1オリンピックのメダルが一位から順に金、銀、銅でできているように、金は大昔から、とても人気のある金属でした。なにしろ他の薬品におかされず、やわらかくてコインやアクセサリーにも加工しやすく、そして何より美しかったからです。2しかし、金は、一トンの金鉱石の中から、わずか三グラムから五グラムくらいしか取れないという貴重なものです。
今から八百年くらい昔、ヨーロッパの人々は、珍しい食べ物や宝物を求めて、まだ知られていない海の向こうの国々へと出かけていきました。3その中の一人、マルコ・ポーロは、旅の途中で見聞きしたことを集め、のちに『東方見聞録』という本を出しました。その中で、東洋には「ジパング」という名前の「黄金の国」がある、と書きました。
4この「ジパング」というのは、実は日本のことで、日本の英語名である「ジャパン」はこれに由来しています。マルコ・ポーロ自身は、実際に日本を訪れたことはなく、中国で聞いた話として書いただけでした。5しかし、この本に「ジパングにはものすごい量の黄金があり、国王の宮殿はすべて金でできている」と書かれていたため、コロンブスも、この黄金の国を求めて船出したのではないかと言われています。
6ヨーロッパの人が夢見た「黄金の国」ほどではありませんが、日本にはかつて佐渡や鴻之舞など、とてもりっぱな金鉱山があり、貴重な金がたくさんとれていました。しかし、これらの鉱山もやがて掘り尽くされ、今ではそれほどたくさんの金をとることはできません。
7そこで、最近注目されているのが、「都市鉱山」と言われるものです。実は、パソコンや携帯電話、液晶テレビなどの中には、「レアメタル」と呼ばれる貴重な金属が、少量ずつですが使われています。8その中にはもちろん、金もあります。ですか
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