山ひょうざんは、なんきょくやほっきょくのりくちをおおっているこおりが、だんだんすべりおちてきてうみにうかんだものなのです。
 ところで、なんきょくの氷山ひょうざんとほっきょくの氷山ひょうざんのかたちを、よくくらべて見てください。なんきょくのほうは、上がたいらで、テーブルのようにひろいでしょう。
 ほっきょくのほうは、てっぺんが、山のようにとがっています。これは、ほっきょくの氷山ひょうざんは、ほとんどがグリーンランドというしまの、ふかいたにまをうずめていたこおりが、うみにすべりおちてできたものだから、たかくて、とがっているのです。
 また、なんきょくの氷山ひょうざんは、ひろいたいりくをおおっていた、たいらなこおりが、うみにうかんだものだから、ひくくて、たいらなかたちをしているのです。

(「世界せかいふしぎめぐり二年生」より抜粋ばっすい
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a 長文 6.4週 ka
長文が二つある場合、読解問題用の長文は一番目の長文です。
 アメリカ大陸    たいりくでは、ヨーロッパの人が移住いじゅうするまえから、独自どくじ文明ぶんめい発達はったつしていました。マヤ文明ぶんめいは、いまから二千年以上いじょうまえに、中央ちゅうおうアメリカのユカタン半島はんとう中心ちゅうしんにおこり、長いなが あいだ栄えさか た、たいへん高度こうど文明ぶんめいです。古代こだいマヤ人は、ジャングルの中にピラミッドを建てた 、マヤ文字をきざんだ石碑せきひ建てた 、いくつもの王国おうこく作りつく ました。しかし、この文明ぶんめい突然とつぜん滅んほろ でしまったのです。マヤ文明ぶんめい滅亡めつぼうは、人類じんるい歴史れきしの中でも、大きななぞの一つです。
 だれ読むよ ことができなくなっていたマヤ文字は、「ユカタン事物じぶつ」という本の発見はっけんをきっかけに、解読かいどく進みすす ました。この本は、マヤ人にキリスト教    きょう広めひろ たランダ神父しんぷが十六世紀せいき書いか たもので、マヤ文字を写しうつ とり、説明せつめい文が書きか 加えくわ られていました。マヤ文字は、ひらがなやアルファベットとはかなり異なっこと  たものでした。人や動物どうぶつかお記号きごう組み合わさく あ  れたもので、どちらかと言うい 漢字かんじ近いちか 文字だと考えかんが られます。
 「ユカタン事物じぶつ」には、マヤの複雑ふくざつこよみについても、くわしい説明せつめいがありました。この本のおかげで、マヤ人がどれほど精密せいみつこよみ持っも ていたかが、明らかあき  になりました。彼らかれ は、天文学にとてもよく通じつう ていました。金星きんせい公転こうてん正確せいかく計算けいさんしたり、日食にっしょく予測よそくすることもできたのです。さらに、後世こうせい研究者けんきゅうしゃたちを驚かおどろ せたことがありました。それは、マヤの数学すうがくです。彼らかれ は、ゼロを発明はつめいしていたことがわかっています。ギリシャやローマのように高度こうど文明ぶんめいをのこした民族みんぞくでも、ゼロという概念がいねん持っも ていなかったことを考えるかんが  と、驚くおどろ べきことです。ただ、ゼロという概念がいねんがないと、テストで零点れいてん取っと 叱らしか れることがないのは、よいかもしれません。
 マヤ人の生活せいかつ知るし 上で、重要じゅうようなのは宗教しゅうきょうです。彼らかれ のあらゆる行動こうどうは、宗教しゅうきょうぬきには語るかた ことができません。その儀式ぎしきの中に
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は、いまわたしたちから見ると、残酷ざんこくでばかげているように見えるものもあります。たとえば、いけにえの儀式ぎしきです。当時とうじのマヤ人にとって、いけにえは、神様かみさま願いごとねが   をするために、なくてはならないものでした。たいていの場合ばあい、いけにえにされる人も、合意ごういの上だったようです。「ユカタン事物じぶつ」を書いか たランダ神父しんぷは、この儀式ぎしきをやめさせるため、裁判さいばん行いおこな かみぞうをこわし、二度とにど くり返さかえ ないことを人々にちかわせたといいます。
 マヤ文明ぶんめいは、なぜ突然とつぜんほろんだのでしょう。それには、いくつかのせつがあります。土地とちがやせて、農業のうぎょう続けつづ られなくなり、豊かゆた 土地とちを見つけるために遠くとお 離れるはな  必要ひつようがあったというせつや、民衆みんしゅうが、王様おうさま貴族きぞくなどの階級かいきゅう不満ふまん持ちも 暴動ぼうどう起しおこ たというせつもあります。また、大規模きぼ飢饉ききん伝染病でんせんびょうによって、おとろえていったという考えかんが もありますが、いずれにしてもはっきりしたことはわかっていません。
 のちに、この地域ちいきはスペイン人によって征服せいふくされましたが、スペイン人がマヤ人の領域りょういきにやってきたとき、マヤ人たちは、自分じぶんたちの過去かこのことについて、なに思い出すおも だ ことができなかったそうです。征服せいふくされたあと、マヤ人たちは、もうピラミッドや石碑せきひ建てるた  ことはなくなりましたが、マヤ文化ぶんかいまでも生き残っい のこ ています。マヤの子孫しそんの中には、いま古代こだいマヤ人が話しはな ていたマヤ話すはな 人々がいます。また、衣装いしょう使わつか れる模様もようには、石碑せきひ彫らほ れた模様もようとよくているものもあります。
 耳をすますと、古代こだいマヤ人たちのこえ聞こえき  てくるようです。
むかしはユカッタンだけど、などと言っい ていないで、マヤ文明ぶんめい見直すみなお のは、いマヤ。」

 言葉ことばの森長文ちょうぶん作成さくせい委員いいんかい(κ)
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長文 6.4週 kaのつづき
 好きす なことを仕事しごとにしている人は幸せしあわ だといわれています。しかし、「好きす 」ということばは少しすこ あいまいです。嫌いきら ではない」から始まっはじ  て「これがないと生きていけない」にいたるまで、幅広いはばひろ 範囲はんい言葉ことばだからです。
 好きす なことを見つけて、仕事しごとにする」というのは理想りそうてきなことのように見えますが、人生を支えささ てくれるほどの「好きす なこと」はそう簡単かんたんには見つかりません。好きす なこと」というのはレストランのメニューのようにたくさん並んなら でいる中から選ぶえら のとは違うちが のです。
 好きす なこと」は見つけるというより、「出合うであ 」ものなのかもしれません。「自分じぶんには好きす なことがない」という人でも、がっかりすることはありません。好きす なことがこの世の中よ なかにないのではなく、まだそれに出合っであ てないだけだからです。
 現在げんざい社会しゃかいでは多くおお 職業しょくぎょうがあります。十年まえにはなかった新しいあたら  仕事しごとも生まれています。例えばたと  、インターネットのウェブデザイナーという仕事しごとは、むかし存在そんざいしませんでした。
 自分じぶん好きす なことを探しさが ながら生きていると、やがて、その好きす なことが仕事しごと結びついむす   て目のまえ現れあらわ てくるでしょう。いい「出合いであ 」をするためには、好奇こうきしんのアンテナをいつも張りめぐらせは     ておくことが大切たいせつです。

 言葉ことばの森ちょう作成さくせい委員いいんかい β
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