言葉の森新聞
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記述式問題の書き方
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音読・暗唱という方法
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父母の声
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作文小論文の自動採点ソフト(その3)
言葉の森新聞
2003年12月3週号 通算第824号
文責 中根克明(森川林)
http://www.mori7.com/mori/
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記述式問題の書き方
150字〜200字程度の記述式の問題の書き方で質問がありました。
ひとまとまりの文章が書ける長さは150字から200字ぐらいです。1文の平均を50字と考えて、3文か4文でまとめるつもりで書くと書きやすいと思います。
文末は常体で書く方が一般的ですが、手紙のような内容のものは敬体の方が自然です。
感想は、基本的に与えられたテーマに対する賛成意見で書いていきます。ただし、「私もそう思う」という書き方ではなく、自分の言葉に直して「私は……だと思う」と書いていきます。意見の書き方は、「……がよい」「……べきだ」「……が問題だ」のような形になります。
意見を書いたあとの展開部分は、実例、理由、方法などの形で書いていきます。
否定的な意見や実例は、文章の力を弱める傾向があります。「私は、読書をしないのはいけないと思う。私の友達は漫画ばかり読んでいる。」と書いていくよりも、「私は読書をするのはいいことだと思う。私の友達で本の好きな人がいる。」と書いていく方が、力のある文章になります。
結びには必ず反対意見に対する理解を入れます。「確かにBということもわかるが、私はAがよいと思う」というまとめ方です。結びの意見は、書き出しの意見に対応させます。余裕があれば、「人間は……だ」という一般化した書き方を入れていきます。更に余裕があれば、「○○はAではなくBである」という形で光る表現を入れていきましょう。
【例:読書についてあなたの考えを書きなさい】
私は、もっと本を読むべきだと思う。
そのためには、学校などで読書の時間を設けることも一つの方法だ。私の学校でも朝読書の時間ができてから本を読む人が多くなった。
確かに、本を読むだけでなく実際に行動することも大切だ。しかし、読書は人間の幅を広げると私は思う。
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音読・暗唱という方法
最近、音読や暗唱という勉強法を取り入れるところが増えてきました。
言葉の森の音読・暗唱という自習方法は、貝原益軒の和俗童子訓の現代的解釈に基づいて、言葉の森が独自に考案したものです。
その特徴は、現代語の文章を暗唱できるぐらい反復して音読するという方法です。よく寿限無(じゅげむ)でも何でもいいから何しろ音読することが頭をよくするという人がいます。それはそれでかまいませんが、言葉の森の考えている音読は、自分が文章を書く際に生かせるような文章の音読です。
また、教科書の音読を宿題にする学校も増えていますが、ただ音読するだけでなく、暗唱できるぐらい反復して音読することが大切です。
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父母の声
父母の皆様からのアンケートをご紹介します。これらのアンケートは、「父母の広場」に掲載されています。
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地道な勉強だが、子供の成長を楽しみに 小4父母
入会して1ヶ月なので、親子共々与えられた課題をこなしているだけで精一杯です。
先生とのつながりを少しずつ深めていき、もっとリラックスして会話ができるといいと思います。
他のお友達との仲間意識・刺激があると、取り組みも変わっていくと思います。
地道な勉強ですが、今は子供の成長を楽しみにしています。
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生徒どうしの交流も 言葉の森より
通信の生徒が多い教室ですが、できるだけ生徒どうしや先生との交流ができるようにしていきたいと思います。ずっと前に行っていたサマーキャンプも、復活させたいと思っています。
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内容豊富な長文集がとてもいい 小2父母
先生の優しい語りかけ、丁寧で具体的な添削に深く感謝しています。
4月に始めたころは、なかなか書けませんでしたが、最近は自分で考えて書けるようになってきました。時間を追って書くことも、前はできませんでしたが、今は思い出して順番に書けるようになってきました。
