長文が二つある場合、音読の練習はどちらか一つで可。
1「また、止まってる。」
お母さんが部屋に入ってきました。二年生のときの絵や作文、写真などがいろいろなところから出てくるたび、私は片付けの手を止めてしまいます。
2「ちょっと思い出にひたっていただけ。」
と言い訳をしましたが、机の上には、たくさんのプリントや本や教科書が山のようになっています。
「思い出もいいけれど、これじゃあ夜までかかっても終わらないわよ。」
3「大丈夫、大丈夫。ちゃんと終わるって。」
「そう。桃子おばちゃんたちとお食事に行くから早く終えてね。」
春休みなので、親せきの桃子おばちゃんたちと夕飯を食べに行く約束をしています。4それも、私の大好きなイタリアンだというではありませんか。もし、終わらなくて、行けなくなったら大変です。私は急に心配になって、次々と要らなそうなプリントをゴミ箱に捨て始めました。
5すると、プリントにまじって、クラスのひとみちゃんがかいたイラストが出てきました。ひとみちゃんは、絵が上手で、いつもアニメの主人公などをかいてくれるのです。うまいなあ。あっ、また手が止まった。6私は、はっとして、片付けを続けました。教科書をまとめて壁の本棚に移し、ノートは押入れの中に入れました。テストは百点のと九十点のを上にして、箱にしまいました。
机の上の山がだいぶ片付いてくると、今度は細かいものが目につき始めました。7下の方が欠けてしまったキラキラの鉛筆のキャップや、切れてしまったうさぎのヘアゴム、キティちゃんのメモの切れはし。どうしてこんなものをとってあったのだろうというものばかりです。8まったく、要らないものはちゃんと捨ててよね、と自分に言いたくなりました。
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