1「あれ、まだ誰も起きていないのかな。」
今日は、お父さんとザリガニとりに行く約束をしています。だから、ぼくは早起きをしました。ぼくが起きたとき、お父さんはまだ寝ていたので、
「早く起きなさい。遅刻しますよ。」
と、いつものお母さんのせりふをまねて、お父さんを起こしました。2朝ごはんを食べているときも、頭の中は、ザリガニとりのことでいっぱいでした。
さあ、いよいよ出発です。ぼくが先頭に立って歩きました。ザリガニがいる川までは、歩いて二十分くらいかかります。太陽が照りつけ、汗がにじみ出てきます。3ぼくは、ずんずん歩きました。川には誰もいなかったので、早く来てよかったと思いました。お父さんは、
「水がよどんでいるところにいるんだよ。」
と言いながら、ザリガニが潜んでいそうな場所を探します。4お父さんは、大きな石がごろごろしているところを見つけると、大きな網で何度も川底をすくいました。でも、全然とれません。何度やっても、網には、ごみのようなものがくっついてくるだけです。
5仕方がないので、場所を変えてみました。今度は、大きな水たまりのようなところです。網ですくうと、ヘドロのようなものの中に何かが動いています。ぼくは、思わず、
「あ、いたいた。」
と叫びました。小さなザリガニがピチピチと動いています。6元気のいいザリガニが何匹か網にかかっていたのです。ぼくもやってみたくなって、網でヘドロをすくってみました。思ったより重くて、網を引き上げるのが大変でしたが、網の中をよく見てみると、三匹
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