長文音読は、いろいろな内容のものがあって、とてもいいと思います。「てっぽううお」を読んでいたころ、水族館で実物を見つけ、大喜びしました。「一の谷」を読んで、図書館で「源平合戦物語絵巻」を借り、親子で楽しんだり、手塚治虫の「火の鳥」の中に「一の谷」を見つけたりもしました。繰り返し同じ文章を読むので、内容も頭の中に残っているようです。長文集は、親にとっても勉強になりますし、読書の幅を広げるヒントも与えてくれます。
また、言葉の森新聞は毎号楽しみにしています。勉強の仕方などとても参考になります。
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ノンフィクションの本を中心に 言葉の森より
子供向けの本というと、どうしても物語の本が多くなりがちですが、ノンフィクションには、物語にはない長所があります。それは、現実の世界との結びつきがあるので、読書によって現実の見方が深まり、逆に現実によって読書の読み方が深まるという関係ができるということです。
ところが、書店には、子供向けのノンフィクションの本はあまりありません。そこで、言葉の森の長文は、ノンフィクションに重点を置くように編集しています。
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ウェブを見られない人にも情報を 小3父母
印刷物の言葉の森新聞がいつも途中で終わってしまい、残念です。
ウェブを見られない人にも情報を提供してほしいです。
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インターネット環境の普及は急速 言葉の森より
現在、ほとんどすべての大学で、インターネットとメールが使えなければ授業が受けられない科目があります。就職試験になると、自宅にパソコンがあってメールを受信できる環境がなければ就職活動そのものができません。インターネットは、現在では電話と同じような生活の必需品になりつつあります。しかし、現実にインターネットの環境がまだ整備されていない家庭もあることを考慮して、言葉の森新聞では、重要な記事は印刷物に載せるようにしています。
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詩の暗唱 小5父母
今の暗記力が旺盛な時期に詩の暗唱をさせるというのはどうでしょうか。
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詩の短文集 言葉の森より
ずっと昔の短文集(中学3年生用)には、茨木のり子さんや谷川俊太郎さんなどの現代詩を載せていました。今後、教材として復活させていきたいと思っています。
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作文小論文の自動採点ソフト(その3)
米国で2001年に開発された小論文の自動採点ソフトは、現在、全米の中学・高校を中心に200以上の機関で5万人の生徒に利用されています。基準となる上手な文章からの乖離度(かいりど)で評価するというソフトの性質上、文章がまだあまり上手でない中学生を主な対象にしているようです。
このソフトを導入した学校の教師のアンケートによると、いちばんのメリットは、教師の評価の負担が解消されたということと、生徒が即時評価で意欲的になったことだそうです。
私(森川林)の高校生時代をふりかえると、国語の授業で感想文の指導があったのは3年間で1回だけでした。それも、忘れたころに原稿が返ってきた覚えがあります。しかし、それは今考えると、やむを得ないことだったと思います。
国語(日本語)の学力というものを考えた場合、その学力が最も典型的に表れるのは作文力です。ところが、受験でもふだんの授業でも、作文はあまり前面に出てきません。そのかわりに、漢字の問題や選択式の問題が多数を占めています。その理由は、ただ一つ、作文は評価が大変だからです。ところが、いろいろな調査を総合すると、漢字や選択の問題の出来不出来は、作文力との相関があまりありません。作文力は、書かれた作文を読む中でしか評価できません。つまり、現在の国語の授業や試験は、国語力のいちばん重要なポイントである作文力は横に置いておいて、国語力の枝葉の部分である漢字や文法や語彙選択の問題を寄せ集めて国語力を評価しようとしているのです。
作文小論文の自動採点ソフトの役割は、国語の学習を文章力の育成という本来の姿に戻すことにあります。
ここで問題になるのは、作文というものは、人間によってしか評価できないのではないかということです。ところが、人間による評価自体、ある一つの文章について、複数の採点者の評価が食い違うことがあります。それは、人間の評価には、先入観や価値観や好みの違いなどが含まれるからです。例えば、字の上手な人の文章は一般に高得点になる傾向があります。また、直前に上手な文章を読んだあとの評価は辛くなる傾向があります。また、自分の価値観と同じ意見の文章には評価が甘くなります。つまり、人間による評価には、プラス面と同じくらいのマイナス面もあるということです。
(つづく)
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