1「今日は十五夜だから、お団子作ろうか。」
朝ごはんのあとで、お母さんが言いました。私は、大きな声で、
「うん、作ろう。作ろう。」
と騒ぎました。お母さんは、にっこりしながら、
「じゃあ、材料用意しておくから、今日は遊ぶ約束をしないでね。」
と言いました。
2私は、小さいころから何回もお団子を作ったことがあります。私はお団子作りが大好きです。こねた生地を手の平でころころと丸めます。まるで粘土遊びのようです。粘土と違うのは、お団子の方がおいしそうな匂いがするところです。3お母さんはゆでてからでないと食べられないと言うのですが、いつも、こっそり一口だけかじってみたくなります。
家に帰ると、すぐにお団子作りに取りかかりました。お母さんが用意してくれていたお団子の粉と水を混ぜます。
4「ゆっくり混ぜないと、はねるから気をつけて。」
と注意されたので、なるべく丁寧に気をつけてかき混ぜました。だんだん粘土のようにまとまってきました。お母さんは、
「どれどれ、ちょっと見せて。」
と、少しつまむと、
「耳たぶくらいの柔らかさになったかな。5うん、いいんじゃない。もう丸めていいよ。」
と言いました。そんなときのお母さんは、てきぱきしていて、まるで学校の先生のようだなと思います。生地をむにゅっと取って、ピンポン玉くらいの大きさに丸めていきます。お供えにするのは十五個です。
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